五木寛之・望月勇 気の発見 (2012)

2020.1.17

 セコハン店のブックオフは、正月と5月の連休に、2割引きセールをやるので、よく利用しますが、

今年は、この本の古本を見つけたので、喜んで、買いました。

 この本は、図書館にあるので、以前借りて読んだことがありますが、五木さんには、発見シリーズの対談本があり、

学研M文庫で出版された息の発見仏の発見神の発見は、すでに私の蔵書となっていました。

気、息、神、仏といった人生の重要テーマについて、五木さんの選んだ対話者との対談は、人生への示唆に満ちています。

 さて、気の発見 で、五木さんが選んだ対話者は、氣功家望月勇さんです。

望月さんのホームページは、 望月流プラーナヨーガ気功 http://fullmoon.in.net/ にあります。

 望月さんは、1948年生まれで、五木さんの「青年は荒野をめざす」に触発されて、

25歳のとき、勤めていた会社を辞めて海外放浪の旅に出、病気のため5年後に帰国します。

1979年にも、7か月ほど、アフリカを放浪します。

1980年に、ロンドンで、少林寺拳法に出会い、体を調える整法に興味を持ち、経絡やツボを勉強します。

1988年、金沢で、武道家「和道」宗家の(故)早川宗甫先生から、「気の奥義」を学び、

以後、ロンドンを拠点に、ヨーロッパで気功治療とヨーガ教室を開く。

現在は、日本で、ヨーガ気功教室を主宰している。

 この本のはじめにで、五木さんは、望月さんのことを以下のように紹介します。

 望月勇さんは、すこぶる寡黙な氣功家である。氏の『青年と沙漠』という著書にみじかい文章を寄せたことがきっかけで、

雑誌の対談をしたり、「気」について語り合うようになった。

ぽつりぽつりこぼれる氏の言葉を拾いあつめて一冊の本ができたことを、いま奇跡のように感じている。

 以下に、対談の何か所かを、引用する。

28頁

●五木 日本人の場合、生まれながらにして、なにか「気」というものがあると感じ、気分とか気合いという言葉を耳にしながら生活してきたわけですよ。

お寺に行くと、山の霊気を感じるとか。例えば玉砂利をさくさく踏んで神社の前に立ったとき、

私はブッディストだけれども、それでもなにか晴朗な気分になります。

そういう意味で、日本人は気を感じることが遺伝的に敏感で、上手な国民だと思うんですが。

●望月 そういう面では、日本の風土が、「気」を感じる感性を培ってきたように思えますね。

33頁

●五木 他人に対して、気功治療をなさったのは、どういうきっかけなんですか。

●望月 1986年だったと思います。そのころ、ロンドンで旅行会社に勤めていたんです。

たまたま少林寺拳法のインストラクターを案内して、アフリカをまわっていたときです。

エチオピアで、その拳法の先生が練習中に首を痛めていたので、治療をしてさしあげたのです。

(中略)

椅子に座ってもらって、曲がらない患部に手を近づけたら、彼がとても熱く感じるというんです。

そのあと、頚椎がくつくつ動いている様子が、私の手に伝わってくるんです。

67頁

●五木 私も何度か気功治療を受けたことがありますけれど、ジワーッと暖かい波がはいってくる感じを受けました。

ところが、私の友人は、同じような治療を受けても、まったく何も感じないというのです。

そういう人の場合、効果はあまりないんでしょうか。

●望月 気功治療が効くかどうかに関して、これまでの経験から、五つのタイプに分類しているんです。

一つは、もともと気の通りがよくて、心がオープンな人。こういう人はすごく効きます。

二番目は身体的に気の通りはよいが、心は閉じている人。こういう人は、気を信じていなくても、唯物論者でも効きます。

三番目は、もともと気の通りが悪い体ではあっても、心が自由でオープンな人。

こういう人はすぐには効果が出なくても、二回三回と治療を重ねていくうちに、徐々に気の通りがよくなって、治っていきます。

四番目の、もともと気の通りが悪くて、しかも、心が閉じている人。こういう人はほとんどなにの反応もありません。

(中略)

ふしぎなのは、五番目のケースです。どうして治ったのか、わからない。

169頁

●五木 武道をやっている方から教わったのですが、逆腹式呼吸というのがあるそうですね。

ふつうは、お腹をへこまして、息を吐き、息を吸うと同時に、お腹をふくらませるものだそうですが、

武道では、いわゆる息を吐き切るときに、お腹をふくらませることも結構あると言っていました。

●望月 それは、主に武道の呼吸法ですね。合気道でも剣道でも、相手に技を仕掛けるときは、

息を吐きながら、しかも丹田に力を入れていないと、エネルギーが出ないんです。

そうすると、息を吐いたとき、お腹が出て、息を吸ったとき、お腹がペチャンコになります。

ふつうは、息を吸ったとき、お腹が出て、息を吐くとお腹がへっこむというようになるんではないでしょうか。

●五木 ああ、そのほうが自然な感じですね。

私は時々、宗教家、とくにお坊さんはなんであんなに長生きなのかと考えるんですよ。

それは、じつはお経や祝詞(のりと)を唱えるときの息づかいに、秘密があるんじゃないかとにらんでいるんです。

お坊さんがお経を読んでいるときの呼吸を見ていると、長い間声を出しながら、スッと間を少なくして、息を吸います。

そしてまた、次のお経を読んでいるんです。吐く息をコントロールしながら、お経を唱えているんですね。

●望月 あれは呼吸法をやっている感じですね。

189頁

●五木 日本には居職(いしょく)といって、一日中ずーっと座ったままで物をつくられる職人さんがいますね。

数珠を作る人、印鑑を彫る人、手描き友禅の模様を描く人、この人たちが皆さんお元気で長生きなんです。

私は昔から、そのことが不思議だった。世の中では、運動をしなくてはいけないといわれているのに、

ほとんど体を動かさない人が健康だなんて。

●望月 運動をずっとやっていた人のほうが、運動をやめた途端に、体をこわす例が多いですよね。

●五木 そうなんですよ。私は数珠店のご婦人から話を伺って納得ました。

数珠づくりは、座ったままで、手と目しか使っていないように見えるけれども、

実は下半身の足の指先まで、ものかごく強い力が必要なんだそうですね

下半身がしっかりしていないと、手作業の数珠は一日に何百個もできません。

座っているけれども足の指先まで、しっかり使っている感じがしてまいますとおっしゃったので、そうかと納得しました。

●望月 指先に強い力をこめると、それが経絡を刺激して、その波動が全身に伝わっていくんでしょうね。

 

 

 

     

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