素晴らしいオズの国 原文 現代語訳 対比

2017.1.16  更新2017.2.1, 2017.2.23

 年末から新年にかけて、「素晴らしいオズの国」の英語版を読みました。

以前は、夜寝床で、英語の本を読むと、すぐ、眠ってしまい、睡眠薬代わりだったのですが、今回は、最後まで、読み通すことができました。、

 オズの魔法使いや、ドリトル先生の翻訳は、私の子供時代の愛読書でした。私の人格形成のかなりの部分を構築していると思います。

それらを、英語で読むことで、英語版の私が形成されていくと考えています。

 多くの若い人たちにも、英語版のオズを読んでもらいたいと思い、直訳対訳版を作ることにしました。

 オズを読んだことのない人は、まず、翻訳を読んで、ファンになってください。

復刊ドットコムから、児童向けにオズの完訳シリーズが刊行されています。大人も十分楽しめます。

キンドルでも、望林堂完訳文庫に、オズの魔法使い、素晴らしきオズの国、オズのオズマ姫の3冊がでています。

 

The Marvelous Land of Oz

LIST OF CHAPTERS

01. Tip Manufactures a Pumpkinhead     ティップがカボチャ頭を作る

02. The Marvelous Powder of Life     素晴らしい命の粉

03. The Flight of the Fugitives     逃亡者達の逃走

04. Tip Makes an Experiment in Magic  ティップが魔法の実験をする

05. The Awakening of the Saw-horse   のこぎり馬の目覚め

06. Jack Pumpkinhead's Ride to the Emerald City  カボチャ頭のジャックが馬に乗ってエメラルド・シティに行く

07. His Majesty the Scarecrow      かかし陛下

08. General Jinjur's Army of Revolt   ジンジャ将軍の反乱軍

09. The Scarecrow Plans an escape    かかしが逃亡を計画する

10. The Journey to the Tin Woodman   ブリキの木こりへの旅

11. A Nickel-Plated Emperor       ニッケル・メッキの皇帝

12. Mr. H. M. Woggle-Bug, T. E.     H.M. ウォグルバグ T.E. さん

13. A Highly Magnified History      高度に拡大されたいきさつ

14. Old Mombi Indulges in Witchcraft   モンビ婆さん魔法にふける

15. The Prisoners of the Queen      女王の囚人

16. The Scarecrow Takes Time to Think   かかし男が時間をかけて考える

17. The Astonishing Flight of the Gump   ガンプの驚くべき飛行

18. In the Jackdaw's Nest          ジャックドーの巣の中で

19. Dr. Nikidik's Famous Wishing Pills   ニキディク博士の名高い願い薬

20. The Scarecrow Appeals to Glenda the Good かかし男が、いい魔女グリンダに訴える

21. The Tin-Woodman Plucks a Rose   ブリキのきこりが、バラを摘む

22. The Transformation of Old Mombi   モンビ婆さんの変身

23. Princess Ozma of Oz      オズのオズマ姫

24. The Riches of Content     中味の豊かさ

 

Author's Note  著者より

●AFTER the publication of “The Wonderful Wizard of OZ” I began to receiveletters from children,
「オズの素敵な魔法使い」の出版の後、私は、受け取るようになりました|子供たちから手紙を|。

telling meof their pleasure in reading the story|, and asking meto “write something more”about the Scarecrow and the Tin Woodman.
私に語ったり|物語を読んだときの楽しさを|、頼んだりして|かかし男や、ブリキの木こりについて、「何かもっと書いて下さい」と|。

説明 英語は、語順がSVOなので、最後のOに続けて、telling とか、whichなどの関係詞で、話を続けるというスタイルをとることが多いのですが、

日本語は、語順がSOVなので、Oに関する説明は、Vの前に持ってくる必要があり、Vがでてくる前にOを色々と説明して、感情を盛り上げるという効果はあるものの、頭でっかちになるという欠点があります。

日本語風に翻訳すると、英文との対応がとりにくくなりますので、対訳の場合には、文を分けて訳すことにします。

また、英語は、同じ言葉を繰り返し使うのを嫌うので、カボチャ頭のジャックのことを、creatureとか、the man と言い換えたりしますが、時に、まぎらわしくなることがあります。日本語では、その習慣は無いので、同じ言葉を使うことにします。

●At first I considered these little letters, frank and earnest though they were, in the light of pretty compliments;
 最初、私は、考えました|これらの可愛らしい手紙は、率直で真面目ではあるけれど、かわいいお世辞であると|。

説明 frank though they are という言い方は、though they are frank と言うよりも、すてきですね。

but the letters continued to come during succeeding months, and even years.
しかし、手紙は、来続けたのです|引き続き何か月も、さらには、何年も|。

●Finally I promised one little girl, who made a long journey to see me and prefer her request, -- and she is a “Dorothy,” by the way -- that when a thousand little girls had written me a thousand little letters asking for the Scarecrow and the Tin Woodman I would write the book,
 ついに、私は、約束しました|(ある小さな女の子に|私に会うために遠路はるばるやってきて、彼女のお願いを伝えてくれた|)- ところで、彼女もドロシーちゃんです - 千人の女の子が、千通のお手紙で、かかし男やブリキの木こりについて尋ねてきたら、本を書きましょうと|。

Either little Dorothy was a fairy in disguise, and waved her magic wand, or the success of the stage production of “The Wizard of OZ” made new friends for the story,
小さなドロシーは、妖精が変装したもので、魔法の杖をふるったのでしょうか、それとも、「オズの魔法使い」の舞台上演の成功が、新しい友達を増やしたのでしょうか。

For the thousand letters reached their destination long since - and many more followed them.
というのは、千通の手紙は、その目標に到達して久しいのです - そして、もっとたくさん続いたのです。

●And now, although pleading guilty to long delay, I have kept my promise in this book.
 そして、今、長く遅れてしまったことへの有罪を認めつつも、私は、この本で約束を守りました。

  L. FRANK BAUM.
  Chicago, June, 1904

1. Tip Manufactures a Pumpkinhead ティップがカボチャ頭を作る

●In the Country of the Gillikins, which is at the North of the Land of Oz, lived a youth called Tip.
ギリキンの人達の国には、それは、オズの国の北にあるのですが、住んでいました|ティップという若者が|。

There was more to his name than that, for old Mombi often declared that his whole name was Tippetarius;
もっとあるのです| 彼の名前には|それよりも|。というのは、モンビ婆さんは、時々、言っていました、彼のフルネームは、ティッペタリウスだと。

but no one was expected to say such a long word when "Tip" would do just as well.
しかし、誰も、求められていません、そんな長い名前を呼ぶなんてことを、ティップで十分なのですから。

●This boy remembered nothing of his parents,
この少年は、覚えていませんでした|何も|両親については|。

for he had been brought when quite young to be reared by the old woman known as Mombi, whose reputation, I am sorry to say, was none of the best.
というのは、彼は、連れてこられたのです|非常に小さいときに|この老婆に育ててもらうために|モンビとして知られている|。彼女の評判は、言うのも残念ですが、決して最善のものではありませんでした。

For the Gillikin people had reason to suspect her of indulging in magical arts, and therefore hesitated to associate with her.
というのは、ギリキンの人達は、疑う理由がありました|彼女が魔術にふけっていると|、それゆえ、彼女と付き合うことをためらっていました。

●Mombi was not exactly a Witch, because the Good Witch who ruled that part of the Land of Oz had forbidden any other Witch to exist in her dominions.
モンビは、厳密には、魔女ではありませんでした。というのは、オズの国のこの地方を治めていた良い魔女は、彼女の支配地域に他の魔女がいることを禁じていたからです。

So Tip's guardian, however much she might aspire to working magic, realized it was unlawful to be more than a Sorceress, or at most a Wizardess.
そこで、ティップの保護者のモンビは、魔術を使うことを切望していましたが、妖術師以上になるのは違法で、せいぜい、女魔術師くらいであることを理解していました。

説明 witchの男性形は、wizard という辞書もあるのですが、こでは、witch >> sorceress >> wizardess の順のようです

●Tip was made to carry wood from the forest, that the old woman might boil her pot.
ティップは、森から木材を持ってこさせられました。モンビが、お湯を沸かすために。

He also worked in the corn-fields, hoeing and husking;
彼はまた、働きました|トウモロコシ畑で、鍬でたがやしたり、皮をむいたりして|。

and he fed the pigs and milked the four-horned cow that was Mombi's especial pride.
また、ブタに餌を与えたり、モンビが特別に自慢していた四本角の乳牛の乳しぼりもしました。

●But you must not suppose he worked all the time, for he felt that would be bad for him.
しかし、彼がずっと働いていたと思ってはいけません。それは、彼にとって悪いことだと、彼は、思っていました。

When sent to the forest Tip often climbed trees for birds' eggs or amused himself chasing the fleet white rabbits or fishing in the brooks with bent pins.
森に行かされたとき、彼は、木に登って鳥の卵を取ったり、すばしこい白ウサギを追っかけたり、先の曲がったピンを使って小川で魚釣りしたりして楽しみました。

Then he would hastily gather his armful of wood and carry it home.
そして、急いで、一抱えの木材を集めて、家に持ち帰りました。

And when he was supposed to be working in the corn-fields, and the tall stalks hid him from Mombi's view, Tip would often dig in the gopher holes, or if the mood seized him - lie upon his back between the rows of corn and take a nap.
そして、トウモロコシ畑で働いているはずの時でも、トウモロコシの背の高い茎で、彼がモンビの目に見えないときは、畑リスの穴を掘ったり、気が向いたときは、トウモノコシの列の間で、上向きになって、居眠りしたりしました。

So, by taking care not to exhaust his strength, he grew as strong and rugged as a boy may be.
このように、力を使い果たさないように心がけて、彼は、普通の少年のように力強くたくましく育ちました。

●Mombi's curious magic often frightened her neighbors, and they treated her shyly, yet respectfully, because of her weird powers.
モンビの気になる魔術は、近隣の人達をしばしば恐れさせました。そして、彼らはモンビを、臆病に、しかし敬意を払って応対しました。彼女の不気味な力のゆえに。

But Tip frankly hated her, and took no pains to hide his feelings.
しかし、ティップは、あからさまにモンビを嫌いました。彼の感情を隠す苦労はしませんでした。

Indeed, he sometimes showed less respect for the old woman than he should have done, considering she was his guardian.
実際、彼は、しばしば、老婆に対して、彼が示すべき程の尊敬の念は示しませんでした。彼女が彼の保護者であることを考えると。

●There were pumpkins in Mombi's corn-fields, lying golden red among the rows of green stalks;
モンビのトウモロコシ畑には、カボチャがありました。緑色の茎の列の間に金色と赤色をして横たわっていました。

and these had been planted and carefully tended that the four-horned cow might eat of them in the winter time.
カボチャは、植えられて、注意深く世話されていました。四本角の乳牛が、冬の間食べることができるように。

But one day, after the corn had all been cut and stacked, and Tip was carrying the pumpkins to the stable, he took a notion to make a “Jack Lantern” and try to give the old woman a fright with it.
しかし、ある日、トウモロコシを全部刈り取って積み上げ終わって、ティップが、家畜小屋にカボチャを運んでいたとき、彼は、思い付きました|ジャック・ランタン (ちょうちんジャック) を作って、モンビを驚かしてみようと|。

●So he selected a fine, big pumpkin - one with a lustrous, orange-red color - and began carving it.
彼は、立派で大きいカボチャを一つ選びました。光沢のあるオレンジ色と赤色のやつを。そして、削り始めました。

With the point of his knife he made two round eyes, a three-cornered nose, and a mouth shaped like a new moon.
彼のナイフの先で、二つの丸い目と、三角形の鼻と、新月のような形をした口を作りました。

The face, when completed, could not have been considered strictly beautiful;
出来上がったとき、顔は、きっちりと美しいと考えられるものではありませんでした。

but it wore a smile so big and broad, and was so jolly in expression, that even Tip laughed as he looked admiringly at his work.
しかし、それは、大きくて幅広い笑顔をしていて、表情がとても楽しそうなので、ティップですせ、自分の作品を称賛の目でみて笑いました。

●The child had no playmates, so he did not know that boys often dig out the inside of a "pumpkin-jack," and in the space thus made put a lighted candle to render the face more startling;
ティップは、遊び仲間がいませんでした。そこで、彼は、知りませんでした|少年たちは、しばしば、「カボチャのジャック」の中身を掘り出して、出来た空間に火のついたろうそくを置いて、顔をもっとギョッとさせるものにするということを|。

but he conceived an idea of his own that promised to be quite as effective.
しかし、彼は、思い付きました|全く同様に効果的であると期待される彼自身のアイデアを|。

He decided to manufacture the form of a man, who would wear this pumpkin head, and to stand it in a place where old Mombi would meet it face to face.
彼は、決めました|カボチャ頭を持った人の形を作り、モンビが顔と顔を合わせて出会う場所にそれを立てておこうと|。

●“And then,” said Tip to himself, with a laugh, “she'll squeal louder than the brown pig does when I pull her tail, and shiver with fright worse than I did last year when I had the ague!”
ティップは、笑いながら、自分に向かって言いました。「そうすれば、モンビは、茶色のブタのシッポを引っ張ったときよりも大きな声でキーキーと叫び、恐れて、去年、自分が悪寒がしたときよりももっとブルブル震えるだろう。」と。

●He had plenty of time to accomplish this task, for Mombi had gone to a village - to buy groceries, she said - and it was a journey of at least two days.
彼は、作品を仕上げるために、十分時間がありました。というのは、モンビは、村に、食料品を買いに行くと言ってでかけ、少なくとも二日はかかる旅だったからです。

●So he took his axe to the forest, and selected some stout, straight saplings, which he cut down and trimmed of all their twigs and leaves.
彼は、斧を持って森に行き、頑丈で真っすぐな若木をいくつか選び、切り倒して、小枝や葉っぱをそぎ落としました。

From these he would make the arms, and legs, and feet of his man.
これらの若木から、彼は、腕と脚と足を作るつもりです。

For the body he stripped a sheet of thick bark from around a big tree, and with much labor fashioned it into a cylinder of about the right size, pinning the edges together with wooden pegs.
胴体のために、彼は、太い木の周りから、分厚い樹皮のシートをはぎとりました。そして、かなり苦労して、ちょうどいい大きさの円筒状に形づくり、木製の釘で両端をピン留めしました。

Then, whistling happily as he worked, he carefully jointed the limbs and fastened them to the body with pegs whittled into shape with his knife.
そして、楽しそうに口笛を吹きながら作業して、彼は、注意深く四肢を結合し、ナイフで削って形作りながら木製の釘で四肢を胴体に取り付けました。

●By the time this feat had been accomplished it began to grow dark, and Tip remembered he must milk the cow and feed the pigs.
この妙技が、完成し終わる時までに、あたりは暗くなりはじめました。ティップは、思い出しました|中牛のミルクを絞り、ブタに餌をあげなければならないことを|。

So he picked up his wooden man and carried it back to the house with him.
そこで、彼は、木製人形を持ち上げて、家まで運びました。

●During the evening, by the light of the fire in the kitchen, Tip carefully rounded all the edges of the joints and smoothed the rough places in a neat and workmanlike manner.
夜の間、台所の火の光で、ティップは、注意深く関節のすべての端を丸くし、荒い場所を滑らかにしました|巧みで職人のような手さばきで|。

Then he stood the figure up against the wall and admired it.
彼は、人形を壁に立てかけ、それに見とれました。

It seemed remarkably tall, even for a full-grown man; but that was a good point in a small boy's eyes, and Tip did not object at all to the size of his creation.
それは、非常に背が高く見えました、十分に成長した男性としても。しかし、それは、少年の目に長所と映りました。ティップは、その大きさに少しも不満はありませんでした。

●Next morning, when he looked at his work again, Tip saw he had forgotten to give the dummy a neck, by means of which he might fasten the pumpkinhead to the body.
翌朝、彼の作品を再び眺めた時、人形に首をつけることを忘れていたと気づきました。首を使って、カボチャ頭を胴体に結びつけることができるのです。

So he went again to the forest, which was not far away, and chopped from a tree several pieces of wood with which to complete his work.
そこで、彼は再び森に行きました。森はそんなに遠くではありません。そして、一本の木から、いくつかの木片を作りました。それで、彼の作品を完成させるのです。

When he returned he fastened a cross-piece to the upper end of the body, making a hole through the center to hold upright the neck.
戻って、彼は、十字の木片を胴体の上端に結び付けました。中心を通して穴を開けました、首を直立に留めるために。

The bit of wood which formed this neck was also sharpened at the upper end, and when all was ready Tip put on the pumpkin head, pressing it well down onto the neck, and found that it fitted very well.
首を形づくる木片も、上端をとがらせました。すべての用意が整ったとき、ティップは、カボチャ頭を持ってきて、首の上に押さえつけ、非常によくフィットしたのを確かめました。

The head could be turned to one side or the other, as he pleased, and the hinges of the arms and legs allowed him to place the dummy in any position he desired.
頭は、こちら側にも、あちら側にも、思うように、向けることができました。脚や腕の蝶番は、人形を、望むどんな姿勢にも置くことができました。

●“Now, that,” declared Tip, proudly, “is really a very fine man, and it ought to frighten several screeches out of old Mombi!
ティップは、満足げに言いました。「今や、本当に立派な人形になった。モンビから何度も金切り声をあげさせることができるに違いない。

But it would be much more lifelike if it were properly dressed.”
しかし、もっと正しく服を着せると、もっと実物そっくりになるだろう。」

●To find clothing seemed no easy task; 服をみつけるのは、簡単な仕事ではなさそうでした。

but Tip boldly ransacked the great chest in which Mombi kept all her keepsakes and treasures, and at the very bottom he discovered some purple trousers, a red shirt and a pink vest which was dotted with white spots.
しかし、ティップは、大胆にも、モンビが彼女の記念物や宝物のすべてをしまっている大きな収納箱のなかをくまなく探し、その一番底に、紫色のズボンと、赤いシャツと、白い水玉模様のピンクのベストを見つけました。

These he carried away to his man and succeeded, although the garments did not fit very well, in dressing the creature in a jaunty fashion.
これらを、彼は、人形の所に、持ち去って、成功しました|衣類が非常によく似合っているわけではありませんが、粋なファッションに着飾ることには|。

Some knit stockings belonging to Mombi and a much worn pair of his own shoes completed the man's apparel,
モンビの毛糸の靴下や、かなりくたびれた彼の靴は、人形の外観を完成させました。

and Tip was so delighted that he danced up and down and laughed aloud in boyish ecstacy.
そして、ティップは、大層喜び、上へ下へと踊りまわり、少年の恍惚にひたって大声で笑いました。

●“I must give him a name!” he cried. 「名前を付けなきゃ」と叫びました。

“So good a man as this must surely have a name. I believe,”
「こんなに素敵な人形は、確かに、名前をもたなきゃならない。」

he added, after a moment's thought, “I will name the fellow ‘Jack Pumpkinhead!'”
ちょっと考えて、付け加えました。「こいつを『カボチャ頭のジャック』と命名しよう。」

 

2. The Marvelous Powder of Life 素晴らしい命の粉

●After considering the matter carefully, Tip decidedthat the best place to locate Jack would be at the bend in the road, a little way from the house.
事態を注意深く考えた末に、ティップは、決めました|ジャックを置く最適の場所は、家から少し離れた道路の曲がり角だと|。

So he started to carry his man there, but found him heavy and rather awkward to handle.
そこで彼は、人形を運び始めましたが、それは、重たくて、かなり扱いにくいことがわかりました。

After dragging the creature a short distance Tip stood him on his feet, and by first bending the joints of one leg, and then those of the other, at the same time pushing from behind, the boy managed to induce Jack to walk to the bend in the road.
人形を小距離引きずったあと、ティップは、人形を立たせて、まず、片方の脚の関節を曲げ、もう一つの脚の関節を曲げ、同時に後ろから押すことにより、ジャックを歩かせて、道路の曲がり角までなんとか行くことができました。

It was not accomplished without a few tumbles, and Tip really worked harder than he ever had in the fields or forest;
ニ三回転倒することなしには、完遂することはできませんでした。ティップは、これまで畑や森で働いたことのないくらい熱心に働きました。

but a love of mischief urged him on, and it pleased him to test the cleverness of his workmanship.
しかし、いたずら心は、彼を駆り立てました。自分の職人技の器用さを試すことは、喜びでした。

●“Jack's all right, and works fine!” he said to himself, panting with the unusual exertion.
「ジャックは、OK、ちゃんと動く!」 彼は自分に言いました、尋常でない奮闘にあえぎながら。

But just then he discovered the man's left arm had fallen off in the journey so he went back to find it,
しかし、丁度その時、旅の途中で左腕が落ちてしまったことを発見し、戻って、それを見つけました。

and afterward, by whittling a new and stouter pin for the shoulder-joint, he repaired the injury so successfully that the arm was stronger than before.
そして、その後、彼は、肩の関節のために新しくより頑丈なピンを削って、その損傷を見事に修理したので、腕は、以前よりもずっと強くなりました。

Tip also noticed that Jack's pumpkin head had twisted around until it faced his back; but this was easily remedied.
ティップは、また、気づきました|ジャックのカボチャ頭が周って、後ろ向きになっていることに|。しかし、これは、すぐに修理できました。

When, at last, the man was set up facing the turn in the path where old Mombi was to appear, he looked natural enough to be a fair imitation of a Gillikin farmer, -- and unnatural enough to startle anyone that came on him unawares.
最後に、人形が、立てられたとき|曲がり角に向かって|モンビが現れるであろう道の|、人形は、十分に自然に見え、ギリキンの農夫の公明な模倣になっていました。そして、不意に出くわした人を誰でも脅かすに十分なほど不自然でした。

●As it was yet too early in the day to expect the old woman to return home, Tip went down into the valley below the farm-house and began to gather nuts from the trees that grew there.
まだ、婆さんが戻ってくると予想される時間よりは、ずっと早かったので、ティップは、農場の家の下の谷に降りて、そこに生えている木から、ナッツを集め始めました。

However, old Mombi returned earlier than usual. しかし、モンビ婆さんは、いつもより早く帰ってきました。

She had met a crooked wizard who resided in a lonely cave in the mountains, and had traded several important secrets of magic with him.
彼女は、山奥の洞窟に独り住んでいる腰の曲がった魔法使いに会い、いくつか大切な魔法の種を取引してきたのでした。

Having in this way secured three new recipes, four magical powders and a selection of herbs of wonderful power and potency, she hobbled home as fast as she could, in order to test her new sorceries.
このようにして、三つの新しい魔法レシピと、四っつの魔法の粉と、不思議な力と効能をもつ選りすぐりのハーブを獲得して、彼女は、引きずる足をできるだけ速く動かして、家に向かいました。新しい魔法をテストするために。

●So intent was Mombi on the treasures she had gained that when she turned the bend in the road and caught a glimpse of the man, she merely nodded and said: "Good evening, sir."
モンビは、入手したお宝に、たいそう没頭していたので、道路の曲がり角を曲がって、ちらりと男の姿を見たときに、単に会釈して、言いました。「今晩は、旦那さん。」

●But, a moment after, noting that the person did not move or reply, she cast a shrewd glance into his face and discovered his pumpkin head elaborately carved by Tip's jack-knife.
しかし、直後、男が動かず返事しないのに気付いて、彼女は、狡猾な目で、男の顔を眺め、ティップのジャックナイフで精巧に彫られたカボチャ頭を見つけました。

●“Heh!” ejaculated Mombi, giving a sort of grunt; “that rascally boy has been playing tricks again! Very good! ve - ry good! I'll beat him black- and-blue for trying to scare me in this fashion!”
「ヘー!」、モンビは大声で叫んで、ブツブツと言いました、「あのいたずら小僧が、また仕組んだんだね。わかったわ。よく、わかったわ。ぶって、あざだらけにしてあげるわ。こんな風に私を怖がらせようとするなんて。」

●Angrily she raised her stick to smash in the grinning pumpkin head of the dummy;
怒って彼女は杖を振り上げました。人形のにやにや笑っているカボチャ頭を砕き割るために。

but a sudden thought made her pause, the uplifted stick left motionless in the air.
しかし、突然思いついて、彼女は止まりました。振り上げられた杖は、空中に、止まりました。

●“Why, here is a good chance to try my new powder!” said she, eagerly.
「おや。これは、新しい粉を試験するいいチャンスだ!」と、彼女は、はやる思いで言いました。

“And then I can tell whether that crooked wizard has fairly traded secrets, or whether he has fooled me as wickedly as I fooled him.”
「そうすれば、わかるわ|あの背中の曲がった魔法使いが、魔法の種を公正に取引したか、それとも、私があいつを騙したと同じくらい悪質に私を騙したのかが|。」

●So she set down her basket and began fumbling in it for one of the precious powders she had obtained.
そこで、彼女は、カゴを下に置き、その中を手探りして、彼女が手に入れた貴重な粉の一つを探しました。

●While Mombi was thus occupied Tip strolled back, with his pockets full of nuts, and discovered the old woman standing beside his man and apparently not the least bit frightened by it.
モンビがこうしている間に、ティップが、戻ってきました、ポケットをナッツで一杯にして。老婆が、人形のそばに立っていますが、あきらかに、少しも、怖がっていないのが、わかりました。

●At first he was generally disappointed; 最初、彼は、がっかりしました。

but the next moment he became curious to know what Mombi was going to do.
しかし次の瞬間、モンビが何をしようとしているのか知りたくなりました。

So he hid behind a hedge, where he could see without being seen, and prepared to watch.
そこで、彼は、生け垣の後ろに隠れて、そこからは見られずに見ることができます、観察する準備を整えました。

●After some search the woman drew from her basket an old pepper-box, upon the faded label of which the wizard had written with a lead-pencil:“Powder of Life.”
すこし探して、モンビは、バスケットの中から、古い胡椒の箱を取り出しました。その色あせたラベルに、魔術師が鉛筆で書きました、「命の粉」と。

●“Ah - here it is!” she cried, joyfully. 「ああ、これこれ」彼女は、楽し気に叫びました。

“And now let us see if it is potent. 「では、効能があるかどうか、確かめてみましょう。

The stingy wizard didn't give me much of it, but I guess there's enough for two or three doses.”
あのケチな魔法使いは、たくさんはくれなかったが、ニ三回分は、あるでしょう。」

●Tip was much surprised when he overheard this speech.
 ティップは、これを立ち聞きして、たいそう驚きました。

Then he saw old Mombi raise her arm and sprinkle the powder from the box over the pumpkin head of his man Jack.
そして、モンビ婆さんは、腕を高く上げ、箱の粉をジャックのカボチャ頭にふりかけました。

She did this in the same way one would pepper a baked potato,
彼女は、人が焼いたジャガイモに胡椒をふりかけるのと同じ風に、これを行いました。

and the powder sifted down from Jack's head and scattered over the red shirt and pink waistcoat and purple trousers Tip had dressed him in, and a portion even fell upon the patched and worn shoes.
粉は、ジャックの頭から下に落ちて、ティップが着せた赤いシャッと、ピンクのベストと紫色のズボンの上に降りかかりました。一部は、パッチの当たったくたびれた靴にもかかりました。

●Then, putting the pepper-box back into the basket, Mombi lifted her left hand, with its little finger pointed upward, and said:
 胡椒箱をバスケットに戻し、モンビは、左手を挙げて、小指を上に向けて、言いました。

●“Weaugh!” 「ウォー」

●Then she lifted her right hand, with the thumb pointed upward, and said:
 そして、右手を挙げて、親指を上に向けて、言いました。

●“Teaugh!” 「トー」

●Then she lifted both hands, with all the fingers and thumbs spread out, and cried:
 そして、両手を挙げて、すべての指を広げて、叫びました。

●“Peaugh!” 「ポー」

●Jack Pumpkinhead stepped back a pace, at this, and said in a reproachful voice:
 カボチャ頭のジャックは、これを聞いて、一歩あとずさりして、とがめる声で言いました。

●“Don't yell like that! Do you think I'm deaf?”
 「そんなに叫ばないで。私がつんぼだと思うのかい?」

●Old Mombi danced around him, frantic with delight.
 モンビ婆さんは、彼の周りで踊りました。喜びで半狂乱になって。

●“He lives!” she screamed: “He lives! he lives!”
 彼女は、叫びました。「生きている。生きている。生きている」

●Then she threw her stick into the air and caught it as it came down;
 彼女は、杖を空中に投げ上げ、落ちてくるのをつかみました。

and she hugged herself with both arms, and tried to do a step of a jig;
彼女は、両手で自分を抱きしめて、ジグのステップを踏もうと試みました。

and all the time she repeated, rapturously:“He lives! -- he lives! -- he lives!”
そして、有頂天になつて、ずっと繰り返しました。「生きている、生きている、生きている」

●Now you may well suppose that Tip observed all this with amazement.
 あなたが、想像されるのがよくわかります|ティップがこのすべてを、驚きながら、見ていたと|。

●At first he was so frightened and horrified that he wanted to run away, but his legs trembled and shook so badly that he couldn't.
 最初、彼は、たいそう怖がり、恐怖をいだいたので、逃げ出したく思いましたが、彼の脚は、揺れ動き、震えたので、逃げ出すことができませんでした。

Then it struck him as a very funny thing for Jack to come to life, especially as the expression on his pumpkin face was so droll and comical it excited laughter on the instant.
すると、ジャックに命が宿ったのは、とても滑稽なことだと、彼の心を打ちました。特に、カボチャの顔の表情が、とてもひょうきんで滑稽だったので、その瞬間、笑いを呼び起こしました。

So, recovering from his first fear, Tip began to laugh;
そこで、最初の恐怖から回復して、ティップは、笑い始めたのです。

and the merry peals reached old Mombi's ears and made her hobble quickly to the hedge, where she seized Tip's collar and dragged him back to where she had left her basket and the pumpkinheaded man.
その楽し気な笑い声は、モンビの耳に届き、彼女は、足を引きずりながら、急いで、生け垣のところにやってきて、ティップの襟をつかみ、引きずって、彼女のバスケットやカボチャ男のいるところまで、戻ってきました。

●“You naughty, sneaking, wicked boy!” she exclaimed, furiously:” I'll teach you to spy out my secrets and to make fun of me!”
 彼女は、激怒して、叫びました。「このいたずらで、コソコソした、悪たれ小僧め!私の秘密を盗み見して、私を馬鹿にしたことに、報いを与えるからね!」

●“I wasn't making fun of you,” protested Tip.
 「あなたを馬鹿になんかしていません。」ティップは、訴えました。

“I was laughing at old Pumpkinhead! Look at him! Isn't he a picture, though?”
「カボチャ男を見て、笑ってたんです! みてください! 見ものじゃないですか。」

●“I hope you are not reflecting on my personal appearance,” said Jack;
 「私の個人的な容姿について、おっしゃっているんではないことを希望します。」と、ジャックが言いました。

and it was so funny to hear his grave voice, while his face continued to wear its jolly smile, that Tip again burst into a peal of laughter.
彼の厳かな声を聴くのはとても滑稽だったので|彼の顔が、ずっと楽しいスマイルを続けているにもかかわらず|、ティップは、再び、鳴り響く大笑いに突入しました。

●Even Mombi was not without a curious interest in the man her magic had brought to life; for, after staring at him intently, she presently asked:
 モンビも、彼女の魔術が命を与えたこの男に好奇心がなくはありません。彼を熱心にながめた後、まもなく、尋ねました。

●“What do you know?” 「お前は、何を知っているんだい?」

●“Well, that is hard to tell,” replied Jack.
 「なんとも、いいがたいですね。」ジャックは、答えました。

“For although I feel that I know a tremendous lot, I am not yet aware how much there is in the world to find out about.
「というのは、私は、沢山のことを知っているような気がするのですが、私には、まだわかりません|この世の中に、知るべきことがどれくらい沢山あるのか|。

It will take me a little time to discover whether I am very wise or very foolish.”
私が、とても賢いのか、それともとても馬鹿なのかがわかるには、少し時間がかかりそうです。」

●“To be sure,” said Mombi, thoughtfully. 「なるほどね。」、モンビは、考え深そうに言いました。

●“But what are you going to do with him, now he is alive?” asked Tip, wondering.
 「でも、あなたは、彼をどうするつもりなんですか、彼は生きてるんですから。」ティップは、不思議に思って尋ねました。

●“I must think it over,” answered Mombi. 「じっくり考えなきゃいけないね。」モンビは、答えました。

“But we must get home at once, for it is growing dark. 
「しかし、すぐに、家にもどらなきゃいけないね。暗くなりつつあるから。

Help the Pumpkinhead to walk.” カボチャ頭が歩くのを手伝いなさい。」

●“Never mind me,” said Jack; “I can walk as well as you can.
 ジャックが言いました。「構わないでください。私は、あなたたちと同じように、歩けますよ。

Haven't I got legs and feet, and aren't they jointed?”
脚も足もありますよね? ちゃんと繋がってますよね?」

●“Are they?” asked the woman, turning to Tip.
 「そうかい?」 モンビは、ティップの方を向いて、尋ねました。

●“Of course they are; I made 'em myself,” returned the boy, with pride.
 「勿論ですとも。私が、作りました。」 ティップは、プライドを持って、答えました。

●So they started for the house, 彼らは、家に向かって歩き始めました。

but when they reached the farm yard old Mombi led the pumpkin man to the cow stable and shut him up in an empty stall, fastening the door securely on the outside.
しかし、農場に着くと、モンビ婆さんは、カボチャ男を、牛小屋につれて行き、空いている部屋に閉じ込めて、外側からドアをしっかりと閉めてしまいました。

●“I've got to attend to you, first,” she said, nodding her head at Tip.
 「まず、お前の面倒をみなきゃならないな。」彼女は、ティップに向かってうなずきながら、言いました。

●Hearing this, the boy became uneasy; これを聞いて、ティップは、不安になりました。

for he knew Mombi had a bad and revengeful heart, and would not hesitate to do any evil thing.
というのは、モンビは、性悪で執念深い心をもっていて、どんなに悪いことでも躊躇せずにすることを、彼は知っているからです。

●They entered the house.  彼らは、家に入りました。

It was a round, domeshaped structure, as are nearly all the farm houses in the Land of Oz.
それは、丸くドーム状の構造でした。オズの国の農家は、みなこのような作りです。

●Mombi bade the boy light a candle, while she put her basket in a cupboard and hung her cloak on a peg.
 モンビは、ティップに蠟燭の火をつけるように命じました。彼女は、籠を食器棚に置いて、外套をフックにかけました。

Tip obeyed quickly, for he was afraid of her. ティップは、すぐに従いました。彼女のことを恐れていたので。

●After the candle had been lighted Mombi ordered him to build a fire in the hearth,
 蝋燭の火が灯ると、モンビは、彼に暖炉の火を起こすように命じました。

and while Tip was thus engaged the old woman ate her supper.
ティップが任務を果たしている間に、老婆は、夕食をとりました。

When the flames began to crackle the boy came to her and asked a share of the bread and cheese; but Mombi refused him.
炎がパチパチ音を立て始めると、ティップは、彼女の所に行き、パンとチーズの分け前をお願いしました。しかし、モンビは、拒否したのです。

●“I'm hungry!” said Tip, in a sulky tone. 「腹ペコなんです。」ティップは、むっつりした声色で言いました。

●“You won't be hungry long,” replied Mombi, with a grim look.
 「まもなく腹ペコではなくなるさ。」モンビは、恐ろしい顔つきで、答えました。

●The boy didn't like this speech, for it sounded like a threat;
 ティップは、この言い方を好みませんでした。脅しのように聞こえたからです。

but he happened to remember he had nuts in his pocket,
しかし、彼は、ポケットにナッツがあることを、たまたま思い出しました。

so he cracked some of those and ate them while the woman rose, shook the crumbs from her apron, and hung above the fire a small black kettle.
そこで、彼は、いくつかを割って、食べました。老婆が、立ち上がって、パンくずをエプロンから払い落とし、小さな黒いヤカンを火の上にかけました。

●Then she measured out equal parts of milk and vinegar and poured them into the kettle.
 彼女は、等量のミルクと酢を計り、ヤカンの中に注ぎました。

Next she produced several packets of herbs and powders and began adding a portion of each to the contents of the kettle.
次に、彼女は、ハーブと粉のいくつかの包みを取り出し、それぞれ少しずつ、ヤカンの中味に加え始めました。

Occasionally she would draw near the candle and read from a yellow paper the recipe of the mess she was concocting.
時々、彼女は、蝋燭に近づいて、黄色の紙から、作ろうとしているどろどろ料理のレシペを読みました。

●As Tip watched her his uneasiness increased.
 ティップは、彼女を見ながら、不安が増大してきました。

●“What is that for?” he asked. 「それは、なんのためなの?」彼は、尋ねました。

●“For you,” returned Mombi, briefly. 「お前のためさ。」モンビは、短く答えました。

●Tip wriggled around upon his stool and stared awhile at the kettle, which was beginning to bubble.
 ティップは、椅子の上でくねくね動き、しばらくヤカンを眺めました。ヤカンは、沸騰し始めていました。

Then he would glance at the stern and wrinkled features of the witch and wish he were any place but in that dim and smoky kitchen, where even the shadows cast by the candle upon the wall were enough to give one the horrors.
そして、彼は、魔女の厳しくしわくちゃな顔立ちに目をやり、この薄暗くて煙っぽい台所以外の場所にいたいと望みました。その場所では、蠟燭によって壁に映し出された影ですら、人に恐怖を感じさせるに十分でした。

So an hour passed away, during which the silence was only broken by the bubbling of the pot and the hissing of the flames.
一時間が経ちました。その間、鍋のぐつぐついう音と、炎がシューシューいう音のみが、沈黙を破りました。

●Finally, Tip spoke again. ついに、ティップが、再び、しゃべりました。

●“Have I got to drink that stuff?” he asked, nodding toward the pot.
 「そのしろものを飲まなきゃいけないんですか?」彼は尋ねました、鍋の方にうなずきながら。

●“Yes,” said Mombi. 「そうさ」、モンビが言いました。

●“What'll it do to me?” asked Tip. 「僕はどうなるの?」、ティップは尋ねました。

●“If it's properly made,” replied Mombi, “it will change or transform you into a marble statue.”
 モンビは答えました。「もし、ちゃんとできれば、お前を大理石の像に変えてくれるのさ。」

●Tip groaned, and wiped the perspiration from his forehead with his sleeve.
 ティップは、うなって、袖で額から汗をぬぐいました。

●“I don't want to be a marble statue!” he protested.
 「僕は、大理石の像にはなりたくない。」 彼は、訴えました。

●“That doesn't matter; I want you to be one,” said the old woman, looking at him severely.
 「それは関係ないさ。私がそうしたいのさ。」 老婆は言いました。彼を厳しくながめながら。

●“What use'll I be then?” asked Tip. “There won't be any one to work for you.”
 ティップは、言いました。「僕は、どんな役にたつの? あなたのために働く人がだれもいなくなるんだよ。」

●“I'll make the Pumpkinhead work for me,” said Mombi.
 「私は、カボチャ頭を働かせるさ。」 モンビは、言いました。

●Again Tip groaned. 再び、ティップは、うめきました。

●“Why don't you change me into a goat, or a chicken?” he asked, anxiously.
 「僕を、ヤギや、ニワトリに変えたらどう?」 彼は、必死に頼みました。

“You can't do anything with a marble statue.” 「大理石の像では、何もできないよ。」

●“Oh, yes, I can,” returned Mombi.  「できるさ。」 モンビは、答えました。

“I'm going to plant a flower garden, next Spring, and I'll put you in the middle of it, for an ornament.
 「春になったら、花壇をつくるつもりさ。お前を、その真ん中に、飾りとして置くのさ。

I wonder I haven't thought of that before; you've been a bother to me for years.”
どうして思いつかなかったんだろう。お前には、長年、悩まされてきたのさ。」

●At this terrible speech Tip felt the beads of perspiration starting all over his body.
 このひどい話に、ティップは、玉のような汗が、体じゅうからでてくるのを感じました。

but he sat still and shivered and looked anxiously at the kettle.
しかし、彼は、じっと座り、震え、心配そうにヤカンを眺めていました。

●“Perhaps it won't work,” he mutttered, in a voice that sounded weak and discouraged.
 「多分、働かないよ。」 彼は、つぶやきました。弱く消沈して聞こえる声で。

●“Oh, I think it will,” answered Mombi, cheerfully. “I seldom make a mistake.”
 モンビは、楽しそうに答えました。「働くと思うよ。私は、めったに失敗しないさ。」

●Again there was a period of silence - a silence so long and gloomy that when Mombi finally lifted the kettle from the fire it was close to midnight.
 再び、沈黙の時間が続きました。沈黙は、長く暗かったので、モンビが、ヤカンを火から持ち上げたとき、真夜中に近づいていました。

●“You cannot drink it until it has become quite cold,” announced the old witch - for in spite of the law she had acknowledged practising witchcraft.
 「お前は、それが、すっかり冷たくなるまでは飲めないよ。」 老婆は言いました。というのは、法にもかかわらず、彼女は、魔法を行うことを認めていたのです。

“We must both go to bed now, and at daybreak I will call you and at once complete your transformation into a marble statue.”
「私たちは、二人とも、寝床に行って、明日の夜明けに、お前を呼んで、すぐさま、お前の大理石の像への変身を完成させるのさ。」

●With this she hobbled into her room, bearing the steaming kettle with her,
 こう言って、彼女は、足を引きずって自分の部屋に行きました。湯気をあげるヤカンを持って。

and Tip heard her close and lock the door.
そして、ティップには、彼女がドアを閉めて、ロックするのが聞こえました。

The boy did not go to bed, as he had been commanded to do, but still sat glaring at the embers of the dying fire.
ティップは、命じられたにもかかわらず、寝床に行きませんでした。消えつつある火の燃えさしを眺めながら、じっと座っていました。

 

3. The Flight of the Fugitives  逃亡者達の逃走

●Tip reflected. ティップは、じっくり考えました。

●“It's a hard thing, to be a marble statue,” he thought, rebelliously, “and I'm not going to stand it.
 「酷なことだ、大理石の像になるなんて。」 彼は思いました、反抗的に、「僕には、耐えられない。

For years I've been a bother to her, she says; so she's going to get rid of me.
長年、僕は、彼女のやっかいものだと、言ってた。僕を、取り除こうとしてるんだ。

Well, there's an easier way than to become a statue.
像になるよりも、楽な道がある。

No boy could have any fun forever standing in the middle of a flower garden!
どんなやつも、楽しくないよ。花壇の真ん中に、永遠に経ち続けるなんて。

I'll run away, that's what I'll do - and I may as well go before she makes me drink that nasty stuff in the kettle.”
僕は、逃げるさ。そうしよう。それに、逃げたほうがよさそうだ|ヤカンの中のあの汚らわしい代物を僕に飲ます前に|。

He waited until the snores of the old witch announced she was fast asleep,
彼は、待ちました|老婆のいびきが、彼女が熟睡したことを告げるまで|。

and then he arose softly and went to the cupboard to find something to eat.
そして、そっと起き上がって、何か食べるものをみつけるために、食器棚に行きました。

●“No use starting on a journey without food,” he decided, searching upon the narrow shelves.
 「食料なしで旅に出発しちゃあ全く役立たずさ。」彼は、確信しました、狭い棚の上を手探りしながら。

説明 No use は、役に立たない、と訳すよりも、無駄です と訳した方が、しっくりきます。

    文法的には、It is of no use denying の省略形です。

●He found some crusts of bread;  彼は、パンの耳をいくらかみつけました。

but he had to look into Mombi's basket to find the cheese she had brought from the village.
しかし、彼は、探さなければなりません|モンビの籠の中を|彼女が村から買ってきたチーズを見つけるために|。

While turning over the contents of the basket he came upon the pepper-box which contained the “Powder of Life.”
籠の中身をひっくり返しているとき、彼は、見つけました|「命の粉」が入っている胡椒箱を|。

●“I may as well take this with me,” he thought, “or Mombi'll be using it to make more mischief with.”
 彼は、思いました、「これは、持っていった方がよさそうだ。さもないと、モンビは、それを使ってもっと悪さをしちゃう。」

So he put the box in his pocket, together with the bread and cheese.
彼は、その箱をポケットに入れました、パンとチーズと一緒に。

●Then he cautiously left the house and latched the door behind him.
 そして、彼は、注意深く家を出て、後ろのドアの掛け金をかけました。

Outside both moon and stars shone brightly, and the night seemed peaceful and inviting after the close and ill-smelling kitchen.
外では、月と星が両方、明るく輝いていました、その晩は、平和で魅力的でした|狭くいやな匂いの台所を後にして|。

説明 after は、普通は、追っかけて求める という意味ですが、ここでは、意味上、後にして、ということになると思います。

●“I'll be glad to get away,” said Tip, softly;
 「僕は、よろこんで逃げ出すさ。」、ティップは、ささやくように言いました:

“for I never did like that old woman. I wonder how I ever came to live with her.”
「僕はあの婆さんが、ちっとも好きじゃなかった。一体どうして、一緒に住むようになったんだろう。」

●He was walking slowly toward the road when a thought made him pause.
 彼は、道路に向かってゆっくり歩いていました、その時、ある考えが、彼を立ち止まらせました。

●“I don't like to leave Jack Pumpkinhead to the tender mercies of old Mombi,” he muttered.
 「僕は、カボチャ頭のジャックを、モンビ婆さんのやさしい慈悲のもとに残していくのはいやだ。」彼はつぶやきました。

“And Jack belongs to me, for I made him even if the old witch did bring him to life.”
「それに、ジャックは、僕のものだ。僕が作ったんだから。たとえ、あの魔女が命をふきこんだとしても。」

●He retraced his steps to the cow-stable and opened the door of the stall where the pumpkinheaded man had been left.
 彼は、後戻りして、牛小屋に行き、開けました|小部屋の戸を|カボチャ頭が残されていた|。

●Jack was standing in the middle of the stall, and by the moonlight Tip could see he was smiling just as jovially as ever.
 彼は、部屋の真ん中に立っていました。そして、月あかりに、ティップは、彼が、いつもと同じように陽気に微笑んでいるのを見ました。

●“Come on!” said the boy, beckoning.” 「おいで!」 彼は、手招きして。言いました。

●“Where to?” asked Jack. 「どこへ?」 ジャックが答えました。

●“You'll know as soon as I do,” answered Tip, smiling sympathetically into the pumpkin face.
 「わかったら教えるよ。」ティップは、答えました。カボチャ顔を見つめて、同情しながら、笑いかけて。

説明 You'll know as soon as I do. は、多分 I will let you know as soon as I do. と同じ意味で、

    わかったらすぐ教えるよ という意味だと思います。

●“All we've got to do now is to tramp.” 「今、やらなきゃならないのは、さすらい歩くことさ。」

●“Very well,” returned Jack, and walked awkwardly out of the stable and into the moonlight.
 「なるほど」、ジャックは、返しました。そして、ぎこちなく歩いて、小屋から月光の中に進みました。

●Tip turned toward the road and the man followed him.
 ティップは、道路のほうを向き、ジャックも続きました。

Jack walked with a sort of limp, and occasionally one of the joints of his legs would turn backward, instead of frontwise, almost causing him to tumble.
ジャックは、少し足を引きずって歩きました。時々、彼の脚の関節の一つが、前向きではなく、後ろ向きに曲がって、ほとんどこけそうになりました。

But the Pumpkinhead was quick to notice this, and began to take more pains to step carefully; so that he met with few accidents.
しかし、カボチャ頭は、すぐに、このことに気づき、さらに苦心して、用心深く、ステップを踏み始めましたので、殆ど、転倒事故は、ありませんでした。

●Tip led him along the path without stopping an instant.
 ティップは、彼を連れて、道を進みました、一瞬も止まることなしに。

They could not go very fast, but they walked steadily;
彼らは、あまり速く進むことはできませんでしたが、着実に歩きました。

and by the time the moon sank away and the sun peeped over the hills they had travelled so great a distance that the boy had no reason to fear pursuit from the old witch.
月が沈んで消え、太陽が丘の上に顔を出す頃までに、彼らは、とても遠くまですすみましたので、魔女婆さんの追跡を恐れる理由はありませんでした。

Moreover, he had turned first into one path, and then into another, so that should anyone follow them it would prove very difficult to guess which way they had gone, or where to seek them.
さらに、彼は、最初は、ある道、次は、別の道と、変化しましたので、万一、誰かが、後をつけようとしても、彼らがどの道を行ったか、どこを探したらいいかを推測することは、非常に難しくなりました。

