宮崎正弘 世界から追い出され壊れ始めた中国 (2019) |
2020.7.26
米国と中国の対立が、ますます拡大し、全面衝突の状況です。
ファーウェイ(華為)問題に対して、米国は排除の方向に、進み始めましたし、
中国が香港に国家安全維持法を導入して、香港の自治に介入したため、
英国も参加して、中国共産党の傲慢な対外政策への反撃が始まりました。
香港は、中国返還後も、自治が認められているため、香港ドルの発行が認められ、
中国元との自由交換ができるため、中国の通貨政策上、重要な存在でしたが、
米国は、香港に与えていた関税などの特権をはく奪しました。
これは、中国にとっても損なはずです。
しかし、香港が、自治や自由を声高に求めることが、国内統治に悪影響を与え、
看過できないほどになってしまったからと考えられます。
そういう国内事情で、香港をつぶさなければならないほど、中国は末期的症状なのでしょう。
このまま中国がクラッシュしてしまっても、世界は困るので、まだ紆余曲折があると思います。
しかし、日本にも影響を与える大きな変化があることは、確かなので、
韓国本だけでなく、中国本も、いろいろと読んでいます。
本書も、その一つですが、目次を以下に示します。
プロローグ 中国金融危機、大恐慌の足音が聞こえる
第1章 米中は貿易戦争から冷戦へ
第2章 中国社会で強まる弾圧、海外で強まる反中意識
第3章 ファーウェイを断固排除せよ
第4章 中国発「金融恐慌」は目の前にきた
第5章 世界に広がる中国の「経済支援の罠」への警戒と狙われる小国
第6章 断末魔の叫びをあげる「一帯一路」
第7章 世界から嫌われる「中国的道徳」
エピローグ これから起こる泥沼の中国危機から日本はどう逃れるか
第7章 世界から嫌われる「中国的道徳」 の冒頭を、少し、引用します。
道徳が滅びた? そうではない。中国には最初から道徳は存在しなかった。
辛うじて存在したのは、権力が支配に都合がいいように押し付けた『韓非子』のような専横政治のルールであり、これを英語では「モラル」という。
『水滸伝』を読めば、いかに漢族が身勝手で強欲で、エゴイズムの固まりかが了解できるだろうし、
『金瓶梅』を読めば、彼らの際限のない欲望と、即物的で刹那的な乾いた人生観がわかる。
羞恥心を知らない中国人(附録が小中華の朝鮮人)の認識においては、恥という概念があるかもしれないが、彼らにはとても理解できない。
だから、恥じることなく偽り、偉そうに約束を破るのは常習、
日本人から見れば異常だが、彼らから見れば嘘つきでないと生きていけない社会であり、
騙されたほうがバカという体質の染み込んだ人々の集まりだから、
むしろ日本人のような潔癖、清潔、誠実などという価値観はどこにもない。
利害関係さえなければ、中国の庶民について、こんな悪口を言う必要がありません。
利害関係があるときに、誠実や正直を期待してはいけないということです。
この本の著者紹介によると、宮崎正弘さんは、昭和21年生まれの評論家で、
中国全土をくまなく踏査、中国経済の実態報告に定評があるそうです。
最近でも、立て続けに、本を出版しておられます。
Youtube の松田政策研究所チャンネルに、ゲスト出演した対談が参考になりました。
特番『WHAT NEXT コロナ以後はどう変わるのか!?』ゲスト:評論家 宮崎正弘氏 2020.7.3
特番『崩れ行く独裁国家!新型ウイルスがトリガーになるのか?』ゲスト:評論家 宮崎正弘氏 2020.2.8
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