仮想現実 バーチュアル・リアリティ |
2017.5.25
今、ヘッドマウントディスプレイを用いた、仮想現実の技術が、飛躍的に発展中です。
右目と左目の眼前に、少し視点のずれた映像を見せ、それが頭の動きに合わせて変化すると、人間は、形成された3次元空間の中に、没入した自分を発見するのです。
これは、将来的には、ロボットの両眼の映像をヘッドマンウンで見て、人の頭の移動と完全に同期させて、ロボットの頭を動かすと、
人は、今、ロボットがいる所に、自分がいて、あたりを見回しているという、とんでもない体験ができるようになることを示唆します。
人間の視覚入力は、網膜に映った画像ですが、画像は、目を動かすと、大きく変化します。テレビカメラを動かすと、画像が変化するのと同じです。
ところが、人間は、その視覚情報から、自分が、三次元空間の中にいて、自分が、その中で動いていると認識するのです。
三次元空間の認知能力を、人間は持っているということです。
人間の目の網膜には、盲点があって、映像が見えない部分があるのですが、私たちは、それを意識しません。
右目と左目で、それを補いあっているという説明をする人もいますが、それは間違いで、片目をつむったままで、頭を動かしても、立派に三次元空間は、構築されています。
さて、ヘッドマウントディスプレーは、人が、頭を動かしたときに、それに応じて、映像を変化させないといけないのですが、
それがずれてしまうと、人間のこの能力にダメージを与えてしまいます。子供には、結構、危険な作用があるようです。
私も、この技術が、成熟して、安全性が確認されるまでは、自分では、試さないつもりでいます。
自動車の自動運転技術の発展と、同じではないでしょうか。事故に合いたくは、ありません。
安全で、廉価なヘッドマウントディスプレーが、登場するのを待つ間、以下のことを考えてみました。
さて、私たちが認識する三次元空間には、物が存在しています。物の存在は、触って確かめることができます。
それが、沸騰したお湯であれば、熱さを感じて、触ろうとはしません。
目の前にいて会話の相手をしてくれる友達も、確かに、そこに実在します。
ところが、それが、夢だったらどうでしょう。
そうなんです。私たちが、視覚や触覚などで、外界のイメージを構築しますが、外界が、なくても、イメージは、構築できるのです。
記憶の再生能力の高い人は、夢に頼らずとも、ちょっと念ずれば、音楽や映像を呼び起こすことができました。
しかし、仮想現実技術によって、だれでも、いつでも、イメージを構築できるようになるのです。
先程のロボットの、指先に触覚センサーをつけておいて、ロボットが、物にふれたとき、その触覚を、遠隔の人間の指先に再現したら、その人の臨場感は、さらに、確実になるでしょう。
2017.6.5
私が、ヘッドマウントディスプレーの記事を書いたのは、東京に住んでいる私の息子が、ヘッドマウントディスプレーを購入したということを知って、刺激されたからです。
最近、息子に会ったときに、使用感を聞いたところ、没入感はあるけれど、頭がおかしくなる危険を感じて、手離したと言っていました。
私も、もう少し待つことにしたほうがよさそうです。
さて、視覚の仮想現実技術は、やっと今始まったのですが、聴覚の仮想現実の技術は、もっと前からあります。
バイノーラル録音(binaural recording)といって、両耳をもった人間の頭部模型の鼓膜の部分に、マイクロフォンを置いて、録音します。
それを、ヘッドフォンで再生して聴くと、音源の位置が前後左右の移動するのが、リアルに認識できます。
ウィキペディアの バイノーラル録音 のページ
に、バイノーラル録音の音声サンプルがありますので、ヘッドフォンで聞いてみてください。
録音の最後に、あなたの右後ろから、"Hi, there. How are you doing today? Good?!" と、囁かれます。
ヘッドフォンで、こういう録音を聴き続けていると、確かに、頭がおかしくなる予感がします。
仮想現実は、かなり危険な技術かも、しれませんが、ラジオを知らない人が、ラジオから音がするのを聞いたときや、
テレビを知らない人が、初めてテレビを見たときには、本当に、びっくりしたと思いますので、
将来の私たちも、仮想現実技術には、ちゃんと適合していくのだろうと、推測します。
ホームページアドレス: http://www.geocities.jp/think_leisurely/
自分のホームページを作成しようと思っていますか? |
Yahoo!ジオシティーズに参加 |