バンド・イン・ア・ボックスを使う

●  はじめに

 バンド・イン・ア・ボックス(Band-in-a-Box, 略して、BIAB)という便利なソフトがある。コードシートにコードを入力して、コード進行を指定し、伴奏スタイルを指定して、演奏ボタンを押すと、ベース、ドラム、ピアノ、ギター、ストリングスからなる伴奏が始まるので、それに合わせて、楽器やボーカルの練習を行うというのが、基本の使い方である。

 まだ初心者の私としては、この機能を使いこなす前に、メロディストという名前の自動作曲機能を使って、作曲の勉強をすることにしたい。イントロ、コード、メロディー、ソロ、さらにはタイトルまで、すべてを自動に(勝手に)作曲してくれる。ジュークボックス演奏開始というボタンがあって、聞き流しもできる。

 バンド・イン・ア・ボックスは、カナダのPG Music社が、1988年頃から開発を続けている音楽ソフトで、ほぼ毎年、改訂版が発表されていて、機能満載のソフトウェアに育ち続けている。最新版は、Band in a Box 2011である。日本では、e frontier社が販売していて、Band in a Box 2011の日本語版 Band in a Box 19 は、8月4日の販売開始となる。

 イーフロンティアの製品紹介のページも充実していて、製品の特徴便利な機能製品紹介ムービー、など、詳しい説明がある。

 「出来上がった曲は、音楽素材としてホームページやホームビデオのBGMに活用することもできます。」と、なっていて、再配布が自由なので、ありがたい。

 バンド・イン・ア・ボックスは、自動伴奏や自動作曲の機能に加えて、音程当てゲーム、コード当てゲームなどの耳のトレーニングゲームも用意されている。

 バンド・イン・ア・ボックスには、標準版、MegaPAK版、EverythingPAK版の3つのバージョンがある。バージョン間の違いは、イーフロンティアの製品ラインアップの頁に詳しい。

 バンド・イン・ア・ボックスのように、毎年バージョンアップするソフトを、毎年追いかけてバージョンアップすると、結構、お金がかかる。 私の場合は、最初に購入したのが、バージョン17の標準版で、今回、最新のバージョン19のMegaPAKに、バージョンアップ/アップグレードした。

 バージョン17では、リアルトラックが登場したというのが売りであったが、バージョン19では、リアルトラックの質がかなり改善された。Zplane社のelastique Pro V2技術を採用して、オーディオデータの伸縮やピツチ調整機能が向上し、テンポやキーを変えても自動的にリアル感が維持されるとのことである。

 以下に、最新版の使い方を勉強しながら、このソフトの機能について説明する。

● リアルトラック

 バンド・イン・ア・ボックスは、その自動作曲機能においては、MIDIデータを生成し、演奏するという仕組みだったが、より臨場感あふれる生き生きとした演奏とするために、トップスタジオミュージシャンの実際の録音を使って作曲・演奏できる仕組みを装備しすることとし、それを、従来のMIDIトラックと対比して、リアルトラックと呼んでいる。

 Band in a Box 19では、BasicPAKで51種類、MegaPAKで142種類のリアルトラックが使える。ソングを作成するときに、リアルトラック付きのスタイルを使用することにより、リアルトラックを用いたソングを作成することができる。

 デモソングが多数用意されている。ツールバーの開くボタンを押し、ファイルを開くウィンドウで、フォルダーを RealTracks - Demos にして、どれかソングを選ぶ。ソング名の拡張子がSGUのものは、メロディーが無いので、MGUのものを選んでみる。メインスクリーンの上から2行目に、コンボ、ベース、ピアノ、ドラム、ギター、ストリングス、メロディ、ソロ、と並んだパートボタンがあるが、読み込んだ曲のパートが、MIDIの場合は、黄色、リアルトラックの場合は、緑になり、データが無いと、白のまま、となる。

 べース、ピアノ、などの上で、右クリックすると、消音、ソロ演奏を選ぶことができるが、消音を選ぶと、赤色になる。ソロ演奏を選ぶと、他のパートが消音になり、赤色となる。

 リアルトラックが混ざっていても、コードを変更したり、テンポを変えたりできることがわかる。

● メロディスト

 ソングを自動生成するメロディストは、PG Music社の自信作である。マニュアルの出だしの部分を引用する。

「コード進行やメロディーのアイデアに行き詰まっていませんか? コード、メロディー、ソロ、イントロ、更にタイトルまで揃ったソングを丸ごと1曲自動生成してくれるメロディストを是非ご利用ください。(中略) メロディストをジュークボックス機能として使うと、次々と新しい曲を作り出すことができます。作曲目的だけでなく、初見演奏能力を磨いたり、耳の訓練の教材として使うこともできます。音楽制作活動の大きな力になること間違いありません。」

 実歳、新規作成ボタンを押し、メロディストボタンを押し、メロディスト選択メニューで、メロディストを選択して、OKボタンを押すだけで、曲が自動作成され、演奏が始まるという簡単操作である。曲のタイトルまで作ってしまいます。

