遠藤誉 「中国製造2025」の衝撃 (2019) |
2022.02.18
遠藤誉さんは、1941年満州生れで、終戦後も中国に留まりましたが、
彼女の住む国民党軍統治下の長春を、中国共産党軍が食糧封鎖したため、
約30万人が餓死に追い込まれるなか、生き残り、1952年に日本に引き揚げました。
都立大学で、理学博士をとり、千葉大学や筑波大学につとめ、筑波大学名誉教授。
中国で、社会科学院社会学研究所研究員(教授)、上海交通大学客員教授なども務める。
現在は、中国問題グローバル研究所所長。https://grici.or.jp/
中国は、2015年5月に、「中国製造(made in China)2025」という国家戦略を発表しました。
中国は、建国100周年の2049年までに、製造大国のトップとなることを目指していて、
2025年までの第一段階、2035年までの第二段階、2049年までの第三段階に分けて、
戦略目標を設定することとしていて、第一段階について詳細にまとめたもので、
その核心は、中国国内での半導体自給率を70%にするというものです。
遠藤さんは、2015年の中国製造2025の裏に、中国での日本製品不買運動があると指摘します。
2012年9月に、日本政府が尖閣諸島を国有化したとき、中国各地で反日デモが繰り広げられ
日本製品不買運動も起こったのですが、デモに参加した若者たちは、
中国製のスマホが、中を開くと、日本製の半導体が詰まっていることを知っていて、
「このスマホは、made in China なの? それとも、made in Japan ?」などとネットで騒いで、
不満の矛先が中国政府に向かったため、
2012年11月に総書記に選ばれた習近平は、反日デモが起きないように、ネット議論を厳しく抑え込みました。
そして、2013年の年明けに、中国工程院に、「製造強国戦略研究」を命じ、
2015年5月の「中国製造2025」に至ったという次第です。
しかし、2017年1月にトランプ政権が誕生し、「アメリカ・ファースト」を掲げて、
2017年末から対中強硬策をとり、「中国製造2025」を阻止し始めました。
この本において、遠藤さんは、トランプの警告によって明らかになった「中国製造2025」を、
人材と半導体と宇宙に焦点を当てて分析し、中国の実態と野望を明らかにします。
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