●Fairly satisfied that he had escaped - for a time, at least - being turned into a marble statue, the boy stopped his companion and seated himself upon a rock by the roadside.
 少なくとも当面、大理石の像に変えられることから免れたことに、満足して、ティップは、連れを立ち止まらせて、自分は、道端の岩の上に座りました。

●“Let's have some breakfast,” he said. 「朝食をとろう。」 彼は、言いました。

●Jack Pumpkinhead watched Tip curiously, but refused to join in the repast.
 カボチャ頭のジャックは、ティップを不思議そうに眺めて、食事に加わることは断りました。

“I don't seem to be made the same way you are,” he said.
「私は、あなたと同じようには、作られていにいようですね。」

●“I know you are not,” returned Tip; “for I made you.”
 「知ってるさ。僕がお前を作ったのさ。」 ティップが返しました。

●“Oh! Did you?” asked Jack. 「え、あなたが?」ジャックが尋ねました。

●“Certainly. And put you together. And carved your eyes and nose and ears and mouth,” said Tip proudly.
 「勿論さ。そして、組み立てたんだ。お前の目と、鼻と、耳と、口を彫ったのさ。」 ティップは、自慢げに言いました。

“And dressed you.” 「そして、服もきせたんだよ。」

●Jack looked at his body and limbs critically. ジャックは、自分の体と手足を、じっくり眺めました。

●“It strikes me you made a very good job of it,” he remarked.
 「あなたが良い仕事をなさったこと、感激です。」 彼は、言いました。

●“Just so-so,” replied Tip, modestly;  「まあまあかな」ティップは、遠慮勝ちに、答えました。

for he began to see certain defects in the construction of his man.
というのは、ジャックの構造に或る欠点があることが見え始めたからです。

“If I'd known we were going to travel together I might have been a little more particular.”
「もし、一緒に旅に出ることがわかっていたら、もっと、入念にやってただろうなあ。」

●“Why, then,” said the Pumpkinhead, in a tone that expressed surprise, “you must be my creator my parent my father!”
 カボチャ頭は、驚きを表すトーンで、言いました。「おや、それなら、あなたは、私の作り主で、親で、父さんにちがいないんですね。」

●“Or your inventor,” replied the boy with a laugh. “Yes, my son; I really believe I am!”
 ティップは、笑って答えました。「もしくは、発明者さ。そうさ、息子よ。その通りなんだよ。」

●“Then I owe you obedience,” continued the man, “and you owe me - support.”
 ジャックは続けました。「それなら、私は、あなたに、服従の義務を負い、あなたは、私に、面倒を見る義務を負っているのです。」

●“That's it, exactly”, declared Tip, jumping up.
 「正に、その通りだ。」 ティップは、飛び上がって、そう言いました。

“So let us be off.” 「じゃあ、出発しよう。」

●“Where are we going?” asked Jack, when they had resumed their journey.
 「私たちは、どこに行くんですか?」ジャックは尋ねました、再び旅を始めたときに。

●“I'm not exactly sure,” said the boy; 「はっきりは、わからないんだ。」少年は答えました。

“but I believe we are headed South, and that will bring us, sooner or later, to the Emerald City.”
「でも、僕たちは、南に向かっていると思う。どっちみち、エメラルドシティに着くだろう。」

●“What city is that?” enquired the Pumpkinhead.
 「それは、どんな町ですか?」 カボチャ頭が尋ねました。

●“Why, it's the center of the Land of Oz, and the biggest town in all the country.
 「おや、それは、オズの国の中心で、全国で、一番大きな町なんだ。

I've never been there, myself, but I've heard all about its history.
僕自身は、行ったことがないけど、その歴史は、全部聞いてるんだ。

It was built by a mighty and wonderful Wizard named Oz, and everything there is of a green color - just as everything in this Country of the Gillikins is of a purple color.”
それは、オズという名前の強大で素敵な魔法使いによって作られて、そこは、すべてが緑色なんだ。丁度、ギリキンの国ではすべてが紫色なように。」

●“Is everything here purple?” asked Jack. 「ここは、みんなが紫色なの?」ジャックが尋ねました。

●“Of course it is. Can't you see?” returned the boy.
 「勿論、そうさ。見えないの?」 少年が返しました。

●“I believe I must be color-blind,” said the Pumpkinhead, after staring about him.
 「僕は、色盲に違いないと思うよ。」 カボチャ頭は言いました。

●“Well, the grass is purple, and the trees are purple, and the houses and fences are purple,” explained Tip.
 「ええ、草は紫、木は紫、家も壁も紫さ。」 ティップは、説明しました。

“Even the mud in the roads is purple.  「道路の泥でさえ、紫だよ。

But in the Emerald City everything is green that is purple here.
しかし、エメラルド・シティでは、ここで紫のものが、緑なんだ。

And in the Country of the Munchkins, over at the East, everything is blue;
そして、マンチキンの国では、ずっと東の、すべてが青色だよ。

and in the South country of the Quadlings everything is red;
そして、南のクワドリンの国では、すべてが赤なんだよ。

and in the West country of the Winkies, where the Tin Woodman rules, everything is yellow.”
そして、西のウィンキーズの国、そこはブリキのきこりが支配してるんだけど、そこでは、すべてが黄色さ。」

●“Oh!” said Jack. 「おお」 ジャックは、いいました。

Then, after a pause, he asked: “Did you say a Tin Woodman rules the Winkies?”
そして、少しして、尋ねました。「ブリキの木こりがウィンキーを支配してるていいました?」

●“Yes; he was one of those who helped Dorothy to destroy the Wicked Witch of the West,
 「ああ、彼は、ドロシーが、西の悪い魔女をやっつけるのを助けた人になのさ、

and the Winkies were so grateful that they invited him to become their ruler, -- just as the people of the Emerald City invited the Scarecrow to rule them.”
そして、ウィンキーたちは、たいそう感謝して、彼を自分たちの支配者に招いたんだ、丁度、エメラルド・シティの人達がかかし男を支配者に招いたように。

●“Dear me!” said Jack. “I'm getting confused with all this history. Who is the Scarecrow?”
 ジャックは言いました。「まあ、このすべてのお話で、頭が混乱中です。かかし男って誰?」

●“Another friend of Dorothy's,” replied Tip.
 「ドロシーのもう一人の友達さ。」 ティップが答えました。

●“And who is Dorothy?” 「そして、ドロシーって誰?」

●“She was a girl that came here from Kansas, a place in the big, outside World.
 「彼女は、カンザス、大きな外の世界にある場所、からやってきた女の子さ。

She got blown to the Land of Oz by a cyclone, and
彼女は、サイクロンによって、オズの国に、飛んできたんだ。

while she was here the Scarecrow and the Tin Woodman accompanied her on her travels.”
彼女がここにいる間、カカシ男と、ブリキの木こりが、彼女の旅のお供をしたのさ。」

●“And where is she now?” inquired the Pumpkinhead. 「彼女は、いまどこ?」カボチャ男が尋ねました。

●“Glinda the Good, who rules the Quadlings, sent her home again,” said the boy.
 「クワドリン達を支配している、よい魔女グリンダが、彼女を家に送り返したんだよ。」少年は、言いました。

●“Oh. And what became of the Scarecrow?” 「おお。それで、カカシ男は、どうなったの?」

●“I told you. He rules the Emerald City,” answered Tip.
 「言ったでしょ。彼は、エメラルド・シティを支配してる。」 ティップは答えました。

●“I thought you said it was ruled by a wonderful Wizard,” objected Jack, seeming more and more confused.
 「それは、素敵な魔法使いが支配してるって、あんたが言ったように思うけど。」 ジェックが反論しました。ますます混乱しているように見えました。

●“Well, so I did. Now, pay attention, and I'll explain it,” said Tip, speaking slowly and looking the smiling Pumpkinhead squarely in the eye.
 「ああ、そう言ったね。注意して聞いてね。いま、説明するよ。」ティップは、言いました。ゆっくり話しながら、そして、笑っているカボチャ頭の目を正面から凝視しながら。

“Dorothy went to the Emerald City to ask the Wizard to send her back to Kansas;
「ドロシーは、エメラルド・シティに行ったのさ|魔法使いに、カンザスに送り返してもらうよう頼むために|。

and the Scarecrow and the Tin Woodman went with her.
そして、カカシ男と、ブリキの木こりは、彼女と一緒に行ったんだ。

But the Wizard couldn't send her back, because he wasn't so much of a Wizard as he might have been.
しかし、魔法使いは彼女を送り返すことができなかった。なぜなら、彼は、かつてほどには、たいした魔法使いじゃなかったんだ。

And then they got angry at the Wizard, and threatened to expose him;
それで、彼らは、魔法使いにたいして怒り、招待をばらすと脅したんだ。

so the Wizard made a big balloon and escaped in it, and no one has ever seen him since.”
そこで、魔法使いは、大きな風船を作って、それに乗って逃げたんだ。それ以後、誰も彼をみていない。」

●“Now, that is very interesting history,” said Jack, well pleased; “and I understand it perfectly all but the explanation.”
 「ああ、それは、大変面白いお話ですね。」ジャックは、たいそう喜んで言いました。「私は、完璧にわかりましたよ。その説明とやら以外はね。」

●“I'm glad you do,” responded Tip.  「わかってくれて、うれしいよ。」ティップは、答えました。

“After the Wizard was gone, the people of the Emerald City made His Majesty, the Scarecrow, their King; and I have heard that he became a very popular ruler.”
「魔法使いが去ったあと、エメラルド・シティの人達は、偉大なるカカシ男をかれらの王様にしたんだ。彼は、人気ある君主になったと聞いているよ。」

●“Are we going to see this queer King?” asked Jack, with interest.
 「この奇妙な王様に会いにいくんですか?」ジャックは、尋ねました。興味深々に。

●“I think we may as well,” replied the boy; “unless you have something better to do.”
 「そうしてもいいかなと思ってるよ。」少年は、答えました。「お前に、もっといいことがなければね。」

●“Oh, no, dear father,” said the Pumpkinhead. “I am quite willing to go wherever you please.”
 カボチャ頭は、言いました。「ああ、ありませんよ、お父さん。どこでも、あなたの行きたいところに、喜んで、ついていきますよ。」

 

4. Tip Makes an Experiment in Magic  ティップが、魔法の実験をする

●The boy, small and rather delicate in appearance, seemed somewhat embarrassed at being called “father” by the tall, awkward, pumpkinheaded man,
 少年は、体が小さく、外観もかなり華奢で、背が高く、無骨なカボチャ頭男から「父さん」と呼ばれるのに、いささか当惑しているように見えました。

but to deny the relationship would involve another long and tedious explanation;
しかし、その関係を否定することは、新たに長々と退屈な説明をしなければならないことを伴います。

so he changed the subject by asking, abruptly:
そこで、彼は話題を変えて、唐突に、尋ねました。

●“Are you tired?” 「疲れたかい?」

●“Of course not!” replied the other.  「勿論、疲れてません。」相方が答えました。

“But,” he continued, after a pause, “it is quite certain I shall wear out my wooden joints if I keep on walking.”
 少しして、続けました。「でも、確実なことは、私の木製の関節がすり減ってしまいます、もし、歩きつづけたら。」

●Tip reflected, as they journeyed on, that this was true.
 ティップは、真剣に考えました、旅をつづけているときに、これは本当だなと。

He began to regret that he had not constructed the wooden limbs more carefully and substantially.
彼は、後悔し始めました|木の手足を、もっと注意深く、しっかりと組み立てなかったことを|。

Yet how could he ever have guessed that the man he had made merely to scare old Mombi with would be brought to life by means of a magical powder contained in an old pepper-box?
でも、どうして想像できたでしょう|彼がモンビをおどかすために作った人形に、命がふきこまれるなんて|古い胡椒箱に入った魔法の粉によって|?

●So he ceased to reproach himself, and began to think how he might yet remedy the deficiencies of Jack's weak joints.
 そこで、彼は自分をとがめるのを止め、いかにしてジャックの弱点の欠陥を是正するかを考えはじめました。

●While thus engaged they came to the edge of a wood, and the boy sat down to rest upon an old sawhorse that some woodcutter had left there.
そうこうしているうちに、彼らは、森の端にやってきました。少年は休憩しました|のこぎり馬にのって|木こりの誰かが残していった|。

説明 sawhorse は、四本脚の馬の形をした木挽台、のこぎに台のことですが、ここでは、のこぎり馬と訳すことにします。

●“Why don't you sit down?” he asked the Pumpkinhead.
 「あなたも座ったら?」 彼は、カボチャ頭に尋ねました。

●“Won't it strain my joints?” inquired the other.
 「それは、僕の関節を歪ませないかしら?」 相方が尋ねました。

●“Of course not. It'll rest them,” declared the boy.
 「勿論、歪ませないさ。それは、休めてくれるよ。」 少年は、言いました。

●So Jack tried to sit down; but as soon as he bent his joints farther than usual they gave way altogether,
 そこで、ジャックは、座ろうとしました。しかし、彼が、関節をいつもよりさらに曲げようとするや否や、全く壊れてしまいました。

and he came clattering to the ground with such a crash that Tip feared he was entirely ruined.
そして、彼は、ガタガタ音を立てながら地面に倒れて、衝突したので、ティップは、かれが全く壊れてしまったのではないかと恐れました。

●He rushed to the man, lifted him to his feet, straightened his arms and legs, and felt of his head to see if by chance it had become cracked.
 少年は、彼に駆け寄り、持ち上げて立たせ、腕の脚をまっすぐに伸ばしました。そして、彼の頭を触って、運悪く、割れたりしていないか確かめました。

But Jack seemed to be in pretty good shape, after all, and Tip said to him:
ジャックは、完全にいい形であるように見えました、結局、そして、少年は言いました。

●“I guess you'd better remain standing, hereafter. It seems the safest way.”
 「お前は、立ったままの方がいいと思うよ、今後は。それが、最も安全に思う。」

●"Very well, dear father; just as you say," replied the smiling Jack, who had been in no wise confused by his tumble.
 「かしこまりました、お父上、おおせの通り。」笑顔のジャックは言いました。彼は、転倒によっては、決して混乱していませんでした。

●Tip sat down again. Presently the Pumpkinhead asked:
 ティップは、再び、座りました。まもなく、カボチャ頭が尋ねました。

説明 presently は、今、現在、という意味の副詞ですが、今すぐ という意味合いで、まもなく という意味にもなりますが、

    soon よりも、格式ばった語感のようです。

●“What is that thing you are sitting on?” 「あなたが座っているのは何ですか。」

説明 日本語には関係代名詞が無いので、あなたが、その上に座っている、それは何ですか という意味が

    うまく言い表せないのは、残念ですね。

●“Oh, this is a horse,” replied the boy, carelessly.
 「ああ、これは馬だよ。」 少年は、ぞんざいに、答えました。

●“What is a horse?” demanded Jack. 「馬ってなんです?」 ジャックは、強く言いました。

●“A horse? Why, there are two kinds of horses,” returned Tip, slightly puzzled how to explain.
 「馬? おや、二種類の馬があります。」 ティップは、返事しましたが、いささかどう説明したらいいか迷いました。

“One kind of horse is alive, and has four legs and a head and a tail.
「ある種の馬は、生きていて、四本脚と、頭と、シッポを持っている。

And people ride upon its back.” 人は、その背中に乗るんだ。」

●“I understand,” said Jack, cheerfully “That's the kind of horse you are now sitting on.”
 ジャックは、喜んでいいました。「わかるよ。それは、今、あなたが座っている馬の種類だね。」

●“No, it isn't,” answered Tip, promptly. 「違うよ。」 ティップは、すぐさま、答えました。

●“Why not? That one has four legs, and a head, and a tail.”
 「どうして? それは、四本脚と、頭と、シッポを持っているよ。」

Tip looked at the saw-horse more carefully, and found that the Pumpkinhead was right.
ティップは、のこぎり馬を注意深く眺め、カボチャ頭が正しいことを悟りました。

The body had been formed from a tree-trunk, and a branch had been left sticking up at one end that looked very much like a tail.
胴体は、木の幹から作られていました。一方の端に、一本の枝が、上に伸びて残されていて、まるで、シッポのようでした。

In the other end were two big knots that resembled eyes, and a place had been chopped away that might easily be mistaken for the horse's mouth.
反対側には、二の大きなこぶがあって、目のようでした。一か所が切られていて、容易に馬の口と間違えられるようでした。

As for the legs, they were four straight limbs cut from trees and stuck fast into the body, being spread wide apart so that the saw-horse would stand firmly when a log was laid across it to be sawed.
脚に関しては、木から切られた四本の真っすぐな枝が、胴体にしつかり差し込まれ、十分広く広げられていて、切るために材木をその上に交差して置いても、のこぎり馬が、しっかりと立っていられるようになっていました。

●“This thing resembles a real horse more than I imagined,” said Tip, trying to explain.
 「こいつは、思ったよりも、本当の馬に似ているな。」ティップは、言いました、説明しようとしながら。

“But a real horse is alive, and trots and prances and eats oats, while this is nothing more than a dead horse, made of wood, and used to saw logs upon.”
「でも、本当の馬は生きていて、駆けたり跳んだりして、オート麦も食べるんだ、しかし、こいつは、死んだ馬にすぎない、木で作られていて、そのうえで木材を切るために使われるんだ。」

●“If it were alive, wouldn't it trot, and prance, and eat oats?” inquired the Pumpkinhead.
 「もし、そいつが生きていても、駆けたり跳んだり、オート麦を食べたりしないのかい?」 カボチャ頭が尋ねました。

●“It would trot and prance, perhaps; but it wouldn't eat oats,” replied the boy, laughing at the idea.
 「駆けたり跳んだりはするだろう、多分。でも、オート麦はたべないでしょう。」少年は答えましたが、その考えにおかしくなって笑いました。

“And of course it can't ever be alive, because it is made of wood.”
「そして勿論、それは、生きていることは、ありえないんだ、木でできてるから。」

●“So am I,” answered the man. 「私もですよ。」 人形は、答えました。

●Tip looked at him in surprise. ティップは、驚いて、かれを見ました。

●“Why, so you are!” he exclaimed.  「おや、確かに、お前はそうだ。」 彼は、叫びました。

“And the magic powder that brought you to life is here in my pocket.”
「そして、お前に命を与えた魔法の粉は、ここ、私のポケットにある。」

●He brought out the pepper box, and eyed it curiously.
 彼は、胡椒箱を取り出して、不思議そうに眺めました。

●“I wonder,” said he, musingly, “if it would bring the saw-horse to life.”
 彼は、物思いにふけって言いました。「もしかしたら、それは、のこぎり馬に命を与えるかしら。」

●“If it would,” returned Jack, calmly - for nothing seemed to surprise him - “I could ride on its back, and that would save my joints from wearing out.”
ジャックは、落ち着いて、返事しました。何事も、彼をおどろかさないようでした。「もしそうなら、私は、そいつの背中に乗ることができて、俺の関節がすり減ってしまうことから助けてくれる。」

●“I'll try it!” cried the boy, jumping up.  「やってみよう。」少年は、叫んで、飛び上がりました。

“But I wonder if I can remember the words old Mombi said, and the way she held her hands up.”
「でも、モンビ婆さんが言った言葉や、彼女が手をふりあげたやり方をおもいだせるかな。」

●He thought it over for a minute, and as he had watched carefully from the hedge every motion of the old witch, and listened to her words, he believed he could repeat exactly what she had said and done.
 彼は、しばらく、そのことについて考えました。そして、彼は、生け垣から、老魔女のすべての動きを注意深く眺め。彼女の言葉を聞いたので、彼女がしゃべり行ったことを厳密に再現できると確信しました。

●So he began by sprinkling some of the magic Powder of Life from the pepper- box upon the body of the saw-horse.
 そこで、彼は、胡椒箱から魔法の命の粉のいくらかを、のこぎり馬の胴体の上に撒きはじめました。

Then he lifted his left hand, with the little finger pointing upward, and said: “Weaugh!”
そして、左手を挙げ、小指を上に向けて、言いました。「ウォー」

●“What does that mean, dear father?” asked Jack, curiously.
 「どんな意味なの、父さん?」 ジャックは、興味深げに尋ねました。

●“I don't know,” answered Tip.  「知らないよ。」ティップは、答えました。

Then he lifted his right hand, with the thumb pointing upward and said: “Teaugh!”
そして、右手を挙げて、親指を上に向けて、言いました。「トー」

●“What's that, dear father?” inquired Jack. 「それは何、父さん?」 ジャックが尋ねました。

●“It means you must keep quiet!” replied the boy, provoked at being interrupted at so important a moment.
 「静かにしてろという意味だわ!」 少年は答えました。大切な時間に邪魔されて立腹しながら。

“How fast I am learning!” remarked the Pumpkinhead, with his eternal smile.
「なんて迅速に、私は学習してるんだ!」 カボチャ頭は言いました、永遠の笑顔をして。

Tip now lifted both hands above his head, with all the fingers and thumbs spread out, and cried in a loud voice: “Peaugh!”
ティップは、今、両手を頭のうえに挙げて、すべての指を広げて、大きな声で叫びました。「ポー」

●Immediately the saw-horse moved, stretched its legs, yawned with its chopped-out mouth, and shook a few grains of the powder off its back.
 即座に、のこぎり馬が動きました。脚を伸ばし、切り出された口であくびし、背中から何粒かの命の粉を振り落としました。

The rest of the powder seemed to have vanished into the body of the horse.
のこりの粉は、馬の体の中に、消えてしまったようでした。

●“Good!” called Jack, while the boy looked on in astonishment.
 「すごい!」 ジャックが言いました。少年は、びっくりして眺めています。

“You are a very clever sorcerer, dear father!”
「あなたは、本当にかしこい魔法使いですね、お父さん!」

 

5. The Awakening of the Saw-horse  のこぎり馬の目覚め

●The Saw-Horse, finding himself alive, seemed even more astonished than Tip.
 のこぎり馬は、自分が生きていることを知って、ティップよりも、もっと驚いているように見えました。

He rolled his knotty eyes from side to side, taking a first wondering view of the world in which he had now so important an existence.
彼は、自分の節の目を左右に振り、世界の初めてのすばらしい景色を眺めました。その世界の中に、彼も重要な存在となったのです。

Then he tried to look at himself; but he had, indeed, no neck to turn;
そして、彼は自分自身を見ようとしました。しかし、実際、彼には、回す首がなかったのです。

so that in the endeavor to see his body he kept circling around and around, without catching even a glimpse of it.
そこで、自分の体を見ようと努力して、彼は周りをまわり続けましたが、ちらりとも見えませんでした。

His legs were stiff and awkward, for there were no knee-joints in them;
彼の脚は、固く、動きがよくありません。膝の関節が無いからです。

so that presently he bumped against Jack Pumpkinhead and sent that personage tumbling upon the moss that lined the roadside.
そこで、間もなく、彼は、カボチャ頭のジャックにぶつかり、ジャックを道路わきに並ぶ苔のうえに転がしました。

●Tip became alarmed at this accident, as well as at the persistence of the Saw-Horse in prancing around in a circle; so he called out:
 ティップは、この事故にびっくりしました。円を描いて跳びはねるのこぎり馬の執拗さにも、びっくりしました。そこで、叫びました。

●“Whoa! Whoa, there!” 「どう、どう」

●The Saw-Horse paid no attention whatever to this command, and the next instant brought one of his wooden legs down upon Tip's foot so forcibly that the boy danced away in pain to a safer distance, from where he again yelled:
 のこぎり馬は、この命令になんら注意は払いませんでた。そして、次の瞬間、彼の木製の脚の一つを、ティップの足の上に力ずくで置いたので、少年は、痛みで飛び跳ねて、安全な距離に移り、そこから、再び、叫びました。

●“Whoa! Whoa, I say!” 「どう、どう、と言ってるのに。」

●Jack had now managed to raise himself to a sitting position, and he looked at the Saw-Horse with much interest.
 ジャックは、なんとか自分を起こして、座り位置になり、のこぎり馬を熱心に眺めました。

●“I don't believe the animal can hear you,” he remarked.
 「その動物は、あなたの言うことが聞こえるとは思えません。」彼は、言いました。

●“I shout loud enough, don't I?” answered Tip, angrily.
 「僕は、大声で叫んだよ、違うかい?」 ティップは、怒って答えました。

●“Yes; but the horse has no ears,” said the smiling Pumpkinhead.
 「ええ、でも、その馬には、耳がありませんよ。」 笑い顔のカボチャ頭は、言いました。

●“Sure enough!” exclaimed Tip, noting the fact for the first time.
 「たしかに、そうだぬ」 ティップは、叫びました。そのことに初めて気が付きました。

“How, then, am I going to stop him?” 「じゃあ、どうやったら、彼を止められる?」

●But at that instant the Saw-Horse stopped himself, having concluded it was impossible to see his own body.
 しかし、その瞬間、のこぎり馬は、止まりました。自分の体を見ることはできないと結論したのです。

He saw Tip, however, and came close to the boy to observe him more fully.
彼は、ティップを見て、もっと詳しく調べようと、近づいてきました。

●It was really comical to see the creature walk;
 のこぎり馬が歩くのを見ると、実に滑稽でした。

for it moved the legs on its right side together, and those on its left side together, as a pacing horse does; and that made its body rock sidewise, like a cradle.
というのは、のこぎり馬は、右側の脚を一緒に、そして左側の脚を一緒に動かしたのです。馬が跳ぶときのように。そして、体が左右に揺れました。ゆりかごのように。

●Tip patted it upon the head, and said “Good boy! Good Boy!” in a coaxing tone;
 ティップは、のこぎり馬の頭を軽くたたいて、なだめる声で、言いました。「よし、よし」

and the SawHorse pranced away to examine with its bulging eyes the form of Jack Pumpkinhead.
のこぎり馬は、その節の目で、カボチャ頭のジャックの形を見ようと、跳びはねて、離れました。

●“I must find a halter for him,” said Tip; 「彼の端綱を見つけなきゃ。」 ティップは言いました。

and having made a search in his pocket he produced a roll of strong cord.
そして、ポケットを探して、丈夫なひもを一巻き、取り出しました。

Unwinding this, he approached the Saw-Horse and tied the cord around its neck, afterward fastening the other end to a large tree.
ティップは、それをほどいて、のこぎり馬に近づき、彼の首の周りに結び、その後、反対側を大きな木に結び付けました。

The Saw-Horse, not understanding the action, stepped backward and snapped the string easily; but it made no attempt to run away.
のこぎり馬は、この行為が理解できず、後ろに下がって、ひもを簡単に切りました。しかし、逃げ出そうとは、しませんでした。

●“He's stronger than I thought,” said the boy, “and rather obstinate, too.”
 少年は、言いました。「思ったより、強いんだな。そして、頑固でもあるな。」

●“Why don't you make him some ears?” asked Jack. “Then you can tell him what to do.”
 ジャックが尋ねました。「彼に耳ををつくったらどう? そしたら、何をするか命令できますよ。」

●“That's a splendid idea!” said Tip. “How did you happen to think of it?”
 ティップは、言いました。「それは、素晴らしい考えだ。どうして、それを思いつくんだい?」

●“Why, I didn't think of it,” answered the Pumpkinhead; “I didn't need to, for it's the simplest and easiest thing to do.”
 カボチャ頭は、答えました。「思いついたんじゃありません。そんな必要はないでしょう。最も単純で、簡単な方法ですからね。」

●So Tip got out his knife and fashioned some ears out of the bark of a small tree.
 ティップは、ナイフを取り出し、小さな木の皮から、耳を形作りました。

●“I mustn't make them too big,” he said, as he whittled, “or our horse would become a donkey.”
 彼は、削りながら言いました。「大きすぎちゃ、いけないね。じゃないと、馬がロバになっちゃうよ。」

●“How is that?” inquired Jack, from the roadside.
 「それは、どういうこと?」ジャックは、道端から、尋ねました。

●“Why, a horse has bigger ears than a man; and a donkey has bigger ears than a horse,” explained Tip.
 「おや、馬は、人間より大きな耳をもち、ロバは、馬より大きな耳をもつんだよ。」 ティップは、説明しました。

●“Then, if my ears were longer, would I be a horse?” asked Jack.
 「すると、もし、僕の耳がもっと長いと、僕は、馬になるの?」 ジャックが尋ねました。

●“My friend,” said Tip, gravely, “you'll never be anything but a Pumpkinhead, no matter how big your ears are.”
 ティップは、真面目な顔で言いました。「あのね、お前は、カボチャ頭以外の何にもならないよ、どんなに耳が大きくなっても。」

●“Oh,” returned Jack, nodding; “I think I understand.”
 ジャックは、うなづいて、返事しました。「おお、わかったと思います。」

●“If you do, you're a wonder,” remarked the boy; “but there's no harm in thinking you understand.
 少年は、返事しました。「もしわかったなら、お前は、天才だ。しかし、わかったと思って、悪くはないよ。

I guess these ears are ready now. Will you hold the horse while I stick them on?”
耳がもうできたと思う。馬を抑えてくれないかい、僕が耳をくっつけるあいだ。」

●“Certainly, if you'll help me up,” said Jack.
 「かしこまりました。もし、私を起こしていただけるなら。」ジャックは、言いました。

●So Tip raised him to his feet, and the Pumpkinhead went to the horse and held its head while the boy bored two holes in it with his knife-blade and inserted the ears.
 そこで、ティップは、彼をたちあがらせて、カボチャ頭は、馬の所に行き、頭をおさえました。少年は、ナイフの刃でそこに穴を二あけ、耳を差し込みました。

●“They make him look very handsome,” said Jack, admiringly.
 「耳で、非常にハンサムにみえますね。」゛ャックは、賞賛して、言いました。

●But those words, spoken close to the Saw-Horse, and being the first sounds he had ever heard, so startled the animal that he made a bound forward and tumbled Tip on one side and Jack on the other.
 しかし、これらの言葉は、のこぎり馬のすぐそばで話され、彼がかつて聞いた初めての音だったので、彼をたいそう驚かせ、彼は、前向きに飛び出し、ティップを片側に、ジャックを反対側に倒しました。

Then he continued to rush forward as if frightened by the clatter of his own foot-steps.
彼は続けて前向きに突進しました、まるで、自分の足音のガタガタ音に驚かされたように。

●“Whoa!” shouted Tip, picking himself up; “whoa! you idiot - whoa!”
 ティップは、自らを引っ張り起こしながら叫びました。「どう!どう! こら、バカ、どう!」

The Saw- Horse would probably have paid no attention to this,
のこぎり馬は、多分、この言葉に全く注意を払わなかったでしょう、

but just then it stepped a leg into a gopher-hole and stumbled head-over-heels to the ground, where it lay upon its back, frantically waving its four legs in the air.
しかし、丁度その時、足を地リスの穴に踏み込み、つまづいて地面に真っ逆さまになりました、その場で、仰向けになって、必死に、四つ足を空中でバタバタさせました。

●Tip ran up to it. ティップは、そこまで、駆け付けました。

●“You're a nice sort of a horse, I must say!” he exclaimed.
 「お前は、すばらしい馬だよ、間違いない!」 彼は、叫びました。

“Why didn't you stop when I yelled 'whoa?'”
「なぜ、止まらなかったのかい、『どう』と叫んだときに」

●“Does 'whoa' mean to stop?” asked the Saw-Horse, in a surprised voice, as it rolled its eyes upward to look at the boy.
 「『どう』は、止まれをいみするんですか?」のこぎり馬が尋ねました、驚いた声で、目を上に回して、少年を見ながら。

●“Of course it does,” answered Tip. 「勿論そうだよ。」 ティップが答えました。

●“And a hole in the ground means to stop, also, doesn't it?” continued the horse.
 「地面の穴も、止まれを意味するんですよね?」 馬が続けました。

●“To be sure; unless you step over it,” said Tip.
 「確かに。お前が、それを跳びこえないかぎりはね。」 ティップは、言いました。

●“What a strange place this is,” the creature exclaimed, as if amazed.
 「ここは、なんて不思議な場所なんだ。」のこぎり馬は、叫びました、まるで驚いたように。

“What am I doing here, anyway?” 「とにかく、私は、ここで何をしてるんだ?」

●“Why, I've brought you to life,” answered the boy “but it won't hurt you any, if you mind me and do as I tell you.”
 少年は、答えました。「おや、お前に命を与えたのは僕さ。でも、お前を傷つけたりはしないよ。僕の言うことを聞いて、言う通りしてくれたらね。」

●“Then I will do as you tell me,” replied the Saw-Horse, humbly.
 「それなら私は、おっしゃる通りいたします。」 のこぎり馬は、謙虚に答えました。

“But what happened to me, a moment ago? I don't seem to be just right, someway.”
「でも、私に何が起きたんですか、ついさっき? なにか、おかしいようなんですが。」

●“You're upside down,” explained Tip.
 「お前は、上下逆さになってるんだよ。」 ティップが説明しました。

“But just keep those legs still a minute and I'll set you right side up again.”
「脚をしばらく止めてくれよ、正しい向きになおしてあげるよ。」

●“How many sides have I?” asked the creature, wonderingly.
 「私には、向きがいくつあるのです?」 のこぎり馬は、いぶかしげに尋ねました。

●“Several,” said Tip, briefly. “But do keep those legs still.”
 「いくつかね。」 ティップは、短く答えました。「でも、脚を止めてくれ。」

●The Saw-Horse now became quiet, and held its legs rigid;
 のこぎり馬は、おとなしくなり、脚を固定しました。

so that Tip, after several efforts, was able to roll him over and set him upright.
そこで、ティップは、いささか努力して、彼を起こして、直立に立たせることができました。

●“Ah, I seem all right now,” said the queer animal, with a sigh.
 「ああ、今は、大丈夫のようです。」その不思議な動物は、ため息をついて、言いました。

●“One of your ears is broken,” Tip announced, after a careful examination.
 「片側の耳が壊れているよ。」 ティップは、念入りに検査したあと、言いました。

“I'll have to make a new one.” 「新しいのを作らなきゃ。」

●Then he led the Saw-Horse back to where Jack was vainly struggling to regain his feet,
 そして、彼は、のこぎり馬を、ジャックが、脚で立とうと虚しくもがいているところまで、連れ戻しました。

and after assisting the Pumpkinhead to stand upright Tip whittled out a new ear and fastened it to the horse's head.
そして、カボチャ頭がまっすぐ立つのを手伝ったあと、ティップは、新しい耳を削り出して、馬の頭に取り付けました。

●“Now,” said he, addressing his steed, “pay attention to what I'm going to tell you.
 彼は、馬に向かって、言いました、「さあ。私が言うことを注意して聴くんだよ。

‘Whoa!' means to stop; ‘Get-Up!' means to walk forward; ‘Trot!' means to go as fast as you can. Understand?”
『どう』は、止まれ、『ハイヨー』は、前進、『速足』は、全力で走る、を意味するんだよ。わかった?」

●“I believe I do,” returned the horse. 「わかったと思います。」 馬は返事しました。

●“Very good. We are all going on a journey to the Emerald City, to see His Majesty, the Scarecrow;
 「よろしい。僕たちは、エメラルド・シティへの旅にでかけます。かかし閣下にあうためにね。

and Jack Pumpkinhead is going to ride on your back, so he won't wear out his joints.”
そして、カボチャ頭のジャックは、お前の背中に乗ります。彼の関節がすり減らないためにね。」

●“I don't mind,” said the Saw-Horse. “Anything that suits you suits me.”
 のこぎり馬は、言いました、「かまいませんよ。あなたがよければ、私もいいです。」

●Then Tip assisted Jack to get upon the horse.
 そして、ティップは、ジャックを手伝って、馬の上にのせました。

●“Hold on tight,” he cautioned, “or you may fall off and crack your pumpkin head.”
 彼は、注意しました、「しっかりつかまってね。さもないと、落ちて、お前のカボチャ頭を割ってしまうかもしれないよ。」

●“That would be horrible!” said Jack, with a shudder. “What shall I hold on to?”
 「そりゃ、恐ろしい!」 ジャックは、身震いして、言いました。「どこにつかまるんでしょうか?」

●“Why, hold on to his ears,” replied Tip, after a moment's hesitation.
 「おや、彼の耳につかまりなさい。」 ティップは、少し躊躇したあと、答えました。

●“Don't do that!” remonstrated the Saw-Horse; “for then I can't hear.”
 のこぎり馬が、抗議しました、「それは、止めて! 耳が聞こえなくなるよ。」

●That seemed reasonable, so Tip tried to think of something else.
 それは、もっともでした。そこで、ティップは、別のことを考えようと思いました。

●“I'll fix it!” said he, at length.  「わかった。解決しましょう。」ティップは、ついに、言いました。

He went into the wood and cut a short length of limb from a young, stout tree.
彼は、森に行って、若くて、頑丈な木から、枝を短く切りました。

One end of this he sharpened to a point, and then he dug a hole in the back of the Saw-Horse, just behind its head.
枝の片端を点のように尖らせ、のこぎり馬の背中の、頭の丁度後ろに、穴を掘りました。

Next he brought a piece of rock from the road and hammered the post firmly into the animal's back.
次に、道路から岩を一個持ってきて、その木の棒を、馬の背中にしっかりと打ち込みました。

●“Stop! Stop!” shouted the horse; “you're jarring me terribly.”
 馬は、叫びました、「止めて! 止めて! あなたは、私を、ひどく、ガタガタいわせているよ。」

●“Does it hurt?” asked the boy. 「痛いかい?」 少年は、尋ねました。

●“Not exactly hurt,” answered the animal; “but it makes me quite nervous to be jarred.”
 馬は、答えました。「痛いわけじゃありません。でも、ガタガタされると、神経質になります。」

●“Well, it's all over now” said Tip, encouragingly.
 「おや、でも、全部終わったよ。」 ティップは、励ましながら、言いました。

“Now, Jack, be sure to hold fast to this post and then you can't fall off and get smashed.”
「ねえ、ジャック、必ずこの棒にしっかりつかまるんだよ。そしたら、落ちることもなく、つぶれることもないからね。」

●So Jack held on tight, and Tip said to the horse:
 そこで、ジャックは、しっかりつかまり、ティップは、馬に言いました。

●“Get up.” 「ハイヨー」

●The obedient creature at once walked forward, rocking from side to side as he raised his feet from the ground.
 従順な馬は、すぐに前進しました、足を地面から上げる毎に体を左右に揺らしながら。

●Tip walked beside the Saw-Horse, quite content with this addition to their party.
 ティップは、のこぎり馬の横を歩きました。彼ら一行に仲間が加わったことに満足しながら。

Presently he began to whistle. まもなく、彼は、口笛を吹き始めました。

●“What does that sound mean?” asked the horse. 「その音は、何の意味なの?」 馬が尋ねました。

●“Don't pay any attention to it,” said Tip.  「気にしないでくれ。」 ティップが言いました。

“I'm just whistling, and that only means I'm pretty well satisfied.”
「ただ口笛を吹いているだけさ。僕がとても満足してることを示すだけさ。」

●“I'd whistle myself, if I could push my lips together,” remarked Jack.
 「私も、口笛が吹きたいなあ、もし、唇を一緒に突き出すことができれはねえ。」 ジャックが言いました。

“I fear, dear father, that in some respects I am sadly lacking.”
「お父さん、私は、いくつかの点で、ひどく欠けているようですね。」

●After journeying on for some distance the narrow path they were following turned into a broad roadway, paved with yellow brick.
 かなりの距離、旅していくと、彼らが歩いていた細い道が、広い道路に変わりました。黄色のレンガで舗装されています。

By the side of the road Tip noticed a sign-post that read:
道端に、ティップは、標識を見つけました。そこには、つぎのように書かれていました。

●“NINE MILES TO THE EMERALD CITY.” 「エメラルト・シティまで9マイル」

●But it was now growing dark, so he decided to camp for the night by the roadside and to resume the journey next morning by daybreak.
 しかし、もうあたりは、暗くなっていました、そこで、彼は、決めました|道端に一晩キャンプして、翌朝、夜明けとともに、再開しようと|。

He led the Saw-Horse to a grassy mound upon which grew several bushy trees, and carefully assisted the Pumpkinhead to alight.
彼は、のこぎり馬を、木が数本茂みのように育っている草のはえた小山に連れていきました。そして、注意深く、カボチャ頭が降りるのを手伝いました。

●“I think I'll lay you upon the ground, overnight,” said the boy. “You will be safer that way.”
 少年は、言いました、「僕は、お前を一晩中、地面に寝かせておこうと思うんだ。その方が、安全でしょう。」

●“How about me?” asked the Saw-Horse. 「私は?」 のこぎり馬が尋ねました。

●“It won't hurt you to stand,” replied Tip; “and, as you can't sleep, you may as well watch out and see that no one comes near to disturb us.”
 ティップが答えました、「立ってても、お前は、傷つかない。お前は、眠れないんだから、見張って、誰も、私たちを邪魔しに近づいてこないように見ていてくれないかい。」

●Then the boy stretched himself upon the grass beside the Pumpkinhead, and being greatly wearied by the journey was soon fast asleep.
 少年は、カボチャ頭の横の草の上に体を延ばし、旅でとても疲れていたので、すぐに深い眠りにつきました。

 

6. Jack Pumpkinhead's Ride to the Emerald City カボチャ頭のジャックが、馬にのってエメラルド・シティに行く

●At daybreak Tip was awakened by the Pumpkinhead. 夜明けに、ティップは、カボチャ頭に起こされました。

He rubbed the sleep from his eyes, bathed in a little brook, and then ate a portion of his bread and cheese.
彼は、目をこすって眠気をさまし、小川で水浴びし、一回分のパンとチーズを食べました。

Having thus prepared for a new day the boy said:
新しい一日のための準備を終えて、少年は言いました:

●“Let us start at once.  「すぐ出発しましょう。

Nine miles is quite a distance, but we ought to reach the Emerald City by noon if no accidents happen.”
9マイルは、ちょっとした距離です。でも、エメラルト・シティには、正午までに着くはずです、何事もおこらなければ。」

So the Pumpkinhead was again perched upon the back of the SawHorse and the journey was resumed.
カボチャ頭は、再び、のこぎり馬の背中に座り、旅は再開されました。

●Tip noticed that the purple tint of the grass and trees had now faded to a dull lavender,
 ティップは、気づきました|草や木の紫色の色合いが、今はぼんやりしたラベンダー色に薄れたことを|。

and before long this lavender appeared to take on a greenish tinge that gradually brightened as they drew nearer to the great City where the Scarecrow ruled.
そして、間もなく、このラベンダー色は、緑っぽい色合いを取るように見えました、かかし男が支配している偉大なシティに近づくにつれ。

●The little party had traveled but a short two miles upon their way when the road of yellow brick was parted by a broad and swift river.
 この小さな一団が、彼らの道をほんの2マイルしか進まないうちに、黄色のレンガの道路が広くて速い河で分断されていました。

Tip was puzzled how to cross over;  ティップは、どうやって渡るか悩みました。

but after a time he discovered a man in a ferry-boat approaching from the other side of the stream.
しかし、しばらく後に、彼は、見つけました|男がフェリーボートに乗って流れの対岸から近づいてくるのを|。

●When the man reached the bank Tip asked: 男が岸に着いたときに、ティップは、尋ねました:

●“Will you row us to the other side?” 「向こう岸へ僕たちを渡してもらえませんか?」

●“Yes, if you have money,” returned the ferryman, whose face looked cross and disagreeable.
 「ああ、お金をもってればね。」 フェリーの男は、返事しました。顔は、ご機嫌斜めで、木難しそうでした。

●“But I have no money,” said Tip. 「でも、僕たちは、お金を持ってません。」 ティップは、言いました。

●“None at all?” inquired the man. 「少しもかい?」 男が尋ねました。

●“None at all,” answered the boy. 「全くです。」 少年は、答えました。

●“Then I'll not break my back rowing you over,” said the ferryman, decidedly.
 「じゃあ、私は、骨折って、お前たちを向こう側に渡したりはしないね。」 フェリーの男は、きっぱりと言いました。

●“What a nice man!” remarked the Pumpkinhead, smilingly.
 「なんて、素敵な人だ!」 カボチャ頭が言いました、笑いながら。

説明 英語では、この文は、反語です。 a nice one to talk,  a nice mess も、反語的使い方の例です。

●The ferryman stared at him, but made no reply.  フェリーの男は、カボチャ頭を凝視しましたが、返事はしませんでした。

Tip was trying to think, for it was a great disappointment to him to find his journey so suddenly brought to an end.
ティップは、考えようとしていました、というのは、旅が突然終わりになってしまうのは、あまりに残念だからです。

●“I must certainly get to the Emerald City,” he said to the boatman;
 「僕は、確かに、エメラルド・シティに行かなきゃならないんです。」 彼は、フェリー男に言いました。

“but how can I cross the river if you do not take me?”
「でも、どうやって、この川を渡ることができるのですか、あなたが連れて行ってくれないのなら?」

●The man laughed, and it was not a nice laugh. 男は笑いました、素敵な笑いではありません。

●“That wooden horse will float,” said he; “and you can ride him across.
 彼は、言いました:「あの木の馬は、浮くだろう、お前は、乗って渡ればいいんだ。

As for the pumpkinheaded loon who accompanies you, let him sink or swim it won't matter greatly which.”
お前と一緒にいるカボチャ頭の愚か者については、やつが沈むか浮くか、どっちでも、構うもんか。」

●“Don't worry about me,” said Jack, smiling pleasantly upon the crabbed ferryman; “I'm sure I ought to float beautifully.”
 「私のことは、お気遣いなく。」 ジャックは、言いました、意地の悪いフェリー男に向けて楽しそうに笑いながら:「私はきっと美しく浮かぶはずですよ。」

●Tip thought the experiment was worth making, and the Saw-Horse, who did not know what danger meant, offered no objections whatever.
 ティップは、実験をやる価値があると考えました、のこぎり馬は、危険が何を意味するか知らなかったので、どんな反対もしませんでした。

So the boy led it down into the water and climbed upon its back.
そこで、少年は、馬を下の水の中につれて行き、その背中に上りました。

Jack also waded in up to his knees and grasped the tail of the horse so that he might keep his pumpkin head above the water.
ジャックも、膝まで水の中に入り、馬の尻尾をつかんで、カボチャ頭が水の上にでるようにしました。

●“Now,” said Tip, instructing the Saw-Horse, “if you wiggle your legs you will probably swim; and if you swim we shall probably reach the other side.”
 ティップは、のこぎり馬に指図して、言いました、「さあ、お前は、脚を小刻みに動かせば、多分、泳げるだろう。もし、お前が泳げれば、俺たちは、多分、向こう岸に着くだろう。」

●The Saw-Horse at once began to wiggle its legs, which acted as oars and moved the adventurers slowly across the river to the opposite side.
 のこぎり馬は、すぐさま、脚を小刻みに動かしはじめました。脚は、オールのように働き、冒険者たちを、ゆっくりと河を横切って対岸まで、運びました。

So successful was the trip that presently they were climbing, wet and dripping, up the grassy bank.
この旅は、見事に成功し、間もなく、彼らは、濡れて、水をしたたらせながら、草の生えた川岸を上りました。

●Tip's trouser-legs and shoes were thoroughly soaked;
 ティップのズボンの足と靴は、完全に、びしょびしょでした。

but the Saw-Horse had floated so perfectly that from his knees up the boy was entirely dry.
しかし、のこぎり馬は、完全に浮いていたので、ティップの膝から上は、完全に乾いていました。

As for the Pumpkinhead, every stitch of his gorgeous clothing dripped water.
カボチャ頭はといえば、彼の豪華な服のすべての縫い目から、水がしたたっていました。

●“The sun will soon dry us,” said Tip;“and, anyhow, we are now safely across, in spite of the ferryman, and can continue our journey.
 「太陽が、すぐ乾かしてくれるさ。」 ティップは、言いました。「それに、とにかく、俺たちは安全に渡ったんだ、フェリー男が(ああ言ったにも)かかわらず。旅を続けることができるんだ。」

●“I didn't mind swimming, at all,” remarked the horse.
 「私は、泳ぐことは、ちっとも構いませんでした。」馬が言いました。

●“Nor did I,” added Jack. 「僕もさ。」ジャックが言いました。

●They soon regained the road of yellow brick, which proved to be a continuation of the road they had left on the other side,
 彼らは、すぐ再び、たどり着きました|黄色レンガの道路に|、それは、確かに、反対側で離れた道路の続きでした。

and then Tip once more mounted the Pumpkinhead upon the back of the Saw-Horse.
そして、ティップは、もう一度、カボチャ頭をのこぎり馬の背中に乗せました。

●“If you ride fast,” said he, “the wind will help to dry your clothing.
 彼は、言いました、「もし、速く進めば、風が服を乾かしてくれるよ。

I will hold on to the horse's tail and run after you.
僕は、馬の尻尾につかまって、お前たちの後を走るよ。

In this way we all will become dry in a very short time.”
こうすれば、僕たちみなは、すぐ、乾くよ。」

●“Then the horse must step lively,” said Jack.
 「じぁあ、馬は、元気よく歩かないといけのせんね。」 ジャックは、言いました。

●“I'll do my best,” returned the Saw-Horse, cheerfully.
 「全力を尽くします。」 のこぎり馬は、楽し気に、返事しました。

●Tip grasped the end of the branch that served as tail to the Saw-Horse, and called loudly: “Get-up!”
 ティップは、のこぎり馬の尻尾として働いている枝の端をもって、大きな声で叫びました:「ハイヨー」

●The horse started at a good pace, and Tip followed behind.
 馬は、いい速さで出発し、ティップは、後に続きました。

Then he decided they could go faster, so he shouted: “Trot!”
そして、もっと速くいけると決心して、叫びました:「速足!」

●Now, the Saw-Horse remembered that this word was the command to go as fast as he could;
 さて、のこぎり馬は、覚えていました|この言葉は、全速力で進めという命令であると|。

so he began rocking along the road at a tremendous pace, and Tip had hard work - running faster than he ever had before in his life - to keep his feet.
そこで、道路に沿ってものすごい速さで、揺れ動きはじめました。ティップは、彼の生涯で走ったことのない速さで走りながら、倒れないようにするのに大苦労でした。

●Soon he was out of breath, and although he wanted to call “Whoa!” to the horse, he found he could not get the word out of his throat.
 まもなく、彼は、息が切れてしまいました。彼は、「どう」と言いたかったのですが、喉からその言葉を発することができないことがわかりました。

Then the end of the tail he was clutching, being nothing more than a dead branch, suddenly broke away, and the next minute the boy was rolling in the dust of the road, while the horse and its pumpkin-headed rider dashed on and quickly disappeared in the distance.
すると、彼がつかんでいた尻尾の端が、枯れ枝にすぎなかったため、突然に折れてしまい、次の瞬間、少年は、道路の埃の中に、転がってしまいました。馬と、それに乗っているカボチャ頭は、疾走を続け、すぐに、遠方先の方に、消えてしまいました。

●By the time Tip had picked himself up and cleared the dust from his throat so he could say “Whoa!” there was no further need of saying it, for the horse was long since out of sight.
 ティップが、起き上がり、喉から埃を払って、「どう」と言えるようになった時には、「どう」という必要はなくなっていました、馬が、視界にいなくなってからずいぶんたったいるのですから。

●So he did the only sensible thing he could do.
 そこで、彼は、彼ができる唯一の思慮深い(賢明な)事をしました。

He sat down and took a good rest, and afterward began walking along the road.
彼は、腰を下ろして、十分休み、そのあと、道路を歩き始めました。

●“Some time I will surely overtake them,” he reflected; “for the road will end at the gates of the Emerald City, and they can go no further than that.”
 「いつか、必ず追いつくさ。」 彼は考えました。「なぜなら、道路は、エメラルド・シティの門で終わり、彼らは、それより向こうには、行けないからな。」

●Meantime Jack was holding fast to the post and the Saw-Horse was tearing along the road like a racer.
 その間、ジャックは、棒にしっかりつかまり、のこぎり馬は、競争馬のように通りを突っ走りました。

説明 tear は、裂く、裂ける という意味の動詞ですが、口語で、tear along the street というと、通りを暴力的に突っ走る

      というような意味になります。突っ走って、バラバラになってしまう という意味ではないかと推察します。

Neither of them knew Tip was left behind, for the Pumpkinhead did not look around and the Saw-Horse couldn't.
二人とも、ティップが後に残されたことを知りませんでした、というのは、カボチャ頭は、あたりを見ませんでしたし、のこぎり馬は、できなかったからです。

●As he rode, Jack noticed that the grass and trees had become a bright emerald-green in color,
 馬に乗りながら、ジャックは、気づきました|草や木が、あかるいエメラルド・グリーンの色になったことに|。

so he guessed they were nearing the Emerald City even before the tall spires and domes came into sight.
そこで、推察しました|彼らが、エメラルト・シティに近づいていると|高い尖塔やドームが目にはいってくるよりも前に|。

●At length a high wall of green stone, studded thick with emeralds, loomed up before them;
 やがて、緑の石の高い壁、エメラルドが厚くちりばめられた、が、彼らの前に、そびえたちました。

and fearing the Saw-Horse would not know enough to stop and so might smash them both against this wall, Jack ventured to cry “Whoa!” as loud as he could.
のこぎり馬が、止まるということを十分理解してなくて、二人とも壁にぶつかって粉々になってしまうかもしれないことを恐れて、ジャックは、思い切って、「どうどう」と、できるだけ大声で、叫びました。

●So suddenly did the horse obey that had it not been for his post Jack would have been pitched off head foremost, and his beautiful face ruined.
 馬が余りに突然止まったので、もし、棒がなかったら、ジャックは、頭から先に放り出されて、彼の美しい顔は粉砕されてしまっていたでしょう。

●“That was a fast ride, dear father!” he exclaimed;
 「大変な乗り心地でしたね。お父さん!」 彼は、叫びました。

and then, hearing no reply, he turned around and discovered for the first time that Tip was not there.
そして、答えがなかったので、彼は、向きをかえて、初めて、気付きました|ティップがそこにいないことに|。

●This apparent desertion puzzled the Pumpkinhead, and made him uneasy.
 この明らかにティップを見捨ててしまったことは、カボチャ頭を当惑させ、不安にさせました。

And while he was wondering what had become of the boy, and what he ought to do next under such trying circumstances, the gateway in the green wall opened and a man came out.
彼が、少年がどうなったか、このつらい状況下で何をすべきかを疑問に思っているとき、緑の壁の出入り口が開いて、男がでてきました。

●This man was short and round, with a fat face that seemed remarkably good-natured.

