岡田庄司 とりあえず作ってみる 作曲術入門 |
作曲してみたいが、うまくいかず挫折している人達のために、作曲ソフトを使って、とりあえず作ってみませんかという本である。 第1章 誰でも簡単に作曲できる 第2章 自分流にカスタマイズ 第3章 CDの作成とネットへのアップロード という構成である。 最終の目標が、自力で作曲することにあるとしても、思いついたメロディーを曲にしあげるためには、編曲などの実力を高める必要がある。第2章の、自分流にカスタマイズは、Music Studio Producerというフリーのソフトを使って、曲を仕上げる方法をていねいに説明してくれる親切な本である。 |
自分で撮影したビデオを編集するなどして、動画を作成したときに、動画の雰囲気にあった曲調で、動画の長さにあった長さの音楽があるとないでは、できばえが雲泥の差です。しかし、CD等で市販されている音楽を使うと、インターネットで公開するときは、「送信可能化権」という著作権に触れて禁止されている。作曲ソフトで制作した音楽の著作権は、ソフトを作った人ではなく、ソフトを操作した人にあるので、心配ない。
第1章では、以下の5つの作曲ソフトを紹介しているので、どれかを選ぶことから出発する。
(1) Random various music 完全お任せタイプ
(2) MACS97
完全お任せタイプ、コード進行指定タイプ
(3) 萌ぇうた君 完全お任せタイプ
(4)
れっつ、めろめろ! 完全お任せタイプ、コード進行指定タイプ
(5) 作曲ホイホイ コード進行指定タイプ、鼻歌タイプ、完全自作タイプ
それぞれの特徴について、適切な説明があるので、これらのソフトを使ってみたいと思う方には、参考になると思う。以下に、極めて簡単に、各ソフトについて説明する。
最初にとりあげられた作曲ソフトは、完全お任せタイプの Random various music である。vectorのサイトからダウンロードできるフリーソフトだったのだが、残念ながら、今現在は、サイトが消えていて、ダウンロードできない。
幸い、私は入手することができたので、ピアノ曲などを作曲して楽しんでいる。もう少し、様子がわかったら、作成された曲をここに紹介するつもりでいる。
MACS97とは、Music Auto Composing Systemの略で、1997年に最初に公開されたことから付けた名前のようである。
自動作曲というボタンを押すと、伴奏の曲調選択というウィンドウが現れ、マーチ風、スタンダード風、ブルース風、ロック風の4つから選択して適用というボタンを押すだけで、作曲完了となり、プレイボタンを押して演奏を聴く。
フォームボタンを押すと、まず、楽節の個数を1〜12で指定する。1楽節は、8小節からなり、各小節毎に、コード進行のコードを指定することができる。
自動作詞システム 萌ぇうた君は、ミューテックという会社が製作したフリーウェアであり、自動作曲、自動作詞だけでなく、ボーカロイドが歌い、アニメハャラクターが踊るという欲張りソフトである。歌や踊りが気にいらない場合は、止めて、再生音を楽器とすることにより、通常の作曲ソフトとして使うことができる。
ミューテック社は、通常の自動作曲ソフト ACS を製作し、シェアウェアとして販売(3675円)しているので、より高機能をもとめるのであれば、こちらを試用してみたほうがいいと思う。
ミューテック社は、音楽研究所というサイトで、開発した音楽ソフトの紹介や、作曲に関する様々なテーマについて解説している。音楽研究所については、別のページを作って、紹介する。
自動作曲ソフト れっつ、めろめろ!も、いろいろと作曲指定ができて、おもしろいソフトなのだが、作曲単位が4小節と短く、曲を味わう前に、終わってしまうのが残念なところです。もっと長い曲にしたい人のために、作った曲を、連結する機能が追加されたので、コード進行を変えて作曲して、ファイル連結することができる。
作曲の前に、まず、さぶ 画面に入って、メロディ、伴奏、ベースの楽器指定を確認しよう。
コード進行のコード指定は、C,D,E,・・・ではなく、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、・・・を使う。めいん 画面の、曲の感じ のところで、調を変えることができるようになっているが、コードをC,F,Gと設定していると、コード名も変更しなければならない。コードを、Ⅰ、Ⅳ、Ⅴと指定していれば、変えなくてもいい。
曲の感じの初期設定は、あかるい がハ長調、くらい が、イ短調 であるが、じぶんで を選んで、キーを 半音ずつ、ハ長調から、変ニ長調、ニ長調、変ホ長調、ホ長調、ヘ長調、と上げたり、ロ長調、変ロ長調、イ長調、変イ長調、ト長調、嬰ヘ長調とざけたりするとこができる。短調のばあいは、イ短調から、変ロ短調、ロ短調、嬰ハ短調、ニ短調と上げたり、嬰ト短調、ト短調、嬰へ短調、へ短調、ホ短調、嬰ニ短調と下げたりできる。
作曲ホイホイは、完全自動作曲タイプではないので、①コード進行を指定してメロディーと伴奏を作曲、②鼻歌でメロディーを入力し、コードを自動で解析して伴奏を作曲、③音符でメロディーを入力し、コードを自動で解析して、伴奏を作曲、という使い方となる。
バージョンアップが頻繁になされていて、最新は、2011年11月13日のバージョン9.79である。
作曲ホイホイは、作曲が最長8小節までである。シェアウェア版のMusic Factoryは、最長255小節まで作曲できる。操作方法や機能は、全く同じなので、まず、作曲ホイホイを使いこなしてみよう。
