古文入門 |
2015.11.24
私は、中学・高校の学生時代、古文・漢文は、読んでもちんぷんかんぷんで、好きにはなれませんでした。
読めるためには、文法や語彙など覚えることが山ほどあるのですが、理系学生の私は、英語や数学の勉強を優先しました。
さて、年を経て、時間に余裕ができました。私たち日本人の思考の道具である日本語の形成過程に興味を持っています。
文語体の文章がもつ簡潔さの魅力について、もっと理解したいと思い、古文の勉強を始めました。
今後、今の若い人たちが、紫式部の源氏物語のような大作を、古文の原文で読むことは、殆ど考えられません。
森鴎外の雅文体で翻訳したことで知られているアンデルセンの即興詩人も、大作ですので、原文で読まれることはなかなか難しいと思っています。
しかし、短歌や俳句のように短いものは、古文で書かれていても、文法を勉強して意味がわかれば、古文の原文のまま記憶して、自分の血肉にすることができます。
私のサイトの別のページで、石川啄木のようなわかりやすく、しかも格調高い文語体の和歌の紹介をしています。
私たちは、東京語を基礎として発達した標準語を使っていますが、一方で、自分の生まれ育った地域の方言も、日常生活に使っています。
会話においては、方言のほうが、感情をこめることができます。古文も、そういう意味では、京都で発達した方言の一つです。
口語ではなく、文語体ですが、詩や和歌、俳句などを作るときに、感情を思い切りこめることができます。
文語体は、長い日本の歴史のなかで、大切に育てられた言語です。現代日本において、忘れ去られてしまうのは、本当に惜しいのです。
さて、私は、最近、古文の勉強を始めたばかりなので、古文入門を書くだけの経験は無いのですが、
Z会から出版された仲光雄さんの「古典文法ハンドブック」を購入しました。
この本の「はじめに」に、「次の二つの違いが、わかるかな?」という問いかけがあります。
A 雨やみぬ
B 雨やまぬ
「み」と「ま」の一語が変わっただけで、全く違う意味になります。
Aは、雨が止んだ。Bは、雨が止まない。という意味です。現代の標準語よりも、短く簡潔に文章を作ることができるのが特徴です。
短歌や俳句のように少ない語数で文を作るときに、威力を発揮します。
さて、古文の文法のまとめは、この本で十分なのですが、古文の文法と、現代語の文法を対比しながら、文法の勉強をしたほうが、理解度が深まると思います。
その観点から、私なりの文法解説を、以下に展開してみたいと思います。
「やみぬ」「やまぬ」に似た問題として、
A 海ゆかば
B 海ゆけば
の違いは、わかるでしょうか。わからない方は、是非、以下の「動詞の活用」の頁の「未然形と已然形」を読んでください。
動詞の活用 2015.11.24
めんどうな動詞 2015.11.24
いろは歌 2015.11.24
ホームページアドレス: http://www.geocities.jp/think_leisurely/
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