違くない |
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2017.7.18
今朝は、寝苦しく、早く目覚めてしまったので、前から考えて居たことを文章にしてみたい。
最近、『違くない』という言葉を、たびたび聞くようになりました。
文法的には、違う の否定は、違わない です。
違っているのではないか? という意味を込めて、違くない という言葉が使われているのだと思います。
ものを形容したり、説明したりするときに、日本語では、いくつかの品詞が使われます。
動詞 違う 用例 Aは違う 違うもの
形容動詞 同じ 用例 Aは同じ 同じもの
形容詞 美しい 用例 Aは美しい 美しいもの
違う、同じ、美しい は、よく似た語形なのですが、活用させてみると、所属が違うことがばれてしまいます。
このなかで、形容詞のみが、
美しかろう、美くしかった、美しくない、美しい、美しいもの、美しければ という活用をします。
同じ と 違う、ある と ない のような反意語の品詞が違うのは、日本語だけの責任ではなく、中国語にもあると思います。
多分哲学的な意味があるのではないかと思います。
英語には、differ に対して、different という形容詞があります。
中国語では、的 をつけると形容詞になるので、美的 という言葉はあると思いますが、違的、同的 が通じるかどうかは知りません。
日本語でも、英語のdifferent のような形容詞を作っておけばよかったのでしょうが、残念ながら、ありません。
狂う という動詞も、違う と似たような問題を孕んでいると思いますが、狂ってる、狂ってない という使い方がなされます。
違うも、違ってる、違ってない、という使い方ができるので、もっと はやればいいと思うのですが、
違くない という使い方は、、現代の若者だけでなく、少し昔からも使われていたようです。
今日、テレビを見ていて、違くて という言葉を聞きました。 違くない だけでなく 違くて という言葉も、使われているようです。
違くて は、正しくは、違って、 違くない は、正しくは、違わない ですが、このような使われ方も、続いていくと思われます。
違くて、違くない が正しい活用となるためには、違い が形容詞になる必要があります。
違い は、違うという動詞の名詞形なので、違い が形容詞になるのは、長いみちのりが必要となると思いますが、
違さ という言葉が、通用するようになると、道が開けるかもしれません。(形容詞 長い の名詞形が、長さ となります。)
この違さ加減が、わるかな?
日本語には、違う と 異なる という二つの動詞があります。
互いによく似た意味ですが、答えが違う、と 答えが異なる は、意味が違います。
英語の It differs. と It is different. も、ほんとのところ、どう違うのか、ゆっくり考え中です。
今朝も、テレビで、「違くない」という言葉を聞いたので、このページを読み直してみました。
違う が、形容詞になりきれば、違和感は感じなくなるはずですが、まだのようですね。
違う が形容詞になるためには、違い が形容詞にならなければならないのですが、
違い は、違う という動詞の名詞形なので、座は譲ってくれそうにありません。
近い 近くない 遠い 遠くない
違い 違くない。
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