DTMの世界 |
DTM(デスクトップ・ミュージック)は、DTP(デスクトップ・パブリシング)をもじって作られた言葉であるが、その完成度や普及度には、雲泥の差がある。
DTPは、出版の世界を変えただけではなく、ワードプロセッサとして一般庶民の日常生活に普及し、書類などの作成風景を大きく変革してしまった。我々の日常生活において手書きで文字を書くという習慣は、かなりの部分、ワープロに置き換わってしまった。文字だけでなく、写真やイラストを組み込んで、表現力豊かに仕上げることが出来る。Windowsのワードのようなソフトがひとつあれば、これらの機能を使いこなして、立派な書類を作成することができる。
さて、DTMは、どこまで、我々の音楽生活を変革するだろうか。
音楽は、作曲をする人たち、演奏をする人たちに支えられている。とちらも、専門の知識や訓練が必要なので、一般庶民には、難しい仕事である。
作曲に関しては、最近のDTMは、メロディーをくちずさむと、それを音符になおしてくれ、さらに、伴奏までつけてくれるように進化しつつある。
演奏については、ピアノやギター、管楽器、弦楽器などを趣味として楽しむ人は、大勢いる。演奏は、練習して上手になるしかないが、コンピュータは、練習過程に役立つはずなので、もっと、そういう環境を作り出すべきであると思っている。
その他の一般庶民は、音楽を聴いて楽しむか、せいぜい、カラオケなどで歌を歌って楽しむといったところである。DTMは、ここでも活躍できるように進化できないだろうか。
現在のDTMで、何ができるかについて、以下にとりまとめる。現状をじっくりながめて、DTMの将来について考えていきたいと思っている。
DTMには、音符をスコアエディターにより楽譜の形で入力するものがあるが、複雑な楽譜を入力できるように発達し、作成した楽譜を印刷できるものがある。FINALEとか、SIBERIUS、国産では、河合楽器のスコアメーカーなどがそれにあたり、楽譜を作成し、印刷できるという意味では、DTPに極めて近い概念のソフトである。
楽譜をデジタル化することにより、必要なパートのみを印刷することなどが可能になるが、私が一番期待しているのは、演奏会での役割である。ピアノの演奏会では、譜面めくりのためにピアノの側に一人待機しなければならないし、オーケストラでは、演奏の間に譜面めくりをしなければならない。パソコンのディスプレーが軽量化されて、譜面台に載せることができるようになれば、譜面めくりの自動化も可能になると思っている。
DTMは、入力された音符を、指定された速度で、模範演奏することができる。当然、音の強弱やテンポの変化などの解釈を加えた芸術的な演奏にはなっていないが、音の強弱の変化が少ない曲であれば、かなり上手な演奏になっている。また、楽譜が読めない人にとっては、どういう曲かを教えてくれる心強い味方である。
ホームページアドレス: http://music.geocities.jp/enjoydtm/
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