安田登 体と心がラクになる「和」のウォーキング (2012) |
2017.11.17
この本の副題は、”ゆっくり歩き”で全身協調性と深層筋が目覚める です。
「はじめに」で、二時間程、正座した後で急に走り出したら、右ふくらはぎの上部で肉離れを起こした時、
二日後に能楽の本番があるが、すり足ができればいいので、治療に努め、無事、本番の舞台をつとめることができたことから、
ふくらはぎをあまり使わず、大腰筋を中心とした歩行が可能であることを実感したという経験が語られています。
第1章 ゆっくり歩いてからだをリセット を簡単に要約します。
人間は直立二足歩行で、手が自由になりましたが、重い頭を上にした直立姿勢は、かなり不安定で、
体中の筋肉がしっかりしていて、上手に連動する「全身協調性」が必要です。
この協調性を整えるのに最も有効なのが、ゆっくり歩き、スローウォーク なのです。
ゆっくり歩きは、疲れないので、何kmでも歩けますが、脂肪は殆ど消費されないし、筋肉を鍛えることもできません。
しかし、深層筋、特に、脚を挙げる働きをする深層筋である大腰筋が活性化されます。
オリンピックで上位の成績を取るようなトップアスリートは、大腰筋が発達していることが知られていますが、
体の深層にある大腰筋は、意識することが難しく、なかなか鍛えることはできません。
深層筋を使うときに大事なことは、ゆっくり行うことと、小さな動きで行うことと、長時間行うこと です。
昔の人々にとって旅とは歩くことでした。また昔の旅は、多くが信仰による巡礼でした。
そこでは、ゆっくり、長い距離を、景色を眺めながら楽しく歩くことが特徴で、これが「和」のウォーキングなのです。
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