金谷武洋 日本語に主語はいらない |
2015.3.14
挑戦的なタイトルの本なので、面白く、ゆっくりと読んでいますが、最初に、最も示唆的であった部分について、取り上げます。
三上章の構文論(2): ピリオド越えと、コンマ越え
三上が挙げた例文 「この本は、僕も読んだが、大変面白かったから、君も是非読んでみたまえ。」 は、
この本は → (この本を)
僕もよんだが
→ (この本が) 大変面白かったので、
→ (この本を)
君も是非読んでみたまえ。
また、「この本は、タイトルがいいので、大いに期待した。図書館ですぐ読んだが、得るところはなかった。まったく、期待はずれだった。」 は
この本は → (この本の)
タイトルがいいので、
→ (この本に) 大いに期待した。
→ (この本を) 図書館ですぐ読んだが
→ (この本から) 得るところはなかった。
→ (この本が)
まったく、期待はずれだった。
と解釈されます。
「この本は」は、「この本が」や「この本を」だけでなく、「この本に」や「この本から」などを、同時に表現できるのです。これは、驚くべき能力だと思いました。
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