 この男は、背が低くまん丸で、すごく気のよさそうにみえる太った顔をしていました。

He was clothed all in green and wore a high, peaked green hat upon his head and green spectacles over his eyes.
彼は、全身緑色の服で、頭のうえに高い尖った緑色の帽子をかぶり、目の上に緑色の眼鏡をしていました。

Bowing before the Pumpkinhead he said: カボチャ頭の前で、お辞儀して、いいました。

●“I am the Guardian of the Gates of the Emerald City.

 「私は、エメラルド・シティの玄関の門番でございます。

May I inquire who you are, and what is your business?”
あなたが、どなたさまで、ご用は何であるか、お尋ねしてよろしいでしょうか?」

●“My name is Jack Pumpkinhead,” returned the other, smilingly;
 「私の名前は、カボチャ頭のジャックでございます。」 ジャックは、笑い顔で答えました。

“but as to my business, I haven't the least idea in the world what it is.”
「しかし、用件については、私は、何であるかちっとも存じておりません。」

●The Guardian of the Gates looked surprised, and shook his head as if dissatisfied with the reply.
 玄関の門番は、驚いたようにみえました。そして、その答えに不満足であるかのように頭をふりました。

●“What are you, a man or a pumpkin?” he asked, politely.
 「あなたは、どなたでしょうか、人間でしょうか、カボチャでしょうか?」 彼は、丁寧に質問しました。

●“Both, if you please,” answered Jack. 「両方です、もしよろしければ。」 ジャックは答えました。

●“And this wooden horse - is it alive?” questioned the Guardian.
 「そして、この木の馬、いきているのでしょうか?」 門番が質問しました。

●The horse rolled one knotty eye upward and winked at Jack.
 馬は、節の目の一つを上向きに回して、ジャックにウインクしました。

Then it gave a prance and brought one leg down on the Guardian's toes.
そして、馬は、一跳びはねて、一本の脚を門番のつま先の上に下ろしました。

●“Ouch!” cried the man; “I'm sorry I asked that question.
 「痛い|」 男は、叫びました。「そのようなことを伺って、失礼いたしました。

But the answer is most convincing.  しかし、そのお答えで、大いに、納得いたしました。

Have you any errand, sir, in the Emerald City?”
ご用は、おありでしょうか、このエメラルド・シティに?」

●“It seems to me that I have,” replied the Pumpkinhead, seriously; “but I cannot think what it is.
 「あるようには、思えるのですが。」 カボチャ頭は、真剣に答えました。「しかし、それが何か私にはわかりかねます。

My father knows all about it, but he is not here.”
私の父がすべてを知っているのですが、ここにいないのです。」

●“This is a strange affair - very strange!” declared the Guardian.
 「これは、不思議だ。本当に不思議だ!」 門番が言いました。

“But you seem harmless.  「しかし、あなたは、害がなさそうです。

Folks do not smile so delightfully when they mean mischief.”
人は、そんなに楽しそうに笑わないです、いたずらを企んでいるときには。」

●“As for that,” said Jack, “I cannot help my smile, for it is carved on my face with a jack-knife.”
 ジャックは、言いました。「それに関しては、私は、笑わざるを得ないのです。それは、私の顔に、ジャックナイフで彫り込まれているんですから。」

●“Well, come with me into my room,” resumed the Guardian, “and I will see what can be done for you.”
 門番は、返事しました。「では、お部屋にお入りください。何をしてさしあげられるか、考えましょう。」

●So Jack rode the Saw-Horse through the gateway into a little room built into the wall.
 そこで、ジャックは、のこぎり馬に乗って、入口を通り、壁の中に作られた小さな部屋に入りました。

The Guardian pulled a bell-cord, and presently a very tall soldier - clothed in a green uniform - entered from the opposite door.
門番が、ベル紐を引くと、間もなく、背の高い兵士 緑の制服を着た が、反対のドアから入ってきました。

This soldier carried a long green gun over his shoulder and had lovely green whiskers that fell quite to his knees.
この兵士は、肩の上に長い緑色の銃を持ち、実に膝まで垂れ下がる緑色のかわいい頬髯を蓄えていました。

The Guardian at once addressed him, saying:
門番は、すぐ、彼に話し掛けました、こう言って:

●“Here is a strange gentleman who doesn't know why he has come to the Emerald City, or what he wants.
 「ここに、不思議な殿方がおられて、何故エメラルド・シティにこられたか、何をお望みなのか、わからないとおっしゃる。

Tell me, what shall we do with him?” 教えてくれ、何をしてさしあげようか?」

●The Soldier with the Green Whiskers looked at Jack with much care and curiosity.
 緑のほお髭の兵士は、ジャックを、注意深く興味深く眺めました。

Finally he shook his head so positively that little waves rippled down his whiskers, and then he said:
最後に、彼は、頭を横にふりました、たいそう強くふりましたので、小さい波が彼の頬髯を下に伝わりました、そして言いました。

●“I must take him to His Majesty, the Scarecrow.”
 「私は、この方を、かかし陛下のところにお連れしなければなりませんな。」

●“But what will His Majesty, the Scarecrow, do with him?” asked the Guardian of the Gates.
 「しかし、かかし陛下は、この方をどうなさるでしょうか?」 玄関の門番は尋ねました。

●“That is His Majesty's business,” returned the soldier.
 「それは、陛下のお仕事です。」 兵士は返事しました。

“I have troubles enough of my own.  「私は、自分のだけで十分の問題を抱えています。

All outside troubles must be turned over to His Majesty.
外の問題はすべて、陛下のもとにお回ししないといけません。

So put the spectacles on this fellow, and I'll take him to the royal palace.”
この者に、眼鏡をつけてください、宮殿にお連れしましょう。」

●So the Guardian opened a big box of spectacles and tried to fit a pair to Jack's great round eyes.
 門番は、大きな眼鏡箱を開いて、ジャックの大きな丸い目に、メガネを合わせようとしました。

●“I haven't a pair in stock that will really cover those eyes up,” said the little man, with a sigh;
 「この目を本当にすっかり覆ってしまうような眼鏡が、在庫にありません。」 小さな男は、ため息をついて、言いました:

“and your head is so big that I shall be obliged to tie the spectacles on.”
「あなたの頭は、とてもでかいので、眼鏡は、結び付けざるをえません。」

●“But why need I wear spectacles?” asked Jack.
 「しかし、どうして眼鏡をつける必要があるんですか?」 ジャックが尋ねました。

●“It's the fashion here,” said the Soldier, “and they will keep you from being blinded by the glitter and glare of the gorgeous Emerald City.”
 兵士は、言いました、「それが、ここの流儀なのです。それに、眼鏡は、豪華なエメラルド・シティのギンギンギラギラの光で目が見えなくなることを防いでくれます。」

●“Oh!” exclaimed Jack.  「ああ。」 ジャックは、叫びました。

“Tie them on, by all means. I don't wish to be blinded.”
「是非とも、眼鏡をつけてください。私は、盲目になりたくありません。」

●“Nor I!” broke in the Saw-Horse;  「私も」 のこぎり馬も割り込みました。

so a pair of green spectacles was quickly fastened over the bulging knots that served it for eyes.
そこで、緑色の眼鏡が、眼として働いている膨らんだ節の上に、急いで、取り付けられました。

●Then the Soldier with the Green Whiskers led them through the inner gate and they at once found themselves in the main street of the magnificent Emerald City.
 それから緑の頬髯の兵士は、彼らを連れて内側の門を通り過ぎました。彼らは、すぐ、壮大なエメラルド・シティのメインストリートに出ました。

●Sparkling green gems ornamented the fronts of the beautiful houses and the towers and turrets were all faced with emeralds.
 キラキラ光る緑の宝石が、美して家々の前面を飾っていました。塔やタレット(小さい塔)は、みな、表面をエメラルドで飾っていました。

説明 face with は、何々に面する、対面させる という使い方が、ほとんどですが、

    face a wall with plaster (壁をしっくいで塗る) のように、塗ったり、飾ったり という意味でも使われます・

Even the green marble pavement glittered with precious stones, and it was indeed a grand and marvelous sight to one who beheld it for the first time.
緑色の大理石の舗装ですら、宝石でピカピカ光っていました。初めてそれを見る人にとって、それは、本当に壮大で驚くべき光景でした。

●However, the Pumpkinhead and the Saw-Horse, knowing nothing of wealth and beauty, paid little attention to the wonderful sights they saw through their green spectacles.
 しかし、カボチャ頭と、のこぎり馬は、富とか美について何も知らないので、緑の眼鏡を通して見る素晴らしい光景に殆ど関心を払いませんでした。

They calmly followed after the green soldier and scarcely noticed the crowds of green people who stared at them in surprise.
彼らは、静かに、緑の兵士の後に従い、彼らを見て驚いている緑の人々の群衆もほとんど気になりませんでした。

When a green dog ran out and barked at them the Saw-Horse promptly kicked at it with its wooden leg and sent the little animal howling into one of the houses;
緑の犬が出てきて、彼らに向かって吠えたとき、のこぎり馬は、すぐ、その木の脚で蹴り、その小さな犬を、キャンキャン泣きながら家々の一つに逃げ込ませました。

but nothing more serious than this happened to interrupt their progress to the royal palace.
しかし、これ以上に深刻なことは起こりませんでしたので、彼らの宮殿への前進を妨げることはありませんでした。

●The Pumpkinhead wanted to ride up the green marble steps and straight into the Scarecrow's presence;
 カボチャ頭は、馬に乗って、緑の大理石の階段を登って、かかし男の前にでようと望みました。

but the soldier would not permit that.  しかし、兵士は、それを許そうとはしませんでした。

So Jack dismounted, with much difficulty, and a servant led the Saw-Horse around to the rear
そこで、ジャックは、馬から降りました、かなりてこずりましたが、そして、召使が、のこぎり馬を、裏につれていきました。

while the Soldier with the Green Whiskers escorted the Pumpkinhead into the palace, by the front entrance.
一方、緑の頬髯の兵士は、カボチャ頭に付き添って、宮殿の中に進みました、正面の入口を通って。

●The stranger was left in a handsomely furnished waiting room while the soldier went to announce him.
 見知らぬ客 (カボチャ男のこと) は、りっぱな調度の待合室に残され、兵士は、彼の到着を報告に行きました。

It so happened that at this hour His Majesty was at leisure and greatly bored for want of something to do,
たまたま、この時間、陛下は、暇で、たいそう退屈して、何かすることを求めていました。

so he ordered his visitor to be shown at once into his throne room.
そこで、彼は、訪問客を、すぐに謁見室に連れてくるよう命じました。

●Jack felt no fear or embarrassment at meeting the ruler of this magnificent city, for he was entirely ignorant of all worldly customs.
 ジャックは、このすばらしい町の支配者に会うことに、何の恐れも、まごつきもありませんでした、なぜなら、彼は、この世のあらゆる習慣を完全に知らなかったので。

But when he entered the room and saw for the first time His Majesty the Scarecrow seated upon his glittering throne, he stopped short in amazement.
しかし、彼は、部屋に入り、初めて、かかし陛下が、光輝く玉座に座っているのを見たとき、驚いて、ぴたりと立ち止まりました。

  

7. His Majesty the Scarecrow かかし陛下

●I suppose every reader of this book knows what a scarecrow is;
 私は、思います|この本の読者の皆さんは、かかし男が何であるかご存じであると|。

but Jack Pumpkinhead, never having seen such a creation, was more surprised at meeting the remarkable King of the Emerald City than by any other one experience of his brief life.
しかし、カボチャ頭のジャックは、こんな創造物を見たことがなかったので、エメラルド・シティの注目すべき王様に会って、彼の短い人生のどの経験よりも、驚いたのでした。

●His Majesty the Scarecrow was dressed in a suit of faded blue clothes, and his head was merely a small sack stuffed with straw, upon which eyes, ears, a nose and a mouth had been rudely painted to represent a face.
 かかし閣下は、色あせた青色の服を着ていました、そして、彼の頭は、単に、わらを詰めた小さな袋で、その上に、目と、耳と、鼻と、口が雑に描かれて、顔を表していました。

The clothes were also stuffed with straw, and that so unevenly or carelessly that his Majesty's legs and arms seemed more bumpy than was necessary.
 衣服にも、わらが詰められていました、たいそう不均質で不注意に詰められていたので、陛下のおみ脚も、お腕も、必要以上に、でこぼこしていました。

Upon his hands were gloves with long fingers, and these were padded with cotton.
手には、指の長い手袋がはめられていました、手袋は、綿が詰められていました。

Wisps of straw stuck out from the monarch's coat and also from his neck and boot-tops.
何本かのわらが、陛下のコートから、突き出ていました。そして、首からも、靴の先からも。

Upon his head he wore a heavy golden crown set thick with sparkling jewels, and the weight of this crown caused his brow to sag in wrinkles, giving a thoughtful expression to the painted face.
頭の上には、重たい金色の王冠をかぶっていました。キラキラ輝く宝石がたくさん取り付けられていました。この王冠の重さは、彼の眉毛をしわの中に沈めこませて、彼の描かれた顔に思慮深い表情を与えていました。

Indeed, the crown alone betokened majesty; in all else the Scarecrow King was but a simple scarecrow - flimsy, awkward, and unsubstantial.
実際、王冠だけが、威厳を示していました。その他のすべてにおいて、かかし王様は、単なるかかしにすぎませんでした - 浅薄で、ぶざまで、中味のない。

●But if the strange appearance of his Majesty the Scarecrow seemed startling to Jack, no less wonderful was the form of the Pumpkinhead to the Scarecrow.
 しかし、かかし陛下の不思議な外観が、ジャックに衝撃的に見えたとして、カボチャ頭の形は、かかしにとっても、同じくも少しも素晴らしくはありませんでした。

The purple trousers and pink waistcoat and red shirt hung loosely over the wooden joints Tip had manufactured,
紫のずぼんと、ピンクのベストと、赤いシャツは、ティップが作った木製の関節のうえに、ゆるく垂れ下がっていました。

and the carved face on the pumpkin grinned perpetually, as if its wearer considered life the jolliest thing imaginable.

そして、カボチャの上に刻まれた顔は、永遠に、ニヤニヤ笑っていました、まるで、その顔の着用者は、人生を、想像できる最も陽気なことであると考えているかのように。

●At first, indeed, His Majesty thought his queer visitor was laughing at him, and was inclined to resent such a liberty;
 実際、最初、陛下は、不思議な訪問者が彼のことを笑っているように思いました、そして、そのような無作法に腹をたてたくなる気分でした。

but it was not without reason that the Scarecrow had attained the reputation of being the wisest personage in the Land of Oz.
しかし、理由がないことではありませんでした|かかしが、オズの国で最も賢明な人柄であるという評判を得たのは|。

He made a more careful examination of his visitor, and soon discovered that Jack's features were carved into a smile and that he could not look grave if he wished to.
彼は、より注意深く訪問者を観察しました、そして、すぐに、分かりました|ジャックの顔付きは、笑い顔に彫られていて、たとえ望んでも真面目に見えるようにはできないことが|。

●The King was the first to speak.  王様が先にしゃべりました。

After regarding Jack for some minutes he said, in a tone of wonder:
しばらくジャックを眺めた後で、彼は、言いました、驚いた声色で:

●“Where on earth did you come from, and how do you happen to be alive?”
 「一体、お前は、どこから来たんだ、そして、どうして、お前は、生きてたりするんだ?」

●“I beg your Majesty's pardon,” returned the Pumpkinhead; “but I do not understand you.”
 カボチャ頭は、返事しました、「陛下、もう一度おっしゃっていただけますか? 私にはわかりませんでした。」

●“What don't you understand?” asked the Scarecrow.
 「何が、わからないのですか?」 かかしは尋ねました。

●“Why, I don't understand your language. 「おや、あなたの言葉が、わからないのです。

You see, I came from the Country of the Gillikins, so that I am a foreigner.”
あの、私は、ギリキン人の国からやってきました。ですから、私は、外国人です。」

●“Ah, to be sure!” exclaimed the Scarecrow. 「ああ、なるほど。」 かかしは、叫びました。

“I myself speak the language of the Munchkins, which is also the language of the Emerald City.
「私は、マンチキンの言葉をしゃべっておる。それは、エメラルド・シティの言葉でもある。

But you, I suppose, speak the language of the Pumpkinheads?”
しかし、お前は、思うに、カボチャ頭の言葉をしゃべっておるのか?」

●“Exactly so, your Majesty” replied the other, bowing;
 「確かに、その通りであります、陛下。」 カボチャ頭は、おじぎをして答えました。

“so it will be impossible for us to understand one another.”
「ですから、お互いに理解することが不可能なのであります。」

●“That is unfortunate, certainly,” said the Scarecrow, thoughtfully.
 「それは、不幸なことだ、確かに。」 かかしは、思慮深げに、言いました。

“We must have an interpreter.” 「私たちには、通訳者が必要だ。」

●“What is an interpreter?” asked Jack. 「通訳者とは、なんでしょうか?」 ジャックが尋ねました。

●“A person who understands both my language and your own.
 「私の言葉と、お前の言葉の両方を理解する人のことだよ。

When I say anything, the interpreter can tell you what I mean;
私が何かを言うとき、通訳者は、お前に、私が何を言っているかを教えるのさ;

and when you say anything the interpreter can tell me what you mean.
そして、お前が何か言うとき、通訳者は、私に、お前が何を言っているのかを教えるのさ。

For the interpreter can speak both languages as well as understand them.”
通訳者は、2つの言葉を、聴いて理解できるのと同じく、しゃべることができるのさ。」

●“That is certainly clever,” said Jack, greatly pleased at finding so simple a way out of the difficulty.
 「それは、実に賢いことです。」 ジャックは、言いました、困難から抜け出す非常に簡単な方法がわかったことに、非常によろこんで。

●So the Scarecrow commanded the Soldier with the Green Whiskers to search among his people until he found one who understood the language of the Gillikins as well as the language of the Emerald City, and to bring that person to him at once.
 そこで、かかしは、緑の頬髯の兵士に命じました|彼の人民の中から、ギリキン人の言葉とエメラルド・シティの言葉を理解する人を見つけるまで、探し、その人をすぐ彼の前に連れてくるように|。

●When the Soldier had departed the Scarecrow said: 兵士が部屋をでたあと、かかしは、言いました:

●“Won't you take a chair while we are waiting?”
 「待っている間、椅子にすわりませんか?」

●“Your Majesty forgets that I cannot understand you,” replied the Pumpkinhead.
 「陛下は、私が、あなたのことばを理解できないことを、お忘れです。」 カボチャ頭は、答えました。

“If you wish me to sit down you must make a sign for me to do so.”
「もし、私が座ることをお望みなら、そうするように合図をしていただかねばなりません。」

The Scarecrow came down from his throne and rolled an armchair to a position behind the Pumpkinhead.
かかしは、玉座から降りてきて、カボチャ頭の後ろの位置まで、肘掛け椅子を、転がしてきました。

Then he gave Jack a sudden push that sent him sprawling upon the cushions in so awkward a fashion that he doubled up like a jackknife, and had hard work to untangle himself.
そして、彼は、ジャックを突然に押し、ジャックは、クッションの上にだらしなく倒れました、余りにぎこちない倒れ方だったので、彼は、ジャックナイフのように二つ折れになってしまい、もとにもどるのに、たいそう苦労しました。

●“Did you understand that sign?” asked His Majesty, politely.
 「お前は、合図がわかったかね・」 陛下は、丁寧に尋ねました。

●“Perfectly,” declared Jack, reaching up his arms to turn his head to the front, the pumpkin having twisted around upon the stick that supported it.
 「完璧に。」 ジャックは、言いました、彼の頭を前に向けるように腕をのばしながら、カボチャは、それを支えている棒の上で、回転してしまったのです。

●“You seem hastily made,” remarked the Scarecrow, watching Jack's efforts to straighten himself.
 「お前は、急いで作られたようだな。」 かかしは言いました、ジャックが自分をまっすぐにしようと努力しているのを見ながら。

●“Not more so than your Majesty,” was the frank reply.
 「陛下と同じようなものですよ。」 が、率直な返事でした。

●“There is this difference between us,” said the Scarecrow, “that whereas I will bend, but not break, you will break, but not bend.”
 かかしは、言いました、「私たちの間には、こんな違いがある。私は、曲がるが壊れない、おまぅは壊れるが、曲がらない。」

●At this moment the soldier returned leading a young girl by the hand.
 このとき、兵士が、若い女の子の手を引きながら、もどってきました。

She seemed very sweet and modest, having a pretty face and beautiful green eyes and hair.
彼女は、非常に愛らしくしとやかに見え、美しい顔と、美しい緑の目と、髪をしていました。

A dainty green silk skirt reached to her knees, showing silk stockings embroidered with pea-pods, and green satin slippers with bunches of lettuce for decorations instead of bows or buckles.
上品な緑色のシルクのスカートが、膝に達していました、シルクの靴下は、エンドウ豆の鞘が刺繍されていて、緑色のサテンのスリッパには、ボウ(ちょう結びのリボン)やバックル(留め金)の代わりの飾りとして沢山のレタスが付いていました。

Upon her silken waist clover leaves were embroidered, and she wore a jaunty little jacket trimmed with sparkling emeralds of a uniform size.
彼女のシルクの胴着には、クローバーの葉が刺繍されていました、そして、彼女は、粋な小さなジャケットを着ていました、ジャケットには、一様な大きさのキラキラ光るエメラルドのトリム飾りがついていました。

●“Why, it's little Jellia Jamb!” exclaimed the Scarecrow, as the green maiden bowed her pretty head before him.
「おや、ジェリア・ジャムちゃんじゃないか!」かかしが叫びました、緑色の娘が彼の前で、美しい頭を下げてお辞儀したときに。

“Do you understand the language of the Gillikins, my dear?”
「お前は、ギリキンの言葉がわかるのかい?」

●“Yes, your Majesty,” she answered, “for I was born in the North Country.”
 彼女は、答えました、「はい、陛下、私は、北の国の生まれですから。」

●“Then you shall be our interpreter,” said the Scarecrow, “and explain to this Pumpkinhead all that I say, and also explain to me all that he says.
 かかしは、言いました、「では、通訳者をしてください、そして、私が言うことすべてをカボチャに説明し、彼が言うことのすべてを私に説明してください。

Is this arrangement satisfactory?” he asked, turning toward his guest.
このお膳立てでいいですか?」彼は、カボチャ頭の方を向いて、尋ねました。

●“Very satisfactory indeed,” was the reply.
 「はい、満足です。」 が返事でした。

●“Then ask him, to begin with,” resumed the Scarecrow, turning to Jellia, “what brought him to the Emerald City”
 かかしは、ジェリアの方を向いて、再開しました、「それじゃ彼に聞いてくれ、なんのために、エメラルド・シティに来たのか。」

●But instead of this the girl, who had been staring at Jack, said to him:
 しかし、その代わりに、ジャックをじっと見つめていた少女は、ジャックに言いました:

●“You are certainly a wonderful creature. Who made you?”
 「あなたは、確かに素晴らしいつくりものね。誰が作ったの?」

●“A boy named Tip,” answered Jack. 「ティップという名前の少年さ。」 ジャックは、答えました。

●“What does he say?” inquired the Scarecrow.
 「彼は、何と言っておる?」 かかしは、尋ねました。

“My ears must have deceived me. What did he say?”
「私の耳は、間違ったに違いないのだ。彼は、何と言ったのだ?」

●“He says that your Majesty's brains seem to have come loose,” replied the girl, demurely.
 「彼は、陛下の脳みそは、溶けてしまったようにみえると、おっしゃってます。」 少女は、控えめに答えました。

●The Scarecrow moved uneasily upon his throne, and felt of his head with his left hand.
 かかしは、玉座の上で、不安げに動きました、そして、左手で頭をさわりました。

●“What a fine thing it is to understand two different languages,” he said, with a perplexed sigh.
 「なんと素敵なことか、2つの異なる言葉が理解できるとは。」 彼は、当惑したため息をついて、言いました。

“Ask him, my dear, if he has any objection to being put in jail for insulting the ruler of the Emerald City.”
「彼に聞いてくれ、牢屋に入れられることに異議は、ないか、エメラルド・シティの支配者を侮辱したかどで。」

●“I didn't insult you!” protested Jack, indignantly.
 「私は、侮辱などしていません。」ジャックは、憤然として、抗議しました。

●“Tut-tut!” cautioned the Scarecrow “wait, until Jellia translates my speech.
 「ちぇっ、ちぇっ」かかしが注意しました。「ジェリアが私の話を通訳するまで、待ちなさい。

What have we got an interpreter for, if you break out in this rash way?”
何のために、通訳者を置いたのか、もし、お前が、こんな性急な様で割り込んだりしたら?」

●“All right, I'll wait,” replied the Pumpkinhead, in a surly tone - although his face smiled as genially as ever.
 「わかりました、待ちます。」カボチャ頭は、不愛想な声色で返事しました - 彼の顔は、いつものようににこやかに笑っていましたが。

“Translate the speech, young woman.” 「「私の話を通訳しなさい、ジェリア。」

●“His Majesty inquires if you are hungry,” said Jellia.
 「陛下は、お前が、お腹がすいていないか聞いておられます。」 ジェリアが言いました。

●“Oh, not at all!” answered Jack, more pleasantly, “for it is impossible for me to eat.”
 「いや、ちっとも。」 ジャックは、さらに楽しそうに答えました、「私は、食べることができません。」

●“It's the same way with me,” remarked the Scarecrow.
 「それは、私も、同じである。」 かかしが言いました。

“What did he say, Jellia, my dear?” 「彼は、何と言ったのかな、ジェリア?」

●“He asked if you were aware that one of your eyes is painted larger than the other,” said the girl, mischievously.
 「彼は尋ねております、あなたの片方の目は、もう一つよりも大きく描かれていることをご存じかと。」 少女は、いたずらっぽく言いました。

●“Don't you believe her, your Majesty,” cried Jack.
 「彼女の言うことを信じないで、陛下。」 ジャックは、叫びました。

●“Oh, I don't,” answered the Scarecrow, calmly.
 「ああ、信じないよ。」 かかしは、静かに、答えました。

Then, casting a sharp look at the girl, he asked:
そして、するどい目を彼女に投げかけて、尋ねました:

●“Are you quite certain you understand the languages of both the Gillikins and the Munchkins?”
 「お前は、本当に確かに、ギリキンとマンチキンの2つの言葉を理解するのか?」

●“Quite certain, your Majesty,” said Jellia Jamb, trying hard not to laugh in the face of royalty.
 「勿論です、陛下。」 ジェリア・ジャムは、言いました、王様の前で笑わないようにこらえながら。

●“Then how is it that I seem to understand them myself?” inquired the Scarecrow.
 「では、私自身がそれらを理解できるように見えるのはどうしてか?」 かかしは、尋ねました。

●“Because they are one and the same!” declared the girl, now laughing merrily.
 「なぜなら、それらは、同じ一つのものだからです!」 少女は言いました、今は楽しそうに笑いながら。

“Does not your Majesty know that in all the land of Oz but one language is spoken?”
「陛下は、オズの国のすべてで、一つの言葉しか話されていないのを、ご存じないのですか?」

●“Is it indeed so?” cried the Scarecrow, much relieved to hear this;
 「本当に、そうなのか?」 かかしは、叫びました、これを聞いて、とても安心しながら;

“then I might easily have been my own interpreter!”
「それでは、私は、簡単に、私自身の通訳者になれたんだな!」

“It was all my fault, your Majesty,” said Jack, looking rather foolish,“I thought we must surely speak different languages, since we came from different countries.”
 ジャックは、ばつが悪そうに、言いました、「すべて私が悪いのです、陛下、私たちは、異なる国から来たので、異なる言葉を話すに違いないと思ったのです。」

●“This should be a warning to you never to think,” returned the Scarecrow, severely.
 「これは、お前に、決して考えるなという警告に違いない。」 かかしは、厳しく返事しました。

“For unless one can think wisely it is better to remain a dummy - which you most certainly are.”
「人は、賢く考えることができないなら、無口な間抜けでいた方がいいんだ、お前は、確かに、その間抜けなんだ。」

●“I am! -- I surely am!” agreed the Pumpkinhead.
 「はい、そうです。私は、間抜けでございます!」 カボチャ頭は、同意しました。

●“It seems to me,” continued the Scarecrow, more mildly, “that your manufacturer spoiled some good pies to create an indifferent man.”
かかしは、より穏やかになって、続けました、「お前の作り主は、おいしてパイをだいなしにして、たいしたことのない男を作ってしまったようだな。」

●“I assure your Majesty that I did not ask to be created,” answered Jack.
 「陛下、私は、作ってもらうよう頼んだのじゃあ、決っしてありません。」 ジャックは、答えました。

“Ah! It was the same in my case,” said the King, pleasantly.
「ああ、私の場合も、全く同じだ。」王様は、楽しそうに言いました。

“And so, as we differ from all ordinary people, let us become friends.”
「そうなら、私たちは、普通の人達みんなとは、異なっているので、友達になりましょうよ。」

●“With all my heart!” exclaimed Jack. 「心から喜んで。」ジャックが叫びました。

●“What! Have you a heart?” asked the Scarecrow, surprised.
 「え! お前は、お前は、心をもっているのかい?」 かかしは、驚いて、尋ねました。

●“No; that was only imaginative - I might say, a figure of speech,” said the other.
 「いいえ、それは、想像上のものにすぎません - それは、言葉の恰好、言葉のあや、とでも言いましょうか。」 ジャックは言いました。

●“Well, your most prominent figure seems to be a figure of wood;
 「じゃあ、お前の最も目立つ格好は、木の恰好をしていることだ;

so I must beg you to restrain an imagination which, having no brains, you have no right to exercise,” suggested the Scarecrow, warningly.
そこで、私は、お前に、想像することを控えてくれと頼まなければならない、お前は、脳みそがないのだから、想像を働かせる権利がないのだ。」かかしは、警告して、言いました。

●“To be sure!” said Jack, without in the least comprehending.
 「確かに!」 ジャックは、言いました、少しも、理解できずに。

His Majesty then dismissed Jellia Jamb and the Soldier with the Green Whiskers,
陛下は、ジェリア・ジャムと、緑の頬髯の兵士を去らせました、

and when they were gone he took his new friend by the arm and led him into the courtyard to play a game of quoits.
そして、彼らが去ったあと、彼は、新しい友の手をとり、輪投げ遊びをするために、中庭に連れていきました。

 

8. Gen. Jinjur's Army of Revolt ジンジャー将軍の反乱軍

●Tip was so anxious to rejoin his man Jack and the Saw-Horse that he walked a full half the distance to the Emerald City without stopping to rest.
 ティップは、彼の友のジャックと、のこぎり馬たちに、是非とも、再び加わりたいと、エメラルト・シティまでの距離のまる半分を、止まって休むことなく、歩きました。

説明 My man は、見知らぬ人への呼びかけとして使われますし、私の彼氏 という意味でも使われます。

    ここでは、彼の彼氏 というのは、変ですので、彼の友 と訳してみました。

    おおまかに、anxious to do は、心配な出来事を切望する、eager to do は、好ましい出来事を切望する という傾向のようです。

Then he discovered that he was hungry and the crackers and cheese he had provided for the Journey had all been eaten.
そして、彼は気づきました|彼は、お腹がすいていて、この旅のために用意したクラッカーとチーズは、すべて食べてしまったことに|。

●While wondering what he should do in this emergency he came upon a girl sitting by the roadside.
 この緊急事態に何をすべきか考えているときに、道端に座っている女の子に出会いました。

She wore a costume that struck the boy as being remarkably brilliant:
彼女は、非常にキラキラ輝いていると、少年の心を打った衣装を着ていました:

her silken waist being of emerald green and her skirt of four distinct colors - blue in front, yellow at the left side, red at the back and purple at the right side.
彼女の絹の胴着は、エメラルドグリーンで、彼女のスカートは、くっきり4色でした - 前は青、左側は黄色、後ろが赤で、右側は紫。

Fastening the waist in front were four buttons - the top one blue, the next yellow, a third red and the last purple.
胴着を前で止めているのは、4つのボタンでした - 一番上のは青、次が黄色、3つめは赤、最後は紫。

●The splendor of this dress was almost barbaric;
 この服の素晴らしさは、殆ど、野蛮的でした;

説明 野蛮の形容詞には、3つあり、barbarousは、強い非難の気持ちが含まれ、barbarianは、感情を含まず中立で

    barbaricは、悪い意味にも好意的な意味にも使われます。

so Tip was fully justified in staring at the gown for some moments before his eyes were attracted by the pretty face above it.
そこで、ティップが、このガウンをしばらく見つめたのはもっともでしたが、そのうち、彼の目はその上の美しい顔に引き付けられました。

Yes, the face was pretty enough, he decided;
そう、顔は、十分に美しかったのです、彼は、断言しました;

but it wore an expression of discontent coupled to a shade of defiance or audacity.
しかし、その顔は、不満の表情をしていて、反抗的態度もしくは剛勇さの影も合わさっていました。

●While the boy stared the girl looked upon him calmly.
 少年が眺めているとき、少女も彼を穏やかに見つめました。

A lunch basket stood beside her, and she held a dainty sandwich in one hand and a hard-boiled egg in the other, eating with an evident appetite that aroused Tip's sympathy.
ランチのバスケットが、彼女の傍にありました、彼女は、片手に、おいしそうなサンドイッチ、もう片手に、半熟卵を持って、食欲あらわに食べていて、ティップにも、同じ感情(食欲)が呼び起こされました。

●He was just about to ask a share of the luncheon when the girl stood up and brushed the crumbs from her lap.
 彼が、昼食を分けてと頼もうとしたとき、少女は立ち上がって、ひざからパンくずを払いのけました。

●“There!” said she; “it is time for me to go.
 彼女は、言いました、「それ! もう出発の時間だわ。

Carry that basket for me and help yourself to its contents if you are hungry.”
私のかわりに、バスケットを運んでちょうだい。お腹がすいてるなら、中味をご自由に。」

●Tip seized the basket eagerly and began to eat, following for a time the strange girl without bothering to ask questions.
 ティップは、はやる思い出バスケットをうけとり、食べ始めました、しばらく、その不思議な少女の後に続き、質問をしようとは、しませんでした。

She walked along before him with swift strides, and there was about her an air of decision and importance that led him to suspect she was some great personage.
彼女は、速い足取りで彼の前を前方に歩きました、彼女のまわりには、決意と重大さの雰囲気がただよっていて、彼女は、なにか偉大な人ではないかと彼に思わせました。

●Finally, when he had satisfied his hunger, he ran up beside her and tried to keep pace with her swift footsteps - a very difficult feat, for she was much taller than he, and evidently in a hurry.
 やがて、彼が食欲を満たしたとき、彼は、彼女の傍に走り寄って、彼女の速い足取りに、歩調を合わせようとしました - それはそれは、難しい離れ業でした、彼女は、彼よりずっと背が高く、また、明らかに急いでいましたので。

●“Thank you very much for the sandwiches,” said Tip, as he trotted along.
 「サンドイッチを、ありがとうございました。」 ティップは、速足で駆けながら言いました。

“May I ask your name?” 「名前を聞いていい?」

●“I am General Jinjur,” was the brief reply. 「私は、ジンジャー将軍よ。」 が、答えでした。

●“Oh!” said the boy surprised. “What sort of a General?”
 少年は、驚いて、言いました、「おや! どんな将軍?」

●“I command the Army of Revolt in this war,” answered the General, with unnecessary sharpness.
 「私は、この戦争で反乱軍を率いているの。」将軍は、無用な鋭さで、答えました。

●“Oh!” he again exclaimed. “I didn't know there was a war.”
 少年は、再び叫びました、「ああ! 戦争だなんて、知りませんでした。」

●“You were not supposed to know it,” she returned, “for we have kept it a secret;
 彼女は、返事しました、「あなたは、知らないはずよ、私たちは、秘密にしてたから;」

and considering that our army is composed entirely of girls,” she added, with some pride,“it is surely a remarkable thing that our Revolt is not yet discovered.”
彼女は、ちょっと自慢げに付け加えました、「それに、私たちの軍隊は、完全に女の子で、構成されてることを考えると、私たちの反乱が、まだ、発見されてないのは、ほんとに注目すべきことなのよ。」

●“It is, indeed,” acknowledged Tip. “But where is your army?”
 「ほんとに、そうですね。」 ティップは、認めました。「でも、軍隊は、どこにいるの?」

●“About a mile from here,” said General Jinjur.
 「ここから、約1マイルよ。」 ジンジャー将軍は、言いました。

“The forces have assembled from all parts of the Land of Oz, at my express command.
「軍隊は、オズの国のすべての地方から少子優されたのよ、私の急ぎの命令でね。

For this is the day we are to conquer His Majesty the Scarecrow, and wrest from him the throne.
そして、今日は、かか陛下を征服して、彼から、玉座を奪い取るべき日なのよ。

The Army of Revolt only awaits my coming to march upon the Emerald City.”
反乱軍は、ただ、私の到着を待っていて、エメラルド・シティに行進するのよ。」

●“Well!” declared Tip, drawing a long breath, “this is certainly a surprising thing!
 ティップは、長い溜息をついて、言いました、「ああ、これは、ほんとにびっくりだ。

May I ask why you wish to conquer His Majesty the Scarecrow?”
どうして、かかし陛下を征服したいのか、聞いていい?」

●“Because the Emerald City has been ruled by men long enough, for one reason,” said the girl.
 「エメラルド・シティが、十分ながく、男たちに配されてきたこと、これが理由の一つよ。」 少女が言いました。

●“Moreover, the City glitters with beautiful gems, which might far better be used for rings, bracelets and necklaces;
 「それに、町は、美しい宝石で、キラキラ輝いているの、宝石は、指輪や、ブレスレットや、ネックレスとして使ったほうが、ずっといいのよ;

and there is enough money in the King's treasury to buy every girl in our Army a dozen new gowns.
それに、王様のお宝の中には、十分お金があって、わが軍のすべての女子に新しい服が1ダース買えるのよ。

So we intend to conquer the City and run the government to suit ourselves.”
だから、私たちは、町を征服して、私たちに合ったように政府を運営しようとしてるの。」

●Jinjur spoke these words with an eagerness and decision that proved she was in earnest.
 ジンジャは、これらの言葉を、熱意と決意をもって話したので、彼女が真剣であることを証明していました。

●“But war is a terrible thing,” said Tip, thoughtfully.
 「しかし、戦争は、恐ろしいものですよ。」ティップは、思慮深げに言いました。

●“This war will be pleasant,” replied the girl, cheerfully.
 「この戦争は、楽しいわ。」 少女は、陽気に答えました。

●“Many of you will be slain!” continued the boy, in an awed voice.
 「あなたたちのうちの大勢が殺されちゃうよ!」少年は、恐れおののいた声で、続けました。

●“Oh, no”, said Jinjur. “What man would oppose a girl, or dare to harm her?
 ジンジャは、言いました、「あら、違うわ、どんな男が、少女に反抗し、あえて傷つけようとするの?

And there is not an ugly face in my entire Army.”
私の全軍には、不細工な顔の子は、独りもいないの。」

●Tip laughed. ティップは、笑いました。

●“Perhaps you are right,” said he.  「多分、あなたは、正しいよ。」 彼は、言いました。

“But the Guardian of the Gate is considered a faithful Guardian, and the King's Army will not let the City be conquered without a struggle.”
「しかし、玄関の門番は、忠実な門番だと考えられてるし、王様の軍隊が、抵抗なしに町を征服されさしたりは、しないよ。」

●“The Army is old and feeble,” replied General Jinjur, scornfully.
 「軍隊は、年寄で、貧弱なのよ。」 ジンジャ将軍は、あざけりを込めて返事しました。

“His strength has all been used to grow whiskers, and his wife has such a temper that she has already pulled more than half of them out by the roots.
「彼の力は、みんな、頬髯を延ばすことに使われてるの、それに、彼の奥さんは、癇癪もちなので、髭の半分以上をすでに根っこから引き抜いちゃったのよ。

When the Wonderful Wizard reigned the Soldier with the Green Whiskers was a very good Royal Army, for people feared the Wizard.
素敵な魔法使いが治めていた頃は、緑の頬髯の兵士は、とてもいい、皇軍だったの、みんな、魔法使いを恐れていたからね。

But no one is afraid of the Scarecrow, so his Royal Army don't count for much in time of war.”
でも、誰も、かかしなんか、恐れてないわ。かれの皇軍は、戦争の時に、たいたことはないのよ。」

●After this conversation they proceeded some distance in silence,
 この会話のあと、彼らは、しばらくの距離、しずかに、全身しました、

and before long reached a large clearing in the forest where fully four hundred young women were assembled.
そして、間もなく、森が大きく開かれた場所に着きました、そこには、実に400人の若い女子が集まっていました。

These were laughing and talking together as gaily as if they had gathered for a picnic instead of a war of conquest.
彼女たちは、一緒に、笑ったりしゃべったりしていました、まるで、征服戦争ではなくて、ピクニッくのために集まったように、楽し気に。

●They were divided into four companies, and Tip noticed that all were dressed in costumes similar to that worn by General Jinjur.
 彼女たちは、4つのク゜ループに、分けられていました。彼女たちは、ジンジャ将軍が着ている服に似た服を着ていることにもティップは、気付きました。

The only real difference was that while those girls from the Munchkin country had the blue strip in front of their skirts, those from the country of the Quadlings had the red strip in front;
唯一の実際の違いは、マンチキンの国から来た少女たちは、スカートの前が青い布で、クワドリンの国から来た少女たちは、前に赤い布でした。

and those from the country of the Winkies had the yellow strip in front, and the Gillikin girls wore the purple strip in front.
ウィンキーの国から来た少女たちの前には、黄色い布が、ギリキンの少女たちの前には、紫の布がありました。

All had green waists, representing the Emerald City they intended to conquer,
全員が、緑の胴着を着ていて、それは、征服しようとしているエメラルド・シティを表していました、

and the top button on each waist indicated by its color which country the wearer came from.
そして、みんなの胴着の一番上のボタンは、彼らが来た国の色を示していました。

The uniforms were jaunty and becoming, and quite effective when massed together.
制服は、粋で、似合っていて、一緒に集結すると、実に効果的でした。

●Tip thought this strange Army bore no weapons whatever; but in this he was wrong.
 ティップは、この不思議な軍隊は、武器を何も持っていないと思いました; しかし、この点、彼は間違っていました。

For each girl had stuck through the knot of her back hair two long, glittering knitting-needles.
というのは、各々の少女は、後ろ髪の結び目に、二本の長くキラキラ輝く編み棒を、突き刺していたのです。

●General Jinjur immediately mounted the stump of a tree and addressed her army.
 ジンジャ将軍は、すぐに、木の切り株の上に上り、全軍に号令しました、

●“Friends, fellow-citizens, and girls!” she said;
 「友よ、仲間よ、少女たちよ!」 彼女は、言いました;

“we are about to begin our great Revolt against the men of Oz!

