堀江他 はじめてでもわかる簿記と経理の仕事 (2019) 

2020.6.19

 「はじめに」によると、この本は、中小企業の経営支援団体が毎年行っている研修で、

著者達が、作成し使用しているテキストを再編集したもので、毎年、改訂版が発行されています

この本は、'19〜'20年版なので、最新版です。

目次

第1章 これだけ覚える! 簿記の基礎

第2章 簿記の流れを追ってみる

第3章 仕訳と転記のルール

第4章 決算整理と決算書の作成手順

第5章 経理の日常業務を追ってみる

第6章 会社の数字を経営に生かす

 この本の特徴は、第2章の簿記の流れの説明が詳しいことです。

会計ソフトの発達により、仕訳帳への記入以後の、複式簿記の面倒くさい手続きは、コンピュータがしてくれるようになったため、

多くの解説本は、その面倒くさい手続きの説明を省略するようになりましたが、

この本は、ちゃんと解説してくれています。

 私も、複式簿記のエッセンスを知りたく、この本で勉強中です。

第2勝の詳しい目次です。

簿記の流れ−取引から決算書まで

ステップ1 仕訳のルール 取引を仕訳帳に記入

       仕訳帳

ステップ2 総勘定元帳 仕訳帳から総勘定元帳へ転記

ステップ3 試算表 元帳転記が正しいかチェック

ステップ4 決算書の作成 精算表を作成して決算書をまとめる

 ステップ2の総勘定元帳は、仕訳帳のデータを、勘定科目毎に分類して記録する帳簿です。

仕訳帳が下記のようだったとします。

4/01 現金    1000000 資本金 1000000 元入れとして営業開始

4/03 器機備品  300000 現金  300000 商品陳列用棚の購入

4/04 仕入れ   500000 買掛金 500000 商品500000円を仕入。代金は後払い、5/31

4/15 広告宣伝費  20000 現金   20000 チラシを作製。20000円支払う

4/20 売掛金   800000 売上  800000 もみじ商事へ売上。代金は未収、5/31。

 現金科目が3か所ありますが、現金勘定の元帳は、以下のようになります。

             現金                  .
4/01 資本金 1000000    4/03 器機備品  300000

                4/15 広告宣伝費 20000

 一見、書き位置が、左右、入れ替わったように見えますが、

4/1の現金は、左側にあり、現金元帳の左側に記入し、科目名を、現金ではなく、資本金としたためです。

 さて、仕訳表と勘定元帳への記入は、日々の仕事ですが、

月に一回、勘定元帳のデータを、試算表にまとめます。

       合計試算表      .
  借方    勘定科目    貸方
 1000000    現金     320000

 800000    売掛金
 300000    器具備品
        買掛金    500000
        資本金    1000000
        売上     800000
 500000    仕入
  20000    宣伝広告費      .
 2620000           2620000

 借方、貸方の合計が合わない場合は、記帳ミスです。

 現金科目のように、借方、貸方の両方に金額がある場合は、

大きい方に、差額を記入して、残高試算表を作成します。

       残高試算表      .
  借方    勘定科目    貸方
  680000       現金          

 800000       売掛金
 300000       器具備品
              買掛金    500000
              資本金    1000000
              売上     800000
 500000       仕入
  20000       宣伝広告費      .
 2620000           2620000

 さて、残高試算表は、毎月末に更新し、期末に、以下のようになったとします。

       残高試算表      .
  借方    勘定科目        貸方
  285000       現金               

 1260000       当座預金           
 2000000       売掛金             
  250000       繰越商品           
 1000000       貸付金             
 1200000       車両運搬費         
        買掛金     1600000
               未払金         600000
               貸倒引当金      25000
               減価償却累計額 200000
               借入金        2000000
        資本金        1000000
        売上          3500000
               受取地代       120000
 1700000       仕入                
 1200000       給料                
  120000       支払保険料         
  30000       支払利息          .
 9045000            9045000

 最後に、決算手続きにおいては、精算表を作成します。

精算表は、残高試算表欄、整理記入欄、損益計算書欄、貸借対照表欄からなり、

それぞれ借方、貸方の2桁をもっていますので、全体で、8桁になります。

 残高試算表欄には、残高試算表の値を記入します。

 整理記入欄には、決算整理の仕訳の内容を記入します。

 この2つの欄の内容のうち、収益と費用の勘定科目のものは、損益計算書欄に記入します。

 資産、負債、純資産の勘定科目のものは、貸借対照表欄に記入します。

 この振り分け作業の結果が、125頁です。

 最後に、損益計算書欄の内容を、損益計算書に記入し、

 貸借対照表欄の内容を、貸借対照表に記入します。

 

 

 

     

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