詩吟 全国吟詠コンクール 指定吟題 2020 

2019.11.26

 令和2年度の指定吟題 10曲です。

漢詩原文読み下し文、と、現代語直訳、のあとに、

詩吟の読みをひらがなで示し、

譜付けの一例を、下記の数字記号で示します。

 ラ シ ド レ ミ ファ ラ シ ド
 乙 1 2 2゚ 3 3゚ 5 6 7

 

●1 寒夜即事 寒夜の即事 (かんやのそくじ) 寂室元光(じゃくしつ げんこう)

説明 即事は、即事即詠の意。その場の事柄について漢詩を詠み吟じること。

風攪寒林霜月明  風は 寒林を攪(みだ)して 霜月 明らかなり

  風が吹いて寒林を乱し 寒月が明るく輝いている

客来清話過三更  客(かく)来たって、清話し、三更を過ぐ

  客が来て清談(浮世離れの清らかな話)し、三更(夜の12時前後)が過ぎた

炉辺閣筯忘煨芋  炉辺に、箸を閣(お)いて、芋を煨(や)くを忘れ

  炉辺に、火箸を置いて、芋を埋めて焼いているのも忘れてしまった

静聴敲窓葉雨聲  静かに聴けば窓を敲(たた)く葉雨の聲

  静かに聴けば、それは窓を叩く葉雨(雨の様に降る落葉)の声でした

 

かぜは〜 かんりんを〜 みだして〜   そうげつ〜      あきらかなり〜
2゚3゚3゚〜 3゚5555〜 2゚3゚33〜3゚3 5666〜7653゚3 23゚333゚3〜3゚321乙

かくきたって〜    せいわし〜   さんこうを〜     すぐ〜
乙1乙211〜21乙 3゚333〜3゚3 3゚5555〜653゚3 3゚3〜

ろへんに〜    はしをおいて〜    いもをやくを〜      わすれ〜
3777〜676 766566〜765 23゚3566〜7653゚3 233〜3゚321乙

しずかにきけば〜    まどをたたく〜   よううの〜     こえ〜
2111乙21〜21乙 3゚3323゚3〜3゚3 6555〜653゚3 3゚3〜

 

●2 赤馬関舟中作 赤馬が関舟中(しゅうちゅう)の作 伊形霊雨(いがた れいう)

説明 赤間が関は、下関の旧称。馬関ともいう。

長風破浪一帆還  長風、浪を破って一帆(いっぱん)還る

 遠くから吹いてきた長風で、波を破って進み、一隻の船が戻ってきた

碧海遥回赤馬関  碧海(へき)遥(はる)かに赤馬が関を回(めぐ)る 

 青い海が、遠く、赤間が関を廻って広がっている

三十六灘行欲盡  三十六灘(だん)行くゆく盡きんと欲す  

 三十六もの灘(なだ)を行き進んで、もう尽きよう(終わろう)としている

天辺始見鎮西山  天辺(てんぺん)始めて見る鎮西の山

 天辺(天の彼方)に始めて見えてきました。鎮西(九州)の山が

 

ちょうふう〜なみをやぶって〜   いっぱん〜      かえる〜
2゚ 3゚3゚3゚〜3゚53゚2゚3゚ 3〜3゚3 5666〜7653゚3 3゚33〜3゚321乙

へきかい〜    はるかにめぐる〜   あかまが〜     せき〜
乙111〜21乙 3゚333233〜3゚3 3゚555〜653゚3 3゚3

さんジュう〜  ろくだん〜    ゆくゆく・つきんと〜      ほっす
766 6〜765766〜765 2333・5766〜7653゚3 233〜3゚321乙

てんペん〜    はじめてみる〜   ちんぜいの〜     やま〜
乙111〜21乙 23゚333゚3〜3゚3 3゚5555〜653゚3 23〜3゚3

  

●3 望立山  立山を望む  国分青(こくぶせいがい)

夢見名山四十年  夢に名山を見ること四十年

 夢に名山を見ること四十年

暮投山麓只雲煙   暮に山麓に投ずれば只(ただ)雲煙(うんえん)   

 昨晩、山麓に宿泊したが、ただ、雲煙に覆われて(何もみえなかった)

天明日出驚相損   天明(てんめい)日出(いで)て驚(おどろ)き相(あい)損(ゆう)すれば

 空が明るくなり太陽が出て、驚いて、丁寧に会釈すると

玉立群仙在我前   玉立せる群仙、我が前に在り

 並び立つ仙人の群れが、私の前に在りました

 

ゆめに〜 めいざんを みること〜   しジュう〜     ねん〜
3゚53゚〜 53゚3゚3゚3゚ 3゚333〜3゚3 57 6〜7653゚33゚3〜3゚321乙

くれに〜    さんろくにとうずれば〜   ただ〜     うんえん〜
乙11〜21乙 2333323゚3゚33〜3゚3 65〜653゚3 2333〜3゚3

てんめい〜    ひいでて〜    おどろきあい〜      ゆうすれば〜
3777676 6766765 23゚3゚3゚767653゚3 23゚3゚333゚321乙

