元吉ひろみ 指でなぞる大人のピアノ ちょっと本格編 (2009) 

2019.1.24

 「趣味で楽しむピアノ交流会 - 66歳以上−参加者募集」 というちらしを、公民館で見つけました。

今年の6月6日に、つくば市のノバホール小ホールで交流会を開催するのだそうです。

 日本シニアピアノ教育研究会が、日本記念日協会が制定する「今日の記念日」に、

6月6日シニアピアノの日とすることを申込み、見事、制定のはこびとなり、

その記念イベントとして企画されたのです。

 

 昔から、「お稽古ごとは、6歳の6月6日から」と言われていたそうですが、

65歳の3月31日に定年退職した人は、誕生日が6月6日以前であれば、6月6日には66歳ですから、

66歳の6月6日シニアピアノの日とし、その日を、ピアノを始める日としましょうというわけです。

誕生日が6月7日以降の人は、まだ、65歳ですが、勿論、1年待てということではありません。

 

 日本シニアピアノ教育研究会の代表の元吉ひろみさんは、以前から、シニアのピアノ教育活動をなさっていて、

60歳からのピアノ http://60piano.my.coocan.jp  というホームペシーを開いておられます。

 「指でなぞる大人のピアノ [ちょっと本格編] 」という本も、昔買っていたので、本棚からとりだしてきました。

 

 元吉さんは、かつて、60歳以上の初心者の人達にピアノを教えた時、生徒たちが熱心で、楽しくレッスンできたことから、

自分の教室を入会資格60歳以上のシニア専門のピアノ教室に変えられたそうです。

そして、ピアノの脳トレ効果に着目して、この本を書かれました。

 ピアノ・レッスンには、「指で脳トレ」、「鍵盤で脳トレ」、「楽譜で脳トレ」、「コミュニケーションで脳トレ」の

4つの脳トレ効果があるのです。

 「指でなぞる大人のピアノ」は、最初、2007年に、超初心者向けに出版されましたが、

2009年に出版された[ちょっと本格編]では、「きらきら星」「ふるさと」「四季の歌」「禁じられた遊び」の4曲がレッスン曲です。

 

 ところで、シニアになってピアノを始めても、真面目に練習すれば、それなりに上手になるのですが、

子供が上達するようには上達しません。

 子供は、ピアノを習い始めた当初は、非常にゆっくりとした進歩ですが、だんだんピアノの練習に馴れ、

興味を持ちだすと、急速に進歩を始め、レッスン曲をどんどんとこなしていきます。

 シニアは、短期記憶の容量が、かなり減退していて、新しい事を、まる暗記して覚えるのは苦手で、

少しずつ覚えることしかできませんし、覚えてもすぐ忘れてしまいます。

 ですから、いくら真面目に練習しても、若い人のように、レッスン曲を、どんどんこなしていくというわけにはいきません。

 

 例えば、将棋の場合、将棋を打つだけでは上達しません。

負けた時の自分の悪手を覚えて、再び打たないようにしていかねばなりません。

対局中に、何手か先を読むだけでなく、何手かもどすこともできなければなりません。

若いうちから、そういう訓練をしていると、対局後の感想戦で、初手から打ち直すこともできるようになります。

プロ棋士は、過去のほとんどの対局を思い出すことができ、重要な棋譜は、ちゃんと記憶しています。

 しかし、年をとってから将棋を始めた人には、そうはいきません。三手戻すことも大変なのです。

 

 ですから、興味が持てる少数の曲を、ゆっくりレッスンするのは、いいことだと思います。

 

 指の練習にも、同様のことがあります。指を操るためには、大脳の大きな領域を使います。

子供のときから、ピアノの練習をすると、この領域は、効果的・効率的に発達するのですが、

シニアになってから、この領域を発達させるのは、かなり無理をしているのではないかと思います。

でも、指は、ちゃんと筋道たてて練習すれば、動くようになります。

本当に脳トレになっているというか、むしろ、脳のリハビリをしているのだと思いますので、

頑張るしかないですね。

 

 

 ご意見等がありましたら、think0298(@マーク)ybb.ne.jp におよせいただければ、幸いです。

ホームページアドレス: https://think0298.stars.ne.jp