尹大統領光復節演説全文 (2023.08.15) 

2023.09.05 

 韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、日本の植民地支配からの解放記念日「光復節」78周年を迎えた8月15日、

ソウルの梨花女子大で開かれた記念式典で演説を行いました。

 聯合ニュースが掲載した日本語訳全文が、ヤフーニュースで紹介されているのを読みました。

<「光復節」記念式典の尹錫悦大統領演説全文>
https://news.yahoo.co.jp/articles/0f358c61f34f367236f5a4c0f91cdbd1f91fcf96

 日本国民にとっても、重要な内容が含まれていますので、まず、以下に、その全文を転載します。

 

 尊敬する国民の皆様、750万人の在外同胞の皆様。今日は第78周年光復節です。
祖国の独立のため犠牲になり、献身なさった殉国先烈と愛国志士の方々に敬意を表します。
そして遺族の皆様に深く感謝申し上げます。

 われわれの独立運動は国民が主人である国、自由と人権、法治が尊重される自由民主主義国家を築くための建国運動でした。
単に奪われた国権を取り戻すもの、あるいは過去の
王政国家へ戻ろうとするものではありませんでした。
自由と人権が無視される
共産全体主義の国になろうとするものではなおさらありませんでした。
それゆえ、われわれの独立運動は人類全体の観点から見ても普遍的で正義のあるものでした。

 われわれの独立運動は、主権を回復して以降は共産勢力に立ち向かい自由の大韓民国を守ることに、そして産業の発展と経済成長、民主化につながっていきました。
いまや独立運動の精神が世界の人々の自由と平和、繁栄のため国際社会で責任と寄与を果たすグローバル中枢国家のビジョンへとつながっています。
われわれは祖国の自由と独立、そして普遍的価値のため自身のすべてを投げうった先烈たちをきちんと記憶する必要があります。
この方々をきちんと記憶することこそ、大韓民国の国家アイデンティティー、国家継続性の要諦であり、核心なのです。

 尊敬する国民の皆様、今年は朝鮮戦争の休戦協定締結70周年、韓米同盟締結70周年になる年です。
われわれは共産勢力の侵略に立ち向かい、国連軍と共に戦ってわれわれの自由を守り、その後に漢江の奇跡と呼ばれる産業化を成功させました。
自由民主主義を樹立し、韓米同盟を構築した指導者たちの賢明な決断と国民の血と汗の上に、大韓民国は世界が驚く成長と繁栄を成し遂げたのです。

 これに対し、同じ期間、70年にわたり全体主義体制と抑圧の統治を続けてきた北朝鮮は最悪の貧困と窮乏から抜け出せずにいます
自由民主主義を選択し、追求した大韓民国と共産全体主義を選択した北朝鮮の明らかな差が如実に表れたのです。

 それにもかかわらず、共産全体主義に盲従し、操作扇動で世論を歪曲(わいきょく)し、社会をかく乱する反国家勢力が依然として横行しています
自由民主主義と共産全体主義が対決する分断の現実において、こうした反国家勢力の動きは容易には消えないでしょう。
全体主義勢力は自由社会が保障する法的権利を十分に活用して自由社会をかく乱させ、攻撃してきました。
これが全体主義勢力の生存方式なのです。


 共産全体主義勢力は常に民主主義運動家、人権運動家、革新主義活動家に偽装し、虚偽の扇動と野卑で人倫に外れた工作を行ってきました。
われわれはこのような共産全体主義勢力、その盲従勢力、追従勢力に
決してだまされたり屈服したりしてはなりません。
自由民主主義は必ず勝利するという信頼と確信、そしてわれわれ皆が力を合わせる連帯の精神が重要です。

 現政権の発足後、政府は自由、人権、法治の普遍的価値を共有する国々と安全保障、先端技術での協力を積極的に進めてきました。
韓米同盟は普遍的価値で結ばれた平和の同盟であり、繁栄の同盟です。
日本はいまやわれわれと普遍的価値を共有し、共同の利益を追求するパートナーです。
韓日両国は安保と経済の協力パートナーとして未来志向で協力・交流しながら、世界の平和と繁栄に共に寄与していけるのです。
特に、
朝鮮半島や域内において韓米日の安保協力の重要性が日増しに高まっています。

 北朝鮮の核とミサイルの脅威を源泉から遮断するには韓米日3カ国間での緊密な偵察資産協力と北朝鮮の核・ミサイル情報のリアルタイム共有が必要です。
日本が国連軍司令部に提供する7か所の後方基地は、北朝鮮の韓国侵攻を遮断する最大の抑止要因になっています。
北朝鮮が侵攻する場合、国連軍司令部が自動的かつ即時的に介入して報復することになっており、
日本の後方基地はそれに必要な国連軍の陸海空戦力が十分に備蓄されている場所です。
国連軍司令部は「一つの旗の下」で大韓民国の自由を固く守るため核心的な役割を果たしてきた国際連帯の模範です。

 3日後に米大統領山荘のキャンプデービッドで開かれる韓米日首脳会談は、朝鮮半島とインド太平洋地域の平和と繁栄に寄与する3カ国協力の新たな里程標になるでしょう。
朝鮮半島とインド太平洋地域の安保は大西洋、欧州地域の安保とも深く関係しています。
それゆえ、NATO(北大西洋条約機構)との協力強化も非常に重要です。
大韓民国の安保はインド太平洋地域の安保、大西洋と欧州の安保、グローバルな安保と同じ軸の上にあるのです。

