リハビリ的練習方法 |
リハビリとは、いささか言い過ぎで、筋トレくらいの意味かもしれないが、年をとってしまうと、関節の可動域とか、使う筋肉・使わない筋肉が固定してしまっているので、ただ練習するだけでは、筋肉が成長してくれず、楽器演奏の上達が遅い。
自分のからだの堅さにあわせて、必要な筋トレを組み込むべきと思うが、単に筋トレというよりも、失ってしまった運動機能をとりもどすというリハビリの覚悟で取り組んだほうがいいのではないかと思う。
ピアノを弾くなら、左右の10本の指が、自由に動くような練習が必要である。バイオリンを弾くなら、左手の訓練が必要である。
1. はじめに
ピアノを両手で弾けるようになりたいのだが、年をとってしまうと、バイエルのような簡単な曲でも、なかなか覚えることができない。楽譜をみながら、必死で指を動かすのだが、もたついてしまう。こういう状況の人は多いと思うが、楽譜を見てから弾こうとしても、実は、かなり遅すぎるのです。人間の神経系統の情報伝達は、時間がかかるので、見てから指令していたは手遅れなので、楽譜を見るのは単なる確認で、無意識のうちに、脳の並列処理能力により、それぞれの指を動かす指令が出されていなければならない。
先日、ピアノが弾ける娘に、指がもたつく話しをしたところ、弾くときに、鍵盤をみてるんじゃないと指摘されました。これは、鍵盤は見ずに、ブラインドタッチで弾かなければなせないという意味ではなく、鍵盤を見ながら、押す鍵盤を探していると、遅れてしまうという意味です。曲の暗記についても、同様で、楽譜をみながら、次の指を動かすのではなく、次にどう指を動かすかを理解して演奏している自分と、楽譜をみながら演奏の進行をモニターしている自分がいて、演奏がなりたつということだと思います。 2012.02.08
両手の指が自由に動くようになるまでには、かなりのハードルがあるが、両手の練習の前に、片手の指も、ちゃんと動くように練習しておく必要がある。
2. 指の運動
右手の指の、2(人差し指)と3(中指)で、レミレミレミ、と繰り返し弾くのは、多くの人ができると思いが、3(中指)と4(薬指)でミファミファミファと繰り返し弾くのは、最初はかなり難しい。3(中指)と4(薬指)を動かしたときに、腕をさわってみるとわかるが、いろんな筋肉が関与している。
そこで、まず最初の練習は、3(中指)と4(薬指)を、一定リズムで、ゆっくりでもいいので、できるだけ長時間弾き続ける練習である。はじめて試みる人は、なかなか続かないと思う。歩き始めた子供が、2,3歩歩いたあと、足がもつれてこけるのと同じことが起きています。筋肉が働くようになるには、数日、数週かかるかもしれないが、リハビリの覚悟で、あきらめずに、練習することが肝要です。
3(中指)と4(薬指)が交互に動くようになったら、今度は、4(薬指)と5(小指)の番です。小指は、薬指よりも動かないでしょうし、力もはいらないので、さらに根気のいる練習が必要です。私は、子供のころバイオリンを練習したことがあるので、左手の小指は、鍛えられていて、ピアノを弾いても、鍵盤をそれなりの力で、押すことができましたが、右手の小指は、力がはいらないので、鍵盤を押さえると、伸びてしまいます。小指が、ある程度湾曲したまま鍵盤を押さえるためには、小指の第一関節や、第二関節のまげる筋肉を強化する筋トレが必要ではないかと思います。
3. 両手でリズム打ち
ピアノを弾く、ドラムをたたくときに、左手が右手につられしまうと演奏にならない。左手を動かすときに、右手の動きにとらわれないための第一歩は、両手でリズムをとりながら、ひざや机をたたくリズム打ちです。
●超基本01 四拍子
右手 ●●●●●●●●●●●●●●●●● ● ● ●
左手 ● ● ● ● ●●●●●●●●●●●●●●●●
四拍子での練習です。まず、右手と左手を同時に打ち、右手はもう3拍打つ。これを、もう3回繰り返したあと、右手と左手の役割を入れ替える。
こういう単純なリズムでも、練習をしていないと、だんだんに乱れてきます。特に、右手と左手の役割が入れ替わるところで、脳の指令が乱れることがありますので、最初の一拍は、ちゃんと同時に打つように気をつけます。
●超基本02
右手 ●タタ●タタ●タタ●タタ●タタ●タタ●タタ●タタ● ● ● ●
左手 ● ● ● ● ●タタ●タタ●タタ●タタ●タタ●タタ●タタ●タタ
タは、●の半分です。
●超基本48 バイエル48番
右手 ●ンタ●●ンタ●●ンタ●●−−●ンタ●●ンタ●●ンタ●●−−
左手 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
1. 左手の練習