私たちは、今こそ、オズの男たちに偉大なる反乱を開始します!

We march to conquer the Emerald City - to dethrone the Scarecrow King - to acquire thousands of gorgeous gems - to rifle the royal treasury - and to obtain power over our former oppressors!”
私たちは、進軍します。エメラルド・シティを征服するために。かかしの王様の王位を奪うために。沢山の豪華な宝石を手に入れるために。王様の宝を奪い取るために。これまでの圧政者をやっつけて権力をにぎるために!」

●“Hurrah!” said those who had listened; 「フレー!」聴いていたひとたちは、叫びました;

but Tip thought most of the Army was too much engaged in chattering to pay attention to the words of the General.
しかし、ティップは、軍隊の殆どは、おしゃべりに夢中で、将軍の言葉に殆ど注意を払っていないと思いました。

●The command to march was now given, and the girls formed themselves into four bands, or companies, and set off with eager strides toward the Emerald City.
 進軍の命令が発せられました、少女たちは、四つの集団 (もしくは、仲間) を形成して、激しい歩調で、エメラルド・シティに向かって出発しました。

●The boy followed after them, carrying several baskets and wraps and packages which various members of the Army of Revolt had placed in his care.
 少年は、彼らの後に従いました|いくつかのバスケットや、包みや、包装物を抱えながら|反乱軍のメンバーの何人かが彼の手に預けた|。

It was not long before they came to the green granite walls of the City and halted before the gateway.
間もなく、彼らは町の緑色の花崗岩の壁に到着し、入口の前で止まりました。

●The Guardian of the Gate at once came out and looked at them curiously, as if a circus had come to town.
 玄関の門番は、すぐに出てきて、不思議そうに、彼らを眺めました、まるで、サーカスが町にやってきたかのように。

He carried a bunch of keys swung round his neck by a golden chain;
彼は、一束の鍵を持っていました、金色の鎖で首の周りに掛けて。

his hands were thrust carelessly into his pockets, and he seemed to have no idea at all that the City was threatened by rebels.
彼の手は、無造作に、ポケットに突っ込まれていました、彼には、町が反乱者によって襲撃されているという考えは、まったくないようでした。

Speaking pleasantly to the girls, he said: 少女たちに楽し気に話し掛けながら、言いました:

●“Good morning, my dears! What can I do for you?” 「おはよう。何か、ご用ですか。」

●“Surrender instantly!” answered General Jinjur, standing before him and frowning as terribly as her pretty face would allow her to.
 「即時に、降参せよ!」 ジンジャ将軍が答えました、彼の前に立ち、彼女の美しい顔が可能な限り激しく顔をしかめて。

●“Surrender!” echoed the man, astounded.  「降参ですって!」男は、びっくりして、繰り返しました。

“Why, it's impossible. It's against the law! I never heard of such a thing in my life.”
「それは、不可能です。法に反しています。私の生涯でそんなこと、聞いたことがありません。」

●“Still, you must surrender!” exclaimed the General, fiercely.
 「動くな、降参しなさい!」 将軍は、猛烈に、叫びました。

“We are revolting!” 「私たちは、反乱をおこしているのです!」

●“You don't look it,” said the Guardian, gazing from one to another, admiringly.
 「あなたたちは、そうは、みえませんよ。」 門番は言いました、一人一人を称賛して眺めながら。

●“But we are!” cried Jinjur, stamping her foot, impatiently;
 「でも、そうなんです。」 ジンジャは、叫びました、こらえきれずに、地団駄を踏みながら。

“and we mean to conquer the Emerald City!”
「我々は、エメラルド・シティを征服するつもりなのです。」

●“Good gracious!” returned the surprised Guardian of the Gates;
 「そりゃ、大変!」 驚いた玄関の門番が、返しました;

“what a nonsensical idea! Go home to your mothers, my good girls, and milk the cows and bake the bread.
「なんて、馬鹿げたことを!お母さんのところに、帰りなさい、少女たち。牛の乳を搾り、パンを焼きなさい。

Don't you know it's a dangerous thing to conquer a city?”
町を征服するなんて、危険なことだと知らないのですか?」

●“We are not afraid!” responded the General;
 「私たちは、恐れていません!」 将軍が返事しました。

and she looked so determined that it made the Guardian uneasy.
彼女が、たいそう覚悟をきめているようにみえたので、門番は、不安になりました。

●So he rang the bell for the Soldier with the Green Whiskers, and the next minute was sorry he had done so.
 彼は、緑の頬髯の兵士を呼ぶためにベルを鳴らしましたが、次の瞬間、彼はそれをしたことを後悔しました。

For immediately he was surrounded by a crowd of girls who drew the knitting-needles from their hair and began jabbing them at the Guardian with the sharp points dangerously near his fat cheeks and blinking eyes.
というのは、彼は、少女たちの一群に囲まれ、彼女たちは、髪の毛から編み棒を抜いて、その尖った先で、門番を突っつき始めたのです、危なくも、彼の太った頬や、瞬く目の近くを。

●The poor man howled loudly for mercy and made no resistance when Jinjur drew the bunch of keys from around his neck.
 可哀そうに、男は、助けをもとめて大声で泣きわめきました、そして、ジンジャが、首のまわりの一束の鍵を引き寄せても、何も、抵抗しませんでした。

●Followed by her Army the General now rushed to the gateway, where she was confronted by the Royal Army of Oz - which was the other name for the Soldier with the Green Whiskers.
 軍隊を伴って、将軍は、入口に突進しました、そこで、彼女は、オズの皇軍と対峙しました。皇軍とは、緑の頬髯の兵士の、もう一つの名前です。

“Halt!” he cried, and pointed his long gun full in the face of the leader.
「止まれ!」、彼は叫びました、そして、彼の長い銃を、リーダーの顔に向けました。

●Some of the girls screamed and ran back, but General Jinjur bravely stood her ground and said, reproachfully:
 幾人かの少女は、叫び声を上げて、後ずさりました、しかし、ジンジャ将軍は、勇敢にも、地面に踏ん張って立ち、とがめるように言いました、

●“Why, how now? Would you shoot a poor, defenceless girl?”
 「なぜ、どうして? あなたは、可哀そうな無防備の少女を撃つつもりですか?」

●“No,” replied the soldier. “for my gun isn't loaded.”
 「いいや、」 兵士は、答えました。「私の銃には、弾がこめてない。」

●“Not loaded?” 「弾がこめてないですって?」

●“No; for fear of accidents.  「こめておらん。事故が怖くてのお。

And I've forgotten where I hid the powder and shot to load it with.
それに、私は、こめるべき火薬や弾を、どこにしまったか、わすれてしまいもうした。

But if you'll wait a short time I'll try to hunt them up.”
ちょっと、お待ちいただければ、それらを探し出してきましょう。」

●“Don't trouble yourself,” said Jinjur, cheerfully.
 「それには、およばないわ。」ジンジャは、大喜びで、言いました。

Then she turned to her Army and cried: 彼女は、軍隊に向かって叫びました:

●“Girls, the gun isn't loaded!” 「みんな、銃には、弾がこめられてないのよ!」

●“Hooray,” shrieked the rebels, delighted at this good news,
 「フレー」 反乱軍は、金切り声をあげました、この良いニュースに歓喜して。

and they proceeded to rush upon the Soldier with the Green Whiskers in such a crowd that it was a wonder they didn't stick the knitting-needles into one another.
そして、彼らは、前進して、緑の頬髯の兵士の上に殺到しました。余りに、一段でおしよせたので、彼らが、互いに編み棒で刺し合わなかったのが、不思議でした。

●But the Royal Army of Oz was too much afraid of women to meet the onslaught.
 オズの皇軍は、余りに女たちを恐れて、襲撃に抗することはできませんでした。

He simply turned about and ran with all his might through the gate and toward the royal palace,
彼は、単に、向きをかえ、全力で、玄関を通り抜け、宮殿に向かって走りました、

while General Jinjur and her mob flocked into the unprotected City.
一方、ジンジャ将軍と、彼女の暴徒は、無防備の町の中に、群がりました。

●In this way was the Emerald City captured without a drop of blood being spilled.
 かくして、エメラルド・シティは、一滴の血を流すことなく、占領されたのです。

The Army of Revolt had become an Army of Conquerors!
革命軍は、征服者の軍隊になりました。

 

9. The Scarecrow Plans an Escape かかしが逃亡を計画する

●Tip slipped away from the girls and followed swiftly after the Soldier with the Green Whiskers.
 ティップは、少女たちから抜け出して、緑の方髭の兵士の後にすばやく続きました。

The invading army entered the City more slowly, for they stopped to dig emeralds out of the walls and paving-stones with the points of their knitting-needles.

侵入軍は、町に、もっとゆっくり入りました、彼らは、立ち止まって、壁や舗装の石から、編み棒の尖った先で、エメラルドを掘り出したからです。

So the Soldier and the boy reached the palace before the news had spread that the City was conquered.
兵士と少年は、町が征服されたというニュースが広まる前に、宮殿に着きました。

●The Scarecrow and Jack Pumpkinhead were still playing at quoits in the courtyard when the game was interrupted by the abrupt entrance of the Royal Army of Oz, who came flying in without his hat or gun, his clothes in sad disarray and his long beard floating a yard behind him as he ran.
 かかしとカボチャ頭のジャックは、まだ、中庭で、輪投げ遊びをしていました、オズの皇軍が突然入ってきて、ゲームが中断されたとき。皇軍は、帽子も銃もなく、飛び込んできました。彼の服は、悲しく乱れ、彼の長い髭は、彼が走るにつれ彼の後ろに1ヤード浮き上がりました。

●“Tally one for me,” said the Scarecrow, calmly. 「私に、1点つけてくれ。」かかしは、静かに言いました。

“What's wrong, my man?” he added, addressing the Soldier.
「どうした?お前さん」彼は、兵士に向かっていいました。

●“Oh! your Majesty - your Majesty! The City is conquered!” gasped the Royal Army, who was all out of breath.
 「陛下、陛下、町が征服されました。」皇軍が、あえいで言いました。彼は、全く、息をきらしていました。

●“This is quite sudden,” said the Scarecrow.  「なんと、突然なこと。」 かかしが言いました。

“But please go and bar all the doors and windows of the palace, while I show this Pumpkinhead how to throw a quoit.”
「では、行って、宮殿のすべてのドアと窓に、かんぬきをかけてくれ、私が、カボチャ頭に、輪投げの投げ方をおしえている間に。」

●The Soldier hastened to do this, while Tip, who had arrived at his heels, remained in the courtyard to look at the Scarecrow with wondering eyes.
 兵士は、急いで、これを実行しに行きました。ティップは、兵士の後を追って、到着したところでしたが、中庭に残って、かかし男を、不思議そうな目で眺めました。

●His Majesty continued to throw the quoits as coolly as if no danger threatened his throne, but the Pumpkinhead, having caught sight of Tip, ambled toward the boy as fast as his wooden legs would go.
 陛下は、冷静に輪投げ遊びを続けました、まるで、いかなる危険も、彼の玉座を脅かしていないかのように、しかし、カボチャ頭は、ティップをみかけたので、アンブル歩きで、木の脚をできるだけ速く動かして、彼に向かいました。

説明 amble歩きとは、ラクダやキリンのように、左右の前足と後ろ足を、そろえて、動かして歩くことで、側対歩と呼ばれています。

    馬は、右前足が、前にでるとき、右後ろ脚は、後ろになっていて、左後ろ足が、前に出る、斜対歩と呼ばれる歩きをします。

    斜対歩の方が、速く走れるのですが、上下動が激しいといわれています。

    日本の武士が、馬上で弓をいる流鏑馬のときは、側対歩の方がよく、日本の在来の馬は、側対歩だそうです。

●“Good afternoon, noble parent!” he cried, delightedly. “I'm glad to see you are here.
 「今日は、お父さん。」彼は、うれしそうに叫びました。「お父さんが、お着きになって、うれしいです。

That terrible Saw-Horse ran away with me.”
あのひどいのこぎり馬が、私を乗せたまま、走り去ってしまったのです。」

●“I suspected it,” said Tip. “Did you get hurt? Are you cracked at all?”
 「そうだと、思ったよ。」ティップは、言いました。「怪我はしなかったかい?割れたりしなかったかい?」

●“No, I arrived safely,” answered Jack, “and his Majesty has been very kind indeed to me.
 「いいえ、無事に着きましたよ。」ジャックは、答えました。「そして、陛下は、私にとても優しくして下さいます。」

●At this moment the Soldier with the Green Whiskers returned, and the Scarecrow asked:
 この時、緑の頬髯の兵士が戻ってきました、かかし男が、尋ねました。

●“By the way, who has conquered me?”
 「ところで、誰が、私を征服したんだい?」

●“A regiment of girls, gathered from the four corners of the Land of Oz,” replied the Soldier, still pale with fear.
 「女の子の連隊です、オズの国の4つのコーナーから、集まりました。」兵士は、恐怖でまだ青ざめながら、言いました。

●“But where was my Standing Army at the time?” inquired his Majesty, looking at the Soldier, gravely.
 「しかし、私の常備軍は、その時、どこにいたんだ?」 陛下は、尋ねました、兵士をいかめしく眺めながら。

●“Your Standing Army was running,” answered the fellow, honestly; “for no man could face the terrible weapons of the invaders.”
 「陛下の常備軍は、敗走中です。」 兵士は、正直に答えました。「誰も、侵略者の恐ろしい武器に、立ち向かえませんでした。」

●“Well,” said the Scarecrow, after a moment's thought, “I don't mind much the loss of my throne, for it's a tiresome job to rule over the Emerald City.
 かかし男は、ちょっと考えて、言いました、「そうか、王位を失うことは、たいして、構わないのだ。エメラルド・シティを支配するのは、退屈な仕事だからな。

And this crown is so heavy that it makes my head ache.
それに、この王冠は、ちょっと重いので、私を頭痛にする。

But I hope the Conquerors have no intention of injuring me, just because I happen to be the King.”
しかし、征服者たちは、私を傷つけようともくろんでいないことを期待する、私がたまたま王様になったからといって。」

●“I heard them, say” remarked Tip, with some hesitation, “that they intend to make a rag carpet of your outside and stuff their sofa-cushions with your inside.”
 ティッブは、少し躊躇して、言いました、「私は、聞きました|彼らは、あなたの外側で、ラグ・カーペットを作り、あなたの内側で、ソファのクッションの中身を詰めようとしてることを|。」

●“Then I am really in danger,” declared his Majesty, positively, “and it will be wise for me to consider a means to escape.”
 陛下は、きっぱりと言いました、「じぁあ、私は、本当に危険なんだ。逃げ出す方法を考えたほうが、賢明そうだな。」

●“Where can you go?” asked Jack Pumpkinhead.
 「どこに、お逃げになるんです?」 カボチャ頭が尋ねました。

●“Why, to my friend the Tin Woodman, who rules over the Winkies, and calls himself their Emperor,” was the answer. “I am sure he will protect me.”
 「おや、我が友のブリキの木こりのところかな、ウィンキーの人達を支配している、自分のことを皇帝と呼んでいる。」 が、返事でした。「きっと、彼は、助けてくれる。」

●Tip was looking out the window. ティップは、窓の外を眺めました。

●“The palace is surrounded by the enemy,” said he “It is too late to escape. They would soon tear you to pieces.”
 彼は、言いました。「この場所は、敵に囲まれている。逃げるのは、もう遅い。彼らは、すぐ、あなたを粉々にしちゃいますよ。」

●The Scarecrow sighed. かかし男は、ため息をつきました。

●“In an emergency,” he announced, “it is always a good thing to pause and reflect.
 彼は、言いました、「非常事態では、いつも、止まって、考えるのが、いいことなんだ。

Please excuse me while I pause and reflect.”
ちょっと、失礼させてくれ、止まって考える間。」

●“But we also are in danger,” said the Pumpkinhead, anxiously.
 「しかし、私たちも、危険なんだ。」 カボチャ頭が、心配そうに言いました。

“If any of these girls understand cooking, my end is not far off!”
「もし、少女たちの誰かが、料理を知っていたら、私の終わりも、そんなに遠くじゃない。」

●“Nonsense!” exclaimed the Scarecrow. “they're too busy to cook, even if they know how!”
 かかし男が叫びました。「そんな、バカな。彼らは、忙しすぎて、料理は、しないよ、仕方は、知っていても。」

●“But should I remain here a prisoner for any length of time,” protested Jack,“I'm liable to spoil.”
 「しかし、もし、私が、ここで、なんらかの時間、とらえられ人でいたら、私は、腐っていまうでしょう。」 ジャックが、抗議しました。

●“Ah! then you would not be fit to associate with,” returned the Scarecrow.
 「ああ、すると、あなたは、お付き合いするのに、ふさわしくなくなるですね。」かかし男が、返しました。

“The matter is more serious than I suspected.” 「ことは、思っていたより、深刻なんですね。」

●“You,” said the Pumpkinhead, gloomily, “are liable to live for many years.
 カボチャ頭は、憂鬱そうに言いました、「あなたは、多くの年数、生きていけそうです。

My life is necessarily short. So I must take advantage of the few days that remain to me.”
私の生涯は、必然的に短いのです。私は、残されている短い日々を、有効に使わないといけないのです。」

●“There, there! Don't worry,” answered the Scarecrow soothingly;
 「まあ、まあ、心配しなさんな。」かかし男は、なだめるように、答えました。

“if you'll keep quiet long enough for me to think, I'll try to find some way for us all to escape.”
「もし、お前が、わたしが考えるに十分長く、静かにしてくれたら、みんなが逃げ出す方法を考えだしましょうよ。」

●So the others waited in patient silence while the Scarecrow walked to a corner and stood with his face to the wall for a good five minutes.
そこで、みんなは、忍耐強く沈黙して待ちました、その間、かかし男は、部屋の隅まで歩き、顔を壁に向けて、たっぷり5分間立ち尽くしました。

At the end of that time he faced them with a more cheerful expression upon his painted face.
この最後に、彼は、みんなに向かって、彼の描かれた顔に、もっと愉快な表情を浮かべました。

●“Where is the Saw-Horse you rode here?” he asked the Pumpkinhead.
 「お前たちが乗ってきたのこぎり馬は、どこにいるんだ?」 彼は、カボチャ頭に尋ねました。

●“Why, I said he was a jewel, and so your man locked him up in the royal treasury,” said Jack.
 「おや、私が、彼は宝石のように貴重だと言ったら、あなたの家来は、宝物室に閉じ込めてしまいました。」 ジャックが、言いました。

●“It was the only place I could think of, your Majesty,” added the Soldier, fearing he had made a blunder.
 「私が、考え付いた唯一の場所だったんです、陛下。」兵士が付け加えました、大失策をしたかと恐れながら。

●“It pleases me very much,” said the Scarecrow. “Has the animal been fed?”
 「それは、大層、喜ばしいことです。」 かかし男は、言いました。「馬は、餌をもらいましたか?」

●“Oh, yes; I gave him a heaping peck of sawdust.”
 「はい、勿論です。山盛り1ペックのおがくずを与えました。」

説明 1ペックは、約9リットル

●“Excellent!” cried the Scarecrow. “Bring the horse here at once.”
 「すばらしい!」 かかし男は、叫びました。「馬をすぐ連れてきてください。」

●The Soldier hastened away, and presently they heard the clattering of the horse's wooden legs upon the pavement as he was led into the courtyard.
 兵士は、急いで出ていきました、そして、まもなく、馬の木製の脚が、舗装のうえでカタカタいう音が、聞こえてきました|中庭に連れてこられるときに|。

●His Majesty regarded the steed critically.  陛下は、馬をじっくりと眺めました。

“He doesn't seem especially graceful!” he remarked, musingly. “but I suppose he can run?”
「とりわけ、優雅には、見えませんな。」彼は、物思いにふけって言いました。「しかし、走ることはできるんだろう?」

●“He can, indeed,” said Tip, gazing upon the Saw-Horse admiringly.
 「勿論、走れますよ。」ティップは、言いました、のこぎり馬を、称賛して眺めながら。

●“Then, bearing us upon his back, he must make a dash through the ranks of the rebels and carry us to my friend the Tin Woodman,” announced the Scarecrow.
 「それでは、我々を彼の背中に乗せて、彼は、ダッシュして、反乱者の隊列の中を通り抜け、私の友達のブリキの木こりのところまで、運んでもらわねばならない。」かかし男は、言いました。

●“He can't carry four!” objected Tip. 「彼は、4人は、運べませんよ。」 ティップは、反対しました。

●“No, but he may be induced to carry three,” said his Majesty.
 「ええ、でも、3人運ぶようには、持っていけるかもしれない。」 陛下は、言いました。

説明 否定文に関する、Yes, Noの使い方は、英語と日本語では、逆なので、訳すときに、注意が必要です。

“I shall therefore leave my Royal Army behind.
「私は、私の皇軍を残すことにするよ。

For, from the ease with which he was conquered, I have little confidence in his powers.”
というのは、彼が簡単に征服されたことから、私は、彼の力に全然信頼がないから。」

●“Still, he can run,” declared Tip, laughing.
 「でも、彼は、走ることはできますよ。」ティップは、笑いながらいいました。

●“I expected this blow” said the Soldier, sulkily;
 「この一撃は、予想していました。」 兵士は、ふてくされて、言いました。

“but I can bear it. I shall disguise myself by cutting off my lovely green whiskers.
「でも、私は、それに耐えることができます。私は、愛する緑の髭を切って、変装しましょう。

And, after all, it is no more dangerous to face those reckless girls than to ride this fiery, untamed wooden horse!”
それに、とにかく、あの向こう見ずの少女たちに立ち向かうことは、そんなに危険ではありません。この激しい、馴らされていない木製の馬に乗ることに比べれば。

●“Perhaps you are right,” observed his Majesty.  「多分、お前は正しい。」陛下は、言いました。

“But, for my part, not being a soldier, I am fond of danger.
「しかし、私の場合、兵士ではないので、危険は大好きさ。

Now, my boy, you must mount first. And please sit as close to the horse's neck as possible.”
さて、少年よ、お前が最初に座れ。馬の首にできるだけ近いところに座ってくれ。」

●Tip climbed quickly to his place, and the Soldier and the Scarecrow managed to hoist the Pumpkinhead to a seat just behind him.
 ティップは、彼の場所にすぐ上りました、兵士とかかし男は、なんとか、カボチャ頭をティップの後ろの席に持ち上げました。

There remained so little space for the King that he was liable to fall off as soon as the horse started.
王様のための場所は、殆ど残らなかったので、馬が出発するや否や、彼は落ちてしまいそうでした。

●“Fetch a clothesline,” said the King to his Army, “and tie us all together.
 「物干し用ロープを持ってこい。」 王様は、皇軍に言いました、「そして、みんなを一緒に結んでくれ。

Then if one falls off we will all fall off.”
そうすれば、一人が落ちれば、みんなが落ちるさ。」

●And while the Soldier was gone for the clothesline his Majesty continued, “it is well for me to be careful, for my very existence is in danger.”
 そして、兵士が物干し用ロープを探しに行っている間に、陛下は続けて言いました、「私は、用心深くあることが、望ましいのだ、何故なら、私の存在が、危ぶまれているのだから。」

説明 good は、形容詞で、比較級は、better, well は、副詞で、比較級は、better と単純に考えていますが、

    形容詞としての well の使い方もあります。All is well that ends well. (終わりよければ、すべて良し)が、好例です。

    It is well, It is as well, It is all very well のようにも使われますが、wellは、申し分ないとか、望ましいの意です。

●“I have to be as careful as you do,” said Jack.
 「私も、あなたと同じく、用心深くあらねばなりません。」 ジャックは、言いました。

●“Not exactly,” replied the Scarecrow; 「ちょっと違うな。」 かかし男が、答えました;

“for if anything happened to me, that would be the end of me.
「というのは、もし私に何かおこったら、それは、私の最後であろう。

But if anything happened to you, they could use you for seed.”
じゃが、お前に何かが起こっても、人は、お前を、種として使えるじゃろう。」

●The Soldier now returned with a long line and tied all three firmly together, also lashing them to the body of the Saw-Horse;
 今や、兵士が長い紐を持って戻ってきて、三人みんなを一緒に固く結び、三人をのこぎり馬の胴体に結び付けました;

so there seemed little danger of their tumbling off.
そこで、彼らが転がり落ちる危険は、殆どなくなったように見えました。

●“Now throw open the gates,” commanded the Scarecrow,
 「では、門を開け放ってくれ。」 かかし男が、命令しました。

“and we will make a dash to liberty or to death.”
「我々は、突進しよう、自由に向かって、もしくは、死に向かって。」

●The courtyard in which they were standing was located in the center of the great palace, which surrounded it on all sides.
 彼らが立っている中庭は、大宮殿の中心に位置していて、宮殿がその四方を囲んでいました。

But in one place a passage led to an outer gateway, which the Soldier had barred by order of his sovereign.
しかし、一か所、通路が外側の出入り口に通じていました。その出入り口は、兵士が王の命でかんぬきをかけていました。

It was through this gateway his Majesty proposed to escape,
この出入り口を通って、陛下は、脱出をもくろんだのです。

and the Royal Army now led the Saw-Horse along the passage and unbarred the gate, which swung backward with a loud crash.
皇軍は、のこぎり馬を導いて、この通路を通り、門のかんぬきを開けました。門は、大きな破壊音をたてて、後方(内側)に開きました。

●“Now,” said Tip to the horse, “you must save us all.
 「さあ。」 ティップは馬に言いました、「私たち皆を、救ってくれ。

Run as fast as you can for the gate of the City, and don't let anything stop you.”
全速力で、シティの玄関まで走れ、何事があっても、止まるな。」

●“All right!” answered the Saw-Horse, gruffly, and dashed away so suddenly that Tip had to gasp for breath and hold firmly to the post he had driven into the creature's neck.
 「合点!」 のこぎり馬は、ぶっきらぼうに答えました、そして、突然に突進したので、ティップは、息を切らして、棒にしがみつかねばなりませんでした、彼が馬の首に打ち込んだ棒に。

●Several of the girls, who stood outside guarding the palace, were knocked over by the SawHorse's mad rush.
 宮殿を見張って外に立っていた数人の少女たちは、のこぎり馬の狂った突進に、ひっくり返されました。

Others ran screaming out of the way, and only one or two jabbed their knittingneedles frantically at the escaping prisoners.
他の者は、走り叫んで、道を開けました、そして、一人二人のみが、編み棒でつつきました、必死で逃げようとしている捕虜を。

Tip got one small prick in his left arm, which smarted for an hour afterward;
ティップは、左腕に、小さい刺し傷をもらいました、それは、その後一時間うずきました;

but the needles had no effect upon the Scarecrow or Jack Pumpkinhead, who never even suspected they were being prodded.
しかし、編み棒は、かかし男やカボチャ頭のジャックには、何の効果もありませんでした、彼らは、つつかれたことを、気付きもしませんでした。

●As for the Saw-Horse, he made a wonderful record upsetting a fruit cart, overturning several meek looking men, and finally bowling over the new Guardian of the Gate - a fussy little fat woman appointed by General Jinjur.
 のこぎり馬に関しては、彼は、素晴らしい記録を達成し、果物カートをひっくり返したり、おとなしそうに見える人を数人横転させたり、最後には、玄関の新しい門番を打ち倒したりしました。新しい門番は、小うるさそうな小さい太った女で、ジンジャ将軍に任命されました。

説明 wonderful record とは、果物カートをひっくり返したなどなどのことでなく、記録的な速さを達成した ということだと思います。

●Nor did the impetuous charger stop then.
突進する馬は、止まりませんでした。

説明 stop then というテキストと、stop them となっているテキストがあります。

    Nor で始まるので、先行の否定文が欲しいのですが、よくわかりません。

Once outside the walls of the Emerald City he dashed along the road to the West with fast and violent leaps that shook the breath out of the boy and filled the Scarecrow with wonder.
エメラルド・シティの壁の外に出るや、馬は、道路に沿って西に突進しました、高速で凶暴に跳ねながら、少年は息ができず、かかし男は、仰天でいっぱいでした。

●Jack had ridden at this mad rate once before, so he devoted every effort to holding, with both hands, his pumpkin head upon its stick, enduring meantime the dreadful jolting with the courage of a philosopher.
 ジャックは、かつて一度、この狂気の速さに乗ったことがあります、そこで、あらゆる努力を払って、両手で、彼のカボチャ頭を、棒の上に、保持しました、哲学者の勇気でもって、この恐ろしい揺れにじっと耐えながら。

●“Slow him up! Slow him up!” shouted the Scarecrow.
 「遅くしろ、遅くしろ」 かかし男は、叫びました。

“My straw is all shaking down into my legs.”
「私のわらが、みんな、揺れて、脚の方に、落ちていく。」

●But Tip had no breath to speak, so the Saw-Horse continued his wild career unchecked and with unabated speed.
 しかし、ティップは、息が切れて、話せません、のこぎり馬は、その狂気じみた疾走を、歯止めなく続けました、速度を少しも落とさずに。

●Presently they came to the banks of a wide river, and without a pause the wooden steed gave one final leap and launched them all in mid-air.
 間もなく、彼らは、広い河の岸にやってきました、木の馬は、止まることなく、最後の一跳びをし、みんなを、空中に放ちました。

●A second later they were rolling, splashing and bobbing about in the water, the horse struggling frantically to find a rest for its feet and its riders being first plunged beneath the rapid current and then floating upon the surface like corks.
 一秒後、彼らは、水の中で、揺れ、しぶきをあげ、浮いたり沈んだりしていました、馬は、脚を置く場所を探そうと半狂乱でもがいていました、乗客は、最初、速い流れの下に突っ込み、次に、コルクのように水面に浮かんでいました。

 

10. The Journey to the Tin Woodman ブリキの木こりへの旅

●Tip was well soaked and dripping water from every angle of his body.
 ティップは、たっぷり水につかり、体のあらゆる所から水がしたたっていました。

But he managed to lean forward and shout in the ear of the Saw-Horse:
しかし、彼は、なんとか、前かがみになって、のこぎり馬の耳元で叫びました:

●“Keep still, you fool! Keep still!”
 「じっとして、この馬鹿! じっとして!」

●The horse at once ceased struggling and floated calmly upon the surface, its wooden body being as buoyant as a raft.
 馬は、すぐに、もがくのを止め、水面に静かに浮かびました、木の体は、いかだと同じように、浮くのです。

●“What does that word ‘fool' mean?” enquired the horse.
 「その『馬鹿』という言葉は、どういう意味なの?」 馬は、質しました。

●“It is a term of reproach,” answered Tip, somewhat ashamed of the expression.
 「それは、とがめの言葉だよ。」 ティップは、答えました、いささかその表現を恥じながら。

“I only use it when I am angry.” 「私は、怒っているときしか、使わないよ。」

●“Then it pleases me to be able to call you a fool, in return,” said the horse.
 「じぁあ、お返しに、あなたのことを馬鹿とよぶことができるのが、とっても嬉しいよ。」 馬が言いました。

“For I did not make the river, nor put it in our way;
 「だって、私は、河を作ったんじゃないし、河を途中に置いたわけでもない;

so only a term of reproach is fit for one who becomes angry with me for falling into the water.”
とがめの言葉は、ふさわしいね|私に怒った人にこそ|水に落ちたことで|。」

●“That is quite evident,” replied Tip;  「はっきりそうだね。」ティップが答えました;

“so I will acknowledge myself in the wrong.” 「私が、間違ってたと認めるよ。」

Then he called out to the Pumpkinhead: “are you all right, Jack?”
そして、彼は、カボチャ頭に向かって叫びました:「お前は、大丈夫かい、ジャック?」

●There was no reply.  返事はありませんでした。

So the boy called to the King “are you all right, your majesty?”
そこで、少年は、王様に呼びかけました、「あなたは、大丈夫でしょうか、陛下?」

●The Scarecrow groaned. かかし男は、うめきました。

●“I'm all wrong, somehow,” he said, in a weak voice.
 「全く駄目だ、どうしたものか。」 彼は、弱弱しい声で、言いました。

“How very wet this water is!” 「なんて、この水は、こんなにも湿っているんだ!」

●Tip was bound so tightly by the cord that he could not turn his head to look at his companions;
 ティップは、紐でしっかり縛り付けられていたので、頭をまわして、仲間の方を見ることができませんでした;

so he said to the Saw-Horse: そこで、のこぎり馬に言いました。

●“Paddle with your legs toward the shore.” 「お前の脚で漕いで、岸に向かおう。」

●The horse obeyed, and although their progress was slow they finally reached the opposite river bank at a place where it was low enough to enable the creature to scramble upon dry land.
 馬は、従いました、そして、進展は、非常に遅かったのですが、ついには、対岸に着きました、場所は、十分低かったので、馬は、乾いた大地によじ上ることができました。

●With some difficulty the boy managed to get his knife out of his pocket and cut the cords that bound the riders to one another and to the wooden horse.
 少し苦労しましたが、少年は、どうにか、ポケットからナイフを取り出し、紐を切りました、乗客を互いに結び、木の馬に結びつけた紐を。

He heard the Scarecrow fall to the ground with a mushy sound, and then he himself quickly dismounted and looked at his friend Jack.
彼は、かかし男が、地面に落ちて、グシャという音を立てるのを聞きました、そして、彼自身も、急いで馬から降りて、友のジャックを見ました。

●The wooden body, with its gorgeous clothing, still sat upright upon the horse's back;
 豪華な衣装を着た、木の胴体は、なおも馬の背中に直立に座っていました;

but the pumpkin head was gone, and only the sharpened stick that served for a neck was visible.
しかし、カボチャ頭がありません、首のかわりに働いた尖った棒だけが、見えます。

As for the Scarecrow, the straw in his body had shaken down with the jolting and packed itself into his legs and the lower part of his body - which appeared very plump and round while his upper half seemed like an empty sack.
かかし男はといえば、彼の体のわらは、ガタガタ揺さぶられて下に落ち、彼の脚や、胴体の下半分に詰め込まれていました - 下半分は、膨らんでまん丸に見えるのに、上半分は、空っぽの袋のようでした。

Upon his head the Scarecrow still wore the heavy crown, which had been sewed on to prevent his losing it;
かかし男は、頭に、まだ、王冠をかぶっていました、王冠は、なくならないように、縫い付けられていたのです;

but the head was now so damp and limp that the weight of the gold and jewels sagged forward and crushed the painted face into a mass of wrinkles that made him look exactly like a Japanese pug dog.
しかし、頭は、濡れて、しなびていたので、金と宝石の重さで、描かれた顔は、前に垂み、つぶれて、しわの塊になり、まさに、日本犬のチンのように見えました。

●Tip would have laughed - had he not been so anxious about his man Jack.
 ティップは、笑ったでしょう - 彼のジャックのことが気になってさえいなければ。

But the Scarecrow, however damaged, was all there, while the pumpkin head that was so necessary to Jack's existence was missing;
しかし、いくら損傷していても、かかし男は、そこにいます、ししかし、ジャックの存在にきわめて必要なカボチャ頭は、ないのです。

so the boy seized a long pole that fortunately lay near at hand and anxiously turned again toward the river.
少年は、幸いにも手元近くにあった長い棒を手に取り、心配そうに、河の方を向きました。

●Far out upon the waters he sighted the golden hue of the pumpkin, which gently bobbed up and down with the motion of the waves.
 水面のずっと向こうに、彼は、カボチャの金色を見つけました、それは、水面の動きとともにゆっくり浮いたり沈んだりしています。

At that moment it was quite out of Tip's reach, but after a time it floated nearer and still nearer until the boy was able to reach it with his pole and draw it to the shore.
その時、それは、ティップの届く範囲をかなり超えていました、しか、しばらくすると、それは、浮きながら、近くに、さらに近くにとやってきて、ついには、棒で届けるようになり、岸に引き寄せました。

Then he brought it to the top of the bank, carefully wiped the water from its pumpkin face with his handkerchief, and ran with it to Jack and replaced the head upon the man's neck.
彼は、それを土手の一番上まで持ってきて、ハンカチで、カボチャの顔から丁寧に水をふき取り、ジャックのところに持って行って、その首のうえに頭を据えました。

●“Dear me!” were Jack's first words.  「なんてこった!」 ジャックの第一声です。

“What a dreadful experience! I wonder if water is liable to spoil pumpkins?”
「なんて恐ろしい経験だ! 水は、カボチャをだめにしたりしないかしら?」

●Tip did not think a reply was necessary, for he knew that the Scarecrow also stood in need of his help.
 ティップは、返事が必要とは思いませんでした、というのは、かかし男が彼の助けを必要として立っていることを知っていたからです。

So he carefully removed the straw from the King's body and legs, and spread it out in the sun to dry.
彼は、王様の体と脚から注意深くわらを取り出し、乾かすために、太陽の下に広げました。

The wet clothing he hung over the body of the Saw-Horse.
湿った衣服は、のこぎり馬の胴体の上に、掛けました。

●“If water spoils pumpkins,” observed Jack, with a deep sigh, “then my days are numbered.”
 「もし、水がカボチャを駄目にするなら、私の日数は、限定されてしまうんだな。」 ジャックは、気付いて、深くため息をつきました。

説明 number は、他動詞としては、番号を振る、数える という使い方がされますが、

    number my days は、数えられて、限定されるという意味から、余命があまりない、死が近い の意となります。

●“I've never noticed that water spoils pumpkins,” returned Tip;
 「水か、カボチャを駄目にするとは、聞いたことないよ。」 ティップが返事しました。

“unless the water happens to be boiling.  水が、たまたま沸騰してるんでなければね。

If your head isn't cracked, my friend, you must be in fairly good condition.”
もし、頭が、割れてるんじゃなければ、お前は、かなり良い状態に違いないよ。」

●“Oh, my head isn't cracked in the least,” declared Jack, more cheerfully.
 「ああ、僕の頭は、ちっとも、割れてないよ。」 ジャックは、さらに楽しそうに、言いました。

●“Then don't worry,” retorted the boy. “Care once killed a cat.”
 「じゃあ、心配しなさんな、心配は猫をも殺す だよ。」 少年は、言い返しました。

説明 Care killed a cat. は、命が九つあるという猫でも、気苦労で死ぬ ということから、

    心配するな という意味のことわざです。once が入ると、どういう意味になるのかは、わかりません。

●“Then,” said Jack, seriously, “I am very glad indeed that I am not a cat.”
 「じゃあ、私は、猫でなくて、ほんとに嬉しいです「」 ジャックは、真面目に、言いました。

●The sun was fast drying their clothing, and Tip stirred up his Majesty's straw so that the warm rays might absorb the moisture and make it as crisp and dry as ever.
 太陽は、彼らの衣服を、どんどん乾かしていました、ティップは、陛下のわらをかき混ぜて、暖かい光が湿気を吸収して、わらが、以前のように乾いてサクサクとなるようにしました。

説明 太陽は、湿気を吸収 (absorb the moisture) ではなく、蒸発(evaporate the moisture)させる が正しいと思います。

When this had been accomplished he stuffed the Scarecrow into symmetrical shape and smoothed out his face so that he wore his usual gay and charming expression.
それが終わると、彼は、かかし男にわらを詰めて、対称形にし、顔を滑らかにして、いつもの楽しくチャーミングな表情になるようにしました。

●“Thank you very much,” said the monarch, brightly, as he walked about and found himself to be well balanced.
 「ありがとうございます。」 王様は、短く言いました、歩き回って、バランスが取れていることを確かめながら。

“There are several distinct advantages in being a Scarecrow.
「かかしであることに、いくつかのはっきりした利点がありますね。

For if one has friends near at hand to repair damages, nothing very serious can happen to you.”
損傷を直してくれる友達が近くにいれば、何も深刻なことは起こらないから。」

●“I wonder if hot sunshine is liable to crack pumpkins,” said Jack, with an anxious ring in his voice.
 「暑い日光は、カボチャにひびを入らせることはないのだろうか。」ジャックは、声に心配そうな響きをもたせて、言いました。

●“Not at all - not at all!” replied the Scarecrow, gaily.
 「ちっとも、ちっとも。」 かかし男は、楽しそうに答えました。

“All you need fear, my boy, is old age.  「お前の恐れるべきことは、老齢さ。

When your golden youth has decayed we shall quickly part company - but you needn't look forward to it;
お前の金色の若さが衰えると、我々には、すぐお別れがくるのさ - しかし、それを楽しみに待たなくてもいいよ;

we'll discover the fact ourselves, and notify you.
俺たち自身で、その事実をみつけて、お前に、教えてやるよ。

But come! Let us resume our journey. I am anxious to greet my friend the Tin Woodman.”
しかし、ほら! 旅を再開しようよ。友のブリキの木こりに、会いたくてしかたないよ。」

●So they remounted the Saw-Horse, Tip holding to the post, the Pumpkinhead clinging to Tip, and the Scarecrow with both arms around the wooden form of Jack.
 そこで、彼らは、のこぎり馬に乗りました、ティップは、棒をかかえ、カボチャ頭は、ティップにしがみつき、かかし男は、両手を、ジャックの木の体の周りに回しました。

●“Go slowly, for now there is no danger of pursuit,” said Tip to his steed.
 「ゆっくり進んでね、追跡される危険はないんだから。」 ティップは、馬に言いました。

●“All right!” responded the creature, in a voice rather gruff.
 「了解!」、馬は、答えました、かなりのしわがれ声で。

●“Aren't you a little hoarse?” asked the Pumpkinhead politely.
 「ちょっと、しわがれてないかい?」 カボチャ頭は、丁寧に尋ねました。

説明 しわがれている の意味の hoarse は、馬の horse と、かけているのですが、この翻訳では、無視しました。

    既存の翻訳では、枯れ木でできた馬くんは、声も枯れてるんですかね、とか、

    声がかれては、ウマくないのでは と苦労して翻訳されています。

●The Saw-Horse gave an angry prance and rolled one knotty eye backward toward Tip.
 のこぎり馬は、怒って一跳ねし、節の目の一つをティップの方に回しました。

●“See here,” he growled, “can't you protect me from insult?”
 「ほら、ここで、あなたは、私を侮辱から守ってくれないんですか?」 彼は、うなりました。

●“To be sure!” answered Tip, soothingly. “I am sure Jack meant no harm.
 ティップは、なだめるように言いました、「なるほど! ジャックには、悪意はありませんよ。

And it will not do for us to quarrel, you know; we must all remain good friends.”
けんかをしても、はじまらないよ。みんな、いい友達でいなきゃ。」

●“I'll have nothing more to do with that Pumpkinhead,” declared the Saw-Horse, viciously.
 「カボチャ頭とは、これ以上、関わりは持ちませんよ。」 のこぎり馬は、意地悪く、宣言しました。

“he loses his head too easily to suit me.”
「彼は、余りに簡単に正気を失って、僕には合わないよ。」

説明 一応訳しましたが、自信は、ありません。

●There seemed no fitting reply to this speech, so for a time they rode along in silence.
 適した答えがなさそうだったので、しばらくの間、彼らは、沈黙して、進みました。

●After a while the Scarecrow remarked: しばらくして、かかし男が言いました。

●“This reminds me of old times.  ここは、昔のことを思い出させるよ。

It was upon this grassy knoll that I once saved Dorothy from the Stinging Bees of the Wicked Witch of the West.”
この草のはえた小山で、僕は、昔、ドロシーを、西の悪い魔女の蜂 (Stinging Bees) から救ったんだよ。

●“Do Stinging Bees injure pumpkins?” asked Jack, glancing around fearfully.
 「蜂 (Stinging Bees) は、カボチャを痛めるかい?」 ジャックは、あたりを怖そうにみながら、尋ねました。

●“They are all dead, so it doesn't matter,” replied the Scarecrow.
 「やつらは、みんな、死んだよ。だから、問題ないさ。」 かかし男は、答えました。

“And here is where Nick Chopper destroyed the Wicked Witch's Grey Wolves.”
「そして、ここは、ニック・チョッパーが、悪い魔女の灰色のオオカミをやっつけた場所さ。」

●“Who was Nick Chopper?” asked Tip. 「ニック・チョッパーって誰?」 ティップが尋ねました。

●“That is the name of my friend the Tin Woodman,” answered his Majesty.
 「それは、我が友ブリキの木こりの名前さ。」 陛下が答えました。

“And here is where the Winged Monkeys captured and bound us, and flew away with little Dorothy,” he continued, after they had traveled a little way farther.
「そして、ここが、翼猿が、私たちを捕らえて縛り、ドロシーを連れて飛び去った場所さ。」彼は、しばらく旅をつづけた後で、続けて言いました。

“Do Winged Monkeys ever eat pumpkins?” asked Jack, with a shiver of fear.
「翼猿は、カボチャを食べるかい?」 ジャックは、恐怖に震えて尋ねました。

●“I do not know; but you have little cause to worry, for the Winged Monkeys are now the slaves of Glinda the Good, who owns the Golden Cap that commands their services,” said the Scarecrow, reflectively.
 「わかりません。でも、心配しなくていいです。翼猿は、今では、善なるグリンダの奴隷です。グリンダは、彼らに命令できる金の帽子を持っているんです。」 かかし男は、考えにふけりながら、言いました。

●Then the stuffed monarch became lost in thought recalling the days of past adventures.
 そして、かかし男は、昔の冒険の日々を思い出しながら、物思いにふけりました。

And the Saw-Horse rocked and rolled over the flower-strewn fields and carried its riders swiftly upon their way.
そして、のこぎり馬は、花のまき散らされた野原のうえを、ガタゴト進み、乗客をすみやかに目的地の方に運びました。

                * * * * * * * * *

●Twilight fell, bye and bye, and then the dark shadows of night.
 夕暮れになり、だんだん、そして、夜の暗闇になりました。

So Tip stopped the horse and they all proceeded to dismount.
ティップは、馬を止めて、みな、下馬を開始しました。

●“I'm tired out,” said the boy, yawning wearily; “and the grass is soft and cool.
 「僕は、疲れ切った、」 少年は、疲れてあくびしながら、言いました;「草は、柔らかくて、冷たい。

Let us lie down here and sleep until morning.” ここに横になって、朝まで寝ましょう。」

●“I can't sleep,” said Jack. 「僕は、眠れません。」 ジャックが言いました。

●“I never do,” said the Scarecrow. 「僕も、寝たことがない。」 かかし男が言いました。

●“I do not even know what sleep is,” said the Saw-Horse.
 「私は、眠りが何を意味するかさえ、わかりません。」 のこぎり馬が、言いました。

●“Still, we must have consideration for this poor boy, who is made of flesh and blood and bone, and gets tired,” suggested the Scarecrow, in his usual thoughtful manner.
 「でも、私たちは、この可哀そうな少年に思いやりの心を持たねばなりません、彼は、肉体と血と骨で作られ、疲れるのです。」 かかし男が、示唆しました、いつもの思慮深い話し方で。

“I remember it was the same way with little Dorothy.
「ドロシーちゃんのときも、同じだったことを覚えています。

We always had to sit through the night while she slept.”
彼女が寝ている間、私たちは、夜の間、待ってなきゃいけませんでした。」

●“I'm sorry,” said Tip, meekly, “but I can't help it. And I'm dreadfully hungry, too!”
 「ごめんね。」 ティップは、おとなしく言いました、「でも、どうしようもないんだ。それに、とっても、お腹がすいているんだ!」

●“Here is a new danger!” remarked Jack, gloomily. “I hope you are not fond of eating pumpkins.”
 「ここにも、危険があらわれた。」 ジャックは、陰気に言いました、「あなたは、カボチャをたべるのが好きでないことを望みみますです。」

●“Not unless they're stewed and made into pies,” answered the boy, laughing.
 「煮込んでパイにしたのでなきゃ、好きじゃないよ。」 少年は、笑って、答えました。

“So have no fears of me, friend Jack.” 「僕のことは、恐れないで、友達、ジャック。」

●“What a coward that Pumpkinhead is!” said the Saw-Horse, scornfully.
 「なんて臆病なんだ、このカボチャ頭は!」 のこぎり馬は、さげすんで言いました。

●“You might be a coward yourself, if you knew you were liable to spoil!” retorted Jack, angrily.
 「あなただって、臆病者かもしれませんよ、もし、自分が駄目になりやすいとわかったら。」 ジャックは、怒って、言い返しました。

●“There! -- there!” interrupted the Scarecrow; “don't let us quarrel.
 かかし男が、さえぎりました、「ほら! ほら! 喧嘩は止めましょう。

We all have our weaknesses, dear friends; so we must strive to be considerate of one another.
私たちは、みな、弱点を持っておる。お互いに、思いやるように努めなければならないんじゃ。

And since this poor boy is hungry and has nothing whatever to eat, let us all remain quiet and allow him to sleep;
それに、この可哀そうな少年は、腹が減っていて、食うものが何もない。みんな静かにして、彼を眠らせてあげよう。

for it is said that in sleep a mortal may forget even hunger.”
寝れば人は飢えすら忘れると言われてるからね。」

●“Thank you!” exclaimed Tip, gratefully.
 「ありがとう。」ティップは、感謝して、叫びました。

“Your Majesty is fully as good as you are wise - and that is saying a good deal!”
「陛下は、賢いだけじゃなくて、ほんとに、良い方なんですね - and that is saying a good deal 」

●He then stretched himself upon the grass and, using the stuffed form of the Scarecrow for a pillow, was presently fast asleep.
 彼は、草の上に体を延ばし、わらの詰まったかかし男の体を枕にして、間もなく、ぐっすりと眠りにつきました。

 

11. A Nickel-Plated Emperor ニッケル・メッキの皇帝

●Tip awoke soon after dawn, but the Scarecrow had already risen and plucked, with his clumsy fingers, a double-handful of ripe berries from some bushes near by.
 ティップは、夜が明けてすぐ起きました、しかし、かかし男は、すでに起きていて、そのぎこちない指で、近くのやぶから、熟れたブドウを両手いっぱい摘んでいました。

These the boy ate greedily, finding them an ample breakfast, and afterward the little party resumed its journey.
少年は、これらをガツガツ食べ、たっぷりの朝ごはんと思いました、そして、その後、この小さな集団は、旅を再開しました。

●After an hour's ride they reached the summit of a hill from whence they espied the City of the Winkies and noted the tall domes of the Emperor's palace rising from the clusters of more modest dwellings.
 一時間乗っていくと、彼らは、丘の頂上に着きました、そこから、ウィンキー達の町を見つけました、皇帝の宮殿の高いドームが、もう少し謙虚な住宅の群れの中にそびえているのが、わかりました。

●The Scarecrow became greatly animated at this sight, and exclaimed:
 かかし男は、これを見て、非常に元気づけられ、叫びました。

●“How delighted I shall be to see my old friend the Tin Woodman again!
 「何て嬉しいんだ、なつかしい友のブリキの木こりに、会えるとは!

