木村光彦 日本統治下の朝鮮 (2018) |
2020.3.21
韓国政府は、日本統治の期間(1910-1945年)に、政治的弾圧を受け、経済的に搾取されて、
韓国は貧困化したと主張し、それが、韓国における「正しい」歴史認識となっています。
著者は、20年前に、ソウルで高校生向けの教育番組を見ていたときのことを語ります。
それは実践形式の授業だった。講師は高名な歴史学教授で、聴講する韓国人学生に、
「朝鮮における日本の支配は世界の植民地支配のなかで、最悪のものでした」と語った。
つぎの場面では、これにうなずく生徒たちの様子が映った。
韓国では、公然と、反日教育がなされますが、やっかいなのは、その目的のためには、
嘘をついても許されるという文化があることです。
歴史上の出来事に関しては、たいていの場合、それに賛成する人と、反対する人がいるので、
その評価は、なかなか一定には、定まりません。
そこで、著者は、本書において、経済問題に論点を絞って、実証できる問題を取り上げ、
日本統治時代の挑戦の実態と変容を描写しています。
一ヶ所引用します。
米消費をめぐる韓国歴史教科書の誤謬
本論で触れた一人当たり米消費量の「激減」は日本の悪政の象徴として、韓国の歴史教科書では以前から今日まで変わらず特筆されている。
2006年の韓国高校国定『国史』教科書は、1912-30年間の米生産量、移出量、および朝鮮人の一人当たり年間消費量を2年こどに図示している。
それによると、1912年に0.772石であった同消費量は1930年には0.451石にまで減少した。
(中略)
本論で述べたように、総督府の統計には欠陥があり、東畑・大川はこれを修正していた。
韓国の歴史教科書は、戦前すでにデータの修正が行われ、戦後その上に日韓で研究が蓄積されているにもかかわらず、それらをまったく反映していない。
東畑・大川は、1935年に、総督府のデータに基づき、朝鮮の一人当たりの米消費量は
1915-19年間に、年平均0.7071石であったが、1930-33年には、年平均0.4485石まで減少したと発表しましたが、
総督府のデータに問題があったとして、1939年に追補版を公開し、
1930-33年には、年平均0.6203石に減少したと上方修正しました。
また、その後も、修正が加えられ、金洛年編(2008)によると
1915-19年間に、年平均0.589石であったが、1930-33年には、年平均0.559石であり、減少は、ごくわずかでした。
韓国の教科書は、東畑・大川の追補データすら、認めようとしていないわけですが、
ここには、韓国人の、絶対に誤りを認めないという文化があるのではないかと思います。
韓国人の強制労働に関する件でも、証拠として使った写真が、全然関係のない、日本の写真だったという
お粗末な事例がいっぱい指摘されていますが、韓国側は、絶対に、誤りを認めようとしません。
客観的真実を認めないことが、最終的に、どれだけ不利益になるのかということが理解できていないように思います。
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