竹内久美子 そんなバカな! 遺伝子と神について (1991) |
2020.5.4
竹内久美子さん(1956-) は、動物行動学研究家のエッセイストです。
『浮気人類進化論』や『男と女の進化論』を書かれたあと、この本『そんなバカな』が、ベストセラーになり、
講談社出版文化賞を受賞するなど、一躍有名になりました。
私の手元にあるのは、文春文庫版ですが、柴門ふみさんが解説を書いています。
少し引用しますと
おそらく、竹内久美子のファンは圧倒的に男性が多いのではないかと思う。
利己的遺伝子というモノサシをあてて、すべての事象を解明してゆくという行為は、
複雑な数式に、ある公式をあてはめて解いてゆく、つまりは数学的な発想に似ている。
そうして、だいたいにおいて女は数学が苦手である。公式にあてはめて分析するよりも、
「それは、霊のしわざなのよ」 で、すべて解決してしまう方が女は得意なのだ。
そうです。この本は、屁理屈をこねて楽しむ人のための本なのです。
目次は
第一章 すべては遺伝子から始まった
第二章 我々は乗り物(ヴィークル)である
第三章 利己的遺伝子の陰謀を暴く
第四章 利己的遺伝子のさらなる陰謀
と、結構、主要テーマに関係していて、動物行動学は、いろんな題材が豊富なので、
屁理屈をこねるには、最適の場所なのです。
文庫本版には、おまけとして、美人論がついています。
女性には、美形か普通の顔かの二通りあるとして、自分が子孫を残せるかに関しては、
余り影響がないので、美形遺伝子がどんどん増えることにはなっていないのだそうです。
男は、美形であれば、大勢の子孫を残せる可能性があり、モテない男は、一人も子孫を残せないのに較べて、
女は、残せる子孫の数にそんなに違いはでないのだそうです。
しかし、彼女の息子の繁殖能力を考えると、彼女が、美形の場合、
夫は面食い遺伝子わ持っている可能性が高く、息子もその可能性が高いのです。
彼女が普通の顔の場合、夫は面食い遺伝子を持っている可能性が低く、息子もしかりなのです。
面食い遺伝子を持っている息子と、持っていない息子のどちらが繁殖競争に勝つかというと、
面食い遺伝子をもっていない方なので、普通の顔の遺伝子は、淘汰されないのです。
こういう屁理屈は、いくらでも、ケチをつけることができます。逆のケースもありえます。
いろんなケースがあることを考えるのが、頭の体操です。
生命は、遺伝子に操られていると、遺伝子を擬人化して考えることは可能ですが、
別に、遺伝子を擬人化しなくても、生命は、種の生き残りを画策していると言う事もできます。
生命力を高めるためにも、どうやって、種を存続させていくかを考えることはいいことだと思います。
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