ぎょくりつせる〜    ぐんせん〜   わがまえに〜     あり〜
乙 11121〜21乙 2333〜3゚3 65655〜653゚3 3゚3〜

 

●4 易水送別 易水送別(えきすいそうべつ) 駱 賓王(らく ひんのう)

此地別燕丹    此の地燕丹(えんたん)に別る

 この地で、荊軻は、燕の国の太子 丹 と別れた

壮士髪衝冠    壮士髪冠を衝く

 勇士 荊軻は、「風蕭蕭として易水寒し。壮士一たび去って復還らず」と歌い、その髪は、逆立って冠を貫いていた

昔時人已没    昔時(せきじ)人 已に没し

 昔のことで、人々はすでに没したが

今日水猶寒    今日水猶お寒し

 今日、易水の水は、猶も冷たい。

 

このち〜    えんたんに〜      わかる〜
2゚3゚3゚33゚3 3゚37667653゚3 23゚3〜3゚321乙

そうし〜    はつ〜   かんむりを〜     つく〜
211〜21乙 3゚3〜3゚3 3゚5555〜653゚3 23

せきじ〜    ひと すでに〜      ぼっし〜
766〜765 23 766〜7653゚3 2 3〜3゚321乙

こんにち〜   みず なお〜     さむし〜
2111〜23 23 65〜653゚3 53゚3゚〜3

 

●5 楓橋夜泊 楓橋夜泊(ふうきょうやはく) 張継(ちょうけい)

説明 楓橋は、江蘇省蘇州の西郊にある橋

月落烏啼霜満天   月落ち烏(からす)啼いて霜天に満つ

 月が沈み、烏が鳴いて、霜の気配が、空一面に満ちている

江楓漁火対愁眠   江楓(こうふう)漁火(ぎょか)愁眠(しゅうみん)に対す

 岸辺の楓(かえで)や、漁船の漁火が、愁眠の目に映る

説明 愁眠は、旅愁のために熟睡できず、うつらうつらしていること。

姑蘇城外寒山寺   姑蘇(こそ)城外の寒山寺

夜半鐘聲到客船   夜半の鐘聲(しょうせい)客船(かくせん)に到る

 夜半の鐘の音が、私の乗っている客船まで届く

 

つきおち〜 からすないて〜    しも てんに〜      みつ〜
2゚3゚53゚〜 6552゚3゚3゚〜33゚3 23 766〜7653゚3 3゚3〜3゚321乙

こうふう〜    ぎょか〜   しゅうみんに〜     たいす〜
乙111〜21乙 3゚ 3〜3゚3 3゚ 5555〜653゚3 3゚33〜

こそ〜 じょうがいの〜    かんざん〜     じ〜
76〜 7 6666〜765 7666〜7653゚33〜3゚321乙

やはんの〜    しょうせい〜   かくせんに〜     いたる〜
2111〜21乙 2 333〜3゚3 3゚5555〜653゚3 23゚3

 

●6 山行  山行(さんこう)  杜牧(とぼく)

遠上寒山石径斜    遠く寒山に上(のぼ)れば石径斜なり

 奥深く寒山に上ると、石の多い小道が、斜めに走っていた

白雲生處有人家    白雲生ずる處人家有り

 白雲が生じるかなたに、人家がある

停車坐愛楓林晩    車を停めて坐(そぞろ)に愛す楓林の晩(くれ)

 車を停めて、わけもなく、楓林の晩の風景を楽しむ

霜葉紅於二月花    霜葉(そうよう)は二月の花よりも紅なり

 霜で赤くなった楓の葉は、二月の花よりも赤い

 

とおく〜 かんざんに〜 のぼれば〜   せっけい〜      ななめなり〜
2゚3゚3゚〜 53゚3゚3゚3゚〜 2゚3゚3゚3〜3゚3 5 66〜7653゚3 23゚33゚3〜3゚321乙

はくうん〜    しょうずるところ〜   じんか〜     あり〜
乙111〜21乙 2 333233〜3゚3 655〜653゚3 3゚3

くるまを とどめて〜   そぞろに あいす〜 ふうりんの〜      くれ〜
3777 5766〜76 5666 766〜 56666〜7653゚3 23〜3゚321乙

そうようは〜    にがつの〜   はなよりも〜     くれない なり〜
乙1111〜21乙 2333〜3゚3 3゚6555〜653゚3 2333 3゚3

 

●7 過桶狭間   桶狭間を過ぐ  大田錦城(おおたきんじょう)

荒原弔古古墳前   荒原 古(いにしえ)を弔う 古墳の前

 荒原にて、いにしえを弔う。 古墳の前にて

戦克将驕何得全   戦(たたか)い克(か)って将(しょう)驕(おご)る何ぞ全きを得ん

 (前哨)戦に勝って、将(今川義元のこと)は、驕る。どうして戦いを全うすることができようか。

怪風吹雨晝如晦   怪風雨を吹いて晝晦(やみ)の如し

 怪風が雨を吹いて、昼は、闇のようだ

驚破奇兵降自天   驚破す奇兵の天より降るかと

 奇兵が天から降りてきたかと驚破す(驚かす)