コード進行を指定してといわれても、ちんぷんかんぷんな初心者は、4小節のサンプル コード進行が23種類、8小節のサンプル コード進行が、21種類用意されているので、それを使ってみるところから始めてみよう。
8小節の最初のサンプルは、C,G,C,F,C,G,C,Cである。作曲ボタンを押すたびに、新しいメロディーが作曲される。2小節単位で、4つに分割されていて、好きな部分があれは、固定ボタンを押して、他の部分を作曲しなおすということができる。
これらの作曲ソフトは、作成した曲をmidiデータとして出力してくれるので、DTMソフトで加工して、自分流にカスタマイズすることができる。この本では、Music Studio ProducerというフリーのMIDI シーケンサ ソフトを使用して、どのように加工するかを、サンプルデータを示しながら、手取り足取り教えてくれる。DTMソフトの使用方法のチュートリアルともなっているので、独学でDTMを勉強している人には、お薦めである。以下に、取り上げられている内容について、簡単に説明するので、じっくり勉強したいかたは、本を購入して勉強してください。
Music Studio Producer を立ち上げて、サンプル
02-03-A.msf を開くと、トラックウィンドウが表示される。
トラック002 は、チャンネル1で、Patch欄に示される音色は74:Flute、Volume
刃100、Pan は、未設定となっている。
トラック003 は、チャンネル2で、音色は、25:Nylon-string Guitar、トラック004は、チャンネル3て゜、音色は、34:
Fingered Bassであり、volumeは両方とも100、Panは、ともに未設定である。
音色を変更したいときは、Patch欄の音色名の上で、左クリックし、選択ウィンドウで、変更する。
音色の番号は、GMで指定する番号と一つちがうので、注意が必要。たとえは、1:Grand
Piano は、GMでは、000番である。
トラック間の強度を変更したい場合は、Volume 欄の値を変更する。値は0から127である。
Panは、音の左右の位置を指定するもので、未指定の場合は、中央(左右の強度が同じ)で値が64とみなされ、0で左端、127で右端となる。Pan については、サンプル 02-05-A.msf で解説されます。
イベントリストや、ピアノロールや、スコアを表示したいときは、表示したいトラックの左端を選択して(複数可)、右クリックすると選択ウィンドウが現れる。
[ウィンドウ]→[ミキサー] でミキサーウィンドウを開いて、演奏すると、Levelメーターに音量が表示されるので、それを参考にして、volume を設定することができる。
サンプル 02-05-A.msf を開くと、トラック002が、チャンネル1、音色81:Square Wave、トラック003が、チャンネル2、音色87: 5th Saw Wave、トラック004が、チャンネル3、音色63:Synth Brass 1、トラック005が、チャンネル4、音色1:Piano 1である。
Panが、すべて64となっていて、すべての音が、中央から聞こえてきます。
サンプル 02-05-B.msf を開くと、トラック002のPanが、127、トラック003のPanが0 に設定されていて、主旋律が右端、副旋律が左端から聞こえてきて、場の雰囲気を感じることができる。
この節では、リバーブとコーラスという効果の付け方を勉強する。モジュレーション、サスティン、ポルタメントも取り上げられているが、直接、テキストを参照されたい。
リバーブとは、残響のことで、コーラスとは、同じ音を複数同時に鳴らして得られる音の厚みや広がりのことである。
[ウィンドウ]→[ミキサー] でミキサーウィンドウを開き、EFFボタン(EFFECTボタン)を押すと、REV(リバーブ)、CHO(コーラス)が追加される。つまみマークになっているときは、REVやCHOを押して、フェーダー・バー表示に切り替えると、操作しやすい。
また、EFFの隣のWAVボタンを押すと、MOD(モジュレーション)、BRS()、FOT()、F(カットオフ・フィルター)が追加される。カットオフ・フィルターのフェーダーバーを用いて、カットオフの周波数を設定できる。
オリジナルのサンプル 2-6-A.msfに、リバーブとコーラスを設定したものがサンプル 2-6-B.msf、さらに、ストリングスの高温域をカットオフしたものが、サンプル 2-6-C.msf である。
この節では、ベロシティを調節して、人が演奏しているような曲にする方法が説明される。
トラック ウィンドウで、ベロシティを変更したいトラックを右クリックし、スコアロールを表示し、[VEL CTRL]ボタンを押すと、スコアの下のベロシティ表示欄に、各ノートのベロシティーが、縦棒で表示される。マウスの位置に、縦線が表示され、その横軸位置と、ベロシティ値が上段中央に表示される。マウスを左クリックして、ベロシティの縦棒を水平に横切ると、ベロシティ値が変更される。
テキストには、音符全体を選択して、全体的にベロシティを変更したり、ランダムに変更する方法も、解説されている。
この節では、グルーブ機能を用いて、単調な音量やリズムに変化を付ける方法が説明される。
この節では、主旋律を演奏するアルトサックスが、ベロシティが強いほど発音タイミングを遅らせることにより、「ため」を表現する方法について説明される。
ホームページアドレス: http://music.geocities.jp/enjoydtm/
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