石平・豊田有恒 なぜ中国・韓国は近代化できないのか (2018) |
2020.3.8
石平 (せき・へい、シー・ピン) さんは、1962年に中国四川省生まれ。1980年に北京大学に入学して、哲学を学びました。
1988年に来日し、中国問題・日中問題を中心に、執筆・講演などの言論活動を展開されています。
豊田有恒さんは、1939年生まれ。SF作家として活躍するかたわら、韓国問題を精力的に評論されています。
このお二人の対談本ですが、副題は、自信のありすぎる中国・あるふりをする韓国 となっています。
裏表紙の記述が、格調高いのて゛引用します。
日本は明治維新を機に素早く先進国に変身した−。
一方で、中国・韓国がいまだに前近代的体質を抜けきれないのは一体何故なのか。
進歩を阻害する原因は、いかなる歴史的経緯から生じたのか。
中国と韓国は、今後果たして前近代国家から脱皮して世界水準の民主先進国になれるのか。
また、日本の先進性の源はいかなる文化・文明に起因するのか。
文明史・文化史の視点から隣国の問題点を明らかにし、今後われわれはいかに対処すべきかを検討する一冊。
さて、お二人の対談を、ひとまず、読み通してみましたが、民族性の違いについては、色々と学んだにしても、
ただ漫然とよんだだけでは、何故、近代化に違いがでたのか、理解できたわけではありません。
そこで、いくつか、論点を加えながら、再読したいと考えています。
日本は、明治維新以降、全力を挙げて、近代化し、西洋先進国に追いつき追い越す競争ができました。
現在、明治維新から150年の年月を経ています。
中国も韓国も、日本と、同じスタートができたわけではありません。
中華人民共和国が成立したのは、1949年10月1日ですから、建国以来、70年というところです。
中国経済は、だんだんと大きくなり、最近では、GDPも、日本を追い越して、世界第2位になりました。
まだまだ、経済構造は、未完成ですが、米国と覇権を競っているのが、現在です。
韓国にしても、戦後、しばらく米軍の統治下にあり、1948年に独立しはしましたが、
1950年に朝鮮戦争が始まり、1953年に休戦となり、なんとか、平和がやってきました。
この時、韓国には、農業以外の産業は、殆どありませんでした。
北朝鮮は、日本統治下で、工業国として発展したのですが、朝鮮戦争の間に、米軍の爆撃により
殆ど破壊されまた。日本も、米軍の爆撃で、大変な被害を被りましたが、
朝鮮戦争で、米軍が投下した爆撃量は、日本に投下したものよりも多かったという話を聞いたことがあります。
韓国経済は、まだ成功しているとはいえないと思いますが、一時、自動車産業産業でも頑張りましたし、
サムソンなど、世界的な企業も産み出してきました。
中国や韓国の国民性が、近代化にいかに影響したかという問題は、
最近70年間に彼らが如何にに対応したかという問題なので、
現代史の範疇にはいる問題なのです。
その評価を今行うのは、まだ、無理なのかもしれません。
中国と韓国では、科挙の制度があったことが原因だという説があります。
家系や身分にかかわらず科挙の試験に合格することにより、高い地位の職につくことができるので、
身分の世襲を防ぐ手法ではあるのですが、四書五経を勉強してきた頭でっかちな人達だけが、
政治を担うことになると、政治がうまくいくはずがありません。
しかし、このことは、清時代の中国人もよくわかっていて、日清戦争に負けた後、
清朝末期の1905年に廃止されました。
ですから、廃止された1905年以降に、何が起こったかを調べる必要があるということになります。
今後も、いろいろと本を探しながら、この件について、検討していきたいと思っています。
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