I hope that he rules his people more successfully than I have ruled mine!”
彼は、私よりももっと成功裏に、彼の人民を統治していることを望みますよ!」

●“Is the Tin Woodman the Emperor of the Winkies?” asked the horse.
 「ブリキの木こりは、ウィンキー達の皇帝なんですか?」 馬が尋ねました。

●“Yes, indeed.  「ああ、もちろん。

They invited him to rule over them soon after the Wicked Witch was destroyed;
彼らが統治してくれと頼んだんだ、悪い魔女が倒された後すぐにね;

and as Nick Chopper has the best heart in all the world I am sure he has proved an excellent and able emperor.”
ニック・チョッパーは、全世界で一番良い心を持っているので、彼は、きっと、卓越した有能な皇帝だとはんめいしていると思うよ。」

●“I thought that 'Emperor' was the title of a person who rules an empire,” said Tip, “and the Country of the Winkies is only a Kingdom.”
 「皇帝というのは、帝国を統治する人のタイトルだと思ってたけど。」 ティップは、言いました、「そして、ウィンキー達の国は、王国にすぎないよ。」

●“Don't mention that to the Tin Woodman!” exclaimed the Scarecrow, earnestly.
 「それをブリキの木こりに言うなよ!」 かかし男は、叫びました、心から。

“You would hurt his feelings terribly.  「彼の感情をひどく損なってしまうよ。

He is a proud man, as he has every reason to be,
彼は、気位の高い男で、そうある理由はすべて、持っている。

and it pleases him to be termed Emperor rather than King.”
彼は、王様ではなく、皇帝と称されることを、よろこんでいるんだ。」

●“I'm sure it makes no difference to me,” replied the boy.
 「僕には、どっちでも、構わないとおもうよ。」少年は、答えました。

●The Saw-Horse now ambled forward at a pace so fast that its riders had hard work to stick upon its back;
 アンブル歩きののこぎり馬は、今や、かなり速く前進していたので、乗客は、背中の棒にしがみつくのが大変でした;

so there was little further conversation until they drew up beside the palace steps.
そこで、さらなる会話は、殆どありませんでした、彼らが、宮殿の階段の傍に近づくまでは。

●An aged Winkie, dressed in a uniform of silver cloth, came forward to assist them to alight.
 年老いたウィンキー、銀色の布の制服を着た、が、前に来て、彼らが降りるのを手伝いました。

Said the Scarecrow to this personage: かかし男は、この人に言いました:

●“Show us at once to your master, the Emperor.” 「我々を、お前の主人の皇帝に、すぐ会わせてくれ。」

●The man looked from one to another of the party in an embarrassed way, and finally answered:
 その男は、まごついた様子で、一行を一人一人を眺め。最後に、答えました:

●“I fear I must ask you to wait for a time.
 「しばらく待ってくださいとお願いしなければならないと思います。

The Emperor is not receiving this morning.”
皇帝は、今朝は、謁見しない予定です。」

●“How is that?” enquired the Scarecrow, anxiously.
 「どうしてですか?」 かかし男が、心配そうに、尋ねました。

“I hope nothing has happened to him.”
「彼に、何事も起きていないことを期待します。」

●“Oh, no; nothing serious,” returned the man.
 「おお、何も、何らたいしたことは。」 男は、返事しました。

“But this is his Majesty's day for being polished; and just now his august presence is thickly smeared with polishing cream.”
「しかし、今日は、磨きをかけられる陛下の日です;丁度今、陛下の立派な風貌に、磨きクリームが厚く塗られています。」

説明 presence は、出席していること、存在していること が原意ですが、

    stage presence は、舞台度胸、a man of fine presence は、立派な風采の人 の意味で使われ、

    his august presence は、彼の立派な風貌 という意味になります。

●“Oh, I see!” cried the Scarecrow, greatly reassured.
 「ああ、わかりました!」 かかし男は、たいそう安心して、叫びました。

“My friend was ever inclined to be a dandy,
「わが友は、ずっと、しゃれ男になりたいという気がありました、

and I suppose he is now more proud than ever of his personal appearance.”
彼は今、自分の見掛けをいままで以上に、誇りに思っていると思うよ。」

●“He is, indeed,” said the man, with a polite bow.
 「おっしゃる通りです。」 男は、言いました、丁寧にお辞儀しながら。

“Our mighty Emperor has lately caused himself to be nickel-plated.”
「我らの偉大なる皇帝さまは、最近、お体にニッケル・メッキなされました。」

●“Good Gracious!” the Scarecrow exclaimed at hearing this.
 「おやまあ!」 かかし男は、これを聞いて、叫びました。

“If his wit bears the same polish, how sparkling it must be!
「もし、彼のウィットにも、同じ磨きがかかっていたら、それは、何とキラめいているに違いないことか!

But show us in - I'm sure the Emperor will receive us, even in his present state.”
でも、中に入れてくれよ - 皇帝様は、きっと私たちを迎えてくれるよ、今の状態でも。

●“The Emperor's state is always magnificent,” said the man.
 「皇帝様の状態(お姿)は。いつも見事でいらっしゃいますよ。」 彼は、言いました。

“But I will venture to tell him of your arrival, and will receive his commands concerning you.”
「でも、あなた方のご到着をお知らせしてみましょう、そして、あなた方に関するお指図をうかがいましょう。」

●So the party followed the servant into a splendid ante-room, and the Saw-Horse ambled awkwardly after them, having no knowledge that a horse might be expected to remain outside.
 そこで、一行は、召使に従って、光輝く控えの間に入りました。のこぎり馬は、ぎこちないアンブル歩きで続きました、馬は、外で待つことが想定されているという知識が全く無くて。

●The travelers were at first somewhat awed by their surroundings, and even the Scarecrow seemed impressed as he examined the rich hangings of silver cloth caught up into knots and fastened with tiny silver axes.
 旅行者たちは、最初、周囲の状況に、いささかおののきました。かかし男ですら、感動しているように見えました、銀色の布の豪華な吊るしカーテン (結ばれて、小さな銀の斧で留められている) を、じっくり見ながら。

説明 caught up into knots は、カーテンが寄せられて、ベルトで結ばれている状況を表すと思います。

Upon a handsome center-table stood a large silver oil-can, richly engraved with scenes from the past adventures of the Tin Woodman, Dorothy, the Cowardly Lion and the Scarecrow:
立派なセンター・テーブルの上に、大きな銀の油さしがあり、ブリキの木こり、ト゜ロシー、臆病ライオン、かかし男の過去の冒険のシーンが豪華に彫られていました。

the lines of the engraving being traced upon the silver in yellow gold.
彫りの線は、銀地の上を、黄金でなぞられています。

On the walls hung several portraits, that of the Scarecrow seeming to be the most prominent and carefully executed,
壁には、いくつかの肖像画が掛かっていました、かかし男の肖像画が、最も突出していて、ていねいに仕上げられていました、

while a the large painting of the famous Wizard of Oz, in act of presenting the Tin Woodman with a heart, covered almost one entire end of the room.
一方、有名なオズの魔法使いの大きな絵、ブリキの木こりに心臓を贈呈している場面の、が、部屋の壁一面を殆どおおっていました。

●While the visitors gazed at these things in silent admiration they suddenly heard a loud voice in the next room exclaim:
 訪問者たちが、これらの物を、静かに称賛して眺めているとき、突然、次の部屋から、大きな声が叫ぶのが聞こえました:

●“Well! well! well! What a great surprise!” 「おや、おや、おや。何てサプライズだ!」

●And then the door burst open and Nick Chopper rushed into their midst and caught the Scarecrow in a close and loving embrace that creased him into many folds and wrinkles.
 そして、ドアが突然開き、ニック・ショッパーがかれらの門中に飛び込んできて、かかし男を捕まえて、親密で愛を込めた抱擁をしたので、かかし男は、沢山の折り目や皺で、くしゃくしゃになりました。

●“My dear old friend! My noble comrade!” cried the Tin Woodman, joyfully;
 「なつかしの我が友! 気高い友よ!」 ブリキの木こりは、喜んで叫びました、

“how delighted I am to meet you once again!”
「なんて喜ばしいことだ、あなたにまた会えるとは!」

●And then he released the Scarecrow and held him at arms' length while he surveyed the beloved, painted features.
 そして、彼は、かかし男を放し、延ばした両腕でつかんで、(かかし男の)愛すべき描かれた顔を、しげしげと眺めました。

●But, alas! the face of the Scarecrow and many portions of his body bore great blotches of polishing cream;
 しかし、あーあ! かかし男の顔や、体のあちこちに、
磨きクリームの大きな斑点がついていました;

for the Tin Woodman, in his eagerness to welcome his friend, had quite forgotten the condition of his toilet and had rubbed the thick coating of paste from his own body to that of his comrade.
ブリキの木こりは、友を迎えることに熱中して、彼の化粧の状態を全く忘れてしまい、分厚いコーティングのペースト(クリーム)を彼の体から、友の体に、こすりつけてしまったのです。

説明 toilet は、現代では、化粧台、直接的に、便器のことも指しますが、古くは、化粧、身だしなみ のことも意味しました。

●“Dear me!” said the Scarecrow dolefully. “What a mess I'm in!”
 かかし男は、悲し気に言いました、「どうしましょう! 大変なことに、なっちゃった!」

●“Never mind, my friend,” returned the Tin Woodman,
 「ご心配、めさるな」 ブリキ男が、返しました、

“I'll send you to my Imperial Laundry, and you'll come out as good as new.”
「貴殿を、王室クリーニングにお送りしましょう、新品同様におなりになります。」

●“Won't I be mangled?” asked the Scarecrow. 「めちゃくちゃにされないだろうな?」 かかし男が尋ねました。

●“No, indeed!” was the reply.  「ええ、勿論ですとも。」 が、返事でした。

“But tell me, how came your Majesty here? and who are your companions?”
「しかし、教えて下さい、なんで陛下がここに来られたのでしょうか? お供の方々は、どなたでしょうか?」

●The Scarecrow, with great politeness, introduced Tip and Jack Pumpkinhead,
 かかし男き、非常に礼儀正しく、ティップと、カボチャ頭を紹介しました、

and the latter personage seemed to interest the Tin Woodman greatly.
カボチャ頭のことは、ブリキの木こりの興味をかなり引いたようでした。

●“You are not very substantial, I must admit,” said the Emperor.
 「あなたは、そんなに頑丈ではありませんね、正直言って。」 皇帝は、言いました。

“but you are certainly unusual,  and therefore worthy to become a member of our select society.”
「しかし、あなたは、確かに、普通ではない、だから、私たち上流社会のメンバーになる価値があります。」

●“I thank your Majesty,” said Jack, humbly.
 「ありがとうございます、陛下。」ジャックは、身を低くして言いました。

●“I hope you are enjoying good health?” continued the Woodman.
 「お体は、お元気ですか?」木こりは、続けました。

●“At present, yes;” replied the Pumpkinhead, with a sigh;
 「今のところ、そうです。」 カボチャ頭は、ため息をついて、答えました;

“but I am in constant terror of the day when I shall spoil.”
「でも、私は、私が駄目になる日を、常に恐れています。」

●“Nonsense!” said the Emperor - but in a kindly, sympathetic tone.
 「そんな馬鹿な!」 皇帝は言いました - しかし、心から親切で思いやりのある声で。

“Do not, I beg of you, dampen today's sun with the showers of tomorrow.
「どうか、お願いします、今日の太陽を、明日の雨で、湿らすことはお止めください。

説明 ありえないことを、くよくよ考えるのは、およしなさい、という意味ですが、これが既存の諺なのかどうかは、わかりません。

For before your head has time to spoil you can have it canned, and in that way it may be preserved indefinitely.”
あなたの頭が駄目になる時が来る前にそれを缶詰にすることもできるし、そうやって、無期限に保つことができるんですからね。」

●Tip, during this conversation, was looking at the Woodman with undisguised amazement,
 ティップは、この会話の間、木こりを、驚きを隠さずに、見つめていました、

and noticed that the celebrated Emperor of the Winkies was composed entirely of pieces of tin, neatly soldered and riveted together into the form of a man.
そして、ウィンキー達のこの著名な皇帝 (ブリキの木こりのことです) は、完全にブリキの部品で出来ていて、はんだやリベットで、人間の形にきちんと組み立てられていることに気づきました。

He rattled and clanked a little, as he moved,
彼は、ガタガタ、ガチャガチャ音がしました、彼が動くにつれ、

but in the main he seemed to be most cleverly constructed,
しかし、概して、彼は、かなり巧妙に作られていましたし、

and his appearance was only marred by the thick coating of polishing-paste that covered him from head to foot.
そして、彼の外観は、彼を頭から足まで覆っている磨きペーストの厚い被覆によってのみ、損なわれていました。

●The boy's intent gaze caused the Tin Woodman to remember that he was not in the most presentable condition,
 少年の凝視は、ブリキの木こりに思い出させました、彼が、人前に出せる状態ではないことを、

so he begged his friends to excuse him while he retired to his private apartment and allowed his servants to polish him.
そこで、彼は、友人たちにお願いして中座し、彼のプライベートな部屋に引っ込んで、名使い達に、彼を磨かせました。

This was accomplished in a short time,  これは、すぐに終わりました、

and when the emperor returned his nickel-plated body shone so magnificently that the Scarecrow heartily congratulated him on his improved appearance.
そして、皇帝が戻ってきたとき、彼のニッケル・メッキした体は、たいそう見事に輝いていたので、かかし男は、心から、彼の改善された外観を祝福しました。

●“That nickel-plate was, I confess, a happy thought,” said Nick;
 「あのニッケル・メッキは、良い考えだったと、認めるよ。」 ニックが言いました;

“and it was the more necessary because I had become somewhat scratched during my adventurous experiences.
「それに、僕が冒険を経験していた頃に、ちょっと傷がついたので、それだけより必要だったんです。

You will observe this engraved star upon my left breast.
私の左胸に星の形が彫られているのが、おわかりでしょう。

It not only indicates where my excellent heart lies, but covers very neatly the patch made by the Wonderful Wizard when he placed that valued organ in my breast with his own skillful hands.”
それは、単に、僕のすばらしい心臓がどこにあるかを示すだけじゃなく、きれいに覆っているんです|素晴らしい魔法使いが作ったパッチを|彼が、巧みな手で価値ある臓器を私の胸の中においてくれたとき|。

●“Is your heart, then, a hand-organ?” asked the Pumpkinhead, curiously.
 「それじゃ、あなたの心臓は、手回しオルガンなんですか?」 カボチャ頭は、不思議そうに尋ねました。

説明 ここでは、臓器のorganと、楽器のorganを、掛けていて、魔法使いが、handで、置いたorganは、

    楽器の hand-organ なのですか、というダジャレです。

●“By no means,” responded the emperor, with dignity.
 「決して、そんなことはありません。」皇帝は、威厳をもって、答えました。

“It is, I am convinced, a strictly orthodox heart, although somewhat larger and warmer than most people possess.”
「それは、厳密に正統な心臓だと、確信していますよ。多くの人が持っている心臓よりも、いくらか、大きくて、暖かいけどね。」

●Then he turned to the Scarecrow and asked: そて、彼は、かかし男の方を向いて、尋ねました。

●“Are your subjects happy and contented, my dear friend?”
 「あなたの臣民は、幸せで、満足していますか?」

●“I cannot say,” was the reply;  「わかりません。」 が、答えでした。

“for the girls of Oz have risen in revolt and driven me out of the emerald City.”
「オズの少女たちが反乱で立ち上がって、私をエメラルド・シティから追い出してしまったんです。」

●“Great Goodness!” cried the Tin Woodman.
 「なんと!」 ブリキの木こりは、叫びました。

“What a calamity! They surely do not complain of your wise and gracious rule?”
「何て災難だ! 彼女らは、よもや、あなたの賢く丁重な統治に不満があるというのではないでしょう?」

●“No; but they say it is a poor rule that don't work both ways,” answered the Scarecrow;
 「ええ;でも、彼らは、どっちつかずの貧相な統治だと言うんだ。」 かかし男は、答えました;

“and these females are also of the opinion that men have ruled the land long enough.
「そして、これらの女たちは、男たちは、この国を十分長く統治したという意見なんだ。

So they have captured my city, robbed the treasury of all its jewels, and are running things to suit themselves.”
それで、彼女たちは、私のシティを占拠し、宝庫からすべての宝石を奪い、自分たちに合うようにものごとを進めているんです。」

●“Dear me! What an extraordinary idea!” cried the Emperor, who was both shocked and surprised.
 「おや、まあ! なんと、途方もない考えだ!」 皇帝は、叫びました、驚き、あきれて。

●“And I heard some of them say,” said Tip,
 「そして、彼らのなかの誰かが言っているのを聞きました、」 ティップは、言いました、

“that they intend to march here and capture the castle and city of the Tin Woodman.”
「ここに行進して、ブリキの木こりのお城とシティを占領するつもりだって。」

●“Ah! we must not give them time to do that,” said the Emperor, quickly;
 「ああ! 我々は、彼らがそうする時間を与えてはいけない、」 皇帝は、すぐに、言いました;

“we will go at once and recapture the Emerald City and place the Scarecrow again upon his throne.”
「我々は、すぐに出発し、エメラルド・シティを取り戻し、かかし男を再び玉座につけましょう。」

●“I was sure you would help me,” remarked the Scarecrow in a pleased voice.
 「助けてくれると思ってましたよ。」 かかし男は、喜び声で、言いました。

“How large an army can you assemble?” 「どれだけ大軍を集められるのですか?」

●“We do not need an army,” replied the Woodman.  「軍隊はいらないよ。」 木こりは答えました。

“We four, with the aid of my gleaming axe, are enough to strike terror into the hearts of the rebels.”
「私たち4人と、私のキラリと光る斧があれば、反乱者たちの心に恐怖心を引き起こすに十分です。」

●“We five,” corrected the Pumpkinhead. 「私たち5人だよ。」 かかし男が訂正しました。

●“Five?” repeated the Tin Woodman. 「5人?」 ブリキの木こりが、繰り返しました。

●“Yes; the Saw-Horse is brave and fearless,” answered Jack, forgetting his recent quarrel with the quadruped.
 「そうです; のこぎり馬は、勇敢で、恐れしらずです。」 ジャックは答えました、4つ足(のこぎり馬のこと)とさっき喧嘩したことを忘れて。

●The Tin Woodman looked around him in a puzzled way, for the Saw-Horse had until now remained quietly standing in a corner, where the Emperor had not noticed him.
 ブリキの木こりは、当惑した様子で、あたりを見回しました、のこぎり馬は、今まで、静かに部屋の片隅に立っていたからです、その片隅では、皇帝は、馬の存在に気付きませんでした。

Tip immediately called the odd-looking creature to them,
ティップは、即座に、この見た目の変な生き物を呼びました、

and it approached so awkwardly that it nearly upset the beautiful center-table and the engraved oil-can.
馬は、ぎこちなく近づいてきて、ほとんど、美しいセンターテーブルや、絵が彫られた油さしを、ひっくり返しそうになりました。

●“I begin to think,” remarked the Tin Woodman as he looked earnestly at the Saw-Horse, “that wonders will never cease! How came this creature alive?”
 ブリキの木こりは、のこぎり馬をしげしげと眺めて、言いました、「不思議なことは、止めどないんだって、信じだすよ。どうして、こいつは、生きているんだ?」

説明 begin to think に関してですが、日本語で、歩き始めることを、歩きだす というように、

    begin to think は、思い出す という意味なのですが、思い出す は、忘れたことを思い出す という意味合いがあります。

    思い始める でもいいのですが、 「だす」の語感を生かすために、信じだす と訳してみました。

●“I did it with a magic powder,” modestly asserted the boy.
 「魔法の粉で、やったんですよ。」 少年は、穏やかに、言いました。

“and the Saw-Horse has been very useful to us.”
「そして、のこぎり馬は、本当に役立ってきたんですよ。」

●“He enabled us to escape the rebels,” added the Scarecrow.
 「彼は、我々が、反乱者から逃げ出すのを可能にしてくれたんだ。」 かかし男が付け加えました。

●“Then we must surely accept him as a comrade,” declared the emperor.
 「それでは私たちは、是非とも、彼を仲間として受け入れるべきですね。」 皇帝が言いました。

“A live Saw-Horse is a distinct novelty, and should prove an interesting study.
「生きているのこぎり馬は、はっきり珍しい。面白い研究になるはずですよ。

Does he know anything?” 彼は、何か知っているのですが?」

●“Well, I cannot claim any great experience in life,” the Saw-Horse answered for himself.
 「まあ、人生経験が豊富だとは、言えませんが、」 のこぎり馬が自ら答えました。

“but I seem to learn very quickly, and often it occurs to me that I know more than any of those around me.”
「学ぶのは、非常に速いようです。そして、しばしば思います、私は、周りの誰よりももの知りじゃないかって。」

●“Perhaps you do,” said the emperor; “for experience does not always mean wisdom.
 「多分、お前は、ものしりなんだろうな。」 皇帝は、言いました。「経験は、必ずしも、知恵ではないからね。

But time is precious just now, so let us quickly make preparations to start upon our journey.”
しかし、今は、時間が大切だ、旅を始めるための準備に、いそいでとりかかろうではないか。」

●The emperor called his Lord High Chancellor and instructed him how to run the kingdom during his absence.
 皇帝は、最高司法官を呼び、彼のいない間、王国をどのように治めるか指示しました。

説明 英国で Lord High Chancellor は、最高司法官 のことで、閣僚や上院議長を兼ねるようです。

Meanwhile the Scarecrow was taken apart and the painted sack that served him for a head was carefully laundered and restuffed with the brains originally given him by the great Wizard.
その間、かかし男は、バラバラにされ、彼の顔の役をはたしている絵の描いた袋は、丁寧に洗濯され、大魔法使いが最初に彼に与えた脳みそで詰め直されました。

His clothes were also cleaned and pressed by the Imperial tailors, and his crown polished and again sewed upon his head, for the Tin Woodman insisted he should not renounce this badge of royalty.
彼の衣服も、洗濯され、王室仕立て屋によりアイロンかけされました、彼の王冠は、磨かれて、彼の頭に縫い付けられました。ブリキの木こりが、かかし男は、この王位のバッジ(記章)は放棄してはいけないと主張したからです。

The Scarecrow now presented a very respectable appearance, and although in no way addicted to vanity he was quite pleased with himself and strutted a trifle as he walked.
かかし男は、今や、非常に立派な外観を呈するようになりました、そして、虚栄に浸ることは決してありませんでしたが、自分自身に満足し、歩くときに、すこしだけ気取って歩きました。

While this was being done Tip mended the wooden limbs of Jack Pumpkinhead and made them stronger than before,
これがなされている間、ティップは、カボチャのジャックの木の手足を直し、以前よりも頑丈にしました、

and the Saw-Horse was also inspected to see if he was in good working order.
のこぎり馬も、点検されて、いい働き状態にあるかを調べました。

●Then bright and early the next morning they set out upon the return journey to the Emerald City,
 そして、明るくかつ早い翌朝に、彼らは、出立しました、エメラルド・シティへの帰還の旅に、

the Tin Woodman bearing upon his shoulder a gleaming axe and leading the way, while the Pumpkinhead rode upon the Saw-Horse and Tip and the Scarecrow walked upon either side to make sure that he didn't fall off or become damaged.
ブリキの木こりは、肩に、輝く斧をかつぎ、先導しました、カボチャ頭は、のこぎり馬に乗ってすすみ、ティップと、かかし男は、その両側を歩き、カボチャ頭が、落ちたり、壊れたりしないよう気を付けました。

 

12. Mr. H. M. Woggle-Bug, T. E.  H.M.ウォグルバグ T.E. さん

●Now, General Jinjur - who, you will remember, commanded the Army of Revolt - was rendered very uneasy by the escape of the Scarecrow from the Emerald City.
 さて、ジンジャ将軍 - 覚えてらっしゃるでしょう、反乱軍を率いているあの将軍 - は、かかし男が、エメラルド・シティを逃げ出したことで、かなり不安になっていました。

She feared, and with good reason, that if his Majesty and the Tin Woodman joined forces, it would mean danger to her and her entire army;
彼女が恐れたのは、十分理由があります、もし、陛下とブリキの木こりが、力を合わせると、それは、彼女や彼女の全軍に危険を意味するのです。

for the people of Oz had not yet forgotten the deeds of these famous heroes, who had passed successfully through so many startling adventures.
というのは、オズの人々は、まだ、忘れていません、これらの有名な英雄たちの偉業を、彼らは、数多くの衝撃的な冒険を、成功裏に切り抜けたのです。

●So Jinjur sent posthaste for old Mombi, the witch, and promised her large rewards if she would come to the assistance of the rebel army.
 そこで、ジンジャは、大急ぎで、魔法使いのモンビ婆さんを呼ぶために使いをだし、もし、来て、反乱軍を助けてくりねなら大きな報酬を出すと約束しました。

●Mombi was furious at the trick Tip had played upon her as well as at his escape and the theft of the precious Powder of Life;
 モンビは、激怒していました|ティップが彼女に働いたいたずらと、彼が、命の粉を盗んで逃走したことに|。

so she needed no urging to induce her to travel to the Emerald City to assist Jinjur in defeating the Scarecrow and the Tin Woodman, who had made Tip one of their friends.
そこで、ジンジャには、必要ありませんでした|モンビを駆り立ててエメラルド・シティに来るようにする|ジンジャを助けて、ティップを友達の一人にした、かかし男とブリキのきこりを倒すために|。

●Mombi had no sooner arrived at the royal palace than she discovered, by means of her secret magic, that the adventurers were starting upon their journey to the Emerald City;
 モンビは、宮殿に到着するや否や、彼女の魔法によって、冒険家たちが、エメラルド・シティへの旅に出発しようとていることを知りました。

so she retired to a small room high up in a tower and locked herself in while she practised such arts as she could command to prevent the return of the Scarecrow and his companions.
そこで、彼女は、塔の高くにある小さな部屋に引っ込んで、籠り、かかし男とその仲間たちがもどってくるのを防ぐために彼女が行使できる魔術を行いました。

●That was why the Tin Woodman presently stopped and said:
 これが原因で、ブリキの木こりは、間もなく、立ち止まって言いました:

●“Something very curious has happened.  「何か、非常に奇妙なことが、起きた。

I ought to know by heart every step of this journey, yet I fear we have already lost our way.”
私は、この旅のすべての道のりを暗記するほど知っているはずなのに、私たちは、すでに道に迷ってしまったようだ。」

●“That is quite impossible!” protested the Scarecrow.
 「そんなことは、ありえない!」 かかし男が抗議しました。

“Why do you think, my dear friend, that we have gone astray?”
「なぜ、私たちは、迷ってしまったと思うんですか?」

●“Why, here before us is a great field of sunflowers - and I never saw this field before in all my life.”
 「おや、ここ、私たちの前に、ひまわりの大きな畑がある - 私は、私の全生涯で以前こんな畑を見たことがない。」

●At these words they all looked around, only to find that they were indeed surrounded by a field of tall stalks, every stalk bearing at its top a gigantic sunflower.
 これを聞いて、皆が周りを見回すと、確かに、彼らは、高い茎の畑に囲まれていて、すべての茎の頂上には、大きなひまわりの花が咲いていました。

And not only were these flowers almost blinding in their vivid hues of red and gold,
そして、これらの花は、赤と金色の鮮やかな色彩で、目をくらませているだけでなく、

but each one whirled around upon its stalk like a miniature wind-mill,
各々の花は、その茎の上で、小型の水車のように、くるくる回っていて、

completely dazzling the vision of the beholders and so mystifying them that they knew not which way to turn.
完全に見る人の視界を幻惑し、余りに幻惑されて、どちらを向くべきかわからなくなります。

●“It's witchcraft!” exclaimed Tip. 「それは、魔法だ。」 ティップが、叫びました。

●While they paused, hesitating and wondering, the Tin Woodman uttered a cry of impatience and advanced with swinging axe to cut down the stalks before him.
 彼らが立ち止まっている間、躊躇したり不思議がったりして、ブリキの木こりは、焦りの叫び声をあげて、斧を振り回して前進し、彼の前の茎を切り倒そうとしました。

But now the sunflowers suddenly stopped their rapid whirling, and the travelers plainly saw a girl's face appear in the center of each flower.
しかし、今、ひまわりは、突然、回転するのを止め、旅行者たちは、はっきりと、少女の顔が各々の花の中心に現れるのを見ました。

These lovely faces looked upon the astonished band with mocking smiles, and then burst into a chorus of merry laughter at the dismay their appearance caused.
これらの愛らしい顔は、驚いている一行を嘲り笑いで見上げ、彼らの出現が引き起こした動揺を、一斉に楽しく笑ったのでした。

●“Stop! stop!” cried Tip, seizing the Woodman's arm; “they're alive! they're girls!”
 「止めて! 止めて!」ティップは、木こりの腕を押さえて、叫びました。「彼女らは、生きている! 女の子たちだよ!」

●At that moment the flowers began whirling again, and the faces faded away and were lost in the rapid revolutions.
 その時、花は、回り始めました、顔は、だんだん薄れて、高速な回転の中に消えてゆきました。

●The Tin Woodman dropped his axe and sat down upon the ground.
 ブリキの木こりは、斧を落とし、地面に座り込みました。

●“It would be heartless to chop down those pretty creatures,” said he, despondently.
 「無情ですね|こんな可愛い生き物を切り倒したりしたら|。」 彼は、落胆して、言いました。」

“and yet I do not know how else we can proceed upon our way”
「しかし、わかりません|ほかにどうやって、我々の道を進んだらいいのか|。」

●“They looked to me strangely like the faces of the Army of Revolt,” mused the Scarecrow.
 「それらは、見えたよ|僕には、不思議に、反乱軍の顔に|。」  かかし男は、もの思いにふけりました。

“But I cannot conceive how the girls could have followed us here so quickly.”
「でも、僕には、わからない|どうして少女たちが、ついてこれたのか、こんなにも速く|。」

●“I believe it's magic,” said Tip, positively,
 「僕は、信じるよ|それは魔法だって|。」 ティップは、きっぽりと言いました。

“and that someone is playing a trick upon us.
「そして、誰かが、僕たちにいたすらをしてるってことを。

I've known old Mombi do things like that before.
僕は、モンビ婆さんが、以前、同じようなことをしたのを知ってるよ。

Probably it's nothing more than an illusion, and there are no sunflowers here at all.”
たぶん、それは、まぼろしにすぎないよ。だから、ひまわりなんて、ここには、全く無いんだよ。」

●“Then let us shut our eyes and walk forward,” suggested the Woodman.
 「それでは、目をつぶって、前に歩こうよ。」 木こりが提案しました。

●“Excuse me,” replied the Scarecrow. “My eyes are not painted to shut.
 かかし男が答えました、「すみませんが、私の目は、閉じるようには描かれていないんですよ。

Because you happen to have tin eyelids, you must not imagine we are all built in the same way.”
あなたが、たまたま、ブリキのまぶたをもってるからって、私たち、みんなも、同じようにできてるって思っちゃいけないよ。」

●“And the eyes of the Saw-Horse are knot eyes,” said Jack, leaning forward to examine them.
 「それに、のこぎり馬の目は、節の目だし。」 ジャックは言いました、確認するために、前かがみになりながら。

●“Nevertheless, you must ride quickly forward,” commanded Tip,
 「それでも、急いで、すすまなきゃ駄目だ。」 ティップが、指令しました、

“and we will follow after you and so try to escape.
「僕たちは、後に続いて、そして、脱出しようよ。

My eyes are already so dazzled that I can scarcely see.”
僕の目は、もう、眩んでいて、殆ど見えないよ。」

●So the Pumpkinhead rode boldly forward, and Tip grasped the stub tail of the Saw-Horse and followed with closed eyes.
 そこで、カボチャ頭は、果敢に前進しました、そして、ティップは、のこぎり馬の、切り株の尻尾をつかんで、目をつぶって、進みました。

The Scarecrow and the Tin Woodman brought up the rear,
かかし男と、ブリキの木こりは、最後尾につきました。

and before they had gone many yards a joyful shout from Jack announced that the way was clear before them.
そして、そんなに進まないうちに、ジャックのうれしそうな叫びが、前方がはっきりみえるようになったと告げました。

●Then all paused to look backward, but not a trace of the field of sunflowers remained.
 そして、みんなが止まって後ろを見ると、ひまわり畑のあとかたは、全く残っていませんでした。

●More cheerfully, now, they proceeded upon their journey;
 今は、もっと機嫌よく、彼らは、旅をすすめました。

but old Mombi had so changed the appearance of the landscape that they would surely have been lost had not the Scarecrow wisely concluded to take their direction from the sun.
しかしモンビ婆さんは、景色の見掛けをかなり変えてしまったので、彼らは、きっと道に迷っていたでしょう、かかし男が、賢くも、太陽の位置からかれらの進む方向を決めることをしなかったなら。

For no witch-craft could change the course of the sun, and it was therefore a safe guide.
どんな魔法も、太陽の進む道を変えることはできません、出すから、それは安全な道案内です。

●However, other difficulties lay before them.
 しか、他の困難が、彼らの前に、ありました。

The Saw-Horse stepped into a rabbit hole and fell to the ground.
のこぎに馬が、うさぎ穴に足を突っ込んで、地面に倒れたのです。

The Pumpkinhead was pitched high into the air, and his history would probably have ended at that exact moment had not the Tin Woodman skillfully caught the pumpkin as it descended and saved it from injury.
カボチャ頭は、空中高く投げ上げられました、そして、彼の歴史は、まさにその瞬間に終わってしまったかもしれません、もし、ブリキの木こりが、落ちてくるときに、上手にカボチャを掴まえ、損傷から救うということがなかったなら。

●Tip soon had it fitted to the neck again and replaced Jack upon his feet.
 ティップは、すぐに、それを首に取り付けて、ジャックを立たせました。

But the Saw-Horse did not escape so easily.
しかし、のこぎり馬は、そんなに簡単に脱することはできませんでした。

For when his leg was pulled from the rabbit hole it was found to be broken short off, and must be replaced or repaired before he could go a step farther.
というのは、彼の足がうさぎ穴から引き抜かれた時、それは折れて短くなっていることが分かりました、そして、交換または修理しないと一歩も前に進めませんでした。

“This is quite serious,” said the Tin Woodman.
「これは、きわめて重大です。」 ブリキの木こりが言いました。

“If there were trees near by I might soon manufacture another leg for this animal;
「もし、近くに木があれば、脚をもう一本、こいつのために作ってあげられるのだが;

but I cannot see even a shrub for miles around.”
このあたり何マイルかには、低木すらないようだ。」

●“And there are neither fences nor houses in this part of the land of Oz,” added the Scarecrow, disconsolately.
 「それに、柵も家もないよ、オズの国のこの地方には、」 かかし男が、悲しそうに付け加えました。

●“Then what shall we do?” enquired the boy.
 「じぁあ、どうしよう?」 少年が、尋ねました。

●“I suppose I must start my brains working,” replied his Majesty the Scarecrow;
 「僕の頭を働かさないといけないようだね、」 かかし陛下が、答えました;

“for experience has taught me that I can do anything if I but take time to think it out.”
「経験が教えてくれたことは、時間をかけて考え出せば、僕には、何でもできるんだ。」

●“Let us all think,” said Tip;  「みんなも考えよう、」 ティップは、言いました。

“and perhaps we shall find a way to repair the Saw-Horse.”
「多分、のこぎり馬を直す方法も見つかるよ。」

●So they sat in a row upon the grass and began to think,
 彼らは、草の上に、一列に並んで座り、考えはじめました、

while the Saw-Horse occupied itself by gazing curiously upon its broken limb.
一方、のこぎり馬は、自分の壊れた脚を不思議そうに眺めることに専念していました。

●“Does it hurt?” asked the Tin Woodman, in a soft, sympathetic voice.
 「痛いかい?」 ブリキの木こりは、優しい、思いやりのある声で、聞きました。

●“Not in the least,” returned the Saw-Horse;
 「少しも、」 のこぎり馬が、返事しました;

“but my pride is injured to find that my anatomy is so brittle.”
「でも、プライドが傷つきました、僕の体の構造がこんなに、もろいなんて。」

説明 anatomy は、基本、解剖 という意味ですが、brain anatomy の場合は、脳の解剖 というよりは、

    脳の構造 という意味になり、生体構造、骨格、人体 という意味でつかわれることもあります。

●For a time the little group remained in silent thought.
 しばらく、この小さな一行は、静かに考えていました。

Presently the Tin Woodman raised his head and looked over the fields.
間もなく、ブリキの木こりが、頭をあげて、野原の向こうを眺めました。

●“What sort of creature is that which approaches us?” he asked, wonderingly.
 「何の種類だろう、こっちに近づいてくるあの生物は?」 彼は、不思議そうに、尋ねました。

●The others followed his gaze, and discovered coming toward them the most extraordinary object they had ever beheld.
 他のみんなも、彼の眺めている方向に従いました、そして、彼らの方向に向かって来る、見たこともない、とても異常な物体を見つけました。

It advanced quickly and noiselessly over the soft grass and in a few minutes stood before the adventurers and regarded them with an astonishment equal to their own.
それは、やわらかい草の上を、素早く、音を立てずに前進して、ニ三分のうちに、冒険家たちの前に立ち、彼らと同じように驚いて、彼らを眺めました。

●The Scarecrow was calm under all circumstances. かかし男は、あらゆる状況下で、冷静でした。

●“Good morning!” he said, politely. 「お早う!」 彼は、丁寧に言いました。

●The stranger removed his hat with a flourish, bowed very low, and then responded:
 見知らぬ人は、大きな身振りで帽子をとり、非常に低くお辞儀して、答えました:

●“Good morning, one and all.  皆さん、お早うございます。

I hope you are, as an aggregation, enjoying excellent health.
皆さま、ご一同、ご機嫌麗しう存じます。

Permit me to present my card.” 名刺をお受け取りください。」

●With this courteous speech it extended a card toward the Scarecrow,
 このように丁寧に述べて、それは、かかし男に名詞を差し出しました、

who accepted it, turned it over and over, and handed it with a shake of his head to Tip.
かかし男は、受け取って、裏表を確かめ、頭を振りながらティップに渡しました。

●The boy read aloud: 少年は、大きな声で、読みました:

●“MR. H. M. WOGGLE-BUG, T. E.” 「ミスター H.M. ウォグルバグ T.E. 」

●“Dear me!” ejaculated the Pumpkinhead, staring somewhat intently.
 「おや、まあ!」 カボチャ頭は、叫びました、何か一心に眺めながら。

●“How very peculiar!” said the Tin Woodman. 「なんと変わっている!」 ブリキの木こりは、言いました。

●Tip's eyes were round and wondering, and the Saw-Horse uttered a sigh and turned away its head.
 ティップの目は、まん丸で不思議そうでした、のこぎり馬は、溜息をついて、そっぽを向きました。

●“Are you really a Woggle-Bug?” enquired the Scarecrow.
 「あなたは、本当に、ウォグルバグかい?」 かかし男が尋ねました。

説明 woggle-bug は、私の所持している辞書には、載っていません。過去の翻訳では、クルクル虫と訳されています。

    小学館のランダムハウスに、woggle は、ボーイスカウトのネッカチーフを通す革の輪 と説明されています。

●“Most certainly, my dear sir!” answered the stranger, briskly.
 「勿論て゜すとも!」 見知らぬ人は、元気よく答えました。

“Is not my name upon the card?” 「名詞に、そう書いていませんか?」

●“It is,” said the Scarecrow. “But may I ask what ‘H. M.' stands for?”
 「そうだね。」 かかし男が言いました。「でも、H.M.は、何を意味するのか尋ねていいかい?」

●“'H. M.' means Highly Magnified,” returned the Woggle-Bug, proudly.
 「H.M. は、高度に拡大された を意味しています。」 ウォグルバグは、誇らしげに答えました。

●“Oh, I see.” The Scarecrow viewed the stranger critically.
 「ああ、なるほど。」 かかし男は、見知らぬ人を、じっくり眺めました。

“And are you, in truth, highly magnified?”
「そして、あなたは、真実、高度に拡大されているのですか?」

●“Sir,” said the Woggle-Bug, “I take you for a gentleman of judgment and discernment.
 ウォグルバグは、言いました、「もしもし、お見受けするところ、あなたは、分別も判断力もお持ちの紳士でいらっしゃいます。

Does it not occur to you that I am several thousand times greater than any Woggle-Bug you ever saw before?
あなたが以前にご覧になったどのウォグルバグよりも、私は、数千倍大きいことが、お分かりにはなりませんか?

Therefore it is plainly evident that I am Highly Magnified, and there is no good reason why you should doubt the fact.”
ゆえに、私が、高度に拡大されていることは、明らかに明白です。あなたが、その事実をお疑いになる正当な理由はありません。」

●“Pardon me,” returned the Scarecrow. 「これは、失礼。」 かかし男は、返事しました。

“My brains are slightly mixed since I was last laundered.
「私の脳みそは、最近、洗濯されて以来、ちょっと混乱してます。

Would it be improper for me to ask, also, what the ‘T.E.' at the end of your name stands for?”
不適切でしょうか|お尋ねすることは|お名前の最後の T.E. が何を表しているのか|?」

●“Those letters express my degree,” answered the Woggle-Bug, with a condescending smile.
 「その文字は、私の学位を示しています。」 ウォグルバグは、見下ろすような笑みを浮かべて、答えました。

“To be more explicit, the initials mean that I am Thoroughly Educated.”
「より、はっきりさせると、その頭文字は、わたしが、完璧に教育を受けていることを意味します。」

●“Oh!” said the Scarecrow, much relieved. 「おお!」 かかし男は、ほっとして、言いました。

●Tip had not yet taken his eyes off this wonderful personage.
 ティップは、まだ、この不思議な人物から、目が離せずにいました。

What he saw was a great, round, buglike body supported upon two slender legs which ended in delicate feet - the toes curling upward.
彼が見たものは、大きくて、丸くて、虫らしい胴体で、2本の細い脚で支えられて、その脚は、華奢な足で終わります - つま先は、上向きに巻きあがっています。

The body of the Woggle-Bug was rather flat, and judging from what could be seen of it was of a glistening dark brown color upon the back,
ウォグルバグの胴体は、かなり平で、見えるところから判断すると、背中は、つやのある濃い茶色です。

while the front was striped with alternate bands of light brown and white, blending together at the edges.
一方、前面は、薄茶色と白色の交互の帯で縞模様になっていて、両端で、色は、交じっています。

Its arms were fully as slender as its legs, and upon a rather long neck was perched its head - not unlike the head of a man, except that its nose ended in a curling antenna, or “feeler,”
その腕は、完全に、その脚と同じくらいほっそりしていて、かなり長い首の上には、頭がちょこんと座っています - 人間の頭に似ていなくもありません、その鼻が、最後に、巻いたアンテナ、すなわち、触覚 となっていること以外は。

and its ears from the upper points bore antennae that decorated the sides of its head like two miniature, curling pig tails.
そして、上部の点から伸びたその耳は、2本の巻いたブタの尻尾の小型模型のように、その頭の両側を飾るアンテナがついています。

It must be admitted that the round, black eyes were rather bulging in appearance;
丸く黒い目は、外観上、むしろ飛び出していることは、認めざるをえませんが、

but the expression upon the Woggle-Bug's face was by no means unpleasant.
ウォグルバグの顔の表情は、決して、不快ではありません。

●For dress the insect wore a dark-blue swallowtail coat with a yellow silk lining and a flower in the button-hole;
 服は、この昆虫は、濃い青色の燕尾服を着ていて、裏地は黄色のシルクで、ボタン穴に花が一輪刺さっています;

a vest of white duck that stretched tightly across the wide body; knickerbockers of fawn-colored plush, fastened at the knees with gilt buckles;
白いダック生地のベストは、幅広い胴体を横切ってきつく延ばされています;小鹿色のフラシ天(ビロードの一種)でできたニッカーボッカー(半ズボン)は、膝のところで、金メッキのバックルで留められています。

and, perched upon its small head, was jauntily set a tall silk hat.
そして、その小さな頭の上に鎮座して、高いシルクハットが、粋に乗っています。

●Standing upright before our amazed friends the Woggle-Bug appeared to be fully as tall as the Tin Woodman;
 驚いている友達の前に直立すると、ウォグルバグは、完全にブリキの木こりと同じくらいの背かあるようにみえました。

and surely no bug in all the Land of Oz had ever before attained so enormous a size.
確かに、どんな虫も、このオズの国全体で、かつて、こんなに大きなサイズになったことはありませんでした。

●“I confess,” said the Scarecrow, “that your abrupt appearance has caused me surprise, and no doubt has startled my companions.
 「実を言うと、」 かかし男が、言いました、「あなたの突然の出現は、私を驚かせた、間違いなく、私の仲間たちも、驚かせた。

I hope, however, that this circumstance will not distress you.
でも、お願いする、こんな環境になっても、あなたが、苦しまないように。

We shall probably get used to you in time.”
私たちは、多分、あなたに慣れるでしょう、時間がたてば。」

●“Do not apologize, I beg of you!” returned the Woggle-Bug, earnestly.
 「謝らないで、お願いします!」 ウォグルバグは、本気で、答えました。

“It affords me great pleasure to surprise people;
「人様に驚いていただくと、大きな喜びをいただいています;

for surely I cannot be classed with ordinary insects and am entitled to both curiosity and admiration from those I meet.”
私は、確実に、通常の昆虫には分類できませんし、私の出会う方々から、好奇心と称賛の両方をいただく資格を持っているのですから。」

●“You are, indeed,” agreed his Majesty. 「その通りですね。」 陛下は、同意しました。

●“If you will permit me to seat myself in your august company,” continued the stranger,
 「もし、ご尊敬する皆さまの中に、座らせていただけるのでしたら、」 見知らぬ人は、続けました、

“I will gladly relate my history, so that you will be better able to comprehend my unusual - may I say remarkable? - appearance.”
「私は、喜んで、私の身の上話をいたしましょう、私の尋常でない - 卓越したと言ってもよろしいでしょうか? - 外見を、もっとご理解していただけますように。」

●“You may say what you please,” answered the Tin Woodman, briefly.
 「お好きにお話ください。」 ブリキの木こりは、短く、答えました。

So the Woggle-Bug sat down upon the grass, facing the little group of wanderers, and told them the following story:
そこで、ウォグルバグは、草の上に座り、放浪の小さな一行に向かっても以下のお話をしました:

 

13. A Highly Magnified History   高度に拡大されたいきさつ

●“It is but honest that I should acknowledge at the beginning of my recital that I was born an ordinary Woggle-Bug,” began the creature, in a frank and friendly tone.
 「正直に申し上げて、私は、この独演の最初に、私が、普通のウォグルバグとしい生まれましたことを認めなければなりますまい。」 彼は、率直で打ち解けた口調で、始めました。

“Knowing no better, I used my arms as well as my legs for walking, and crawled under the edges of stones or hid among the roots of grasses with no thought beyond finding a few insects smaller than myself to feed upon.
 「知恵もなく、私は、手や足を動かして歩き、石の端っこの下を這ったり、草の根っこの中に隠れたりしました、少ししかいない私より小さな昆虫を見つけて、餌にすること以上のことは、何も考えずに。

“The chill nights rendered me stiff and motionless, for I wore no clothing, but each morning the warm rays of the sun gave me new life and restored me to activity.
「寒い夜には、体が硬くなり、じっとしていました、私は、服を着ていないからです、しかし、毎朝、太陽の暖かい光は、私に、新しい活力を与えてくれ、元気をとりもどしました。

A horrible existence is this, but you must remember it is the regular ordained existence of Woggle-Bugs, as well as of many other tiny creatures that inhabit the earth.
ひどい存在なんです、これは、しかし、覚えておいてください、それが、ウォグルバグという普通に運命づけられた存在なのです、地球状に住む他の多くの小さい生命と同様に。

●“But Destiny had singled me out, humble though I was, for a grander fate!
 しかし、運命が、私を選び出しました、こんな卑しい身ですが、より大きな運命に!

