百田尚樹 禁断の中国史 (2022)

2024.08.05

殺戮の繰り返されてきた中国史は、平和ボケの日本人には信じられないほど、おぞましいものです。

世界の覇権を目指すことを隠そうとしない現代中国に対峙するためには、禁断の中国史を知っておくことが必要です。

百田さんが、まえがきで述べていますが、歴史上、中国という国は、存在しません。清や明などの国が存在しただけです。

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私たちが「中国史」と思っているのは、ひとつの国家の歴史ではなく、中国大陸という舞台の中で、様々な民族が争ってきた歴史なのです。つまり敢えて言えば「中国史」というのは「中国大陸史」なのです。

また、歴史的に、中国人というものも、存在しませんでした。
特定の国の特定の民族を指す言葉ではありません。
ヨーロッパ史を語るときに、そこに登場する多くの民族を統合して、ヨーロッパ人と呼ぶというような意味合いです。

第一章は、中国四千年の虐殺全史です。

中国では、王朝が変わるたびに、大虐殺が起こりました。

漢の時代、最盛期には人口が6000万人弱いたのですが、漢の滅亡後の大虐殺で、人口は、最も少なく見積もった資料では、500万人、多く見積もった資料でも、約1500万人に減少したようです。

二十世紀に入って、中華民国が誕生しましたが、各地に軍閥が割拠していたため、全土を統一できませんでした。

1921年に中国共産党が誕生し、極めて残虐な方法で、勢力を拡大しました。
その方法は、第八章の、中国共産党の暗黒史に、詳しく説明されています。

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 まず、中国共産党の党員たちが狙った村のゴロツキ(地痞流氓)を仲間に引き入れて、地主の家に乱入し、家族を縛り上げて拷問し、全財産を奪います。・・・ 村人たちを一ヶ所に集め、地主を人民裁判にかけて、その場で死刑にします。・・・ その村の支配はゴロツキ(地痞)たちに任せて、村人の中から屈強な若者を党員にし、次の標的の村に向かいます。中国共産党は、これを繰り返すことによって、わずか五年で3600万人が住む地域を支配しました。その間に殺された地主は約十万人です。

戦後、中華人民共和国が誕生し、しばらく中断していた「一村一焼一殺、外加全没収」を、1950年に再開し、約200万人の地主を殺しました。

1951年には、「反革命分子鎮圧運動」を開始し、農村地帯では、殺すべき反革命分子は人口の千分の一程度だったが、都会での比率は千分の一を超えなければならないと宣言しました。
この運動で粛清された反革命分子は、約70万人です。当時の人口は、約五億六千万人なので、ノルマは果たされたようです。

1966年に開始した「文化大革命」では、さらに多くの人が処刑されました。その数は、今もって不明ですが、少なくとも一千万人単位だそうです。死なないまでも肉体や精神に甚大な被害を受けた人は一億人以上といわれているようです。

 ところで、中華人民共和国は、自分たちのことを中国と呼んでいますので、彼らは、中国人ですね。現在の中国の人口の9割以上を占めるのは、漢民族です。

第二章は、彼らが用いた刑罰の方法で、その残虐性を暴きます。

第三章は、食人です。冒頭に、読むには覚悟が必要とあります。覚悟のない方は、読まないでください。

人を食べるという話は、飢饉のときや、災害のときに、世界でも起きたという記録はあります。
しかし、中国での食人は、その頻度と内容に違いがあるようです。

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 先ほど、極限状態で死体の肉を食べるというのは古今東西であったという話をしましたが、中国では基本的に飢えや病気で死んだ人の肉は食べません。生きている人を殺して食べるのです。飢えや病気で死んだ肉は鮮度が落ちるか衛生的によくないと考えていたのかもしれません。ですから記録にある人肉食は例外なく生きた人間を殺して食べたものです。

 このような内容の本ですので、読むかどうかは、事前に判断してください。

 ロシアの兵士が、占領したウクライナの村落で乱暴の限りをはたらくのも、過去に同様なことがなされたことを知っているからだと思います。

 この本を読んだからといって、残虐な人にならないでください。

以下に目次を示します。

目次を見るだけでも、気分が悪くなりますので、ご注意ください。

第一章 「中国四千年全史あるいは虐殺全史」
 中国史は「虐殺史」
 秦の始皇帝の素顔
 一族郎党皆殺し
 いつ殺されるかわからない恐怖
 仲間や部下も皆殺し
 漢民族は絶滅した
 北方民族が漢民族に強制
 二人の邪魔者を排除するため三万人を虐殺
 三日間で十万人を虐殺
 世にも恐ろしい集団が誕生

第二章 「刑罰」
 刑罰に見る残虐史 凌遅 炮烙 剥皮 車裂 烹煮 剖腹 抽腸
 処刑を国全体で楽しんできた  割鼻 截舌

第三章 「食人」
 読むのに覚悟が必要
 中国の食人習慣
 子供を食べる
 我が子を殺して人肉スープに
 妻の肉を食べさせる
 仇敵の肉を食べる
 人肉が市場に並ぶ
 犬や豚よりも安かった
 近代に入っても
 二十世紀の食人

第四章 「宦官」
 なぜ中国で重用されたのか
 房事(セックス)の段取り
 裏の仕事
 宦官の集め方
 自宮の方法
 身体も精神も破壊
 宦官の生活
 命懸けの女の争い
 巨大な権力を持った宦官
 悪名高き宦官
 ニセ宦官

第五章 「科挙」
 世界一の難関試験
 科挙の試験科目 童試 府試 院試
 本当の試験地獄はここから  科試 郷試
 二万人超の試験場
 採点も常軌を逸していた
 「会試」こそが科挙の本番  会試 殿試
 壮大な無駄
 科挙の落伍者たち

第六章 「纏足」
 普通の足の半分
 纏足の方法
 第二の性器のように
 女性蔑視の思想

第七章 「策略、謀略。騙しのテクニック」
 騙される方がバカだ
 息子と娘を馬車から投げ捨てる
 身の毛もよだつ則天武后
 恐ろしく嫉妬深い女の計略
 毛沢東の愛読書
 「宋襄の仁」

第八章 「中国共産党の暗黒史」
 寄生虫のように
 五ヶ月で三十三万人が餓死
 毛沢東の殺人ノルマ
 恐怖の「大躍進政策」
 地獄の「文化大革命」
 中国の本質
 本当の中国
 歴史に学ぶべき時

 

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