杉田水脈 なぜ私は左翼と戦うのか (2017) 

2023.07.20

 杉田水脈(すぎた みお、1967年4月22日生) さんは、神戸市生まれで、1990年に、鳥取大学農学部林学科を卒業後、積水ハウス木造(現在は積水ハウスに吸収)に入社しました。2年後の1992年に、西宮市役所に移った経緯は、本書で語られています。

 西宮区役所の労組は、共産党系の日本自治体労働組合連合(自治労連)で、杉田さんが入所してからの共産党との闘いの詳細が、本書で語られます。

 2010年に、18年勤務した西宮市役所を退所し、政治家となって、国政に出ることになります。

2012年12月に、日本維新の会公認で、衆議院選挙に立候補し、小選挙区では敗れましたが、比例復活で当選しました。

2014年12月の衆議院選挙では、日本維新の会が分党したため、次世代の党として出馬しますが、落選しました。

 本書は、落選中に書かれたものですが、2017年10月の衆議院選挙で、自民党の比例中国ブロックから立候補し、当選します。
また、2021年10月の衆議院選挙でも、比例中国ブロックから立候補して、当選しました。

 本書は、目次だけでも内容がわかるくらい目次が詳しので、目次を、末尾に示します。

 

 第五章の最初の「左派思想は日本を亡ぼす元凶」の最初の部分を紹介します。

 世の中には、「悪しき人権主義」というべきものが広くはびこっています。
それは魔物のようにいつの間にか我々の近くにしのびより、耳に心地よくその主張が「正論」として響いてきます。

 うっかりすると、それに心を奪われかねません。

 しかし、彼らが「正義だ」とか「真実だ」などと主張していることに、騙されてはいけません。それは「悪魔の甘いわな」なのです。これまでもそうしたことで日本や日本人が惑わされた結果、とんでもない状況に追い込まれたことが何度もありました。

 たとえば1982年に起こった教科書問題です。

 事件の発端は1982年6月26日、大手新聞各紙が高校で用いられる教科書が、教科書検定で「(華北への)侵略」から「(華北への)進出」に表現が変更させられたと報道したことです。
(中略)
 しかし日本の教科書が検定で、「侵略」から「進出」に変更された事実はありませんでした。・・・・・

 なぜこのようなことが発生したのか。私はこれこそ「悪しき人権主義」というものが原因だと思います。

 

 何故、誤報が生じたかについては、産経新聞の以下の記事に、詳細に語られています。

2017.04.30
教科書検定「侵略→進出」は大誤報だった 「虚に吠えた中韓」暴いた渡部昇一さん
https://www.sankei.com/article/20170430-B6GDBFPDOVP5FF525HPTBRGNCU/5/

 当時、文部省の記者クラブでは、教科書チェックを各社が分担していて、実教出版の世界史を担当した

日本テレビの記者が、「日本軍が華北を侵略すると」という記述が、「日本軍が華北に進出すると」に変わったと

報告したことが原因だったようです。

 実際には、検定前から進出と書かれていたのですが、各社は、確認もせず報道したため、誤報となってしまいました。

 さて、杉田さんは、「悪しき人権主義」という言葉を使っていますが、人道主義という言葉を使って、以下のように続けています。

 この記事を書いたのは大手メディアの記者たちで、社会的にエリートといってよいでしょう。戦後、そういう人たちは「日本は中国や朝鮮半島に悪いことをしてきた」と思いこんでいるのです。

 ですから「日本はこれからも悪いことをし続け、中国や韓国の人たちの権利を害する」という視点が職業的構造としてできているのです。

 すなわち彼らにとっては、中国や朝鮮半島の人たちは「日本に虐げられた可哀そうな人たち」で、そうした被害を報じて日本をこらしめる自分たちは、ヒーローという位置づけをしているわけです。

 それに乗じたのが中国や韓国の反日プロパガンダ。なんでもかんでも「歴史問題」にしてしまい、日本に責任を突き付けてきます。こうして日本に対して永遠に謝罪を求め続けるのです。

 要するにこうした国の反日は、日本国内の大手メディアが安易な「人道主義」と協力して創り上げているものだったのです。

 そうしてその人道主義というのは、「中国や韓国とともに日本を批判していれば、自分たちはインテリっぽくてカッコいい」ということです。そこには真実に対する尊敬の念もなければ、歴史に対する正確な理解もありません。ウソをつくことの両親の呵責すらない、得手勝手な自己満足に尽きるのです。

 杉田さんの指摘するように、反日報道に協力している日本の大手メディアの記者たちは、多分、自分たちのことを、日本をこらしめるヒーローと思っているのでしょう。

 しかし、これは、大きな間違いです。記者たちも、日本人なのですから、悪いことをした日本側の人なので、自分たちも、中国や韓国の人に、率先して、謝らなければならない立場にあるのです。

