清水義範 わが子に教える作文教室 (2005)

2024.02.04

 最近、清水さんの本を、沢山読んでいて、感想文を順次、アップしてゆきます。

「小説家になる方法」に続き、2冊目に、この本を取り上げます。

 子を持つ親として、子供が、スポーツや楽器演奏などに興味を持ってくれるのも嬉しいですが、

基本としての読み書きの能力も、ちゃんと身に着けて欲しいものです。

 この本の著者の清水さんは、小学生の作文教室を12年間続けられたという経験をお持ちです。

名古屋で小学生の学習塾を開いている弟さんのところで作文教室が企画され、

生徒の作文が、東京に住む清水さんのところにファックスで送られ、

添削と指導をつけて送りかえすという形で実施され、

12年間で、のべ200人くらいを指導したそうです。

 その後、「週刊現代」に、「『作文親父』星一徹」というタイトルで、作文教室のお話を、

30回にわたって連載された内容が、本書となりました。

 本書を読んでの乾燥は、すでに、note にアップしましたが、

そこではも特に、以下の章について、取り上げました。

第19回 読書感想文は書かせるな
第23回 物語作りに挑戦
第28回 長いものを書ききる

 ご参照ください。

  小説家になる方法 05
  清水義範 わが子に教える作文教室 (2005)
  
https://note.com/think0298/n/nee978b5b889a

 

 30回の講座は、すべてに、役に立つ情報が満載ですので、

以下に、全体にわたってのまとめを記載します。

 

01回 まずは書かせる法

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 あのマンガ本を買ってほしいとか、あのゲームがほしいなんて子供言うとする。その時、そのマンガやゲームがほしい理由を二百字で書いて、それを読んでなるほどと思ったら買ってあげる、と言ってみよう。必死で説得力のある文章を書こうとするはずである。

02回 原稿用紙にたて書きで

 漢字と仮名の混じった日本語の文章は、たてに書いてこそ美しいので、ケイ線のワクがある原稿用紙に、文字の大きさをそろえながら手書きで書くことが大切なのだそうです。

03回 ほめてやる気を出させろ

 これは説明不要ですね。

04回 ことばで遊ばせろ

 しりとり遊びや、だじゃれなども、言葉に興味を持たせる効果があるそうです。

05回 長短とテンマル(その1)

 「さようなら。」と「さようなら」 のどちらが正しいでしょうか?

06回 長短とテンマル(その2)

 ずるずると長い文章をつなげて書く子には、テンとマルの使い方を教えましょう。

07回 読みたくなる題名を

 作文のタイトルをつけるときに、「釣りに行ったこと」ではなく「逃がした魚」のように注意を引く裏技を教えましょう。

08回 テーマをしぼりこめ

 その日あったことを順に全部書くのではなく、テーマを絞り込みましょう。

09回 擬人法にトライしよう

 「ぼくは、とてもおなかがへっているクマだ。」という書き出しで、このあとを作ってごらん、とすすめてみましょう。

10回 比喩って楽しいです

 子供に作文を指導する場合、テクニックばかりを育てあげようとしないほうがいいという意見に対し、清水さんは、テクニックを教えることの有効性を、比喩を褒めたときの教室の様子を語って説明しています。

11回 ひとの作文を読む刺激

 夏休みに名古屋に直接指導に行って、ある生徒の作文を読み上げたときの、教室の変化の様子を語っています。

12回 小学生作文の文体

 多くの子供は、作文を、です・ます調で書くのは、作文を読むのが先生であることを意識しているのかもしれないが、突然、だ・である体で書いた子供の例を取り上げて、その文体の意味を探ります。

13回 接続詞を教えよう

 接続詞が上手に使えるようになるため、「今日は、『ところが』を使って作文を書いてみよう」というような接続詞ゲームを、使ってみましょう。

14回 箇条書きという手もある

 箇条書きは、簡単で、教えやすいテクニックです。

 さらに進めて、「ぼくのすぐれているところを、十項目書き並べてごらん」というような列記ゲームは、言語能力と、思考力と、ギャグの力を育てる指導法になります。

15回 形容詞は心の響き

 作文にあまり形容詞を使わない子がいたら、質問してみましょう。

 転校生が来たと書かれていたら、「かわいい子なの」「背が高いの」「意地悪そうなの」などと質問すると、

 子供は、物事はくわしく説明するほど明瞭によくわかることを、知っていくようになります。

16回 手紙はチャーミングに

 子供に手紙を書いてみましょう。

17回 観察文はクールだが

 事実を語る観察文に、自分の心を語る文学性を育てる教育の問題点について

18回 調査報告文を書ける才能

 小学生も高学年になると、個性がかなりはっきりしてきて、心の動きを書くのがうまい子、

物語をうまく作る子、観察分がうまい子、事実を新聞記事のように書くのがうまい子、

宣伝コピーのようなものがうまい子などがいるので、その子の能力をのばしましょう。

19回 読書感想文は書かせるな

 note の記事参照。

20回 「本の帯」を作ってみる

 本の宣伝のための帯の文章を作るゲームも、やってみましょう。

才能には向き不向きがあるので、楽しくあまくできる子と、苦手な子に、分かれるようです。

21回 よい子の作文でなくていい(その1)
22回 よい子の作文でなくていい(その2)

 作文は、まず、先生に読まれるので、どうしても、よい子の作文になってしまいます。

23回 物語作りに挑戦

 子供が作文を書くことを苦痛に思わなくなってきた段階で、何か物語を書いてごらんと勧めてみましょう。

24回 パロディの楽しさ(その1)
25回 パロディの楽しさ(その2)

 男の子は、パロディを書くのが得意ですが、女の子はなぜかパロディを書きません。

 清水さんは、男性脳と女性脳の違いがからんでいるのではないかと、推察します。

26回 作文にユーモアがある時

 ユーモアのある作文は、ほんとうに楽しいですね。

27回 作文にユーモアがない時

 ユーモアのない作文の場合の指導法が語られます。

28回 長いものを書ききる

 note の記事参照。

29回 伝わるかどうかの吟味

 最も大切なポイントに注意して、伝わるかどうかを配慮することを教えましょう。

30回 発表の場を作ってやる

 面倒かもしれませんが、子供の作文を発表する場を考えてあげましょう

 

ご意見等がありましたら、think0298(@マーク)ybb.ne.jp におよせいただければ、幸いです。

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