One day I crawled near to a country school house, and my curiosity being excited by the monotonous hum of the students within, I made bold to enter and creep along a crack between two boards until I reached the far end, where, in front of a hearth of glowing embers, sat the master at his desk.
ある日、私は、這って田舎の学校の校舎に近づいていました、私の好奇心が呼び起こされたのです、校内の生徒の一本調子の鼻歌に、私は思い切って中に入り、2枚の板の間の隙間に沿って這って行くと、端っこにたどり着きました、燃えさしが赤熱を放っている暖炉の前で、先生が机に座っていました。

●“No one noticed so small a creature as a Woggle-Bug, and when I found that the hearth was even warmer and more comfortable than the sunshine, I resolved to establish my future home beside it.
 「誰も、ウォグルバグのような小さな生き物には気づきません、暖炉前は、日光よりも、暖かく気持ちがいいことに気づいて、私は、決心しました、私の今後の住処をそのそばに設けようと。

So I found a charming nest between two bricks and hid myself therein for many, many months.
私は、2つのレンガの間に魅力的な巣を見つけましたので、そこに隠れて、何か月も何か月もすごしました。

●“Professor Nowitall is, doubtless, the most famous scholar in the land of Oz, and after a few days I began to listen to the lectures and discourses he gave his pupils.
 「ナウイトール教授は、間違いなく、オズの国で最も有名な学者です、そして、二三日後、私は、彼が生徒にする講義や講演を聴講し始めました。

説明 Nowitall は、knowitall 知ったかぶり に掛けています。

Not one of them was more attentive than the humble, unnoticed Woggle-Bug,
この卑しい、人目につかないウォグルバグよりも、熱心な生徒は、一人もいませんでした。

and I acquired in this way a fund of knowledge that I will myself confess is simply marvelous.
私は、このようにして、知識の宝庫を手に入れました、それは、本当に、驚嘆すべきものであると、私、自ら、申し上げます。

That is why I place ‘T.E.' Thoroughly Educated upon my cards;
これが理由で、私は、名刺に、T.E. 完璧に教育を受けた と記しているのです;

for my greatest pride lies in the fact that the world cannot produce another WoggleBug with a tenth part of my own culture and erudition.”
私の最大の誇りは、世界には、私の教養や博学の十分の一を持つウォグルバグすらあり得ないという事実にあります。

●“I do not blame you,” said the Scarecrow.
 「無理もありませんな。」 かかし男が言いました。

“Education is a thing to be proud of.  「教育は、自慢すべきものです。

I'm educated myself.  私自身も、教育を受けています。

The mess of brains given me by the Great Wizard is considered by my friends to be unexcelled.”
大魔法使いが私にくれた、ゴタゴタの脳みそは、比類ないものだと、僕の仲間は、考えてるんだ。」

●“Nevertheless,” interrupted the Tin Woodman, “a good heart is, I believe, much more desirable than education or brains.”
 「とは言っても」 ブリキの木こりが、割り込みました、「僕が思うのは、良い心の方が、教育や頭脳よりも、ずっと魅力的だよ。」

●“To me,” said the Saw-Horse, “a good leg is more desirable than either.”
 のこぎり馬は、言いました、「僕にとっては、良い脚こそ、どれよりもずっと魅力的さ。」

●“Could seeds be considered in the light of brains?” enquired the Pumpkinhead, abruptly.
 「タネは、脳みそのようなものと考えることはできますでしょうか?」 カボチャ頭が、突然、尋ねました。

説明 in the light of は、副詞句としては、〜に照らして、〜の観点から、という意味なので、この文章は、文法的には

    タネを頭脳の観点から考える と考えることもできるのですが、consider が、SVOC の構文を取っていると考えると

    形容詞句の補語となります。He regards us in that light. は、彼は我々をそんな風に見る という意味になりますので、

    この文章も、タネを脳みそのように考える というような意味になると考えます。

●“Keep quiet!” commanded Tip, sternly. 「黙ってて!」 ティップが、厳しく命じました。

●“Very well, dear father,” answered the obedient Jack.
 「かしこまりました、お父さん。」 従順なジャックは、答えました。

●The Woggle-Bug listened patiently - even respectfully - to these remarks, and then resumed his story.
 ウォグルバグは、辛抱強く聞いていました、むしろ尊敬を込めて、これらの話を、そして、彼の話を再開しました。

●“I must have lived fully three years in that secluded school-house hearth,” said he,
 「私は、まる三年過ごしたに違いありません、あの人里離れた学校校舎の暖炉前で、」と彼は言いました。

“drinking thirstily of the ever-flowing fount of limpid knowledge before me.”
「私の前に永遠に流れ出す澄んだ知識の泉を、喉の渇きをいやすように飲みながら。」

●“Quite poetical,” commented the Scarecrow, nodding his head approvingly.
 「実に詩的だ。」 かかし男が言いました、頭をうなずきながら。

●“But one day,” continued the Bug, “a marvelous circumstance occurred that altered my very existence and brought me to my present pinnacle of greatness.
 虫は続けました、「しかし、ある日、驚くべき状況が起こりました、私の存在そのものを変え、私の現在の偉大さの絶頂に導いたのです。

The Professor discovered me in the act of crawling across the hearth, and before I could escape he had caught me between his thumb and forefinger.
 教授が、私を見つけました、暖炉前を横切ろうと這っている最中に、そして、私が逃走できる前に、私を捕まえてしまいました、親指と人差し指で挟んで。

●“'My dear children,' said he, ‘I have captured a Woggle-Bug - a very rare and interesting specimen.
 「彼は、言いました、『子供たち、ウォグルバグを捕まえたよ、とても珍しくて、興味深い標本だ。

Do any of you know what a Woggle-Bug is?'  誰か、ウォグルバグとは何か知ってるかい?』

●“'No!' yelled the scholars, in chorus. 「『いいえ!』、生徒たちは、一斉に、叫びました。

●“'Then,' said the Professor, ‘I will get out my famous magnifying-glass and throw the insect upon a screen in a highly-magnified condition, that you may all study carefully its peculiar construction and become acquainted with its habits and manner of life.'
 「教授は、言いました、『それでは、皆の知っている私の拡大鏡を取り出して、大きく拡大した状態で、この昆虫をスクリーンに映しだしてみよう、皆が、その特異な構造を注意深く勉強して、その習性や生き方がわかるようにね。』

●“He then brought from a cupboard a most curious instrument,
 「彼は、戸棚から、とても変わった装置を取り出しました、

and before I could realize what had happened I found myself thrown upon a screen in a highly-magnified state - even as you now behold me.
そして、何が起こったかわからぬまに、私は、自分が、高度に拡大された状態でスクリーンに映し出されているのを知りました - 正に、今、あなた方が私をご覧のように。

●“The students stood up on their stools and craned their heads forward to get a better view of me,
 「生徒たちは、椅子の上に立ち、首を前に伸ばして、私をより良く見ようとしました。

and two little girls jumped upon the sill of an open window where they could see more plainly.
二人の少女は、開いている窓の敷居の上に飛び乗りました。そこから、もっとはっきり見えるのです。

●“'Behold!' cried the Professor, in a loud voice,
 「『見なさい!』、教授が、低い声で叫びました、

‘this highly-magnified Woggle-Bug; one of the most curious insects in existence!'
『この高度に拡大されたウォグルバグを、実在する最もめずらしい昆虫の一つを。』

●“Being Thoroughly Educated, and knowing what is required of a cultured gentleman, at this juncture I stood upright and, placing my hand upon my bosom, made a very polite bow.
 「完璧に教育を受けており、教養ある紳士に何が要求されているかも存じていましたので、この場面において、私は、直立して立ち上がり、手を胸にあて、丁寧にお辞儀をしました。

My action, being unexpected, must have startled them,
私の行動は、予期されていなかったので、彼らを驚かせてしまったに違いありません、

for one of the little girls perched upon the window-sill gave a scream and fell backward out the window, drawing her companion with her as she disappeared.
というのは、窓の敷居のうえに乗っていた女の子の一人が、叫び声をあげて、窓の外に倒れて落ち、もう一人の子も引き連れて、見えなくなってしまったのです。

●“The Professor uttered a cry of horror and rushed away through the door to see if the poor children were injured by the fall.
 「教授は、恐怖の叫び声をあげ、ドアを飛び出して、可哀そうな子供たちが落下で怪我をしなかったか見に行きました。

The scholars followed after him in a wild mob, and I was left alone in the school-room, still in a Highly-Magnified state and free to do as I pleased.
生徒たちも、暴徒となって、彼に続き、私は、教室に一人残されました、なおも、高度に拡大された状態で、好きなように自由にできる状態で。

●“It immediately occurred to me that this was a good opportunity to escape.
 「すぐに、思い付きました、これは、逃げ出す好機ではないかと。

I was proud of my great size, and realized that now I could safely travel anywhere in the world,
私は、自分の大きなサイズを誇りに思いましたし、世界中どこへも安全に旅行できると悟りました。

while my superior culture would make me a fit associate for the most learned person I might chance to meet.
私の上等の教養は、私が会う機会のあるかもしれないどんな学識豊かに人にとってもふさわしい仲間にしてくれます。

●“So, while the Professor picked the little girls - who were more frightened than hurt - off the ground, and the pupils clustered around him closely grouped, I calmly walked out of the schoolhouse, turned a corner, and escaped unnoticed to a grove of trees that stood near”
 「そこで、教授が、少女たち - 彼女たちは怪我したというよりは、びっくりしていました - を、地面から拾い上げ、生徒たちが、彼の周りに集まり、密な集団を作っている間に、私は、静かに歩いて校舎を出て、角を曲がり、気付かれずに逃げ出して、近くに立っている木々の林なかに入りました。

●“Wonderful!” exclaimed the Pumpkinhead, admiringly.
 「素晴らしい!」 カボチャ頭は、称賛して、叫びました。

●“It was, indeed,” agreed the Woggle-Bug.  「そうなんです。」 ウォグルバグは、同意しました。

“I have never ceased to congratulate myself for escaping while I was Highly Magnified;
「私は、自分にお祝いを言うことを決して止めません、私が、高度に拡大されている間に逃げ出したことについて;

for even my excessive knowledge would have proved of little use to me had I remained a tiny, insignificant insect.”
というのは、私の法外な知識ですら、なんの役にもたたなかったでしょうから、もし、私が、小さい、取るに足らない虫のままでしたならば。

●“I didn't know before,” said Tip, looking at the Woggle-Bug with a puzzled expression, “that insects wore clothes.”
 ティップは、ウォグルバグを戸惑った表情で見ながら、言いました、「以前は、知りませんでした、昆虫が服を着るなんて。」

●“Nor do they, in their natural state,” returned the stranger.
 「着ませんよ、自然の状態ではね。」 見知らぬ人は、返しました。

“But in the course of my wanderings I had the good fortune to save the ninth life of a tailor - tailors having, like cats, nine lives, as you probably know.
「しかし、放浪の途中で、仕立て屋の九番目の命を助けるという幸運を得たのです - 仕立て屋は、猫のように、九つの命を持っているのです、ご存じのように。

The fellow was exceedingly grateful, for had he lost that ninth life it would have been the end of him;
その男は、すごく感謝しました、その九番目の命を失っていたら、彼の最後だったからです。

so he begged permission to furnish me with the stylish costume I now wear.
そこで、彼は、私に、今私が着ているこのスタイルの良い衣装をあつらえたいと許可を求めました。

It fits very nicely, does it not?” and the Woggle-Bug stood up and turned himself around slowly, that all might examine his person.
とても、似合っているでしょう?」 ウォグルバグは、立ち上がって、ゆっくり一回りしました、皆が彼をじっくり眺めることができるように。

●“He must have been a good tailor,” said the Scarecrow, somewhat enviously.
 「彼は、良い仕立て屋だったに違いない。」 かかし男が、いくらか羨ましそうに言いました。

●“He was a good-hearted tailor, at any rate,” observed Nick Chopper.
 「彼は、良い心の仕立て屋でしたね、とにかく。」ニック・チョッパーが言いました。

●“But where were you going, when you met us?” Tip asked the Woggle-Bug.
 「でも、どこに行かれようとしてたのですが、お会いしたときに。」 ティップは、ウォグル・バグに尋ねました。

●“Nowhere in particular,” was the reply, “although it is my intention soon to visit the Emerald City and arrange to give a course of lectures to select audiences on the ‘Advantages of Magnification.'”
 「特にはどこにも、」 が答えでした、「それでも、私の腹積もりでは、近いうちにエメラルド・シティを訪問し、連続講義の手配をして、徴収を選択し、『拡大の利点』について話すつもりでした。」

●“We are bound for the Emerald City now,” said the Tin Woodman; “so, if it pleases you to do so, you are welcome to travel in our company.”
 ブリキの木こりは、言いました、「僕たちも、エメラルド・シティに向かっています。もし、お望みでしたら、ご一緒しませんか。」

●The Woggle-Bug bowed with profound grace. ウォグルバグは、心の底から優雅にお辞儀しました。

●“It will give me great pleasure,” said he “to accept your kind invitation; for nowhere in the Land of Oz could I hope to meet with so congenial a company.”
 「あなた方のご招待をお受けすることは、まことに、喜びです:オズの国のどこに行っても、こんなに気の合う仲間に合えることを望むことはできません。」

●“That is true,” acknowledged the Pumpkinhead.
 「その通りです。」 カボチャ頭が、認めました、

“We are quite as congenial as flies and honey.”
「私たちは、ハエとハチミツのように気が合うんです。」

説明 Make yourself all honey and the flies will devour you. 体中にハチミツを塗ると、ハエだらけになる

    という意味から、お世辞も度が過ぎると災いのもと、という諺があります。

●“But - pardon me if I seem inquisitive - are you not all rather - ahem! - rather unusual?” asked the Woggle-Bug, looking from one to another with unconcealed interest.
 「しかし - もし私がせんさく好きにみえるのであれば、お許しください - 皆さま方は、いささか - えへん - 普通ではないのではありませんか?」 ウォグルバグは、尋ねました、興味を隠そうともせずに。

説明 えへん と ahem は、語源的に関係があるのではないかと、思うのですが、歴史的に紐解いた説明をまだ知りません。

●“Not more so than yourself,” answered the Scarecrow.
 「あなたご自身ほどではありませんがね。」 かかし男が答えました。

“Everything in life is unusual until you get accustomed to it.”
「人生で(この世で)すべてのものは、普通ではないんです、あなたがそれに慣れてしまうまではね
。」

●“What rare philosophy!” exclaimed the Woggle-Bug, admiringly.
 
「何たる稀有の人生哲学でしょう!」 ウォグルバグは、称賛して叫びました。

●“Yes; my brains are working well today,” admitted the Scarecrow, an accent of pride in his voice.
 「ええ、今日は脳みその調子がいいようです。」 かかし男は、認めました、誇らしさを強調した声で。

●“Then, if you are sufficiently rested and refreshed, let us bend our steps toward the Emerald City,” suggested the magnified one.
 「それでは、みなさん方、十分休憩し、お元気になられましたなら、エメラルド・シティの方に歩みを向けることにいたしましょう。」 拡大された男が、提案しました。

●“We can't,” said Tip.  「できないんです。」 ティップが言いました。

“The Saw-Horse has broken a leg, so he can't bend his steps.
「のこぎり馬が、脚を壊しちゃって、歩みを向けることができないのです。

And there is no wood around to make him a new limb from.
周りに木が無くて、新しい脚を作ることができないんです。

And we can't leave the horse behind because the Pumpkinhead is so stiff in his joints that he has to ride.”
馬を置いていくこともできないんです、カボチャ頭は、関節が固くて、馬に乗らないといけないので。

●“How very unfortunate!” cried the Woggle-Bug.
 「何とおいたわしいこと!」 ウォグルバグが叫びました。

Then he looked the party over carefully and said:
彼は、一行を注意深く見回して、言いました:

●“If the Pumpkinhead is to ride, why not use one of his legs to make a leg for the horse that carries him?
 「もし、カボチャ頭が馬に乗らなければならないのでしたら、彼の脚の一本をお使いになればいかがでしょう、彼を運ぶ馬の脚として。

I judge that both are made of wood.” どちらも、木でできているようにお見受けしますが。

●“Now, that is what I call real cleverness,” said the Scarecrow, approvingly.
 「おや、それこと、本当の賢さというものです。」 かかし男は、賛成して、言いました。

“I wonder my brains did not think of that long ago!
「不思議です、私の脳みそが、そのことを、もっと前に思いつかなかったことが。

Get to work, my dear Nick, and fit the Pumpkinhead's leg to the Saw-Horse.”
とりかかってください、ニック、カボチャ男の脚を、のこぎり馬に取り付けてください。」

●Jack was not especially pleased with this idea;
 ジャックは、この考えに、必ずしも、喜びませんでした;

but he submitted to having his left leg amputated by the Tin Woodman and whittled down to fit the left leg of the Saw-Horse.
しかし、彼は、おとなしく、彼の脚を、ブリキの木こりに切断させ、のこぎり馬の左脚に合うように削らせました。

Nor was the Saw-Horse especially pleased with the operation, either;
のこぎり馬も、同じく、この作業に、喜びませんでした;

for he growled a good deal about being “butchered,” as he called it,
彼は、たいそう、不平を言いました、「と殺」、彼はそう呼んだのです、されることに。

and afterward declared that the new leg was a disgrace to a respectable Saw-Horse.
そして、そのあと、新しい脚は、誇り高きのこぎり馬には、不名誉だと、宣言しました。

●“I beg you to be more careful in your speech,” said the Pumpkinhead, sharply.
 「あなたのげんどうには、もっと注意していただきたいね。」 カボチャ頭が、きつく言いました。

“Remember, if you please, that it is my leg you are abusing.”
「いいですか、あなたが、悪態をついているのは、私の脚だってことを忘れないでください。」

●“I cannot forget it,” retorted the Saw-Horse, “for it is quite as flimsy as the rest of your person.”
 のこぎり馬は、言い返しました、「忘れられるもんですか、本当に薄っぺらなんだから、あなたのからだの他の部分と同じように。」

●“Flimsy! me flimsy!” cried Jack, in a rage.
 「薄っぺらだと! 俺が薄っぺらだと!」 ジャックは、怒って叫びました。

“How dare you call me flimsy?” 「俺のことを薄っぺらなどと、よくも言えたものだ。」

●“Because you are built as absurdly as a jumping-jack,” sneered the horse, rolling his knotty eyes in a vicious manner.
 「お前は、あやつり人形みたいに、ばかげて作られてるんだよ。」 馬は、あざけり笑いました、彼の節の目を、意地悪そうに回しながら。

“Even your head won't stay straight,  「お前の頭だって、まっすぐじっとしようとしないんだ、

and you never can tell whether you are looking backwards or forwards!”
お前は、自分が、後ろを見ているのか、前を見ているのかも、わからないんだからな!」

●“Friends, I entreat you not to quarrel!” pleaded the Tin Woodman, anxiously.
 「お二人さん、お願いですから、喧嘩をしないでください!」 ブリキの木こりは、心配そうに嘆願しました。

“As a matter of fact, we are none of us above criticism;
「実際のところ、私たちは、誰も、批判の余地のない人は、いないんだから;

so let us bear with each others' faults.” お互いの欠点には、我慢しましょうよ。」

●“An excellent suggestion,” said the Woggle-Bug, approvingly.
 「すばらしいご提案です。」 ウォグルバグも、賛成していいました。

“You must have an excellent heart, my metallic friend.”
「あなたは、素晴らしい心をお持ちに違いない、我がメタリックな友よ。」

●“I have,” returned Nick, well pleased.  「持ってますよ。」ニックは、大喜びで返事しました。

“My heart is quite the best part of me.  私の心は、私の体の一番いい部分なんです。

But now let us start upon our journey.” でも、今は、旅を始めましょう。」

●They perched the one-legged Pumpkinhead upon the Saw-Horse, and tied him to his seat with cords, so that he could not possibly fall off.
 彼らは、片足のカボチャ頭をのこぎり馬の上に座らせ、ひもで、座席にくくりつけました、彼が万一落ちることのないように。

●And then, following the lead of the Scarecrow, they all advanced in the direction of the Emerald City.
 そして、かかし男の先導に続いて、彼らは皆、エメラルド・シティの方向に前進しました。

  

14. Old Mombi Indulges in Witchcraft   モンビ婆さん魔法にふける 

●They soon discovered that the Saw-Horse limped, for his new leg was a trifle too long.
 彼らはすぐ、気付きました、のこぎり馬がびっこをひいています、彼の新しい脚が少し長すぎたのです。

So they were obliged to halt while the Tin Woodman chopped it down with his axe,
そこで、やむを得ず止まり、ブリキの木こりは、斧で、それを短く切りました、

after which the wooden steed paced along more comfortably.
その後、木の馬は、もっと心地よく歩きました。

But the Saw-Horse was not entirely satisfied, even yet.
しかし、のこぎり馬は、完全には、満足していませんでした、いまだなお。

●“It was a shame that I broke my other leg!” it growled.
 「遺憾です、私のもう一つの脚を折るなんて!」 馬は、愚痴りました。

●“On the contrary,” airily remarked the Woggle-Bug, who was walking alongside,
 「全く逆ですよ、」 ウォグルバグは、ウキウキして、言いました、彼は、横を歩いていたのです、

“you should consider the accident most fortunate.
「あなたは、この事故をたいへん幸運と思わなきゃいけない。

For a horse is never of much use until he has been broken.”
馬は、決して、役にたたないんです、壊れる(調教される)までは。

説明 break a horse は、馬を調教する という意味なので、壊れると、調教される という意味を掛けた ダジャレです。

●“I beg your pardon,” said Tip, rather provoked,  「失礼ですが、」 ティップが、少し腹をたてて言いました、

for he felt a warm interest in both the Saw-Horse and his man Jack;
彼は、のこぎり馬にも、彼のジャックにも、暖かい興味を感じていたからです;

“but permit me to say that your joke is a poor one, and as old as it is poor.”
「言わせてください、あなたの冗談は、下手くそです、下手くそだけじゃなく、古臭いです。」

●“Still, it is a joke,” declared the Woggle-Bug firmly,
 「それでも、なお、それは、冗談です、」ウォグルバグは、断固として言いました、

“and a joke derived from a play upon words is considered among educated people to be eminently proper.”
「それに、言葉遊びで作られた冗談は、教育を受けた人の間では、著しく、適切であると考えられているのです。」

●“What does that mean?” enquired the Pumpkinhead, stupidly.
 「どういう意味ですか?」 カボチャ頭が、間抜け顔で、聞きました。

●“It means, my dear friend,” explained the Woggle-Bug,  「それはね、」ウォグルバグが説明しました、

“that our language contains many words having a double meaning;
「私たちの言語には、二つの意味を持った言葉がたくさんあるんです;

and that to pronounce a joke that allows both meanings of a certain word, proves the joker a person of culture and refinement, who has, moreover, a thorough command of the language.”
そして、ある単語の両方の意味を許すような冗談を発せるということは、その人が、教養があり、洗練された人であり、さらに、言葉を完全に使いこなす能力があることを照明するのです。」

●“I don't believe that,” said Tip, plainly; “anybody can make a pun.”
 「信じないよ、」ティップが、きっぱりと言いました;「誰でも、駄洒落は、言えるよ「」

●“Not so,” rejoined the Woggle-Bug, stiffly.  「違うんです。」ウォグルバグが、頑固に返答しました。

“It requires education of a high order.  「高度の教育が、要求されるのです。

Are you educated, young sir?”   あなたは、教育を受けていますか?」

●“Not especially,” admitted Tip. 「特には、受けていません。」ティップは、認めました。

●“Then you cannot judge the matter.  じぁあ、あなたには、判断できません。

I myself am Thoroughly Educated, and I say that puns display genius.
私自身は、完璧に教育を受けています、そして、言います、駄洒落は、才能を表します。

 For instance, were I to ride upon this Saw-Horse, he would not only be an animal - he would become an equipage.
 例えば、もし、私が、のこぎり馬の上に乗りますと、彼は、ただの動物であるだけでなく、完全装備の馬車になります。

For he would then be a horse-and-buggy.” 何故なら、彼は、馬と馬車になるから。」

説明 buggy は、小型馬車、乳母車を意味しますが、bug を連想します。

    horse-and-buggy は、軽装馬車という意味だけでなく、時代遅れの という意味を持つ形容詞としても使われます。

●At this the Scarecrow gave a gasp  これを聞いて、かかし男は、息を飲み

and the Tin Woodman stopped short and looked reproachfully at the Woggle-Bug.
ブリキの木こりは、急に立ち止まって、とがめるようにウォグルバグを見つめました。

At the same time the Saw-Horse loudly snorted his derision;
同時に、のこぎり馬は、大きな音を出して鼻を鳴らし、彼の嘲笑を示しました。

and even the Pumpkinhead put up his hand to hide the smile which, because it was carved upon his face, he could not change to a frown.
カボチャ頭さえも、彼の手を持ち上げて、笑いを隠しました、笑いは、彼の顔に彫り込まれていて、しかめっつらに変えることができなかったからです。

●But the Woggle-Bug strutted along as if he had made some brilliant remark,
 しかし、ウォグルバグは、気取って歩き続けました、まるで、彼が、何か輝かしいことを言ったかのように、

and the Scarecrow was obliged to say:
そして、かかし男は、かたなく言いました:

●“I have heard, my dear friend, that a person can become over-educated;
 「私は、聞いたことがありますよ、あなた、人は、教育されすぎることもあるって;

and although I have a high respect for brains, no matter how they may be arranged or classified, I begin to suspect that yours are slightly tangled.
それに、私は、脳みそをたいそう尊敬していますが、それが、どんなふうに整理されたり、分類されたりしていても、私は、疑いを持ち始めました、あなたのは、ちょっと、もつれちゃってるんじゃないかとね。

In any event, I must beg you to restrain your superior education while in our society.”
とにかく、お頼みもうします、あなたの至高の教養を控えていただくように、私たちと一緒にいる間は。」

●“We are not very particular,” added the Tin Woodman;
 「私たちは、別に、気難しくはないですし、」 ブリキの木こりが付けたしました;

“and we are exceedingly kind hearted.  「私たちは、ことのほか、心優しいんです。

But if your superior culture gets leaky again -”
でも、あなたの至高の教養が、また、漏れ出すようなことがあると - 」

He did not complete the sentence,  彼は、最後まで言いませんでした、

but he twirled his gleaming axe so carelessly that the Woggle-Bug looked frightened, and shrank away to a safe distance.
しかし、彼が、そのキラキラ輝く斧を無造作に振り回したので、ウォグルバグは、怯えたように見え、安全な距離まで、下がりました。

●The others marched on in silence,  他の仲間は、黙って行進を続けました、

and the Highly Magnified one, after a period of deep thought, said in an humble voice:
ウォグルバグは、しばらくじっくり考えた末、控えめな声で言いました:

●“I will endeavor to restrain myself.” 「控えるよう努力いたします。」

●“That is all we can expect,” returned the Scarecrow pleasantly;
 「それで十分です。」 かかし男が、楽しそうに、返事しました;

and good nature being thus happily restored to the party, they proceeded upon their way.
気立ての良さが、かくも幸福裏に、一行のもとに回復し、彼らは、すすむ道を続けました。

●When they again stopped to allow Tip to rest - the boy being the only one that seemed to tire -  the Tin Woodman noticed many small, round holes in the grassy meadow.
彼らが、ティップを休ませるために、再び止まったとき - 疲れるように見えるのは、少年だけでした - デリキの木こりは、草のはえた野原に、たくさんの小さな丸い穴を見つけました。

●“This must be a village of the Field Mice,” he said to the Scarecrow.
 「これは、野ネズミの村に違いありません。」 彼は、かかし男に言いました。

“I wonder if my old friend, the Queen of the Mice, is in this neighborhood.”
「なつかしい友達の、ネズミの女王さまは、この近くにいるんじゃないかしら。」

●“If she is, she may be of great service to us,” answered the Scarecrow, who was impressed by a sudden thought.
 「もしいたなら、大きな助けになってくれるかもしれない。」 かかし男は、答えました、彼は、突然の思い付きに感動していました。

“See if you can call her, my dear Nick.” 「呼べるかどうか、やってみて、ニック。」

●So the Tin Woodman blew a shrill note upon a silver whistle that hung around his neck,
 ブリキの木こりは、甲高い音を鳴らしました、彼の首にかかっていた銀の笛で、

and presently a tiny grey mouse popped from a near-by hole and advanced fearlessly toward them.
すると、間もなく、小さな灰色のネズミが、近くの穴から飛び出して、怯えることなく彼らのほうに進んできました。

For the Tin Woodman had once saved her life, and the Queen of the Field Mice knew he was to be trusted.
ブリキの木こりは、かつて、彼女の命を助けたことがあり、野ネズミの女王は、彼が信用できると知っていたのです。

●“Good day, your Majesty,” said Nick, politely addressing the mouse;
 「今日は、陛下。」 ニックは言って、丁寧に、ミズミに挨拶しました;

“I trust you are enjoying good health?” 「お元気でおすごしのことと存じます。」

●“Thank you, I am quite well,” answered the Queen, demurely, as she sat up and displayed the tiny golden crown upon her head.
 「ありがとう、元気ですよ。」 女王は、控えめに、答えました、彼女は、上半身を起こし、頭の上の小さい金の冠を見せました。

“Can I do anything to assist my old friends?” 「なにか、おたつだいできることは、ありまして?」

●“You can, indeed,” replied the Scarecrow, eagerly.
 「あるんです。」 かかし男は、はやる思いで、言いました。

“Let me, I intreat you, take a dozen of your subjects with me to the Emerald City.”
「お願いしたいのですが、あなたの臣下を12匹、私とともに、エメラルド・シティに連れて行かせて下さい。」

●“Will they be injured in any way?” asked the Queen, doubtfully.
 「怪我をすることは、ありませんか?」 女王が、うたがわしそうに尋ねました。

●“I think not,” replied the Scarecrow.  「ないと思います。」 かかし男が答えました。

“I will carry them hidden in the straw which stuffs my body,
「私は、私の体に詰まっているわらの中に、彼らを隠してつれていきます、

and when I give them the signal by unbuttoning my jacket, they have only to rush out and scamper home again as fast as they can.
そして、私の上着のボタンをはずすことによって、彼らに合図し、彼らは、飛び出して、できるだけ速く家に戻りさえすればいいのです。

By doing this they will assist me to regain my throne, which the Army of Revolt has taken from me.”
こうしていただくことで、私が王冠を取り戻すことの助けになっていただけるのです、反乱軍が私から取り去ったあの王冠を。」

●“In that case,” said the Queen,  「そういうことなら、」 女王は、言いました、

“I will not refuse your request.   「あなたのお望みをお断りはいたしません。

Whenever you are ready, I will call twelve of my most intelligent subjects.”
あなたの準備ができしだい、最も知力のある臣下を12匹、呼びましょう。」

●“I am ready now” returned the Scarecrow.  「もう準備できてます。」 かかし男が言いました。

Then he lay flat upon the ground and unbuttoned his jacket, displaying the mass of straw with which he was stuffed.
彼は、地面に平らに横たわり、上着のボタンをはずし、体に詰まっている大量のわらを示しました。

●The Queen uttered a little piping call,  女王は、ちいさな甲高い呼び声をあげました、

and in an instant a dozen pretty field mice had emerged from their holes and stood before their ruler, awaiting her orders.
一瞬後、12匹のかわいい野ネズミが、穴から現れて、女王の前に立ち、命令を待ちました。

●What the Queen said to them none of our travelers could understand, for it was in the mouse language;
 女王が彼らに何を言ったか、一行の誰にもわかりませんでした、それは、ネズミ言語でしたので;

but the field mice obeyed without hesitation, running one after the other to the Scarecrow and hiding themselves in the straw of his breast.
しかし、野ネズミは躊躇なく命令に従い、次から次へ、かかし男に駆け寄って、彼の胸のわらり中に隠れました。

●When all of the twelve mice had thus concealed themselves, the Scarecrow buttoned his Jacket securely and then arose and thanked the Queen for her kindness.
 12匹のネズミ全部が、このように体を隠し終えたとき、かかし男は、上着のボタンをしっかりしめて、起き上がり、女王に彼女の親切のお礼を言いました。

●“One thing more you might do to serve us,” suggested the Tin Woodman;
 「もう一つしていただけないでしょうか。」 ブリキの木こりが、持ちかけました;

“and that is to run ahead and show us the way to the Emerald City.
「私たちの前を走り、エメラルド・シティへの道を示してほしいのです。

For some enemy is evidently trying to prevent us from reaching it.”
或る敵がいて、明らかに、私たちが、到着するのを防ごうとしているのです。」

●“I will do that gladly,” returned the Queen. “Are you ready?”
 「喜んでやらせていただきます、」女王が答えました。「準備はよろしいですか?」

●The Tin Woodman looked at Tip. ブリキの木こりは、ティップを見ました。

●“I'm rested,” said the boy. “Let us start.” 少年は、言いました、「休んだよ。出発しよう。」

●Then they resumed their journey, the little grey Queen of the Field Mice running swiftly ahead and then pausing until the travelers drew near, when away she would dart again.
 彼らは、旅を再開しました、小さな灰色の野ネズミの女王は、素早く前を走り、旅行者たちが近づいてくるのを待ち、再び、駆け出しました。

●Without this unerring guide the Scarecrow and his comrades might never have gained the Emerald City;
 この誤りのない道案内がなければ、かかし男と仲間たちは、エメラルド・シティに到着できなかったでしょう;

for many were the obstacles thrown in their way by the arts of old Mombi.
何故なら、モンビ婆さんの魔術で、かれらの途中に投げ出された障害は、沢山あったからです。

Yet not one of the obstacles really existed - all were cleverly contrived deceptions.
でも、障害は、どれ一つとして存在しなかったのです - すべては、賢く考案された騙しでした。

For when they came to the banks of a rushing river that threatened to bar their way the little Queen kept steadily on, passing through the seeming flood in safety;
彼らが、彼らの道を阻むよう脅かしている急流の川岸に到着したとき、小さな女王は、堅実に進み続け、みせかけの大水の中を安全に通り抜けました。

and our travelers followed her without encountering a single drop of water.
我らが旅行者たちは、彼女の後を続き、一滴の水にも出会いませんでした。

●Again, a high wall of granite towered high above their heads and opposed their advance.
 また、花崗岩の高い壁が、彼らの頭より高くそびえ、彼らの前進を阻みました。

But the grey Field Mouse walked straight through it, and the others did the same, the wall melting into mist as they passed it.
しかし、灰色の野ネズミは、それを真っすぐ通過し、皆も同じく通過しました、彼らが通過すると、壁は霧の中に消えました。

●Afterward, when they had stopped for a moment to allow Tip to rest, they saw forty roads branching off from their feet in forty different directions;
 その後、ティップを休ませるために、彼らが少し止まったときも、彼らは、足元から、40本の道が、40の異なる方向に分岐しているのを見ました。

and soon these forty roads began whirling around like a mighty wheel, first in one direction and then in the other, completely bewildering their vision.
そして、すぐ、この40本の道は、巨大な車輪のように、最初は、ある方向に、次に、反対の方向に、回転を始め、完全に、かれらの視界を混乱させました。

●But the Queen called for them to follow her and darted off in a straight line;
 しかし、女王は、彼女に続くように彼らに呼びかけ、一直線に突進しました;

and when they had gone a few paces the whirling pathways vanished and were seen no more.
彼らが、二三歩進んだ時、回転する道路は消え、もはや見えなくなりました。

●Mombi's last trick was the most fearful of all.
 モンビの最後のトリックは、最も、恐ろしいものでした。

She sent a sheet of crackling flame rushing over the meadow to consume them;
彼女は、パチパチと燃える炎のシートを一枚、野原の上に、拡げ、彼らを焼きつくそうとしました;

and for the first time the Scarecrow became afraid and turned to fly.
はじめて、かかし男は、怖くなり、向きを変えて、逃げ出そうとしました。

●“If that fire reaches me I will be gone in no time!” said he, trembling until his straw rattled.
 「もし、あの火が私に達したら、私は、即座に、いなくなってしまう!」 彼は言いました、彼のわらが、カサカサ音を立てるまで。

“It's the most dangerous thing I ever encountered.”
「これまでに出会った、最も危険なことだ。」

●“I'm off, too!” cried the Saw-Horse, turning and prancing with agitation;
 「私も、おいとまだ!」のこぎり馬が、叫びました、向きをかえ。興奮して跳びはねながら。

“for my wood is so dry it would burn like kindlings.”
「僕の木も十分乾いていて、ろうそくのように燃えてしまうよ。」

●“Is fire dangerous to pumpkins?” asked Jack, fearfully.
 「この火は、カボチャにとっても、危険かい?」 ジャックは、こわごわ尋ねました。

●“You'll be baked like a tart - and so will I!” answered the Woggle-Bug, getting down on all fours so he could run the faster.
 「あなたは、タルトのように焼けるでしょうな - 私も同じく!」 ウォグルバグは、答えました。より速く走れるように、しゃがんで四つ足になりました。

●But the Tin Woodman, having no fear of fire, averted the stampede by a few sensible words.
 しかし、ブリキの木こりは、火は少しも怖くないので、この総崩れを防ぐために、二三の賢明な言葉を発しました。

●“Look at the Field Mouse!” he shouted.  「野ネズミを見なさい!」 彼は、叫びました。

“The fire does not burn her in the least.  「火は、彼女を少しも焼かない。

In fact, it is no fire at all, but only a deception.”
実際、それは、火ではないんだ、まやかしにすぎないんだ。」

●Indeed, to watch the little Queen march calmly through the advancing flames restored courage to every member of the party, and they followed her without being even scorched.
 実際、小さな女王が、前進する炎の中を静かに進んでいるのを見て、一行の全員に、勇気を取り戻させ、彼らは、彼女の後に続きました、焦げることなく。

●“This is surely a most extraordinary adventure,” said the Woggle-Bug, who was greatly amazed;
  「これは、確かに、最も異常な冒険だ。」 ウォグルバグは、言いました、非常に驚いて;

“for it upsets all the Natural Laws that I heard Professor Nowitall teach in the school-house.”
「ナウイトール教授が学校で教えているのを聞いたすべての自然法則を覆してしまうよ。」

●“Of course it does,” said the Scarecrow, wisely.  「勿論、そうさ、」 かかし男は、賢そうに言いました。

“All magic is unnatural, and for that reason is to be feared and avoided.
「すべての魔法は、不自然なんだ、だからこと、恐れられ避けられるんだ。

But I see before us the gates of the Emerald City,
でも、目の前に、エメラルド・シティの門が見えるよ、

so I imagine we have now overcome all the magical obstacles that seemed to oppose us.”
だから、私たちを阻もうとしている魔法の障害の全部を、乗り越えたみたいだよ。」

●Indeed, the walls of the City were plainly visible, and the Queen of the Field Mice, who had guided them so faithfully, came near to bid them good-bye.
 実際、シティの壁は、明確に見えてきました、そして、野ネズミの女王は、忠実に彼らの道案内をしてきましたが、彼らに近づいてきて、さよならを言いました。

●“We are very grateful to your Majesty for your kind assistance,” said the Tin Woodman, bowing before the pretty creature.
 「私たちは、あなたの親切なご援助に対し、陛下に感謝いたします。」 ブリキの木こりは、言いました、かわいい女王の前でお辞儀しながら。

●“I am always pleased to be of service to my friends,” answered the Queen,
 「お友達の手助けができることを、私は、いつも喜んでおります。」 女王は、答えました、

and in a flash she had darted away upon her journey home.
そして、すぐら、彼女は、帰りの旅に、駆け出しました。

 

15. The Prisoners of the Queen   女王の囚人

●Approaching the gateway of the Emerald City the travelers found it guarded by two girls of the Army of Revolt,
 エメラルド・シティの出入り口に近づくと、旅行者たちは、反乱軍の二人の少女が、守っているのが分かりました、

who opposed their entrance by drawing the knitting-needles from their hair and threatening to prod the first that came near.
彼女たちは、彼らの入場を阻止しました、髪から編み棒を引き抜き、近づいてきた最初の人を突いて脅かしたりしながら。

●But the Tin Woodman was not afraid. しかし、ブリキの木こりは、怖がりませんでした。

●“At the worst they can but scratch my beautiful nickel-plate,” he said.
 「最悪でも、彼女たちは、私のきれいなニッケル・メッキに傷をつけるしかできないよ。」 彼は、言いました。

“But there will be no ‘worst,' for I think I can manage to frighten these absurd soldiers very easily.
「しかし、『最悪』は、ありません、これらの愚かな兵士たちを、なんとか簡単に恐れさせることができると思いますので。

Follow me closely, all of you!”  皆さん、私にぴったり付いて来てください!」

●Then, swinging his axe in a great circle to right and left before him, he advanced upon the gate, and the others followed him without hesitation.
 そして、斧を大きな円を描いて、彼の前に右や左に振りながら、彼は、門を前進し、他のみんなは、躊躇なく、彼に従いました。

●The girls, who had expected no resistance whatever, were terrified by the sweep of the glittering axe and fled screaming into the city;
 少女たちは、抵抗があるなんて思ってもいなかったので、ギラギラ輝く斧の振り回しに怯えて、叫び声をあげながら、町中ににげだしました。

so that our travelers passed the gates in safety and marched down the green marble pavement of the wide street toward the royal palace.
そこで、我らが旅行者たちは、門を安全に通過し、緑色の大理石舗装の通りを行進し、宮殿に向かって、降りていきました。

●“At this rate we will soon have your Majesty upon the throne again,” said the Tin Woodman, laughing at his easy conquest of the guards.
 「この分だと、すぐに、陛下を玉座にもどせますね。」 ブリキの木こりは、言いました、門番を簡単に征服したことに笑いながら。

●“Thank you, friend Nick,” returned the Scarecrow, gratefully.
 「ありがとう、ニック。」 かかし男は、感謝して、返事しました。

“Nothing can resist your kind heart and your sharp axe.”
「誰も、あなたの親切な心と、鋭い斧に抵抗できませんね。」

●As they passed the rows of houses they saw through the open doors that men were sweeping and dusting and washing dishes, while the women sat around in groups, gossiping and laughing.
 彼らが、家々の並びを通るとき、彼らは、開いたドアから、男たちが、床を掃き、ほこりを払い、皿を洗っているのを見ました、一方、女たちは、グループで囲んで座り、おしゃべりしたり笑ったりしていました。

●“What has happened?” the Scarecrow asked a sad-looking man with a bushy beard, who wore an apron and was wheeling a baby-carriage along the sidewalk.
 「何が起こったんですか?」 かかし男は、悲しそうな顔をした髭もじゃ男に話し掛けました、彼はエプロンを付けて、歩道に沿って乳母車を押していました。

●“Why, we've had a revolution, your Majesty - as you ought to know very well,” replied the man;
 「おや、革命が起きたのですよ、陛下 - あなたもよくご存じのはずですが。」 男が答えました。

“and since you went away the women have been running things to suit themselves.
「あなたが逃げて以来、女たちが、自分にあうようにことを運んできたのです。

I'm glad you have decided to come back and restore order,
私は、嬉しいですよ、あなたが、戻ってこられて、秩序を回復しようと決心されたことが、

for doing housework and minding the children is wearing out the strength of every man in the Emerald City.”
家事をして、子供の面倒をみることは、エメラルドシティのすべての男の活力を、すり減らしているんです。」

●“Hm!” said the Scarecrow, thoughtfully.
 「ふむ、ふむ!」 かかし男が、思慮深そうに言いました。

“If it is such hard work as you say, how did the women manage it so easily?”
「もし、それがあなたの言うようにきつい仕事なら、どうして女たちはそれを簡単にやってきたんですか?」

●“I really do not know,” replied the man, with a deep sigh.
 「私には、本当に、わかりません。」 男は答えました、深い溜息をついて。

“Perhaps the women are made of cast-iron.”
「多分、女たちは、鋳鉄でできてるんでしょう。」

●No movement was made, as they passed along the street, to oppose their progress.
 いかなる動きもありませんでした、彼らが通りを進んでいるときに、彼らの進行を邪魔しようという。

Several of the women stopped their gossip long enough to cast curious looks upon our friends,
何人かの女たちは、おしゃべりを止めて、けっこう長く、気になるまなざしを我らが友に投げかけました、

but immediately they would turn away with a laugh or a sneer and resume their chatter.
しかし、すぐに、笑ったり、あざ笑ったりして、よそを向き、おしゃべりを続けました。

And when they met with several girls belonging to the Army of Revolt, those soldiers, instead of being alarmed or appearing surprised, merely stepped out of the way and allowed them to advance without protest.
そして、革命軍に属する幾人かの女の子ら会ったとき、これらの兵士は、あわてたり、驚いたりしないで、ただ、道をあけ、何の抵抗もせずに、彼らが進むのを許しました。

●This action rendered the Scarecrow uneasy.
 この行動は、かかし男を、不安にさせました。

●“I'm afraid we are walking into a trap,” said he.
 「私たちは、罠に入りに、歩いてるんじゃないだろうか。」 彼は、言いました。

●“Nonsense!” returned Nick Chopper, confidently;
 「そんなばかな!」 ニック・チョッパーは、自信ありげに、返事しました。

“the silly creatures are conquered already!”
「愚かな生き物たちは、すでに、退治されたんですよ!」

●But the Scarecrow shook his head in a way that expressed doubt, and Tip said:
 しかし、かかし男は、頭を横に振りました、その振り方は、疑いを表しています、そして、ティップは、言いました:

●“It's too easy, altogether. Look out for trouble ahead.”
 「簡単すぎる、全くね。この先、厄介なことがないか、注意しよう。」