1.1. 左手で内輪をあおぐ
これは、手首の回転の訓練です。いままで、右利きで、左手を使ったことがない人が、はじめてこころみると、ぎくしゃくとしかうごかない、力強くあおげない、すぐ疲れてあおぎつづけることができないことに気付くはずです。
これは、練習あるのみです。両手に内輪をもち、右手のあおぎかたを見ながら、左手の訓練をします。私の場合、ぎくしゃくせずに、あおぎつづけることができるまでに、半年くらいかかりました。まだ、右手とくらべて、疲れがでるので、時間があれば、左手に内輪をもち、ひたすら、あおいでいます。
手首の回転の練習は、内輪がなくても、いつどこでも、できます。
1.2. 左手で、歯をみがく
歯ブラシで歯を磨くには、手首の回転だけでなく、左右、上下の振動も加わりますので、次のすてっぷとしてふさわしい運動だと思います。歯をみがくことは、歯の健康にも大切なので、右手で磨き、左手でも磨くことにより、じっくり時間をかけて歯磨きしたいものです。
1.3. 左手ではしを使う
左手でねはしを持って、動かすことは、わりと簡単にできるようになっても、左手で力をいれて、食べ物をはさみ、口まで運ぶのは、結構大変なことに気付くと思う。これも、練習あるのみです。早食いのくせのある人は、左手で、ゆっくりと食事してみるのも、健康のためと思います。
左手どころか、右手でも、はしをちゃんともてない人がいます。はしで、ちゃんとはさんで、口にいれるのは、日本の食事の基本だと思います。
1.4. 左手で字を書く
将来、脳溢血で右手が麻痺してしまったときのためにも、左手でも、字をかけるようにしておきましょう。自分の字を失わないために、右でで手本を書き、左手でまねるという練習の積み重ねです。最初は、三歳児のような字しか書けません。たぶん、とてつもなく、時間がかかると思いますが、あきらめずに、継続することが肝要です。
四字熟語の勉強とも兼ねてやれば、けっこう、時間つぶしになります。
2015.07.03
歳をとってくると、体のいろんなところにガタがきてしまいますが、なかでも用心しておないといけないのが、脳の血管がつまって脳梗塞 (cerebral infarction) がおこり、体の制御が困難になることでしょう。脳には日々休まず大量の血液が送り込まれ、循環していますが、血管がつまる危険は歳をとるにつれて高くなっていくのは仕方ないことです。
万一、脳梗塞できき手の右手が不自由になってしまったとき、左手の訓練をはじめなければなりませんが、左手は思うようには動きません。右手はこの動作をどうやっていたのだろうと悩むことになると思いますが、手遅れです。
そこで提案です。 左手のリハビリを今から、やっておきましょう。右手の動作と比べながら、左手の練習ができるのです。
脳の地図をみると、手や指の運動制御は、かなり広い面積を占めています。したがって、あまり使っていなかった左手や左指を使いこなすようになるためには、脳の広い面積を再開発する必要があります。
私は、60歳の定年を迎えるまでは、生活も仕事もほぼ、右手だけを使ってきました。定年後、まず始めたのは、左手でうちわを扇ぐことでした。しかし、この単純な動作でも、なかなか習得できませんでした。左手で、一定のリズムで、力強く、しかも無意識でも扇ぎ続けることができるようになるには、3年から4年かかったと思います。
ボケないように、いろんな脳トレーニングが開発されていますが、左手、左指の訓練も、長期的に継続実施できる有力で効果的な脳トレだと思っています。
2016.7.16
左手で団扇や扇子を扇ぐという単純操作でも、ぎくしゃくせずに長時間連続してできるようになるためには、練習が必要です。
手や指の動作のためには、脳のかなりの面積を使っていることが、知られています。
歳をとってから、これらの動作の訓練をすると、脳のかなりの面積での改変が行われていくのだと思います。
団扇を扇ぐ動作だけでなく、大きな金庫のダイヤルを左右回転を急速に交代させるような動作を、つっかえることなく連続に、
かつ、無意識下でも連続できるような練習をしていると、頭が重苦しい感じになります。
この重苦しさがなくなるまで練習することが必要なのではないかと、思っています。
左手で団扇を扇ぐ練習は、2010年の4月以降に始めたので、もう6年ほどたったことになりますが、やっと動くようになったという状況になりました。
左手で歯を磨く練習もしていますが、かなり上手になりました。
ホームページアドレス: http://music.geocities.jp/enjoydtm/
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