秋山虔 源氏物語入門 (2008) |
2020.4.6
この本の正式な編者は、『源氏物語大辞典』編集委員会 ですが、長いので、
上記のタイトルには、筆頭の秋山虔さんの名前を使いました。
源氏物語大辞典は、2011年に出版されましたので、この入門書の方が先に世に出たわけです。
源氏物語は、本当に大部な物語で、内容も複雑ですから、一週間かけて一気に読むというような本ではありません。
何年もかけて、根気よく読むということが必要なため、全体を読み通した人は、数少ないと思います。
まさに群盲象を撫でる状態なので、全体を見通せるような解説書があると便利です。
そのような目的のためには、この入門書は、非常に適した本であると思います。
全体内容は、以下の通りです。
第一部で、源氏物語 全54帖のあらすじが解説されます。
第二部で、源氏物語の26個の名場面を取り上げて、より詳しい解説があります。
第三部で、源氏物語を読むうえで知っておくべき当時の知識が、15章にわたって解説されます。
第四部で、主要登場人物の説明が、あいうえお順でなされます。
第五部は、国宝源氏物語絵巻の19場面の解説があります。
帯に、「この一冊でわかる源氏物語」とありますが、当に、その通りです。
例として、第一帖、桐壺のあらすじを引用します
1.桐壺(きりつぼ) 光源氏誕生〜12、藤壺の宮6〜17、葵の上5〜16
どの帝の御代であったか、帝の寵愛が深い更衣(桐壺の更衣)がいた。
父はすでになく、しっかりした後ろ盾もないのに寵愛を独占していたために、ほかの女御や更衣たちの妬みをかっていた。
しばらくして第二皇子(光源氏)が生まれた。名場面��
第一皇子(朱雀帝)の母弘徽殿の女御をはじめ、女御や更衣たちの心はおだやかではない。
桐壺の更衣は、光源氏が三歳で袴着(はかまぎ)をした後に亡くなった。
桐壺帝は、高麗人(こまうど)たちの観相をもとに、光源氏を臣下の身分にした。
時がたっても亡き桐壺の更衣を忘れられない帝は、桐壺の更衣にそっくりな藤壺の宮を入内させた。
光源氏は、母に似ているという藤壺の宮を慕った。
世間の人々は、第二皇子を「光君」、藤壺の宮を「輝く日(妃)の宮」と呼んだ。名場面��
光源氏は十二歳で元服し、左大臣家の婿となり、四歳年上の葵の上と結婚する。
しかし、光源氏は、元服後、母に似た藤壺の宮を狂おしいほどに恋い慕い、藤壺のような人を自邸の二条の院に迎えたいと思う。
もう一つ、登場人物解説の筆頭の「葵の上」の解説を引用します。
葵の上(あおいのうえ) 左大臣の長女、母は桐壺帝の妹(大宮)、頭の中将と同腹。光源氏と結婚。夕霧の母
右大臣から春宮(とうぐう)に入内を望まれたが、父の政治的思惑から光源氏と結婚した。
光源氏より四歳年長で、気位が高くうち解けたところがないので、光源氏は親しめなかった。
光源氏が紫の上を二条の院に引き取ったことで、二人り間の心の溝は深まった。
結婚九年目の春にようやく懐妊する。
身重のまま、新斎院の御禊の見物に出かけた際に、従者が六条の御息所一行と車の立所(たちど)を争った。
その後、物の気に苦しめられ、なかでも執念深い六条の御息所の生霊に取り憑かれるが、夕霧を出産する。
光源氏が秋の司召(つかさめし)のために参内している間に亡くなり、八月二十日過ぎに鳥辺野に葬られた。
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