●“I will,” returned his Majesty.  「そうしましょう。」 陛下も、返事しました。

Unopposed they reached the royal palace and marched up the marble steps,
抵抗もなく、彼らは、宮殿に着き、大理石の階段を行進して上りました、

which had once been thickly crusted with emeralds but were now filled with tiny holes where the jewels had been ruthlessly torn from their settings by the Army of Revolt.
階段は、かつて、エメラルドで厚く覆われていたのですが、今は、小さな穴だらけです、穴は、宝石が、革命軍によって台座から非情にも取られたものです。

And so far not a rebel barred their way.  ここまで、一人の反乱者も、彼らの道を妨げませんでした。

●Through the arched hallways and into the magnificent throne room marched the Tin Woodman and his followers,
 アーチ型の廊下を抜け、壮大な謁見室に、ブリキの木こりとそのお供たちは、行進しました、

and here, when the green silken curtains fell behind them, they saw a curious sight.
そして、ここで、緑色のシルクのカーテンが、彼らの後ろで降りたとき、彼らは、奇妙な光景を見ました。

●Seated within the glittering throne was General Jinjur, with the Scarecrow's second-best crown upon her head, and the royal sceptre in her right hand.
 輝く玉座の中に座っていたのは、ジンジャ将軍でした、かかし男の二番目に良い冠を頭にかぶり、王の笏を右手に持っていました。

A box of caramels, from which she was eating, rested in her lap, and the girl seemed entirely at ease in her royal surroundings.
キャラメルの一箱、そこから彼女は食べていましたが、が彼女のひざの上に置かれ、少女は、王様の環境に完全にくつろいでいるように見えました。

●The Scarecrow stepped forward and confronted her,
 かかし男は、一歩前に進み、彼女に直面しました、

while the Tin Woodman leaned upon his axe and the others formed a half-circle back of his Majesty's person.
ブリキの木こりは、斧に寄りかかり、ほかの人達は、陛下の後ろで、半円にならびました。

●“How dare you sit in my throne?” demanded the Scarecrow, sternly eyeing the intruder.
 「よくも私の玉座に座れたものだ?」 かかし男は、詰問しました、この邪魔者を厳しく見詰めながら。

“Don't you know you are guilty of treason, and that there is a law against treason?”
「知らないのか、お前は、反逆の罪を犯し、反逆に対する法律があることを?」

●“The throne belongs to whoever is able to take it,” answered Jinjur, as she slowly ate another caramel.
 「玉座は、それを獲ることができる人のものよ。」 ジンジャは、答えました、キャラメルをもう一つ、ゆっくり食べながら。

“I have taken it, as you see;  「私は、獲ったのよ、ご存じのように。

so just now I am the Queen, and all who oppose me are guilty of treason, and must be punished by the law you have just mentioned.”
だらか、今は、私が女王なの、そして、私に逆らうものは皆、反逆の罪なのよ、あなたが今言ったその法律で罰せられなければならないのよ。」

●This view of the case puzzled the Scarecrow.
 この件についてのこの考え方は、かかし男を当惑させました。

●“How is it, friend Nick?” he asked, turning to the Tin Woodman.
 「どうなんだ、ニック?」 彼は尋ねました、ブリキの木こりの方を向きながら。

●“Why, when it comes to Law, I have nothing to say,” answered that personage;
 「おや、法律のことになると、私は、何も言えない、」 彼は、答えました;

“for laws were never meant to be understood, and it is foolish to make the attempt.”
「法律は、決して、解るようには作られていない、解ろうと試みるのは、馬鹿げたことだよ。」

●“Then what shall we do?” asked the Scarecrow, in dismay.
 「じゃあ、どうすればいいんだ?」 かかし男は、落胆して、尋ねました。

●“Why don't you marry the Queen? And then you can both rule,” suggested the Woggle-Bug.
 「女王と結婚すれば? そしたら、二人で治めることができるよ。」ウォグルバグが、提案しました。

●Jinjur glared at the insect fiercely.  ジンジャは、昆虫を、激しくにらみました。

“Why don't you send her back to her mother, where she belongs?” asked Jack Pumpkinhead.
「彼女を、お母さんのところに送り返したら、そこが彼女の居場所だよ?」 カボチャ頭のジャックが、尋ねました。

●Jinjur frowned.  ジンジャは、顔をしかめました。

●“Why don't you shut her up in a closet until she behaves herself, and promises to be good?” enquired Tip.
 「小部屋に閉じ込めたら? お行儀がよくなり、良い子になると約束するまで、」  ティップが聞きました。

Jinjur's lip curled scornfully.  ジンジャの唇は、軽蔑でゆがみました。

●“Or give her a good shaking!” added the Saw-Horse. 
 「彼女をたっぷり揺さぶっては?」 のこぎり馬が、いいました。

●“No,” said the Tin Woodman, “we must treat the poor girl with gentleness.
 「だめだ、」 ブリキの木こりが言いました、「この可哀そうな子には、優しくしてあげないとだめだよ。

 Let us give her all the jewels she can carry, and send her away happy and contented.”
彼女には、持てるだけの宝石を持たせてあげて、幸せで、満足して、送り出しましょう。」

●At this Queen Jinjur laughed aloud,  これを聞いて、女王のジンジャは、大きな声で笑い、

and the next minute clapped her pretty hands together thrice, as if for a signal.
次の瞬間、そのかわいい手を三回打ちました、まるで合図をだいかのように。

●“You are very absurd creatures,” said she;  「お前たちは、本当に馬鹿な生き物だわ。」 彼女は、言いました;

“but I am tired of your nonsense and have no time to bother with you longer.”
「あなたたちの馬鹿げた話には、飽きたわ、あなたたちのことを構う暇は、もう無いわ。」

●While the monarch and his friends listened in amazement to this impudent speech, a startling thing happened.
 君主とその友たちが、この生意気な話を驚いて聞いていると、驚くべきことが起こりました。

The Tin Woodman's axe was snatched from his grasp by some person behind him, and he found himself disarmed and helpless.
ブリキの木こりの斧が、彼の後ろの誰かによって、彼の手からひったくられてしまい、彼は、武装解除され、無力になってしまったのです。

At the same instant a shout of laughter rang in the ears of the devoted band,
丁度このとき、歓声が響きました、この献身的な一団の耳に、

and turning to see whence this came they found themselves surrounded by the Army of Revolt, the girls bearing in either hand their glistening knitting-needles.
ふり向いて、この歓声がどこから来たかを見ると、彼らは、反乱軍に囲まれていました、少女たちは、どちらかの手に、光輝く編み棒を持っています。

The entire throne room seemed to be filled with the rebels,
謁見室全体が、反乱者でいっぱいのようでした、

and the Scarecrow and his comrades realized that they were prisoners.
かかし男と、その仲間たちは、彼らが、囚われの身になったことを悟りました。

●“You see how foolish it is to oppose a woman's wit,” said Jinjur, gaily;
 「おわかり、女の知恵に逆らうことが、どんなに馬鹿なことだか、」 ジンジャが、楽しそうに言いました;

“and this event only proves that I am more fit to rule the Emerald City than a Scarecrow.
「このことだけでも、証明されるわ、私のほうが、エメラルド・シティを治めるのに、ずっと適してることが、かかし男さんよりもね。

I bear you no ill will, I assure you;  私は、あなたたちに、何の敵意ないわ、ほんとよ;

but lest you should prove troublesome to me in the future I shall order you all to be destroyed.
でも、将来、やっかいごとを起こされることのないように、あなたたち全員、破壊されることを命じます。

That is, all except the boy, who belongs to old Mombi and must be restored to her keeping.
すなわち、その少年以外は、皆ね、少年は、モンビ婆さんのものだから、彼女の元に返してあげなきゃいけないわ。

The rest of you are not human, and therefore it will not be wicked to demolish you.
残りは、人間しゃないから、あなたたちを破壊しても、悪いことではないわ。

The Saw-Horse and the Pumpkinhead's body I will have chopped up for kindling-wood;
のこぎり馬と、カボチャ頭の胴体は、切り刻んで、たきぎにするわ。

and the pumpkin shall be made into tarts.   カボチャは、タルトにしましょう。

The Scarecrow will do nicely to start a bonfire,  かかし男は、火をつけるのに丁度いいわ。

and the tin man can be cut into small pieces and fed to the goats.
ブリキ男は、小さな破片に切り刻んで、ヤギにでも食べさせましょう。

As for this immense Woggle-Bug -” このでっかいウォグルバグはね - 」

●“Highly Magnified, if you please!” interrupted the insect.
 「高度に拡大されたです、よろしければ!」 昆虫が、口をはさみました。

●“I think I will ask the cook to make green-turtle soup of you,” continued the Queen, reflectively.
 「料理人に頼んで、あなたで、アオウミガメのスープを作ってもらおうかしら。」 女王は、じっくり考えながら、続けました(以下のように)。

説明 green-turtle は、アオウミガメです。日本語は、緑色のことを、青ということがあります。

    reflectively は、反射的に という意味でも使いますので、反射的に答えたのか、じっくり考えて答えたのかは、文脈によります。

●The Woggle-Bug shuddered. ウォグルバグは、身震いしました。

●“Or, if that won't do, we might use you for a Hungarian goulash, stewed and highly spiced,” she added, cruelly.
 「もし、それが駄目なら、ハンガリア風のシチューにしようかしら、よく煮込んで、高度に香辛料を利かせてね。」 彼女は、残酷に、続けました。

説明 goulash は、グーラッシュ、グヤーシュ バブリカで味付けした牛肉と野菜のシチュー

●This programme of extermination was so terrible that the prisoners looked upon one another in a panic of fear.
 この皆殺しの計画は、余りに恐ろしく、囚人たちは、互いに目を見合いました、恐怖でパニックになって。

The Scarecrow alone did not give way to despair.
かかし男だけは、絶望に屈っしませんでした。

He stood quietly before the Queen and his brow was wrinkled in deep thought as he strove to find some means to escape.
彼は女王の前に静かに立ち、眉をしかめて、深く考えこみました、何か逃げる方法をみつけようと努力して。

●While thus engaged he felt the straw within his breast move gently.
 そうしているときに、彼は、彼の胸のなかのわらが、やさしく動くのを感じました。

At once his expression changed from sadness to joy, and raising his hand he quickly unbuttoned the front of his jacket.
突然、彼の表情は、悲しみから喜びに変わりました、そして、手を挙げて、急いで上着の前のボタンをはずしました。

●This action did not pass unnoticed by the crowd of girls clustering about him,
 この行動は、彼の周りに集まる少女たちの群れに、気付かれずにはすみませんでした、

but none of them suspected what he was doing until a tiny grey mouse leaped from his bosom to the floor and scampered away between the feet of the Army of Revolt.
誰も、彼が何をしているか疑いませんでしたが、一匹の灰色のネズミが、彼の胸から床に飛び出して、革命軍の足の間を駆け抜けました。

Another mouse quickly followed; then another and another, in rapid succession.
別のマウスが、すぐ続きました;そして次、そして次と、たてつづけに。

And suddenly such a scream of terror went up from the Army that it might easily have filled the stoutest heart with consternation.
そして、突然、軍のなかから、とてつもない恐怖の悲鳴があがりました。それは、最も頑強な心臓でも、容易に、驚愕で満たしてしまうほどのものでした。

The flight that ensued turned to a stampede, and the stampede to a panic.
引き続いておこった逃げまどいは、暴走になり、暴走は、パニックになりました。

●For while the startled mice rushed wildly about the room the Scarecrow had only time to note a whirl of skirts and a twinkling of feet as the girls disappeared from the palace - pushing and crowding one another in their mad efforts to escape.
というのは、驚いたネズミが、部屋の周りを荒々しく駆け回っている間に、かかし男には、回転して広がるスカートや、ひらめく足が見える時間しかありませんでした、それは少女たちが、宮殿から逃げ出そうとしているときで、逃げ出すのに必死で互いに押したり詰めあったりしていました。

●The Queen, at the first alarm, stood up on the cushions of the throne and began to dance frantically upon her tiptoes.
女王は、最初のアラーム(叫び声)で、玉座のクッションの上に立ち上がり、つま先立ちで狂気のように踊り始めました。

Then a mouse ran up the cushions, and with a terrified leap poor Jinjur shot clear over the head of the Scarecrow and escaped through an archway - never pausing in her wild career until she had reached the city gates.
そして、ネズミが一匹、クッションの上に駆け上がりました。恐怖にかられた跳躍で、可哀そうなジンジャは、かかし男の頭のはっきりうえを飛び越え、アーチの道路を通って逃げ出しました - 決して止まらずに、かのじょの全速力で、シティの門につくまで。

説明 career は、職業とか経歴という意味で使われますが、速度(speed)という意味もあり、in full careerのような使い方が残っています。

●So, in less time than I can explain, the throne room was deserted by all save the Scarecrow and his friends,
 そこで、説明する時間もなく、謁見室には、かかと男とその友達以外、誰もいなくなりました、

and the Woggle-Bug heaved a deep sigh of relief as he exclaimed:
ウォグルバグは、安堵の深い溜息を吐いて、こう説明しました:

●“Thank goodness, we are saved!” 「ありがたや。私たちは、助かった!」

●“For a time, yes;” answered the Tin Woodman. 「当面は、そうだね。」 ブリキの木こりが答えました。

“But the enemy will soon return, I fear.” 「でも、敵は、すぐ戻ってくるよ、恐らく。」

●“Let us bar all the entrances to the palace!” said the Scarecrow.
 「宮殿へのすべての入口のかんぬきを掛けよう。」 かかし男がいいました。

“Then we shall have time to think what is best to be done.”
「すると、何をするのが最善かを考える時間ができる。」

●So all except Jack Pumpkinhead, who was still tied fast to the Saw-Horse, ran to the various entrances of the royal palace and closed the heavy doors, bolting and locking them securely.
 そこで、カボチャ頭のジャック以外の全員は - ジャックは、まだ、のこぎり馬に、しっかり結びつけられていました - 宮殿の様々な入口に行き、重いドアを閉めて、かんぬきや錠をしっかり閉めました。

Then, knowing that the Army of Revolt could not batter down the barriers in several days, the adventurers gathered once more in the throne room for a council of war.
革命軍は、数日では、この障壁をたたき壊すことはできないと分かっているので、冒険者たちは、いま一度、謁見室に、作戦会議のために、集まりました。

 

16 The Scarecrow Takes Time to Think    かかし男が時間をかけて考える

●“It seems to me,” began the Scarecrow, when all were again assembled in the throne room, “that the girl Jinjur is quite right in claiming to be Queen.
 「私は、思うんですが、」 かかし男が始めました、全員が玉座の部屋に集まった時に、「少女のジンジャが、女王であると主張するのは、極めて、正しいよ。

And if she is right, then I am wrong, and we have no business to be occupying her palace.”
もし、彼女が正しいなら、そのとき、私が、間違っている。そして、私たちには、彼女の宮殿を占拠する権利はないんだ。」

●“But you were the King until she came,” said the Woggle-Bug, strutting up and down with his hands in his pockets;
 「でも、あなたは王様でした、彼女が来るまでは。」 ウォグルバグは言いました、ふんぞりかえって行ったり来たり歩きながら、両手をポケットに入れて;

“so it appears to me that she is the interloper instead of you.”
「だから、私には、思えます|彼女のほうが侵入者だと|あなたではなく|。」

●“Especially as we have just conquered her and put her to flight,” added the Pumpkinhead, as he raised his hands to turn his face toward the Scarecrow.
 「特に、私たちは、彼女を打ち負かして、逃走させたばかりですからね。」 カボチャ男が付け加えました、両手を挙げて彼の顔をかかし男の方に向けながら。

●“Have we really conquered her?” asked the Scarecrow, quietly.
 「私たちは、本当に、彼女を打ち負かしたんですか?」 かかし男は、静かに尋ねました。

“Look out of the window, and tell me what you see.”
「窓の外を見て、何が見えるか教えてください。」

●Tip ran to the window and looked out. ティップは、窓に走り、外を見ました。

●“The palace is surrounded by a double row of girl soldiers,” he announced.
 「宮殿は、囲まれています|二列の女の子の兵隊で|。」 彼が、報告しました。

●“I thought so,” returned the Scarecrow.  「そう思っていたよ。」 かかし男が、返事しました。

“We are as truly their prisoners as we were before the mice frightened them from the palace.”
「私たちは、本当に、同じく囚人なんだ|ネズミが彼女たちを脅かして、宮殿から追い払う前に、私たちが囚人であったのと|。

●“My friend is right,” said Nick Chopper,  「我が友は、正しい。」 ニック・チョッパーが言いました、

who had been polishing his breast with a bit of chamois-leather.
彼は、磨いていました|自分の胸を、セーム革の切れ端で|。

“Jinjur is still the Queen, and we are her prisoners.”
「ジンジャが、まだ、女王で、僕たちは、囚人なんです。」

●“But I hope she cannot get at us,” exclaimed the Pumpkinhead, with a shiver of fear.
 「私は、望むよ|彼女が、私たちにたどり着かないことを|。」カボチャ頭は、叫びました、恐怖で震えながら。

“She threatened to make tarts of me, you know.”
「彼女は、私をタルトにすると脅したんですからね。」

●“Don't worry,” said the Tin Woodman.  「心配しなさんな。」 ブリキの木こりが言いました。

“It cannot matter greatly.  「大したことではありえませんよ。

If you stay shut up here you will spoil in time, anyway.
もし、あなたが、ここに閉じ込められていたら、あなたは、いつかは、腐るんです、とにかく。

A good tart is far more admirable than a decayed intellect.”
おいしいタルトは、全然、素晴らしいですよ|腐った知性よりも|。」

●“Very true,” agreed the Scarecrow. 「なるほどね。」 かかし男が、同意しました。

●“Oh, dear!” moaned Jack; “what an unhappy lot is mine!
 「おや、まあ!」 ジャックが、うめきました;「なんて不幸な運命なんだ、私のは!

Why, dear father, did you not make me out of tin - or even out of straw - so that I would keep indefinitely.”
お父さん、何故、私を、ブリキから、もしくは、せめてわらから、作ってくれなかったんですか、永遠にもつように。」

●“Shucks!” returned Tip, indignantly. “You ought to be glad that I made you at all.”
 「くだらない!」ティップは、憤然として返しました、「お前は、作ってもらえただけでも、ありがたく思うべきだ。」

Then he added, reflectively, “everything has to come to an end, some time.”
そして、深く考えながら付け足しました、「あらゆるものには、終わりがくる。いつかはね。」

●“But I beg to remind you,” broke in the Woggle-Bug,
 「でも、思い出していただきたいのだが、」 ウォグルバグが割り込みました、

who had a distressed look in his bulging, round eyes,
彼は、彼の膨らんだ丸い目に、困惑した表情をしていました、

“that this terrible Queen Jinjur suggested making a goulash of me - Me! the only Highly Magnified and Thoroughly Educated Woggle-Bug in the wide, wide world!”
「このひどい女王のジンジャは、私をシチューにしようと言ったんですよ、この私を、広い、広い世界で唯一の 高度に拡大され、完璧にに教育をうけたウォグルバグを。」

●“I think it was a brilliant idea,” remarked the Scarecrow, approvingly.
「それは、見事なアイデアだと思うよ。」 カカシが、同意して、答えました。

●“Don't you imagine he would make a better soup?” asked the Tin Woodman, turning toward his friend.
 「もっとおいしいスープになるとは、思いませんか?」 ブリキの木こりが尋ねました、友の方を振り返りながら。

●“Well, perhaps,” acknowledged the Scarecrow.
「多分ね。」 かかし男は、認めました。

●The Woggle-Bug groaned.
 ウォグルバグは、うなりました。

●“I can see, in my mind's eye,” said he, mournfully,
 「私の心の目に、見えるよ、」 彼は、悲し気に、言いました、

“the goats eating small pieces of my dear comrade, the Tin Woodman,
「やぎが、私の大切な友、プリキの木こりの、細切れを食べている、

while my soup is being cooked on a bonfire built of the Saw-Horse and Jack Pumpkinhead's body,
一方で、私のスープが、のこぎり馬と、カボチャ頭の胴体を燃やすたき火の上で、調理されている、

and Queen Jinjur watches me boil while she feeds the flames with my friend the Scarecrow!”
そしてジンジャ女王が、私がぐつぐついっているのを見、わが友、かかし男を、火にくべているところが。」

●This morbid picture cast a gloom over the entire party, making them restless and anxious.
 このゾッとさせる絵は、全員に陰鬱な気分を投げかけ、彼らを、そわそわで気がかりにさせました。

●“It can't happen for some time,” said the Tin Woodman, trying to speak cheerfully;
 「それは、しばらくは起こらないよ。」 ブリキの木こりは、言いました、楽しそうに話そうと試みながら;

“for we shall be able to keep Jinjur out of the palace until she manages to break down the doors.”
「私たちは、ジンジャを、宮殿の外に引き留めておくことができるよ|彼女が、なんとかして、ドアを破るまでは|。」

●“And in the meantime I am liable to starve to death, and so is the Woggle-Bug,” announced Tip.
 「そして、その間、私は、飢え死にすることを免れないんだ、ウォグルバグもね。」 ティップが、言いました。

●“As for me,” said the Woggle-Bug, “I think that I could live for some time on Jack Pumpkinhead.
 「私に関しましては、」 ウォグルバグが言いました、「私は、ジャックのカボチャ頭で、しばらく、生きていけましょう。

Not that I prefer pumpkins for food;  私が、食べ物として、カボチャが好きだということではありません;

but I believe they are somewhat nutritious, and Jack's head is large and plump.”
カボチャは、どうやら栄養豊かであると信じますし、ジャックの頭は、でかくて、丸々としています。」

●“How heartless!” exclaimed the Tin Woodman, greatly shocked.
 「なんと、心ないことを!」 ブリキの木こりは、叫びました、たいそうショックを受けて。

“Are we cannibals, let me ask?  Or are we faithful friends?”
「私たちは、人食い人種ですか、問わせてください? 私たちは、信頼しあう友達なんですか?」

●“I see very clearly that we cannot stay shut up in this palace,” said the Scarecrow, with decision.
 「よくわかりました、私たちは、この宮殿に閉じ込められてとどまっていることはできませんね。」 かかし男は、決意をこめて言いました。

“So let us end this mournful talk and try to discover a means to escape.”
「では、この陰気な話は、やめにして、逃げ出す方法をみつけ出すようにしましょう。」

●At this suggestion they all gathered eagerly around the throne, wherein was seated the Scarecrow,
 この提案で、彼らはみな、はやる思いで、玉座の周りに集まりました、玉座には、かかし男が座りました、

and as Tip sat down upon a stool there fell from his pocket a pepper-box, which rolled upon the floor.
ティップが、椅子に座ったとき、彼のポケットから、胡椒箱が落ちて、床の上に転がりました。

●“What is this?” asked Nick Chopper, picking up the box.
 「これは、何ですか?」 ニックチョッパーが尋ねました、箱を拾い上げながら。

●“Be careful!” cried the boy.  「注意して!」 少年は、叫びました。

“That's my Powder of Life. Don't spill it, for it is nearly gone.”
「それは、命の粉です。こぼさないで。殆どなくなってしまったので。」

●“And what is the Powder of Life?” enquired the Scarecrow, as Tip replaced the box carefully in his pocket.
 「命の粉って何ですか?」 かかし男が尋ねました、ティップが、箱を注意深く、ポケットに戻しているときに。

●“It's some magical stuff old Mombi got from a crooked sorcerer,” explained the boy.
 「それは、モンビ婆さんが、腰の曲がった魔法使いから手に入れた何か魔法の品なんだ。」 少年は、説明しました。

“She brought Jack to life with it, and afterward I used it to bring the Saw-Horse to life.
「彼女は、それで、ジャックに命を与え、その後、僕がそれを使って、のこぎり馬に命を与えたのさ。

I guess it will make anything live that is sprinkled with it;
僕は、思う|それは、何にでも命を与えられると|それを振りかけられると|;

but there's only about one dose left.” でも、一回分しか残っていない。」

●“Then it is very precious,” said the Tin Woodman.
 「じゃあ、とちも、貴重だね。」 ブリキの木こりは、言いました。

●“Indeed it is,” agreed the Scarecrow.  「本当に、そうだよ。」 かかし男も、賛成しました。

“It may prove our best means of escape from our difficulties.
「それは、我々の困難から抜け出す最良の方法になるかもしれない。

I believe I will think for a few minutes;  私は、二三分考えてみようと思う。

so I will thank you, friend Tip, to get out your knife and rip this heavy crown from my forehead.”
ティップにお願いします、ナイフを取り出して、この重たい王冠を、私の額からはぎとってください。」

●Tip soon cut the stitches that had fastened the crown to the Scarecrow's head,
 ティップは、すぐに、王冠をかかし男の頭に結び付けていた縫い糸を切りました。

and the former monarch of the Emerald City removed it with a sigh of relief and hung it on a peg beside the throne.
エメラルド・シティの前君主は、喜びの溜息をついて、王冠を取り除き、玉座の傍のフックにかけました。

●“That is my last memento of royalty” said he; “and I'm glad to get rid of it.
 「これは、私の王位の最後の形見だ。」 彼は、言いました;「それを取り外せて、うれしいよ。」

The former King of this City, who was named Pastoria, lost the crown to the Wonderful Wizard, who passed it on to me.
シティの前の王さま、名前はパストリア、は、王冠を大魔法使いに譲り、大魔法使いは、私に、渡したんだ。

Now the girl Jinjur claims it, and I sincerely hope it will not give her a headache.”
今は、少女のジンジャがそれを要求している、私は、心から望むよ、それが、彼女に頭痛を与えないことを。」

●“A kindly thought, which I greatly admire,” said the Tin Woodman, nodding approvingly.
 「親切な考えだ、おおいに称賛するよ。」 ブリキの木こりは言いました、賛成してうなづきながら。

●“And now I will indulge in a quiet think,” continued the Scarecrow, lying back in the throne.
 「今、私は、静かな考えに浸りたいと思う。」 かかし男は、続けました、玉座にふんぞり返って。

●The others remained as silent and still as possible, so as not to disturb him;
 皆は、できるだけ静かにじっとしていました、彼を邪魔しないように;

for all had great confidence in the extraordinary brains of the Scarecrow.
皆は、かかし男の異常な頭脳に大きな信頼を寄せていたからです。

●And, after what seemed a very long time indeed to the anxious watchers, the thinker sat up, looked upon his friends with his most whimsical expression, and said:
そして、気がかりな観客には、実に長く見えた時間の後、考え主は、上半身を起こし、彼のもっとも風変わりな表情で、彼の友を見つめて、言いました:

●“My brains work beautifully today. I'm quite proud of them.
 「私の頭脳は、今日は、見事に働いてくれる。本当に、誇りに思うよ。

Now, listen! If we attempt to escape through the doors of the palace we shall surely be captured.
じぁあ、聞いてくれ! もし、宮殿の出口を通って逃げようとすれば、確実に捕まるでしょう。

And, as we can't escape through the ground, there is only one other thing to be done.
そして、地中を通って逃げ出すことはできないので、ほかにするべきことは、一つしかない。

We must escape through the air!” 私たちは、空中を通って逃げ出さないといけないのだ。」

●He paused to note the effect of these words; but all his hearers seemed puzzled and unconvinced.
 彼は、これらの言葉の項かを知るために少し休みました; しかし、徴収は皆、戸惑い、納得していないようでした。

●“The Wonderful Wizard escaped in a balloon,” he continued.
 「大魔法使いは、気球でにげだしたんだ。」 彼は、続けました。

“We don't know how to make a balloon, of course;
「私たちは、どうやって気球を作るかは、知りません、勿論;

but any sort of thing that can fly through the air can carry us easily.
しかし、どんな種類でも、空中を飛ぶことができるものは、私たちを容易に運ぶことができます。

So I suggest that my friend the Tin Woodman, who is a skillful mechanic, shall build some sort of a machine, with good strong wings, to carry us;
そこで、提案します、我が友、ブリキの木こりは、腕のいい職工なので、作ってもらう|ある種の機械を|丈夫な強い羽根をもっていて、我々を運んでくれる|。

and our friend Tip can then bring the Thing to life with his magical powder.”
そして、我が友ティップは、魔法の粉で、そいつに命を与えることができるのさ。」

●“Bravo!” cried Nick Chopper. 「ブラボー!」 ニックチョッパーが叫びました。

●“What splendid brains!” murmured Jack. 「何て素晴らしい脳みそだ!」 ジャックは、つぶやきました。

●“Really quite clever!” said the Educated Woggle-Bug.
 「本当に実に賢い!」 教育を受けたウォグルバグも、言いました。

●“I believe it can be done,” declared Tip;  「信じるよ、それは、できるって。」 ティップは、言いました。

“that is, if the Tin Woodman is equal to making the Thing.”
「つまり、もし、ブリキの木こりが、そいつを作る力量があればね。」

元気●“I'll do my best,” said Nick, cheerily;  「全力をつくすよ。」ニックは、元気よく、言いました。

“and, as a matter of fact, I do not often fail in what I attempt.
「そして、実際のところ、私は、試みたことでは、そんなに、失敗しません。

But the Thing will have to be built on the roof of the palace, so it can rise comfortably into the air.”
そいつは、宮殿の屋上で作られるべきでしょうね、楽に空中に上っていけるようにね。」

●“To be sure,” said the Scarecrow.  「なるほど。」 かかし男が、言いました。

●“Then let us search through the palace,” continued the Tin Woodman,
 「では、宮殿中を、さがしましょう。」 ブリキの木こりは、続けました、

“and carry all the material we can find to the roof, where I will begin my work.”
「そして、みつけられたすべてのものを屋上に運び、そこで、私は、仕事を始めます。」

●“First, however,” said the Pumpkinhead, “I beg you will release me from this horse, and make me another leg to walk with.
 カボチャ頭は、言いました、「でも、最初に、お願いですから、私を、この馬から解放して、歩くためにもう一本、脚を作ってください。

For in my present condition I am of no use to myself or to anyone else.”
私の今の状態では、私は、役立たずです|私自身にも、他の誰にも|。」

●So the Tin Woodman knocked a mahogany center-table to pieces with his axe and fitted one of the legs, which was beautifully carved, on to the body of Jack Pumpkinhead, who was very proud of the acquisition.
そこで、ブリキの木こりは、マホガニーのセンターテーブルを斧でバラバラに壊し、美しく彫られた脚の一本を、ジャックの体に取り付けました。ジャックは、脚の取得に、非常に満足でした。

●“It seems strange,” said he, as he watched the Tin Woodman work, “that my left leg should be the most elegant and substantial part of me.”
 「不思議な感じがする、」彼は、ブリキの木こりが働くのをみて、言いました、「私の脚が、私の一番上品で、頑丈な部分になるなんて。」

●“That proves you are unusual,” returned the Scarecrow. “and I am convinced that the only people worthy of consideration in this world are the unusual ones.
 かかし男が返事しました、「それは、あなたが、普通でないことを示しているんです。私は、確信しています、この世で考慮に値する唯一の人々は、普通でない人たちだと。

For the common folks are like the leaves of a tree, and live and die unnoticed.”
普通の人達は、木の葉っぱと同じで、気付かれずに、生まれて、死んでいくのです。」

●“Spoken like a philosopher!” cried the Woggle-Bug, as he assisted the Tin Woodman to set Jack upon his feet.
 「哲学者のように、話されましたね!」 ウォグルバグは、叫びました、ブリキの木こりを手伝って、ジャックを立たせながら。

●“How do you feel now?” asked Tip, watching the Pumpkinhead stump around to try his new leg.
 「どんな感じですか?」 ティップが尋ねました、カボチャ頭が、ドシンドシンと歩いて、新しい脚を試しているのを見ながら。

●“As good as new” answered Jack, joyfully, “and quite ready to assist you all to escape.”
 「新品同様です。」 ジャックは、楽しそうに答えました、「そして、いつでも、あなたたち皆の逃走のお手伝いができますよ。」

●“Then let us get to work,” said the Scarecrow, in a business-like tone. 
 「では、仕事にかかりましょう。」 かかし男は、ビジネスライクな口調で言いました。

So, glad to be doing anything that might lead to the end of their captivity, the friends separated to wander over the palace in search of fitting material to use in the construction of their aerial machine.
そこで、囚われの身を終わらせるための何かができることに喜びながら、仲間たちは、分かれて、宮殿中を、空中機械の建設に用いにふさわしい材料を求めて、さまよいました。

 

17. The Astonishing Flight of the Gump    ガンプの驚くべき飛行

●When the adventurers reassembled upon the roof it was found that a remarkably queer assortment of articles had been selected by the various members of the party.
 冒険者たちが、屋上に再集合したとき、わかりました|著しく奇妙な取り合わせの品物が、選ばれたことが|一行の様々なメンバーによって|。

No one seemed to have a very clear idea of what was required, but all had brought something.
誰も、持っていないようでした|何が必要かという明白な考えを|、しかし、皆は何かを持ってきました。

●The Woggle-Bug had taken from its position over the mantle-piece in the great hallway the head of a Gump, which was adorned with wide-spreading antlers;
 ウォグルバグは、持ってきました|大広間のマントルピースの上のその位置から|ガンプの頭を|、それは、広く広がる枝角で魅力的に飾られていました。

and this, with great care and greater difficulty, the insect had carried up the stairs to the roof.
そして、これを、大いに注意して、もっと大いに苦労して、昆虫は、運んできました|階段を上って屋上に|。

This Gump resembled an Elk's head, only the nose turned upward in a saucy manner and there were whiskers upon its chin, like those of a billy-goat.
このガンプは、エルクの頭に似ていました、ただ、鼻が生意気そうに上を向いていました、あごのうえに髭がありました、雄ヤギの髭のように。

説明 Gumpは、動物の名前ではないようです。映画のForest Gumpでは、Gumpは、苗字です。

    gumpには、愚か者、あほ の意味があります。

Why the Woggle-Bug selected this article he could not have explained, except that it had aroused his curiosity.
何故、ウォグルバグが、この品物を選んだかは、彼自身でも説明できなかったでしょう、ただ、それは、彼の興味を惹いたのです。

●Tip, with the aid of the Saw-Horse, had brought a large, upholstered sofa to the roof.
 ティップは、のこぎり馬の助けを借りて、持ってきました|大きな布張りのソファーを、屋上まで|。

It was an oldfashioned piece of furniture, with high back and ends,
それは、古風な一品の家具でした、背と両端がかなり高くなっています、

and it was so heavy that even by resting the greatest weight upon the back of the Saw-Horse, the boy found himself out of breath when at last the clumsy sofa was dumped upon the roof.
それは、たいそう重かったので、最大の重量は、のこぎり馬の背中の上に置いたのですが、少年は、息絶え絶えでした|やっとその不細工なソファーを屋上に、どさっと下ろしたときには|。

●The Pumpkinhead had brought a broom, which was the first thing he saw.
 カボチャ頭は、ほうきを持ってきました、それは、彼の目に着いた最初の物でした。

The Scarecrow arrived with a coil of clothes-lines and ropes which he had taken from the courtyard,
かかし男は、持ってきました|一巻きの選択ひもやロープを|。彼は、それらを中庭からとってきました。

and in his trip up the stairs he had become so entangled in the loose ends of the ropes that both he and his burden tumbled in a heap upon the roof and might have rolled off if Tip had not rescued him.
階段を上がってくる途中で、彼は、もつれてしまいました|ロープの緩んだ端っこに|。そして、彼と彼の重い荷物は、両方とも、屋上で、ドタっと倒れてしまい、もし、ティップが助けなければ、転がり落ちていたかもしれません。

●The Tin Woodman appeared last.  ブリキの木こりは、最後に現れました。

He also had been to the courtyard, where he had cut four great, spreading leaves from a huge palm-tree that was the pride of all the inhabitants of the Emerald City.
彼も、中庭に行きました、そこで、彼は、切り取りました|4枚の広がっている大きな葉っぱを|大きなヤシの木から|エメラルドシティのすべての住民の誇りである|。

●“My dear Nick!” exclaimed the Scarecrow, seeing what his friend had done;
 「ニックさんよ!」 かかし男が叫びました|彼の友がしたことを見て|。

“you have been guilty of the greatest crime any person can commit in the Emerald City.
「あなたは、エメラルドシティの誰もが犯すことのできるなかで最大の罪を犯してしまったのだよ。

If I remember rightly, the penalty for chopping leaves from the royal palm-tree is to be killed seven times and afterward imprisoned for life.”
記憶が正しければ、王室のヤシの木の葉っぱを切った罰は、死刑を7回と、その後、終身刑だ。」

●“It cannot be helped now” answered the Tin Woodman, throwing down the big leaves upon the roof.
 「もう、どうしようもないよ。」 ブリキの木こりは、答えました、大きな葉っぱを屋上に投げ出しながら。

“But it may be one more reason why it is necessary for us to escape.
「でも、それは、もう一つの理由になるね|私たちが何故逃げ出さなくてはならないかの|。

And now let us see what you have found for me to work with.”
それでは、見てみよう|何を見つけてきてくれたか|私が作業するために|。」

●Many were the doubtful looks cast upon the heap of miscellaneous material that now cluttered the roof,
 多くは、疑いのまなざしでした|雑多なものの積み重ねに投げられた|今や屋上を散らかしている|。

and finally the Scarecrow shook his head and remarked:
そして、最後に、かかし男が首を振って、言いました:

●“Well, if friend Nick can manufacture, from this mess of rubbish, a Thing that will fly through the air and carry us to safety, then I will acknowledge him to be a better mechanic than I suspected.”
 「さて、もし、ニックが、作れたら|このがらくたのゴチャ混ぜから、空中を飛んで、私たちを安全へと運んでくれる「その物」を|、そしたら、私は、彼が、私が疑いつつも思っていたより以上の職人だと、認めますよ。」

●But the Tin Woodman seemed at first by no means sure of his powers,
 しかし、ブリキの木こりは、最初、彼の力量に自信があるようには、みえませんでした、

and only after polishing his forehead vigorously with the chamois-leather did he resolve to undertake the task.
そして、セーム革で、彼のおでこを元気よく磨いたあと、仕事を引き受けようと決心しました。

●“The first thing required for the machine,” said he, “is a body big enough to carry the entire party.
 彼は、言いました、「その機械が必要とする最初のものは、全員を運ぶに十分な大きな胴体です。

This sofa is the biggest thing we have, and might be used for a body.
このソファが、私たちのもっている最大のものです、胴体として使えるかもしれません。

But, should the machine ever tip sideways, we would all slide off and fall to the ground.”
しかし、もし、機械が、万一、横に傾ぐようなことがあれば、私たちは、滑って、地面に落ちてしまうでしょう。」

●“Why not use two sofas?” asked Tip.
 「ソファーを二つ使ったら、どうかな?」 ティップが尋ねました。

“There's another one just like this down stairs.”
「もう一つあるよ、これと丁度おなじようなのが、下の階に。」

●“That is a very sensible suggestion,” exclaimed the Tin Woodman.
 「それは、非常に分別のある提案だ。」 ブリキの木こりが叫びました。

“You must fetch the other sofa at once.” 「そのソファーをすぐに取ってきてくれたまえ。」

●So Tip and the Saw-Horse managed, with much labor, to get the second sofa to the roof;
 そこで、ティップとのこぎり馬は、たいそう苦労して、どうにか、二つ目のソファーを屋上まで持ってきました;

and when the two were placed together, edge to edge, the backs and ends formed a protecting rampart all around the seats.
そして、二つを、端と端を合わせて一緒に置くと、背中と両端が、座席の全周の防御壁を形成しました。

●“Excellent!” cried the Scarecrow. “We can ride within this snug nest quite at our ease.”
 「すばらしい!」 かかし男は、叫びました。「このこじんまりした巣の中に、居心地よく、乗っていけるぞ。」

●The two sofas were now bound firmly together with ropes and clothes-lines, and then Nick Chopper fastened the Gump's head to one end.
 二つのソファは、ロープや洗濯紐で、がっしりととめられました、そして、ニックチョッパーは、一方の端にガンプの頭を付けました。

●“That will show which is the front end of the Thing,” said he, greatly pleased with the idea.
 「これは、『もの』のどちらが、前側かを示すんだ。」彼は、このアイデアに大いに喜んで、言いました。

“And, really, if you examine it critically, the Gump looks very well as a figure-head.
「そして、本当に、じっくり見ると、ガンプは、船首像として、非常に似合っているよ。

These great palm-leaves, for which I have endangered my life seven times, must serve us as wings.”
この大きなヤシの葉っぱは、私の命を7回も危険にさらしたけど、まちがいなく、翼として役にたちます。」

●“Are they strong enough?” asked the boy. 「それらは、十分強いですか?」 少年が尋ねました。

●“They are as strong as anything we can get,” answered the Woodman;
 「それらは、手に入るものの中では、一番強いよ。」 木こりは、答えました:

“and although they are not in proportion to the Thing's body, we are not in a position to be very particular.”
「そして、それらは、『もの』の胴体とは、釣り合ってはいないけど、私たちは、やかましく言える立場にはありません。」

●So he fastened the palm-leaves to the sofas, two on each side.
 そこで、彼は、ヤシの葉っぱをソファーに取り付けました、各サイドに2枚ずつ。

●Said the Woggle-Bug, with considerable admiration:
 ウォグルバグは、すごく感嘆して、言いました:

●“The Thing is now complete, and only needs to be brought to life.”
 「『もの』は、完成しました、あとは、命を吹き込むことが必要なだけです。」

●“Stop a moment!” exclaimed Jack.“Are you not going to use my broom?”
 「ちょっと待って!」ジャックが叫びました。「私のほうきは、使おうとしないのですか?」

●“What for?” asked the Scarecrow. 「何のために?」 かかし男が尋ねました。

●“Why, it can be fastened to the back end for a tail,” answered the Pumpkinhead.
 「おや、それは、後ろ側に固定して、しっぽになるよ。」 カボチャ頭が、答えました。

“Surely you would not call the Thing complete without a tail.”
「確かに、『もの』は、しっぽがないと、完全とはよべませんね。」

●“Hm!” said the Tin Woodman, “I do not see the use of a tail.
 ブリキの木こりは、言いました、「フムフム! 私には、しっぽの役割がわかりません。

We are not trying to copy a beast, or a fish, or a bird.
私たちは、けものや、魚や、鳥をコピーしようとしているのではありません。」

All we ask of the Thing is to carry us through the air.”
『もの』に頼むことは、私たちを空中から運んでくれることだけです。」

●“Perhaps, after the Thing is brought to life, it can use a tail to steer with,” suggested the Scarecrow.
 「多分、『もの』に命が吹き込まれたら、舵をとるたろに、しっぽを使うことができるよ。」かかし男が示唆しました。

“For if it flies through the air it will not be unlike a bird, and I've noticed that all birds have tails, which they use for a rudder while flying.”
「もし、それが空中を飛ぶなら、鳥に似ていなくはないでしょう。私はも気づいています、すべての鳥はしっぽがあるんです。鳥は、しっぽを舵のように使うんです。」

●“Very well,” answered Nick, “the broom shall be used for a tail,”
 ニックは答えました、「なるほど、ほうきは、しっぽとして使いましょう。」

and he fastened it firmly to the back end of the sofa body.
そして、彼は、ほうきを、ソファーの胴体の後ろ側にしっかり取り付けました。

●Tip took the pepper-box from his pocket. ティップは、ポケットから、胡椒箱を取り出しました。

●“The Thing looks very big,” said he, anxiously;
「『もの』は。とてもでっかく見える。」 彼は、心配そうに言いました。

“and I am not sure there is enough powder left to bring all of it to life.
「わからない|十分な粉が残っているかどうか|それ全体に命を吹き込むに|。

But I'll make it go as far as possible.” でも、できるだけ、やってみよう。」

●“Put most on the wings,” said Nick Chopper; “for they must be made as strong as possible.”
 「羽根に一番沢山かけてね。」 ニックチョッパが言いました、「羽根は、できうる限り、強くしなきゃいけないからね。」

●“And don't forget the head!” exclaimed the Woggle-Bug.
 「頭を忘れないでね。」 ウォグルバグが、叫びました。

●“Or the tail!” added Jack Pumpkinhead. 「そして、しっぽも。」カボチャ頭のジャックが、付け加えました。

●“Do be quiet,” said Tip, nervously; 「静かにして。」 ティップが、神経質そうに、言いました。

“you must give me a chance to work the magic charm in the proper manner.”
「僕が、魔術の呪文を正しいやり方で働くことができるように機会を与えてくれなきゃだめだよ。」

●Very carefully he began sprinkling the Thing with the precious powder.
 非常に注意深く、彼は、そのものに、貴重な粉をふりかけ始めました。

Each of the four wings was first lightly covered with a layer; then the sofas were sprinkled, and the broom given a slight coating.
4つの翼のそれぞれを、まず、軽く、一層覆いました;次に、ソファーに振りかけました、そして、ほうきにも、軽く、コーティングしました。

●“The head! The head! Don't, I beg of you, forget the head!” cried the Woggle-Bug, excitedly.
 「頭、頭、お願い、頭を忘れないでぬ」 ウォグルバグが、興奮して叫びました。

●“There's only a little of the powder left,” announced Tip, looking within the box.
 「粉が、少ししか残っていない。」 ティップが、箱の中を見ながら言いました。

“And it seems to me it is more important to bring the legs of the sofas to life than the head.”
「頭よりも、ソファーの脚に、命を与えるほうが、もっと大切に思うんだけど。」

●“Not so,” decided the Scarecrow.  「そうではありません。」かかし男が、判決を下しました。

“Every thing must have a head to direct it;  「すべてのものは、指図する頭をもたないといけません;

and since this creature is to fly, and not walk, it is really unimportant whether its legs are alive or not.”
そして、この創造物は、飛ぶべきもので、歩くものではないので、脚が生きていようが、いまいが、本当に、重要ではありません。

●So Tip abided by this decision and sprinkled the Gump's head with the remainder of the powder.
 そこで、ティップは、この決定に従って、ガンプの頭に、粉の残りをふりかけました。

●“Now,” said he, “keep silence while I work the charm!”
 ティップは、言いました、「では、静かにしてください、私がまじないを働く間!」

●Having heard old Mombi pronounce the magic words, and having also succeeded in bringing the Saw-Horse to life, Tip did not hesitate an instant in speaking the three cabalistic words, each accompanied by the peculiar gesture of the hands.
 モンビ婆さんが、魔法の言葉を話すのを聞き、のこぎり馬に命を与えるのに成功しているので、ティップは、一瞬たりとも躊躇せずに、3つのカバラの言葉を言い、それぞれの後に、手で奇妙なしぐさを行いました。

説明 cabala とは、聖書の神秘的解釈に基づいて中世のユダヤ学者たちによって唱えられた一種の神秘説です。

●It was a grave and impressive ceremony. それは、厳粛で、印象的な儀式でした。

●As he finished the incantation the Thing shuddered throughout its huge bulk, the Gump gave the screeching cry that is familiar to those animals, and then the four wings began flopping furiously.
 彼が、まじないを終えると、そのものは、その大きな巨体中を震わせ、ガンプは、この種の動物に聞きなれた甲高い鳴き声をあげ、4つの羽根が激しくバタバタ動き始めました。

●Tip managed to grasp a chimney, else he would have been blown off the roof by the terrible breeze raised by the wings.
 ティップは、なんとか煙突をつかみました、さもなくば、彼は、羽根が起こしたひどい風によって、屋上から吹き飛ばされていたでしょう。

The Scarecrow, being light in weight, was caught up bodily and borne through the air until Tip luckily seized him by one leg and held him fast.
かかし男は、体重が軽いので、体ごと持ち上げられ、空中を運ばれましたが、ティップが、幸運にも、彼の片脚をとり、しっかりつかまえてくれました。

The Woggle-Bug lay flat upon the roof and so escaped harm,
ウォグルバグは、屋上に臥せたので、危害をまぬかれました、

and the Tin Woodman, whose weight of tin anchored him firmly, threw both arms around Jack Pumpkinhead and managed to save him.
ブリキの木こりは、ブリキの重さが、彼をしっかり固定したので、両手を、カベチャ頭のジャックの周りに伸ばし、なんとか、彼を救いました。

The Saw-Horse toppled over upon his back and lay with his legs waving helplessly above him.
のこぎり馬は、仰向けにひっくり返って、どうしようもなく、脚をゆさぶりました。

●And now, while all were struggling to recover themselves, the Thing rose slowly from the roof and mounted into the air.

