五木寛之・玄侑宗久 息の発見 (2008, 2013) |
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2020.1.17
「気の発見」を読み返したついでに、こちらの本も読み返してみました。
「き」と「いき」は、日本語では似ていますが、「いき」は、「生きる、生く」と関係があるようです。
私は、呼吸法に興味があるので、この本は、だいぶ昔に購入して読みました。
玄侑宗久さんは、1956年に、福島県三春町の臨済宗妙心寺派福聚寺の長男として生まれます。
2000年、小説「水の舳先」でデビューし、2001年「中陰の花」で芥川賞
2008年から、福聚寺の住職。ホームページは、https://www.genyu-sokyu.com/
五木さんは、対談のため、2008年頃、福聚寺を訪れ、一泊二日の対話の時間を持ちました。
五木さんは、この本の最初に、玄侑さんのことを、以下のように紹介します。
20頁
禅宗のお寺の跡取りとして生まれ、物心つくかつかないうちからお経を唱え、
その息づかいを体得されてきた玄侑さんは、無息のうちにとてもいい呼吸をしているように見うけられた。
自己流に呼吸法の訓練を重ねて来た、私のにわかじこみの息にくらべると、
いかにも本格的な息という感じがする。
21頁
高校生にして、すでに呼吸法を開発されたという玄侑さんの話は「風邪を撃退する呼吸法」や
「上がったときに即効性のある息の使いかた」など実用性にもとみ、息つぐ間もなく盛り上がった。
玄侑さんのお寺は、臨済宗で、座禅だけでなく、念仏も唱えるそうです。
「なむあみだぶつ」でなく、中国語式に、「なむおみとうふう」と発音するのだそうです。
以下に対談の何か所かを、引用します。
84頁
●玄侑 ですから私は、お経を唱えるというのが、いちばんの呼吸法だと思っています。
●五木 職業別長寿順位というのを、調べたことがあるんです。
ちょっと古い資料ですけれども、宗教家がいちばん長生きで、つぎは医者なんですね。
職業別にずっと順番をあげていくと、小説家はわりと下のほうなんですが、
さらに下のほうに詩人がいて、その下に歌人がいて俳人がいる。
短詩型になるほど短いなあ、とへんに感心しましたが。
ただ親鸞の入寂90歳なんていうのは、あの時代の平均年齢を考えると異常ですよね。
法然も80歳でしょう。蓮如が85歳。やっぱり坊さんは長生きなんですね。
●玄侑 そうですね。清水寺の大西良慶和上は108歳。永平寺の宮崎禅師も、108歳ですね。
●五木 いろんな説がありますね。食べ物がよかったとか、規則正しい生活がよかったとか、
邪念がなかったとか、いろいろといわれてますけれども、やはり、お経の効用なんですかね。
●玄侑 「長生き」は「長息」なんでしょう。基本的に私は、お経と、ものごとの受け止めかたにあるんだろうなと思いますね。
(中略)
●五木 いま「長生き」は「長息」とおっしゃったけれども、
やはり、なにか声を出して読んだりすると、自然に呼吸法ができるんですね。
「本が好き!」に、この本の書評を投稿しました。
https://www.honzuki.jp/book/15743/review/276744/
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