元吉ひろみ 60歳からピアノをはじめなさい (2021) 

2021.12.05

 元吉さんの最新作が出版されたと聞いたので、図書館で購入してもらいました。

ピアノをはじめなさい」という命令文の入った、一歩踏み込んだタイトルの本です。

 目次は以下のとおりです。

第1章 ピアノを楽しむシニア、急増中

01 リタイア後の厖大な時間を活用する

02 66歳の6月6日から、始める

03 脳の活性化とは?

04 ピアノで脳が元気になる理由

05 ピアノは健康にも良い

06 ピアのを「生涯の友」にしよう

07 シニアのピアノ学習に関する調査概要

08 統計的有意差について

第2章 データで見る:練習時間の真実

09 みんなどのくらい練習してる?

10 60代、70代、80代、もっとも練習する年代は?

11 グループレッスンと個人レッスン、どちらがよく練習する?

12 目的が「脳活性」の人は練習する?しない?

13 練習量は楽器の価値と関係ある?

コラム ある日のレッスン風景1 ビアノを弾いていると免許更新のテストに合格する?

第3章 データで見る:「辞めたい」が頭をよぎるとき

14 どれくらいの人がレッスンを辞めたくなる?

15 なぜ辞めたくなる?

16 辞めたくなるのと「練習量」は関係ある?

17 初心者と経験者、辞めやすいのはどっち?

18 グループレッスンと個人レッスン、辞めやすいのはどっち?

19 初心者を襲う「〇年目の壁」

コラム ある日のレッスン風景2 シニアのワークブックは面白い

第4章 データで見る:自宅練習の真実

21 自宅練習をどう感じている?

22 練習時間がとれないと辞めたくなる?

23 すぐ疲れると辞めたくなる?

24 「楽しい」は練習のエネルギー源?

25 「楽しい」と思えれば辞めたくならない?

コラム ある日のレッスン風景3 ピアノが好き、楽しい!

第5章 データで見る:こんな風に教えてほしい!

26 シニアが望む教え方 ベスト3!

27 「シニアレッスンはおしゃべりが多い」は本当?

28 弾けていなくても次の局に進みたい?

29 基礎からきちんと教えてほしい?

コラム ある日のレッスン風景4 指は速く動くようになる?

第6章 データで見る:シニアピアノの魅力

30 レッスンを続ける理由とは?

31 「弾けたときの喜び」を重要視する年代は変化する?

32 加齢とともにもっと大切なものは変わる?

コラム ある日のレッスン風景5 「愛」も「恋」も忘れた?

第7章 4つの練習タイプ −弱みと強み−

33 あなたはどのタイプ?

34 優等生タイプ 毎日、長時間

35 まめタイプ 毎日、短時間

36 スパートタイプ レッスン間際に、長時間

37 大物タイプ レッスン間際に、短時間

コラム ある日のレッスン風景6 ピアノ教室には「魔物」が棲んでいる?

第8章 4つの学習年代

38 エイジングについて知ろう

39 エイジングを活かしたピアノ学習

40 4つの年代ごとの学習法

41 シニアならでの利点

コラム ある日のレッスン風景7 シニアの生徒さんに教えたいと思った理由

第9章 60歳からの生き方が変わる正しいピアノの習い方

42 これが「最強のスパイラル」

43 「最悪のスパイラル」に陥らないために

44 ピアノ教室の選び方

45 効果の高い練習法

46 本番に強くなる方法

47 かしこい暗譜の方法

48 ピアノ仲間の作り方

49 弾けなくなることのむなしさとの向き合い方

50 発表会に出ない方法

51 レッスンの辞め方

あとがき

 さて、副題は、データでわかる脳を活性化するピアノレッスン です。

 データというのは、日本各地のシニアのピアノ学習者にアンケート調査し、

回答数298のうち、有効回答291人のデータに基づいているということです。

 291人のうち、60代が7%70代が54%、80代が8%90代が1%で、無記入が7%です。

70代が、半数以上を占めることが、このアンケート調査の大きな特徴と思います。

シニアピアノを始めるにしても、60代は、まだ仕事をしていて始められない人がいるので、

主たる年代は、70代で、80代、90代は、急減してしまいます。

 また、1週間の練習日数を問う質問に対し、

60代が3.42日70代が4.01日、80代が3.89日90代が3.5日でした。

70代が一番熱心で、80代、90代は、人数は減りますが、続けた人の練習量は、余り減らないようです。

 110頁の 40 4つの年代ごとの学習法 から、少し引用します。

60代のピアノ学習

 エイジングの影響はもちろん感じているものの、4つの年代の中で、生理的にもっとも健康な年代です。

心理的にも健康で、いろいろなことに好奇心旺盛であるし意欲的に取り組むことができます。

 ただ、まだ社員として仕事をしている人も多いため、練習のための「時間」を確保することがもっとも難しい年代です。

 いかにまめにピアノに触る習慣をつけるかが課題でしょう。

70代のピアノ学習

 契約などの仕事もほとんどの人が辞め、自分の時間を好きなことにたっぷり注げるようになります。

体もまだ元気ですし、心理的にも意欲満々です。

 「時間」「健康」「意欲」の三拍子がそろった70代は、まさに「ピアノ学習のゴールデンエイジ」と言えるでしょう。

一生の中でもっともピアノ学習に適したこの年代を、心から満喫してください。

 さて、アンケートに寄せられたシニアからのお悩み、6個をとりあげたものが、以下の節です。

44 ピアノ教室の選び方
46 本番に強くなる方法
47 かしこい暗譜の方法
48 ピアノ仲間の作り方
49 弾けなくなることのむなしさとの向き合い方
50 発表会に出ない方法

 ひとつだけ、簡単に紹介します。

49 弾けなくなることのむなしさとの向き合い方

「以前はきれいに弾けてマルをもらった曲を今弾いてみたら、まったく弾けなくなっていて愕然!

かけた時間もお金(月謝)も労力も、すべてが無駄になったかと思うとむなしく、悲しいです。

一度習得した曲が弾けなくなるのは、やはり年のせいでしょうか?」

 さて、元吉先生は、どんな答えをされていると予想されますか?

 先生の答えは、子どもでも、忘れますよ、です。

忘れたくない曲は、定期的に弾き続けると、長期記憶となって、忘れにくくなります。

時々は、練習して、いつでも弾ける曲にしておきましょう。

そういう曲を、まずは、1曲持ちましょう。というのが先生の答えです。

 

 シニアの第二の人生に挑戦できる趣味は、あまた沢山あります。

公民館に行くと、沢山のサークルがあり、色んな出会いがあります。

趣味としてのピアノの特徴は、一人でも練習できることです。

スポーツや、ゲームのようにチームで行なう趣味とは、一線を画します。

 また、ピアノは、結構まめに練習することが必要です。

スポーツも、日々の練習が必要な趣味です。毎日、走るとか、ジムに通うなどで習慣化しています。

ピアノも、続けて練習することを身につけないと、ものになりません。

60代までに、少しは弾けるようにしておくと、70代に充実した練習ができるのかもしれません。

 ピアノを練習していると、音感が良くなるというメリットがあります。

楽器の伴奏なしに、歌を歌うと、音程がでたらめになってしまいますが、

ピアノの音を聞いて、その音高で歌えるようにしておくと、音痴は克服できます。

 また、ピアノを練習すると、プロのピアニストの演奏の上手下手が分かるようになります。

これも、ピアノを趣味にすることの、大きなメリットだと思います。

 

 私も、もう70代に入ってしまいましたが、なんとか、ピアノや、その他の楽器の練習を

習慣化させたいと思っているところです。

 

 

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