 リードシートウィンドウを開くと、作成されたベース、ピアノ、ドラム、ギター、ストリングス、メロディー、ソロの譜面をながめながら、演奏を聴くことができる。切換は、リードシートウィンドウの一番上の行の、B,D,P,G,S,M,Sボタンを押す。メインウィンドウの一番上の行に、ベース、ピアノ、ドラム、ギター、ストリングス、メロディーの切換ボタンがあるが、右クリックすると、消音とソロ演奏を選ぶことができるという親切なつくりになっている。

 バンド・イン・ア・ボックスの標準版には、メロディストの(1)標準セットしか含まれないが、MegaPAK版、EverythingPAK版には、(2) Country, Pop & Easy Listening set, (3) Bluegrass set, (4) Jazz set, (5) Bluegeass 3/4 & Irish 12/8 set, (6) MOR Pop/Rock & Soundtracs set, (7) Brazillian & Even 8ths Jazz set, (8) Joplin, Tin Pan & Children's set が追加される。

 各メロディストにおいては、リズムや、楽器、ハーモニー、スタイルなどを指定する。メロディストメーカーというエディターが標準添付されているので、これらのメロディストを編集したり、新しいメロディストを作成することができる。

 各メロディストは、例えば、以下のような内容で、構成されている。

ポップ/ジャズ 16ビート
( 1) ポップ16ビート ベルパッド   ストレート16ビートのポップ。スタイルは、R_POP16S.STYを使用。
                     楽器はシンセパッド1 ニューエイジ
( 2) ポップ16ビート KennyG ソプラノ サックス   ストレート16ビートのポップ。スタイルは、P_PHIL_C.STYを使用。
                     楽器は、KennyG風ソプラノサックス
( 3) ポップ16ビート L Mays カリオペリード  L.Mays風ストレート16ビートのポップ。スタイルは、J_L_MAYS.STYを使用。
                     楽器は、シンセリード3 カリオペリード            
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(18) ジャズスウィング ビブラフォン Cole P   ColeP風、64小節のジャズスウィング。スタイルは、SINATRA.STYを使用。
                            楽器は、ビブラフォン
(40) ロック 64小節 ポップリード    ロック64小節。スタイルは、C_EAGLES.STYを使用。
                       ポップスメロディー3楽器のハーモニーを生成。
(41) スウィング64小節 Shearing  スタイルは、L_NOPNO.SYSを使用。Shearingクインテットのハーモニーも生成、
                     楽器は、グランドピアノ  
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ポップ/ジャズ イージー
(77) イージーリスニングジャズ Whitaker  ストレート18ビートのWhitaker風イヘシヘリスニングジャズ。
                         スタイルは、P_WHITKR.STYを使用。楽器は、オーボエ
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ポップ8ビート
(87) ポップ8ビート Eagles アトモスフィール  Eagles風の8ビートポップ。スタイルは、C_EAGLES.STYを使用。
                           楽器は、FX4 アトモスフィア

 

 さて、今回、メガパックにアップグレードしたので、メロディストは、すべて使えるようになりました。

 メロディストの24番は、*ワルツ ショパン ストレート8ビート という名前であるが、ちゃんと4分の3拍子のピアノ曲を作曲し、リードシートウィンドウには立派な楽譜が表示されます。タイトルの字体がゴシック(?)で、いまいちなのが、残念です。

 自動テンポにすると、200台のかなりアップテンポで演奏して、耳がついていかないので、テンポを150に指定して、ゆっくりした曲を聴くことにしました。メロディストジュークボックスという機能があり、ジュークボックス演奏開始というボタンを押すと、3コーラス演奏したあと、作曲し直して、エンドレスに連続演奏を続けます。 

● ソングの演奏

 Band-in-a-Box 19 には、作曲済みのデモ用のソングが、BasicPAKで、約730曲、MegaPAKで、約3620曲ある。ソングファイルの拡張子には、MGU, MG1のようにMで始まるものと、SGU, SG1のようにSではじまるものがあり、Mではじまるものは、メロディー付きの曲で、Sで始まるものは、メロディー無しの伴奏だけの曲である。

 ツールバーの開くボタンで、ソングファイル名を表示して、ソングを選択してもいいが、ツールバーの新規作成ボタンの下にあるソングボタンを押すと、ソングピックウィンドウが開き、ソングファイル名だけでなく、ソングタイトル、スタイルファイル名などソングの情報を一覧表示するので、選曲に便利である。

 スタイルファイル名が、_(アンダーバー)て゜始まるものは、MIDIトラックの無い、リアルトラックだけのソングとなっている。また、=で始まるものは、リアルトラックが一つ以上含まれている。

 ツールバーのジュークボックスボタンを押すと、既存のソングをランダムに演奏したり、お気に入りフォルダーなどに選んだソングの連続演奏ができる。また、ジュークボックスのオプションメニューで、メロディー付きのソングだけを演奏することができる。

 

 

 

ホームページアドレス: http://music.geocities.jp/enjoydtm/


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