 また、そのまえに、日本の若者たちに対して、以下のように謝らなければならないのです。

「昔の日本は、アジアに対して、悪いことをしたので、アジアに対して、誤りつづけなければならない。そして、キリスト教の現在のように、あなたたち若者も、アジアに対して謝り続けなければならないのです。本当に申し訳ないが、受け入れてください。」

 これは、子孫に対する冒瀆です。

 日本が、南京で30万人虐殺したことは、ドイツのユダヤ人虐殺に匹敵する悪事として、国際的に認められています。

朝鮮で、20万人の朝鮮女性を、性奴隷としたことは、あの時代の最大の性犯罪として、国際的に認められています。

それらが事実であるとすれば、日本人は、誠実に、謝り続けなければなりません。

左派の人達が、本当にそう思っているならば、率先して、自ら、謝って欲しいと思います。

 しかし、多くの日本人は、そのようなことをかつての日本が行ったとは、思っていません。

 

目次

序章 はじめに
(01) 国会議員としての夢
(02) 正しいことを正しいといえる日本を目指そう

第一章 地方自治体は共産党に支配されている!
(01) なぜ地方公務員になろうとしたのか
(02) 市役所の職員になるとすぐに労働組合加入を強制
(03) 係長になると、赤旗購読が義務付けられる
(04) 「これが共産党の嫌がらせやで」
(05) 赤旗購読は資源の無駄
(06) 収入のない大学生にも、赤旗を押し付けようとした
(07) 共産党に阻まれて目覚めたこと
(08) 勉強会にも共産党の妨害が
(09) いよいよ政治の世界に
(10) 渡辺喜美氏が「国政に出ればいい」
(11) 衆議院で当選する

第二章 高福祉国家の幻想 〜 デンマークは人間に幸せな社会なのか
(01) 実際に見てわかった「模索するデンマーク」
(02) 「フォルケフォイスコーレ」の校長が語った民主教育のデメリット
(03) 平等主義が学力低下を招く
(04) 女性の地位向上で少子化促進
(05) デンマークの女性の社会進出の実態
(06) デンマーク人にとって家族とは何なのか
(07) 日本とデンマークでは、育児のコンセプトが異なる
(08) デンマークは手本にならない
(09) デンマーク人も移民の増加に困惑している

第三章 移民を受け入れることの危険性
(01) 一枚の写真がきっかけになった
(02) 難民受け入れに後悔するヨーロッパ
(03) 日本は難民を受け入れるべきではない
(04) 北朝鮮の流民が日本でテロを起こす可能性
(05) ハンミちゃ事件を忘れるな
(06) 中国人が蜂起したら・・・・・
(07) そもそも移民政策は日本に資するのか
(08) アメリカのトランプ大統領が誕生し、難民排斥は世界の潮流になりつつある

第四章 蓮舫氏は働く女性の味方ではない
(01) イメージアップのテレビ出演のはずが・・・・・
(02) 共産党との共通点が見える
(03) 親として基礎的な子どもへの配慮がない
(04) 「私は神様に選ばれた存在」というおごりたかぶり
(05) 二重国籍問題をどうにかしなさい!
(06) とんでもない事件は代表の危機管理の甘さから
(07) 反省なしの蓮舫体制に、将来はない
(08) 代表が党内混乱の原因に
(09) 着物で見る日本文化への無理解
(10) 「蓮舫代表」 が意味するものとは
(11) このままでは民進党も国も滅びますよ

第五章 まやかしの人権主義にだまされるな
(01) 左派思想は日本を亡ぼす元凶
(02) 火を付けるのは日本の左翼
(03) 夫婦同姓こそが家庭の基本
(04) LGBTは本当に認めるべきなのか
(05) 男女平等は実現しえない妄想
(06) LGBTの主張は社会に不要な特権
(07) たんなる同情で不法滞在を援護することの愚かさ
(08) 反日国連総長は、母国の国民に見捨てられた
(09) 反日団体がはびこる国連の実態
(10) 反日日本人が慰安婦問題の火種を付けた
(11) 分担負けしている日本
(12) 外務省改革が必要だ
(13) 「防衛予算は殺人予算」といってはばからない人道主義
(14) 得て勝手な偏向教育で子どもを傷つけ、分限免職された中学教師

第六章 日本再生の鍵はこれだ
(01) 日本再生は可能だ
(02) 中国でさえ認める天皇陛下という大きな存在
(03) 靖国の心を忘れるべきではない
(04) 父性の喪失が問題の根源だ
(05) どうして父性を喪失するのか
(06) 女性活躍を持ちあげることが父性の喪失を促しているという事実
(07) 「父性の喪失」が共産主義の台頭を許す
(08) もっと父親に責任を!

終章 現在の関心事・フランスの国民戦線
(01) マリーヌ・ル・ペンの国民戦線に注目する
(02) 新しい受け皿としての保守政党

 

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