誠文堂新光社編 新版 こども囲碁教室 いちばんわかりやすい! (2017)

2024.07.04

  囲碁の入門本は、何冊か持っていますが、この本は、地の計算の仕方だけでなく、本当に地が決まって終局したのか確認するところまで踏み込んでいることが特長です。

私が持っていたのは、「いちばんわかりやすい ぼくのわたしの こども囲碁教室」(2002) で、古本屋で見つけました。「簡易9路盤石セット」が付録についています。

この本は、「いちばんわかりやすいこども囲碁教室: ルールがわかる!すぐに打てる!」(2011)の新版ですが、内容は、私が持っている本と、ほぼ一緒です。

Kindle版の価格が、特別価格の299円なので、購入しました。

囲碁は、初心者には、石取り合戦のゲームとして教えるのですが、いつのまにか、囲った陣地の広さを競うゲームに変身します。

囲碁の勉強を着実に進んだ人達には、この変身は、当然らしいのですが、囲碁を傍から見ているだけの人にとっては、びっくり仰天です。

囲碁は、相手の石を取りますが、これは、碁盤に置いた石の数を相手より多くするためです。

囲まれると取られてしまうので、囲まれないように、碁盤を埋めていくのが本来の囲碁です。

自分の石で囲んだ陣地を地といいますが、広いエリアを囲んでも、相手は平気で入ってきて、自分の地を作ろうとしますので、意味がありません。しかし、地がある程度狭くなってくると、相手がなかに入ってきても、地を作ることを阻止できます。実際に石を埋めなくても、結果がわかってしまうので、日本では、実際に埋めることをしないで、地として認めることになりました。

試合が終わったあとに、取った石を、相手の陣地に埋めると、盤上の石の数は同じになり、陣地の広い方が勝ちとなります。

自分の陣には、自分の石を打つことができますので、残った地の大きい方が、より多く石を埋めることができるので、本来の石埋め碁とも、矛盾しません

この本では、まず、11頁で、ルールを示します。

ルール7 勝ち負けは地の大小で決まる
自分の石で囲った陣地を地といいます。囲碁は地の大きさで勝ち負けが決まるのです。

22-25頁で、ルール7を詳しく説明します。

22頁 地の計算 9路版で、実際に地を計算します。地の大きさが同じだと、引き分けなのですが、実際の19路盤では、先手が有利なので、白に6目半のハンディーを与えて、勝負を決めます。

23頁 ダメ どちらの陣地でもない領域は、ダメといいます。終局後に、黒白交代で埋めることにより、地と区別します。

24頁 本当に終わり? 終局時に、もう一手さしてみて、勝敗の結果を確認します。

25頁 本当に地かどうか 相手の陣地に入って打ち込んでも、勝敗が変わらないことを説明します。

45-52頁は、ルール7に関する4つの練習問題です。

囲碁は、本を一冊読んだだけでは、強くなれません。本は、何冊か読んで、沢山の練習問題を解き、あとは、実戦です。

 

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