安良岡康作 歎異抄 対訳古典シリーズ 旺文社 (1988) |
2016.9.9
:携帯に便利な文庫本ですが、さらに、見開き2頁の右頁上に原文が、左頁上に翻訳が、下半分に注釈、と収まっているので、
非常に、便利です。
古本でしか手に入りませんが、表紙カバーの佐多芳郎さんの仏の横顔と手前に蓮の花を配置したカバー画が、とても素晴らしいです。
アマゾンの古本サイトには、残念ながら表紙の写真はありません。
歎異抄の勉強には、より詳細な 歎異抄全購読 の方を使っていますが、こちらも、なにかと便利です。
巻末の解説に、歎異抄を読まれる方へ というち安良岡さんからのメッセージがありますので、紹介します。
安良岡さんは、太平洋戦争中、昭和17年から18年にかけて、ジャワ島のスラバヤ市にあって、日本から持っていった歎異抄を、
繰り返し読み、思い立って、第一章から暗記・暗誦するように心がけました。
以下、原文を引用します。
暑い道を歩きながら、また、緑濃い樹陰に憩いながら、この書の文句が頭の中を光るように流れて、
ともすれば荒み勝ちな心を支えてくれたのであった。
本をくり返し読むことの味わいというものがいかなるものかを、わたくしは、
この時ほど、身に沁みて経験したことはなかったのである。
この経験は、復員後、わたくしを歎異抄の研究に導く原動力となった。また、いまでも、
わたくしの心をこの古典にしっかりと結びつけている。
そして、歎異抄を体読し、生涯の書として読み続けておられる、何人かの方々に伺ってみると、
そういう献身的読者は、例外なしに、暗記・暗誦できるまで反復熟読して飽くことを知らぬ人々であることを知ったのである。
このことは、この宗教的古典が汲めども尽きぬ恵みの泉であることを証して余りあると思う。
わたしには、全文を暗記する決意はありませんが、暗誦して体読することの貴重さを、感じますので、部分的に挑戦してみたいと思います。
ホームページアドレス: http://www.geocities.jp/think_leisurely/
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