 大韓民国が国際社会で全方位の責任外交と寄与外交を遂行することは、世界の自由、平和、繁栄に寄与することであると同時に、韓国の自由、平和、繁栄を構築する道です。
政府が政府開発援助、国際開発協力、ウクライナの自由と平和のための支援に財政を投入し、力を注ぐことは、究極的には大韓民国の自由、平和、繁栄のためなのです。

 政府はまた、北朝鮮非核化ロードマップの「大胆な構想」を揺るぎなく稼働させ、圧倒的な力で平和を構築すると同時に、北朝鮮の政権が核やミサイルではなく対話と協力の道へ進み、北朝鮮住民の生活を向上させられるよう国際社会と連携していきます。

 尊敬する国民の皆様、政府は内外の挑戦とグローバル複合危機の困難のなかでも自由民主主義を守り、崩壊した自由市場経済を立て直すため奔走してきました。
堅固な韓米同盟、ひいては普遍的価値を共有する国々との連帯と協力は、対外依存度の高い韓国経済が繁栄し、発展していく土台になります。
生死がかかった安保で協力する関係は、暮らしがかかった経済と先端科学技術分野においても緊密に協力せざるを得ないのです。

 政府は揺るぎないグローバル安保協力を基盤に、積極的なセールス外交によって輸出と投資を増やし、先端科学技術での協力を拡大するため最善を尽くしてきました。
企業中心、民間中心の市場経済基調を堅固に確立し、不動産市場の正常化を推し進め、未来の世代のため無分別な放漫財政を打開して健全基調を定着させました。
そして社会的弱者に対する配慮と支援を国の核心的な社会政策として採択し、政治福祉から弱者福祉へと財政支出基調を果敢に転換しました。

 持続可能な経済成長と良質な雇用を生み出すためには、市場経済の原理がきちんと作動し、公正で正当な報酬システムが備わっている必要があります。
利権カルテルの違法を根絶し、公正と法治を確立し、特にずさんな工事で国民の安全を脅かす建設カルテルは徹底的になくすべきです。

 投資の障害になっているキラー規制は迅速に取り除き、予算を分け合う形のR&D(研究開発)のやり方を見直し、科学技術の革新を推進していきます。
科学技術の競争力の核心はまさに人です。結局は人材を育成することなのです。
未来の成長エンジンである先端科学技術に果敢に財政を投じ、さまざまな学問の分野が協力して融合型人材を育てられるよう、高等教育を速やかに革新していきます。

 また、教師の権威が尊重され、教育現場が正常化されるよう努め、児童・生徒の学習の権利が実質的に保障されるようにしていきます。
教育現場では規則が正しくあるべきで、教師の権威を尊重することがまさに規則を樹立する道です。

 国民の皆様、われわれは自分たちの代で国権を回復する可能性が低かった暗黒の時期にも、国民が主人になる国、自由民主主義の国という夢をあきらめませんでした。
自由を求めて出発した大韓民国の旅は今、われわれに自由と独立だけでなく平和と繁栄をもたらしてくれました。
われわれはいまや世界の人々の自由、平和、繁栄に責任を持って寄与するという歴史的な宿命を喜んで受け入れねばなりません。

 これに向け、われわれがずっと前に自由を求めて始めた旅はこの先も続けていかねばなりません。
過去とは違い、いまやわれわれの旅は孤独なものではありません。
全世界の多くの友人たちがわれわれと共に歩み、われわれを応援しています。
自由を求めて苦難と栄光を共にした大韓民国の国民の皆様を誇らしく思います。
ご清聴ありがとうございました。

 尹大統領は、前の文大統領の左派路線を、180度転換させて、保守路線を進もうとしています。

前政権が最大規模に育て上げた反日世論を、なんとか終了させようと努力しています。

尹大統領の任期5年の間に、この変革は、どこまで進むでしょうか。

次の政権が、左派政権に戻ってしまうと、尹大統領の5年間は、全く、無に消え去ってしまいます。

尹大統領の5年間で、韓国世論が、反日から親日に転換できるかどうかは、

今後の日韓関係にとって、非常に重要です。

 YouTubeの デイリーWiLL の動画

【西岡力】韓国政府が極左勢力に宣戦布告!【デイリーWiLL】
https://www.youtube.com/watch?v=z02FIX6edd8

で、西岡さんは、尹大統領は、この演説で、尹大統領は、左派の反対勢力に対し、

宣戦布告を語っているが、尹大統領だけが、突っ走っているようで、

与党側勢力が、強い味方になっているようでもない。

これは、第一次安倍政権の時のようだ。と語っています。

 第一次安倍政権のとき、安倍さんは、改革を急ぎましたが、大きな抵抗にあい、

みずからの病気の再発もあって、1年で、退陣となってしまいました。

 第二次政権では、政治改革よりも、アベノミクスという経済政策の方を前面に出して、

経済と政治の改革を推進しました。

 尹大統領は、いかにして、彼の改革を推進できるでしょうか。

今、韓国は、重要な時期にあります。

 

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