 

こうげん〜 いにしえを〜とむろう〜   こふんの〜      まえ〜
2゚3゚3゚3゚〜 3゚5555〜2゚3゚3゚3〜3゚3 5666〜7653゚3 3゚3〜3゚3321乙

たたかいかって〜    しょうおごる〜   なんぞ・まったきを〜     えん〜
乙111211〜21乙 3゚ 3233〜3゚3 3゚33 3゚ 555〜653゚3 3゚3

かいふう〜    あめをふいて〜    ひる やみの〜     ごとし〜
3777〜676 766766〜765 23 566〜7653゚33゚33〜3゚321乙

きょうはす〜    きへいの〜  てんより〜     くだるかと〜
2 111〜21乙 2333〜3゚36555〜653゚3 2333゚3〜

 

●8 八幡公  八幡公  頼山陽(らいさんよう)

結髪従軍弓箭雄   結髪 軍に従(した)ごうて弓箭 雄なり

 (八幡太郎義家は)結髪して、従軍して、弓矢は雄々しい

八州草木識威風   八州の草木 威風を識る

 関八州の草木までもその威風を知っている

白旗不動兵営静   白旗は動かず兵営静かなり

 白旗(後三年の役での源氏の旗)は動かず、兵営は静かであった

立馬辺城看乱鴻   馬を辺城に立てて乱鴻を看る

 (八幡公義家は)辺境の城に馬を立てて、雁が乱れ飛ぶを見て、伏兵のあるを知った。

 

けっぱつ〜 ぐんに したごうて〜   きゅうせん〜      ゆうなり〜
2゚3゚3゚3゚〜 53゚3゚ 2゚3゚3゚33〜3゚3 5 666〜7653゚3 3゚33゚3〜3゚321乙

はっしゅうの〜    そうもく〜   いふうを〜    しる〜
211 11〜21乙 2333〜3゚3 6555〜653゚323〜3゚3

はっき〜   うごかず〜    へいえい〜      しずかなり〜
766〜76 5776〜765 5666〜7653゚3 3゚333゚3〜3゚321乙

うまを〜   へんじょうに たてて〜   らんこうを〜     みる〜
乙21〜21 233333 3゚33〜3゚3 3゚5555〜653゚3 53゚〜

 

●9 九月九日憶山東兄弟 九月九日山東の兄弟を憶う 王維(おうい)

説明 九月九日は、重陽節 菊の花を用いて不老長寿を祝う

独在異郷為異客    独り異郷に在りて異客(いかく)と為り

 私一人異郷にあって、異客としてくらしている

毎逢佳節倍思親    佳節に逢う毎に 倍(ますます)親(しん)を思う

 めでたい節句が来るたびに、益々、親を思う

遥知兄弟登高処    遥(はる)かに知る 兄弟(けいてい)高きに登る処

 遠く離れて想像する 兄弟たちが高い所に登って

遍挿茱萸少一人    遍(あまね)く茱萸(しゅゆ)を挿て 一人を少(か)くを

 みんなが茱萸(かわはじかみ)を髪に挿していて、一人少ないのを。

 

ひとり〜 いきょうに あって〜   いかくと〜      なり〜
3゚53゚〜 3゚5 55 3゚33〜3゚3 5666〜7653゚3 3゚3〜3゚321乙

かせつに〜    あう ごとに〜   ますます しんを〜     おもう〜
2111〜21乙 3゚3 3゚33〜3゚3 3゚655 655〜653゚3 23゚3〜

はるかに しる〜   けいてい〜    たかきにのぼる〜      ところ〜
7666 56〜76 5666〜765 7666566〜7653゚3 233〜3゚321乙

あまねく〜    しゅゆをさして〜   いちにんを〜     かくを〜
乙221〜21乙 3゚ 333゚33〜3゚3 3゚6555〜653゚3 233〜3゚3

 

●10 望廬山瀑布 廬山の瀑布を望む 李白(りはく)

日照香炉生紫烟    日は香炉を照らして紫烟を生ず

遥看瀑布挂長川    遥かに看る瀑布の長川を挂くるを

飛流直下三千尺    飛流(ひりゅう)直下三千尺

疑是銀河落九天    疑うらくは是れ銀河の九天より落つるかと

 

ひは〜 こうろを てらして〜   しえんを〜      しょうず〜
2゚3゚〜 53゚3゚3゚ 2゚3゚33〜3゚3 5666〜7653゚3 2333〜3゚321乙

はるかに みる〜    ばくふの〜   ちょうせんを〜     かくるを〜
2111 21〜21乙 3゚333〜3゚3 3゚ 5555〜653゚3 23゚33〜

ひりゅう〜   ちょっか〜    さんぜん〜      じゃく〜
76 6〜76 7 66〜765 5666〜7653゚3 3゚ 3〜3゚321乙

うたごう・らくは〜 これ〜    ぎんがの〜   きゅうてんより〜     おつるかと〜
乙111 211〜 21〜21乙 3゚333〜3゚3 3゚ 55565〜653゚3 23゚333〜

 

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