 そして今、皆が、もとに戻そうともがいているときに、そのものは、屋上からゆっくりと上がり、空中に上昇ししてゆきました。

●“Here! Come back!” cried Tip, in a frightened voice, as he clung to the chimney with one hand and the Scarecrow with the other.
 「ほら、もどってこい!」 ティップが、おびえた声で叫びました、片手で煙突に、もう一方の手で、かかし男にしがみつきながら。

“Come back at once, I command you!” 「すぐに戻ってこい。命令だ。」

●It was now that the wisdom of the Scarecrow, in bringing the head of the Thing to life instead of the legs, was proved beyond a doubt.
今や、かかし男の知恵、そのものの脚ではなく、頭に命を与えるという智恵、が、疑いもなく、証明されました。

For the Gump, already high in the air, turned its head at Tip's command and gradually circled around until it could view the roof of the palace.
ガンプは、すでに空中高くにいましたが、ティップの命令に頭を向けて、宮殿の屋上が見えるまで、ゆっくり周回しました。

●“Come back!” shouted the boy, again. 「戻ってこい!」 少年は、再び、さけびました。

●And the Gump obeyed, slowly and gracefully waving its four wings in the air until the Thing had settled once more upon the roof and become still.
 ガンプは、言うことを聞いて、ゆっくりかつ優雅に、4枚の羽根を空中でゆさぶり、「もの」は、もう一度、屋上にとまり、動きをとめました。

 

18. In the Jackdaw's Nest   ジャックドーの巣の中で

●“This,” said the Gump, in a squeaky voice not at all proportioned to the size of its great body, “is the most novel experience I ever heard of.
 ガンプは、その大きな体のサイズには全くつりあわないキーキー
声で言いました、「これは、私がこれまでに聞いた最も珍奇な経験だ。

The last thing I remember distinctly is walking through the forest and hearing a loud noise.
私が、はっきり覚えている最後の事は、森の中を歩いていて、大きな音を聞いたことだ。

Something probably killed me then, and it certainly ought to have been the end of me.
何かがそのとき私を殺したんだ、そして、確かに、私の最後だったはずだ。

Yet here I am, alive again, with four monstrous wings and a body which I venture to say would make any respectable animal or fowl weep with shame to own.
それだのに、ここに私はいて、再び生きている、4つの巨大な羽根と胴体を持って。その胴体は、あえて言うが、どんなまともな動物も鳥も、持つのを恥じて、泣いてしまうようなものだ。

What does it all mean? Am I a Gump, or am I a juggernaut?”
いったい、どういうことだ。私は、ガンプか? それとも、ジャガノートなのか?

説明 Juggernaut は、インド神話で、クリシュナの称号で、世界の支配者の意。戦争などの大規模で破壊力のあるものを指したり、

    盲目的な献身を強いる主義や迷信を指したり、大型トラックを指したり、巨人を指したりします。

The creature, as it spoke, wiggled its chin whiskers in a very comical manner.
その創造物は、話すにつれ、そのあご髭を、非常に滑稽な様子で、ピクピク動かしました。

●“You're just a Thing,” answered Tip, “with a Gump's head on it.
 ティップは、答えました、「お前は、ガンプの頭を身につけた『もの』なんだよ。

And we have made you and brought you to life so that you may carry us through the air wherever we wish to go.”
私たちは、、お前を作り、命を与えたんだ、お前が、運んでくれるために|私たちを、空中を飛んで、どこでも私たちの行きたいところに|。」

●“Very good!” said the Thing.  「なるほど!」 『もの』が言いました。

“As I am not a Gump, I cannot have a Gump's pride or independent spirit.
「私は、ガンプではないので、ガンプのプライドも、独立精神も、持つことはできないんだ。

So I may as well become your servant as anything else.
それなら、お前の召使にでも、なんにでも、なってやろうじゃないか。

説明 may as well do は、した方がいい という状況判断や、してもいい という容認や、してもいいだろう という控えめな意志を表すときに使います。

    may as well do A as do B は、Bと同様にAをしてもいい、という意味にも、BするくらいならAした方がいい という意味にもなります。

My only satisfaction is that I do not seem to have a very strong constitution, and am not likely to live long in a state of slavery.”
私の唯一の気休めは、私の体格は、あまり強そうにみえないので、奴隷の状態で長く生きることはありそうでないということだ。

●“Don't say that, I beg of you!” cried the Tin Woodman, whose excellent heart was strongly affected by this sad speech.
 「そんなこと言わないで、お願いだから!」 ブリキの木こりが泣きました、彼の素晴らしい心は、この悲ししい物言いに強く動かされたのです。

“Are you not feeling well today?” 「今日は、ご気分が良くないのですか?」

●“Oh, as for that,” returned the Gump, “it is my first day of existence;
 ガンプは、返事しました、「ああ、それについては、今日は、私の存在の最初の日です;

so I cannot judge whether I am feeling well or ill.”
だから、私は、気分がいいのか、悪いのか、判断できません。」

And it waved its broom tail to and fro in a pensive manner.
それは、ほうきの尻尾を、揺らしました|行ったり来たり、物思いにふけって|。

●“Come, come!” said the Scarecrow, kindly; “do try to be more cheerful and take life as you find it.
 「ねえ、ねえ!」 かかし男は、やさしく言いました;「もっと楽しくいこうよ、人生をあるがままにうけとめて。

We shall be kind masters, and will strive to render your existence as pleasant as possible.
私たちは、やさしい主人になるよ、お前の存在ができるだけ楽しくなるように努めるよ。

Are you willing to carry us through the air wherever we wish to go?”
よろこんで、運んでくれるかい|私たちを、空中を飛んで、どこでも、私たちの行きたいところに|?」

●“Certainly,” answered the Gump. “I greatly prefer to navigate the air.
 「かしこまりました。」ガンプは、答えました。「私は、本当に、空を飛ぶほうがいい。

 For should I travel on the earth and meet with one of my own species, my embarrassment would be something awful!”
 もし、地上を歩いていて、私と同じ種族のやつに出会ったとしたら、私の狼狽は、ひどいものだろうよ!」

●“I can appreciate that,” said the Tin Woodman, sympathetically.
 「お察しします。」 ブリキのきこりは、同情して、言いました。

●“And yet,” continued the Thing, “when I carefully look you over, my masters, none of you seems to be constructed much more artistically than I am.”
 「それでも、」『もの』は、続けました、「あなたたちを、注意深くみますとね、ご主人様、どなたも、私より、芸術的に作られたのは、いらっしゃらないようです。」

●“Appearances are deceitful,” said the Woggle-Bug, earnestly.
 「みかけは、うそをつきます。」 ウォグルバグは、まじめに、言いました。

“I am both Highly Magnified and Thoroughly Educated.”
「私は、高度に拡大されており、かつ、完璧に教育を受けているんですぞ。」

●“Indeed!” murmured the Gump, indifferently. 「なるほど!」 ガンプは、興味なさそうに、つぶやきました。

●“And my brains are considered remarkably rare specimens,” added the Scarecrow, proudly.
 「私の脳みそは、非常に希な見本だと考えられているんですよ。」 かかし男が、誇らしげに、加えました。

●“How strange!” remarked the Gump. 「なんと奇妙な!」 ガンプは、言いました。

●“Although I am of tin,” said the Woodman, “I own a heart altogether the warmest and most admirable in the whole world.”
 木こりも言いました、「私は、ブリキでできているけど、私は、持っています|心を|まるで、最も暖かく、最も称賛されるべき|全世界で|。」

●“I'm delighted to hear it,” replied the Gump, with a slight cough.
 「私は、嬉しいよ、それを聞いて。」ガンプは、答えました、軽い咳をして。

●“My smile,” said Jack Pumpkinhead, “is worthy your best attention.
 カボチャ頭のジャックも、言いました、「私の笑い顔は、あなたの注目に最も値するよ。

It is always the same.”  それは、いつも同じなんだ。」

●“Semper idem,” explained the Woggle-Bug, pompously;
 「常に変わらず というやつですな。」ウォグルバグが、尊大ぶって、説明しました。

説明 semper は、常に、idem は、同上 という意味のラテン語です。

and the Gump turned to stare at him. ガンプは、彼の方を向いて、まじまじと見つめました。

●“And I,” declared the Saw-Horse, filling in an awkward pause, “am only remarkable because I can't help it.”
 のこぎり馬も、気まずい一瞬の沈黙を埋めるように、言いました、「そして、俺は、どうしようもないという意味で、注目に値するのさ。」

●“I am proud, indeed, to meet with such exceptional masters,” said the Gump, in a careless tone.
 「私は、実に、誇らしいです|このように並外れたご主人様にお会いできて|。」 ガンプは、言いました、ぞんざいな口調で。

“If I could but secure so complete an introduction to myself, I would be more than satisfied.”
「もし、私も、このように完璧な自己紹介ができるようになれば、私は、この上なく、満足ですよ。」

●“That will come in time,” remarked the Scarecrow.  「いつかそうなりますよ。」 かかし男が言いました。

“To ‘Know Thyself' is considered quite an accomplishment, which it has taken us, who are your elders, months to perfect.
 「『己を知ること』は、大いなる偉業と考えられている、その偉業は、お前の先輩である私たちですら、達成するのに何か月もかかったんだ。

But now,” he added, turning to the others, “let us get aboard and start upon our journey.”
でも、今は、」 彼は、皆に向かって言いました、「みんな、乗って、旅に出発しようよ。」

●“Where shall we go?” asked Tip, as he clambered to a seat on the sofas and assisted the Pumpkinhead to follow him.
 「どこへ行こうか?」 ティップが尋ねました、ソファーの座席によじ登り、カボチャ頭がついてくるのを手伝いながら。

●“In the South Country rules a very delightful Queen called Glinda the Good, who I am sure will gladly receive us,” said the Scarecrow, getting into the Thing clumsily.
 「南の国に、良い魔女グリンダと呼ばれている非常に楽しい女王が治めているんだ、彼女は、きっと、私たちを迎えてくれるよ。」 かかし男が言いました、『もの』に不器用に乗り込みながら。

“Let us go to her and ask her advice.” 「彼女のところに行って、助言をもらおうよ。」

●“That is cleverly thought of,” declared Nick Chopper, giving the Woggle-Bug a boost and then toppling the Saw-Horse into the rear end of the cushioned seats.
 「それは、賢明に考えられていますね。」 ニックチョッパーは、言いました、ウォグルバグを持ち上げ、のこぎり馬を、クッション座席の後ろの端に、倒しながら。

“I know Glinda the Good, and believe she will prove a friend indeed.”
「私は、良い魔女グリンダを知っています、彼女は、友達になってくれると信じます。」

●“Are we all ready?” asked the boy. 「みんな、準備はいいかい?」 少年が尋ねました。

●“Yes,” announced the Tin Woodman, seating himself beside the Scarecrow.
 「はい。」 ブリキの木こりは、言いました、かかし男の隣に座りながら。

●“Then,” said Tip, addressing the Gump, “be kind enough to fly with us to the Southward;
 「それじぁあ、」 ティップは、ガンプに向かって言いました、「悪いけど、僕たちをつれて、南の方に飛んでくれ;

and do not go higher than to escape the houses and trees, for it makes me dizzy to be up so far.”
でも、家や木をよけるよりも高くは飛ばないでね、高くあがると、目まいがするんだ。」

●“All right,” answered the Gump, briefly. 「わかりました。」ガンプは、短く答えました。

●It flopped its four huge wings and rose slowly into the air;
 それは、四枚の大きな羽根を、バタバタと動かして、空中にゆっくり上っていきました;

and then, while our little band of adventurers clung to the backs and sides of the sofas for support, the Gump turned toward the South and soared swiftly and majestically away.
そして、我らが冒険家たちの小さな一行が、ソファーの背や脇に支えをもとめて、しがみついている間に、ガンプは、南の方向に向いて、すばやく、そして、堂々と、上昇し、飛び去りました。

●“The scenic effect, from this altitude, is marvelous,” commented the educated Woggle-Bug, as they rode along.
 「この高さからの、眺め効果は、素晴らしい。」 教育のあるウォグルバグが、コメントしました、みんなと進みながら。

●“Never mind the scenery,” said the Scarecrow.  「景色にかまうな。」かかし男が言いました。

“Hold on tight, or you may get a tumble. The Thing seems to rock badly.”
「しっかり、つかまれ。さもないと、転落するぞ。『もの』は、ひどくゆれるみたいだ。」

●“It will be dark soon,” said Tip, observing that the sun was low on the horizon.
 「すぐ暗くなりそうだね。」 ティップは、言いました、太陽が地平線の上に低くなっているのを観察しながら。

“Perhaps we should have waited until morning. 多分、朝まで待つべきだったんだ。

 I wonder if the Gump can fly in the night.” ガンプは、夜も飛べるのかしら。」

●“I've been wondering that myself,” returned the Gump quietly.
 「私もそれを、疑問に思っていました。」 ガンプが、静かに、答えました。

“You see, this is a new experience to me.  「あのね。これは、私には、新しい経験です。

I used to have legs that carried me swiftly over the ground.
私は、かつて、脚を持っていて、地上をすばやく、私をはこんでくれました。

But now my legs feel as if they were asleep.”
でも、今、私の脚は、眠っているかのように感じます。」

●“They are,” said Tip. “We didn't bring 'em to life.”
 「そうだね、」 ティップは、言いました、「私たちは、それらに、命を与えなかったんです。」

●“You're expected to fly,” explained the Scarecrow. “not to walk.”
 「お前は、飛ぶことがきたいされているんだ、」 かかし男が説明しました、「歩くことじゃないんだ。」

●“We can walk ourselves,” said the Woggle-Bug. 「私たちは、自分で歩けるからね。」 ウォグルバグが言いました。

●“I begin to understand what is required of me,” remarked the Gump;
 「わかり始めましたよ、私に何が要求されているかが。」 ガンプが言いました;

“so I will do my best to please you,” and he flew on for a time in silence.
「お気に召すよう、最善をつくします。」 そして、彼は、しばらく黙って飛びました。

●Presently Jack Pumpkinhead became uneasy. まもなく、ジャックは、不安になりました。

●“I wonder if riding through the air is liable to spoil pumpkins,” he said.
 「空中を飛行していると、カボチャは、だめになりやすいんじゃないかしら。」彼は、言いました。

●“Not unless you carelessly drop your head over the side,” answered the Woggle-Bug.
 「違うよ、不注意で脇からあなたの頭を落としてしまわなけれじね。」 ウォグルバグが答えました。

“In that event your head would no longer be a pumpkin, for it would become a squash.”
「それが起きたら、お前の頭は、もはやカボチャじゃないよ、それは、スカッシュになるんだ。」

説明 squash は、ぐしゃっとつぶれたもの という意味と、カボチャの総称 という二つの意味があり、かけられています。

    パンプキンは、西洋カボチャになります。果実飲料のレモンスカッシュは、前者の意味です。

●“Have I not asked you to restrain these unfeeling jokes?” demanded Tip, looking at the WoggleBug with a severe expression.
 「お願いしませんでしたか|控えて下さいと|こういう思いやりのない冗談は|?」 ティップは、きつく言いました、ウォグルバグを厳しい表情で、みつろながら。

●“You have; and I've restrained a good many of them,” replied the insect.
「確かに;それで、冗談は、たくさん控えてきましたよ。」 昆虫は、返事しました。

“But there are opportunities for so many excellent puns in our language that, to an educated person like myself, the temptation to express them is almost irresistible.”
「でも、我々の言語には、沢山の素晴らしい語呂合わせの機会があるので、私のような、教育を受けた人にとって、それらを表現したいという誘惑は、殆ど、抵抗できないんです。」

●“People with more or less education discovered those puns centuries ago,” said Tip.
 「多かれ少なかれ教育を受けた人は、そんな語呂合わせなら、何世紀も前に、見出しているよ。」 ティップが言いました。

●“Are you sure?” asked the Woggle-Bug, with a startled look.
 「確かですか?」 ウォグルバグは、おどろいた表情で、尋ねました。

●“Of course I am,” answered the boy.  「勿論、確かさ、」 少年は、答えました、

“An educated Woggle-Bug may be a new thing; but a Woggle-Bug education is as old as the hills, judging from the display you make of it.”
「教育を受けたウォグルバグは、新しいかもしれない;でも、ウォグルバグの教養は、非常に古いよ、あなたが、それをひけらかしているところから、判断すると。」

説明 as old as the hills は、非常に古い を意味する熟語です

●The insect seemed much impressed by this remark, and for a time maintained a meek silence.
 昆虫は、この意見にかなり影響を受けたようで、しばらくの間、おとなしい沈黙を続けました。

●The Scarecrow, in shifting his seat, saw upon the cushions the pepper-box which Tip had cast aside, and began to examine it.
 かかし男は、座る位置を変えているとき、クッションの上に、胡椒箱を見つけました、ティップが脇に投げたものです、そして、それを調べ始めました。

●“Throw it overboard,” said the boy; “it's quite empty now, and there's no use keeping it.”
 「船外に放りなさいよ、」 少年は言いました;「それは、完全に空なので。とっておいても無駄だよ。」

●“Is it really empty?” asked the Scarecrow, looking curiously into the box.
 「本当に空かい?」 かかし男は、尋ねました、箱の中を興味深く見ながら。

●“Of course it is,” answered Tip. “I shook out every grain of the powder.
 「勿論、空さ、」 ティップは、答えました、「僕は、粉のすべての粒を、振り出したよ。」

●“Then the box has two bottoms,” announced the Scarecrow, “for the bottom on the inside is fully an inch away from the bottom on the outside.”
 「それで、この箱は、底が二つあるよ。」 かかし男が言いました、「内側の底は、外側の底よりも、1インチ離れているよ。」

●“Let me see,” said the Tin Woodman, taking the box from his friend.
 「見せてくれ。」 ブリキの木こりは、言いました、箱を友から受け取って。

“Yes,” he declared, after looking it over, “the thing certainly has a false bottom.
「ああ、」 彼は言いました、それに目を通したあと、「こいつは、確かに、二重底を持っている。

Now, I wonder what that is for?”  さて、何のためでしょうか?」

●“Can't you get it apart, and find out?” enquired Tip, now quite interested in the mystery.
 「分解して、調べることは、できませんか?」 ティップは、尋ねました、今や、その不思議に興味を抱いて。

●“Why, yes; the lower bottom unscrews,” said the Tin Woodman.
 「おや、そうだ;下の底は、ねじが抜けます。」 ブリキの木こりが、言いました。

“My fingers are rather stiff; please see if you can open it.”
「私の指は、固いんです;あなたに、開けることができるか見てください。」

●He handed the pepper-box to Tip, who had no difficulty in unscrewing the bottom.
 彼は、胡椒箱をティップに渡しました、ティップは、困難なく、底のネジをはずしました。

And in the cavity below were three silver pills, with a carefully folded paper lying underneath them.
下の空洞の中には、銀色の錠剤が、三状り、注意深く折りたたまれた紙が、その下にありました。

●This paper the boy proceeded to unfold, taking care not to spill the pills, and found several lines clearly written in red ink.
 この紙を、少年は、開き始めました、錠剤をこぼさないように注意しながら、そして、赤インクで数行、明確に書かれているのを見つけました。

●“Read it aloud,” said the Scarecrow. so Tip read, as follows:
 「声を出して読んで下さい。」 かかし男が言いました、そこで、ティップは、読みました、以下のように:

●“DR. NIKIDIK'S CELEBRATED WISHING PILLS.
 「ニキディク博士の著名な願い薬。

●“Directions for Use: Swallow one pill; count seventeen by twos;
  用法: 1錠飲み、17まで2つずつ数える;

  then make a Wish. - The Wish will immediately be granted.
  そして、1つ願う - その願いは、すぐにかなえられる。

  CAUTION: Keep in a Dry and Dark Place.”
  注意事項: 乾燥して暗い場所に保管のこと。」

●“Why, this is a very valuable discovery!” cried the Scarecrow.
 「おや、これは、とても貴重な発見だ!」 かかし男がさけびました。

●“It is, indeed,” replied Tip, gravely.  「ほんとうですね。」ティップは、厳かに答えました。

“These pills may be of great use to us.  「この錠剤は、すごく役立つかもしれない。

I wonder if old Mombi knew they were in the bottom of the pepper-box.
モンビ婆さんは、それらが、胡椒箱の底にあることを知っていたかしら。

I remember hearing her say that she got the Powder of Life from this same Nikidik.”
覚えています|彼女が言うのを|この命の粉を同じこのニクディックから手に入れたと|。」

●“He must be a powerful Sorcerer!” exclaimed the Tin Woodman;
 「彼は、力のある魔法使いに違いない!」 プリキの木こりが、叫びました。

“and since the powder proved a success we ought to have confidence in the pills.”
「そして、粉が成功したのだから、私たちは、この錠剤にも信頼すべきです。」

●“But how,” asked the Scarecrow, “can anyone count seventeen by twos?
 「しかし、どうやって、」 かかし男が尋ねました、「17まで、2つずつで、かぞえられるんですか?

Seventeen is an odd number.”  17は、奇数です。」

●“That is true,” replied Tip, greatly disappointed. 「なるほど。」ティップは、おおいに失望して、答えました。

“No one can possibly count seventeen by twos.” 「誰も、多分、17まで、2つずつで数えることはできないんだ。」

●“Then the pills are of no use to us,” wailed the Pumpkinhead;
 「それじぁあ、この錠剤は、僕たちに、何の役にも立たないんだ。」 カボチャ頭は、嘆きました。

“and this fact overwhelms me with grief.  「この事実は、僕を、悲しみで、打ちのめすよ。

For I had intended wishing that my head would never spoil.”
僕は、思ってたんだ|僕の頭が、決して、腐りませんようにと願おうって|。」

●“Nonsense!” said the Scarecrow, sharply.  「ナンセンス!」 かかし男が、きっぱりと言いました。

“If we could use the pills at all we would make far better wishes than that.”
「仮にもこの錠剤を使うことができるのなら、そんなことより、もっと大事なお願いに使いましょうよ。」

●“I do not see how anything could be better,” protested poor Jack.
 「わかりませんね、どうしたら、何かがもっと大事になるんですか。」 可哀そうなジャックは、訴えました。

“If you were liable to spoil at any time you could understand my anxiety.”
「もし、あなたが、いつでも、腐りやすいのだとしたら、あなたは、私の心配がわかりますよ。」

●“For my part,” said the Tin Woodman, “I sympathize with you in every respect.
 「私としては、」 ブリキのきこりは言いました、「すべての点で、あなたに同情します。

But since we cannot count seventeen by twos, sympathy is all you are liable to get.”
でも、17まで、2つずつでは数えられないので、同情こそが、あなたが得やすいものです。」

●By this time it had become quite dark,  この時までに、まったく暗くなっていました、

and the voyagers found above them a cloudy sky, through which the rays of the moon could not penetrate.
冒険者たちは、頭上に、曇り空に気づきました、それを通して、月の光は、差し込むことができませんでした。

●The Gump flew steadily on,  ガンプは、着実に飛び続けていました、

and for some reason the huge sofa-body rocked more and more dizzily every hour.
そして、何かの理由で、大きなソファーの胴体が、時間を追うごとに、もっともっと、目まいをおこさせるように揺れました。

●The Woggle-Bug declared he was sea-sick;  ウォグルバグは、船酔いしたと、言いました。

and Tip was also pale and somewhat distressed.  ティップも、青ざめていて、やや困っていました。

But the others clung to the backs of the sofas and did not seem to mind the motion as long as they were not tipped out.
しかし、他のみんなは、ソファーの背にしがみついて、その動きは気にならないようでした|ひっくり返されないかぎり|。●Darker and darker grew the night, and on and on sped the Gump through the black heavens.
 夜は、より暗くより暗くなりました、ガンプは、真っ暗な空のなかで、疾走をつづけました。

The travelers could not even see one another, and an oppressive silence settled down upon them.
旅行者たちは、お互いを見ることすらできませんでした、重苦しい沈黙が彼らをおおいました。

●After a long time Tip, who had been thinking deeply, spoke.
 しばらくたって、深く考えていたティップが、話しました。

●“How are we to know when we come to the pallace of Glinda the Good?” he asked.
 「どうやって知ることができるんだろう|私たちが、いい魔女グリンダの宮殿に着いた時を|?」 彼は尋ねました。

●“It's a long way to Glinda's palace,” answered the Woodman; “I've traveled it.”
 「グリンダの宮殿までは、かなり遠いよ。」 木こりは答えました、「僕は、行ったことがあるんだ。」

●“But how are we to know how fast the Gump is flying?” persisted the boy.
 「しかし、どうしたら分かるのかい|ガンプがどれくらい速く飛んでいるのか|?」 少年は、言い張りました。

“We cannot see a single thing down on the earth,
「僕たちには、下の地上にある何一つ見ることができないんだよ。

and before morning we may be far beyond the place we want to reach.”
朝までに、私たちの着きたい宮殿をずっと超えているかもしれない。」

●“That is all true enough,” the Scarecrow replied, a little uneasily.
 「それは、十分正しいですな。」 かかし男が答えました、少し心配そうに。

“But I do not see how we can stop just now;  「でも、今、どうやって止まるか、私にはわからない;

for we might alight in a river, or on the top of a steeple; and that would be a great disaster.”
私たちは、川に降りるかもしれないし、教会の尖塔のてっぺんかもしれない; それは、大惨事さ。」

●So they permitted the Gump to fly on, with regular flops of its great wings, and waited patiently for morning.
そこで、彼らは、ガンプが、飛び続けるのを許しました|その大きな羽根をふつうに羽ばたいて|、そして、辛抱強く麻を待ちました。

●Then Tip's fears were proven to be well founded;  そして、ティップの不安が十分根拠があることがわかりました:

for with the first streaks of gray dawn they looked over the sides of the sofas and discovered rolling plains dotted with queer villages,
ほの暗い曙の最初の光で、彼らがもソファーの側越しに見ると、うねる平原に奇妙な村が点在しているのを見つけました。

where the houses, instead of being dome-shaped - as they all are in the Land of Oz - had slanting roofs that rose to a peak in the center.
家は、ドーム型 - オズの国ではみんなそうです - ではなくて、斜めの屋根で、中央がピークになっていました。

Odd looking animals were also moving about upon the open plains,
奇妙な格好の動物が、開かれた平原を動き回っていました。

and the country was unfamiliar to both the Tin Woodman and the Scarecrow, who had formerly visited Glinda the Good's domain and knew it well.
この国は、ブリキの木こりにも、かかし男にも、なじみのない場所でした、彼らは、以前、良い魔女グリンダの国を訪れたことがあり、よく知っていたのです。

●“We are lost!” said the Scarecrow, dolefully.  「道に迷ってしまった!」かかし男が、悲し気に言いました。

“The Gump must have carried us entirely out of the Land of Oz and over the sandy deserts and into the terrible outside world that Dorothy told us about.”
「ガンプは、私たちを運んでしまったにちがいありません|オズの国の完全に外で、砂の砂漠を超えて、ドロシーが言っていた恐ろしい外の世界に|。」

●“We must get back,” exclaimed the Tin Woodman, earnestly.
 「戻らなくちゃいけない。」 デリキの木こりが、真剣に、叫びました。

“we must get back as soon as possible!” 「できるだけ早く、もどらないといけません。」

●“Turn around!” cried Tip to the Gump. “turn as quickly as you can!”
 「向きを変えろ!」 ティップは、ガンプに叫びました。「できるだけすぐに向きを変えろ!」

●“If I do I shall upset,” answered the Gump.
 「もし、そんなことをしたら、私は、転覆してしまうでしょう。」 ガンプが、答えました。

“I'm not at all used to flying, and the best plan would be for me to alight in some place,
「私は、飛ぶことに全く慣れていません、一番良いプランは、どこかに降りることです、

and then I can turn around and take a fresh start.”
そして、向きを変えて、新しく出発することができます。」

●Just then, however, there seemed to be no stopping-place that would answer their purpose.
 しかし、その時、彼らの目的にかなう停留場所が、ありそうにはみえませんでした。

They flew over a village so big that the Woggle-Bug declared it was a city;
彼らは、村の上を飛びました、それは、かなり大きかったので、ウォグルバグは、町だと言いました。

and then they came to a range of high mountains with many deep gorges and steep cliffs showing plainly.
そして、彼らは、高い山々の山脈にやってきました、深い峡谷や、険しい崖がたくさん、はっきり見えています。

●“Now is our chance to stop,” said the boy, finding they were very close to the mountain tops.
 「今か、止まるチャンスだな。」少年は、言いました、彼らが山頂に非常に近づいてきたことがわかったので。

Then he turned to the Gump and commanded: “Stop at the first level place you see!”
彼は、ガンプの方を向いて、明治ました:「最初にみつけた平らなところに止まりなさい!」

●“Very well,” answered the Gump, and settled down upon a table of rock that stood between two cliffs.
 「わかりました。」ガンプは、答えて、二の崖の間にある岩場の台地のうえに、沈下しました。

●But not being experienced in such matters, the Gump did not judge his speed correctly;
 しかし、こういうことに慣れていなかったので、ガンプは、彼の速度を正確には判断していませんでした:

and instead of coming to a stop upon the flat rock he missed it by half the width of his body, breaking off both his right wings against the sharp edge of the rock and then tumbling over and over down the cliff.
そこで、平らな岩場の上で停止するのではなく、彼の体の幅の半分だけミスして、彼の右の羽根2枚を、岩場のするどい端で壊し、崖を転がり転がり落ちたのでした。

●Our friends held on to the sofas as long as they could,
 我らが友は、できるだけ長く、ソファーにしがみつきました、

but when the Gump caught on a projecting rock the Thing stopped suddenly - bottom side up - and all were immediately dumped out.
しか、ガンプが、飛び出ている岩につかまって、『もの』は、急に止まりました - 上下さかさまになって - そして、すべてのものが、即座に、投げ出されました。

●By good fortune they fell only a few feet; 幸運にも、彼らは、二三フィートしか、落ちませんでした。

for underneath them was a monster nest, built by a colony of Jackdaws in a hollow ledge of rock;
彼らの下に、巨大な巣があったからです。巣は、ジャクドーの群れが、へこんだ岩棚に作ったものでした。

説明 jackdaw は、カラスの1種、ニシコクマルカラス(西黒丸鴉)

so none of them - not even the Pumpkinhead - was injured by the fall.
そこで、誰も、カボチャ頭ですら、その落下によって、怪我はしませんでした。

For Jack found his precious head resting on the soft breast of the Scarecrow, which made an excellent cushion;
ジャックは、彼の貴重な頭が、かかし男のやわらかい胸の上に乗っていることに気づきました、それは、素晴らしいクッションをなしていました。

and Tip fell on a mass of leaves and papers, which saved him from injury.
ティップは、葉っぱや紙の塊のうえに落ちました、それは、彼を、怪我から救いました。

The Woggle-Bug had bumped his round head against the Saw-Horse, but without causing him more than a moment's inconvenience.
ウォグルバグは、彼の丸い頭を、のこぎり馬にぶつけてしまいましたが、のこぎり馬には、一瞬の迷惑以上のものは、かけませんでした。

●The Tin Woodman was at first much alarmed; ブリキの木こりは、最初は、たいそう驚きました;

but finding he had escaped without even a scratch upon his beautiful nickle-plate he at once regained his accustomed cheerfulness and turned to address his comrades.
しかし、彼の美しいニッケルメッキには、ひっかき傷ひとつなしにすんだことがわかると、彼はすぐに、いつもの陽気さをとりもどし、仲間たちに向かって言いました。

●“Our journey had ended rather suddenly,” said he;
 「私たちの旅は、かなり突然に終わりました、」 彼は言いました;

“and we cannot justly blame our friend the Gump for our accident, because he did the best he could under the circumstances.
「私たちは、この事故について、我らが友のガンプを正当に責めることはできません、なぜなら、彼は、あの状況の中で、できる最善を尽くしたわけですから。

But how we are ever to escape from this nest I must leave to someone with better brains than I possess.”
しかし、この巣から一体どうして逃げ出すかは、私が持っているよりも良い頭脳をもっているどなたかに、おまかせするしかありません。」

●Here he gazed at the Scarecrow; who crawled to the edge of the nest and looked over.
 ここで、彼はかかし男を見ました;かかし男は巣の端まではっていき、見渡しました。

Below them was a sheer precipice several hundred feet in depth.
彼らの下には、深さ数百フィートの切り立った絶壁がありました。

Above them was a smooth cliff, unbroken save by the point of rock where the wrecked Gump still hung suspended.
彼らの上にはなだらかな崖があります、無傷です|大破したガンプが、引っかかってぶらさがっている尖った岩の傍以外は|。

There really seemed to be no means of escape,
本当に、逃げる手段は、なさそうです、

and as they realized their helpless plight the little band of adventurers gave way to their bewilderment.
そして、自分たちのどうしようもない苦境を理解するにつれ、冒険家たちのこの小さな一団は、当惑に陥りました。

説明 この文章は、何故か、Armada版では、削除されています。

●“This is a worse prison than the palace,” sadly remarked the Woggle-Bug.
 「これは、宮殿よりも悪い監獄だ。」 ウォグルバグき、悲しそうに言いました。

●“I wish we had stayed there,” moaned Jack.
 「あそこに留まっていたならなあ。」 ジャックが、呻きました。

●“I'm afraid the mountain air isn't good for pumpkins.”
 「心配だよ、山の空気が、カボチャには良くないんじゃないかと。」

●“It won't be when the Jackdaws come back,” growled the Saw-Horse, which lay waving its legs in a vain endeavor to get upon its feet again.
 「ジャックドーが帰ってきたら、良くないでしょうね。」 のこぎり馬は、うなりました、彼は、再び立ち上がろうと無駄な努力をして、横になったまま、脚を振っていました。

“Jackdaws are especially fond of pumpkins.”
「ジャックドーは、とくに、カボチャが好きですからね。」

●“Do you think the birds will come here?” asked Jack, much distressed.
 「鳥たちは、ここに来ると思いますか?」 ジャックは、かなり動転して、尋ねました。

●“Of course they will,” said Tip; “for this is their nest.
 「勿論ですとも、」 ティップは、言いました;「ここは、彼らの巣ですから。

And there must be hundreds of them,” he continued,
彼らは、何百匹といるに、違いありません。」 彼は、続けました、

“for see what a lot of things they have brought here!”
「みて下さい、何と沢山のものを、彼らは、ここに、運んできたことでしょう!」

●Indeed, the nest was half filled with a most curious collection of small articles for which the birds could have no use, but which the thieving Jackdaws had stolen during many years from the homes of men.
 実際、巣は、半分埋まっていました|こまごました物のとても興味深い収集物で|。それらは、鳥たちにとっては、役にはたたないけれども、この盗人のジャクドーたちが、人の家から長年かけて、盗んできたものです。

And as the nest was safely hidden where no human being could reach it, this lost property would never be recovered.
 巣は、人の手が届かないところに安全に隠されていたので、失われた財産は、決して、取り戻されないでしょう。

●The Woggle-Bug, searching among the rubbish - for the Jackdaws stole useless things as well as valuable ones - turned up with his foot a beautiful diamond necklace.
 ウォグルバグは、ガラクタの中を捜していましたが - ジャックドーたちは、役に立たないものも、価値のあるものも、同じく、盗みました - 足で、美しいダイヤのネックレスを掘り出しました。

This was so greatly admired by the Tin Woodman that the Woggle-Bug presented it to him with a graceful speech,
それを、ブリキの木こりが、たいそう称賛したので、ウォグルバグは、優雅な一言とともに、それを、彼にプレゼントしました。

after which the Woodman hung it around his neck with much pride, rejoicing exceedingly when the big diamonds glittered in the sun's rays.
その後、木こりは、たいそう自慢して、そのを首の周りにかけ、大きなダイヤが、太陽の光で輝くと、ことのほか悦びました。

●But now they heard a great jabbering and flopping of wings, and as the sound grew nearer to them Tip exclaimed:
 しかし、今、彼らは、大きなガヤガヤ声や、羽根のバサバサ音を聞きました、音が近づいてくると、ティップが叫びました:

●“The Jackdaws are coming! And if they find us here they will surely kill us in their anger.”
 「ジャックドーたちが来る! 私たちを見つけたら、怒って、きっと、私たちを殺すでしょう。」

●“I was afraid of this!” moaned the Pumpkinhead. “My time has come!”
 「これが、怖かった!」 カボチャ頭が、うめきました。 「私の時がきた!」

●“And mine, also!” said the Woggle-Bug; “for Jackdaws are the greatest enemies of my race.”
 「私の時も!」 ウォグルバグも言いました;「ジャクドーは、私たちの種族にとっても、最大の敵です。」

●The others were not at all afraid;  他のみんなは、すこしも、恐れていませんでした;

but the Scarecrow at once decided to save those of the party who were liable to be injured by the angry birds.
しかし、かかし男は、すぐ決心しました|怒った鳥たちに傷つけられそうな仲間を助けようと|。

So he commanded Tip to take off Jack's head and lie down with it in the bottom of the nest,
そこで、彼は、ティップに命じました|ジャックの頭を取って、それを持って巣の底に横たわっているように|。

and when this was done he ordered the Woggle-Bug to lie beside Tip.
これが、なされたあと、彼は、ウォグルバグに、ティップの傍に横になるように命令しました。

Nick Chopper, who knew from past experience just what to do, then took the Scarecrow to pieces - (all except his head)- and scattered the straw over Tip and the Woggle-Bug, completely covering their bodies.
ニック・チョッパーは、過去の経験から何をすべきかわかっていたので、かかし男をばらばらに分解し -(頭以外の全部を)- わらを、ティップと、ウォグルバグの上に、彼らの体を完全に覆うように、ばらまきました。

●Hardly had this been accomplished when the flock of Jackdaws reached them.
 これが完了するや否や、ジャクドーたちの群れが、到着しました。

Perceiving the intruders in their nest the birds flew down upon them with screams of rage.
彼らの巣のなかの侵入者に気づき、鳥たちは、怒りの叫び声をあげて、飛び降りてきました。

 

19. Dr. Nikidik's Famous Wishing Pills    ニキディク博士の名高い願い薬

●The Tin Woodman was usually a peaceful man, but when occasion required he could fight as fiercely as a Roman gladiator.
 ブリキの木こりは、いつもは、平和的な人でした、しかし、時が必要とすれば、ローマの剣闘士のように、猛烈に戦うことができました。

So, when the Jackdaws nearly knocked him down in their rush of wings, and their sharp beaks and claws threatened to damage his brilliant plating, the Woodman picked up his axe and made it whirl swiftly around his head.
そこで、、ジャックドーが、その羽根の猛攻で、殆ど彼を打ち倒しかけたとき、彼らの尖ったくちばしや爪で、彼の輝くニッケルメッキを傷つけるぞと脅したとき、木こりは、斧をとり、頭の周りでグルグル振り回しました。

●But although many were beaten off in this way, the birds were so numerous and so brave that they continued the attack as furiously as before.
 しかし、多くは、この方法でやっつけられたのですが、鳥たちは、数が多く、かつ勇敢だったので、変わりなく猛烈に、攻撃を続けました。

Some of them pecked at the eyes of the Gump, which hung over the nest in a helpless condition;
あるものは、ガンプの目をつつきました、ガンプは、どうしようもない状態で巣の上に、引っかかっていたのです。

but the Gump's eyes were of glass and could not be injured.
しかし、ガンプの目は、ガラスでできていたので、傷つけられることはありませんでした。

Others of the Jackdaws rushed at the Saw-Horse;
他のジャックドーは、のこぎり馬に突進しました;

but that animal, being still upon his back, kicked out so viciously with his wooden legs that he beat off as many assailants as did the Woodman's axe.
しかし、その動物は、まだ、仰向けの状態だったので、たいそう悪意をもって、その木の脚で蹴り飛ばしたので、襲撃者を、木こりの斧とおなじぐらい、追い払いました。

●Finding themselves thus opposed, the birds fell upon the Scarecrow's straw, which lay at the center of the nest, covering Tip and the Woggle-Bug and Jack's pumpkin head, and began tearing it away and flying off with it, only to let it drop, straw by straw into the great gulf beneath.
 このように敵対されるのがわかったので、鳥たちは、かかし男のわらの上を襲撃しました、わらは、巣の中心におかれ、ティップと、ウォグルバグと、ジャックのカボチャ頭を覆い隠していました、そして、鳥たちは、それを引き裂き、それを持って飛び去りました、ただ、わらを一本ずつ、深い溝の板に落とすために。

●The Scarecrow's head, noting with dismay this wanton destruction of his interior, cried to the Tin Woodman to save him; and that good friend responded with renewed energy.
 かかし男の頭は、彼の体の中身がこのように残酷に破壊されるのに気付いて落胆しながら、ブリキの木こりに叫んで、助けを求めました; そして、良き友は、あらたな活力で、それにこたえました。

His axe fairly flashed among the Jackdaws, and fortunately the Gump began wildly waving the two wings remaining on the left side of its body.
彼の斧は、ジャックドーたちの間で、かなりきらめきました、そして、幸いなことに、ガンプが、胴体の左側に残っていた羽根を荒々しく羽ばたかせ始めました。

The flutter of these great wings filled the Jackdaws with terror,
この巨大な羽根の羽ばたきは、ジャックドーたちを恐怖でいっぱいにしました、

and when the Gump by its exertions freed itself from the peg of rock on which it hung, and sank flopping into the nest, the alarm of the birds knew no bounds and they fled screaming over the mountains.
そして、ガンプが、その大奮闘により、解放したとき|自らを、彼が、しっかりつかまっていた岩のくいから|、そして、ドタンと落ちて、巣の中に沈んだとき、鳥たちの恐怖は、上限を知らず、叫びながら、山を越えて逃げてゆきました。

●When the last foe had disappeared, Tip crawled from under the sofas and assisted the WoggleBug to follow him.
 最後の敵が見えなくなったとき、ティップは、ソファーの下から這い出して、ウォグルバグが続いてくるのを助けました。

●“We are saved!” shouted the boy, delightedly. 「助かった!」 少年は、喜んで叫びました。

●“We are, indeed!” responded the Educated Insect, fairly hugging the stiff head of the Gump in his joy.
 「ほんとに、助かった!」教育を受けた昆虫も、答えました、そして、静かに抱きました|ガンプの固い頭を、大喜びで|。

説明 fairly は、公明正大に という意味で、a table fairly set の場合は、きちんとセットされたというような意味ですが、

    古い用法として、gentle で courteous なマナーで という意味でも使われますので、ここでは、静かに という意味としました。

“and we owe it all to the flopping of the Thing, and the good axe of the Woodman!”
「おかげです|すべて、『もの』さんが、ドサっと落ちてきたことと、木こりさんの素敵な斧の|。」

●“If I am saved, get me out of here!” called Jack; whose head was still beneath the sofas;
 「もし助かったのなら、ここから出してくださいよ!」 ジャックが叫びました;彼の頭は、まだ、ソファーの下でした;

and Tip managed to roll the pumpkin out and place it upon its neck again.
ティップは、なんとか、カボチャを転がしだして、首のうえに再び据えました。

He also set the Saw-Horse upright, and said to it:
彼は、また、のこぎり馬を、直立させ、彼に、言いました:

●“We owe you many thanks for the gallant fight you made.”
 「私たちは、あなたに、沢山感謝しているよ、あなたの働いた勇敢な戦いにね。」

●“I really think we have escaped very nicely,” remarked the Tin Woodman, in a tone of pride.
 「本当に思うよ、実にうまく逃げ出したって。」 木こりは、言いました、誇らしげな声色で。

●“Not so!” exclaimed a hollow voice. 「そうじゃないよ。」 うつろな声が叫びました。

●At this they all turned in surprise to look at the Scarecrow's head, which lay at the back of the nest.
 これを聞いて、皆は、驚いて向きをかえ、かかし男の頭を見ました、それは、巣の後ろのほうに置かれていました。

●“I am completely ruined!” declared the Scarecrow, as he noted their astonishment.
 「僕は、完全に台無しだ。」かかし男は、皆が驚いているのをみて、言いました。?“For where is
the straw that stuffs my body?”
「僕の体を詰めていたわらは、どこにあるんだ?」

●The awful question startled them all.
 この恐ろしい質問は、皆を驚かせました。

They gazed around the nest with horror, for not a vestige of straw remained.
彼らは、ゾッとして、巣を見渡しました、というのは、わらの形跡がひとつも残っていなかったからです。

The Jackdaws had stolen it to the last wisp and flung it all into the chasm that yawned for hundreds of feet beneath the nest.
ジャックドーたちは、それを最後の一束まで盗み、投げ捨てました|深い裂け目に|巣の下で何百フィートにもわたって大きく口をあけている|。

●“My poor, poor friend!” said the Tin Woodman, taking up the Scarecrow's head and caressing it tenderly;
 「ああ、可哀そうに、可哀そうに!」 ブリキの木こりが言いました、かかし男の頭をとりあげ、やさしく、なでながら。

“whoever could imagine you would come to this untimely end?”
「誰が、想像し得たでしょうか|あなたが、この時宜を得ない終わりにいたるとは|?」

●“I did it to save my friends,” returned the head;
 「私は、友をまもるために、そうしたんです。」 頭が答えました;

“and I am glad that I perished in so noble and unselfish a manner.”
「私は、嬉しい、こんなに高貴で、無私な風に、死ねるなんて。」

●“But why are you all so despondent?” inquired the Woggle-Bug.
 「しかし、何故、そんなにしょげているんですか?」 ウォグルバグが尋ねました。

“The Scarecrow's clothing is still safe.” 「かかし男さんの服は、まだ、無事なんですよ。」

●“Yes,” answered the Tin Woodman; “but our friend's clothes are useless without stuffing.”
 「ええ、」 ブリキの木こりが答えました;「でも、我が友の衣服は、詰めるものがないと役にたたないんです。」

●“Why not stuff him with money?” asked Tip. 「お金で、詰めたらどうですか?」 ティップが尋ねました。

●“Money!” they all cried, in an amazed chorus. 「お金!」 みんなは、驚いて、一斉に叫びました。

●“To be sure,” said the boy.  「そうですとも。」 少年は言いました。

“In the bottom of the nest are thousands of dollar bills - and two-dollar bills - and five-dollar bills - and tens, and twenties, and fifties.
「巣の底に、何千枚ものドル札があるのさ、2ドル札、5ドル札、10ドル札、20ドル札、50ドル札。

There are enough of them to stuff a dozen Scarecrows.  かかし男、1ダース分、詰めるに十分だよ。

Why not use the money?” どうして、そのお金を使わないの?」

●The Tin Woodman began to turn over the rubbish with the handle of his axe;
 ブリキの木こりは、ゴミをひっくり返し始めました、斧の柄で;

and, sure enough, what they had first thought only worthless papers were found to be all bills of various denominations,
すると、案の定、最初、価値のない紙切れでしかないと思っていたものが、すべて、様々な額面のお札であるとわかりました。

which the mischievous Jackdaws had for years been engaged in stealing from the villages and cities they visited.
これらは、いたずら好きのジャックドーが、長年にわたって、彼らが訪れた村や町から、いそしんで盗んできたものです。

説明 日本語には関係代名詞がないので、things they stole は、彼らが盗んだ物 と訳すのですが、

    things they had been engaged in stealing のように長くなると、彼らが盗みにいそしんできたもの と訳すよりも、

    彼らが、いそしんで盗んできたもの と訳す方が、意味が通りやすいと思います。

●There was an immense fortune lying in that inaccessible nest;
 人の近づくことのできないこの巣には、膨大なお宝が、横たわっていたのです;

and Tip's suggestion was, with the Scarecrow's consent, quickly acted upon.
ティップの提案は、かかし男の賛成を得て、すぐに実行に移されました。

●They selected all the newest and cleanest bills and assorted them into various piles.
 彼らは、最も新しく、きれいなお札を全部選び、いくつかの山に、分別しました。

The Scarecrow's left leg and boot were stuffed with five-dollar bills;
かかし男の左脚と靴は、5ドル札で詰められました;

his right leg was stuffed with tendollar bills,  彼の右脚は、10ドル札で詰められました、

and his body so closely filled with fifties, one-hundreds and one-thousands that he could scarcely button his jacket with comfort.
彼の胴体は、50ドル、100ドル、1000ドル札で、ぎっしりと詰め込まれたので、上着のボタンを簡単にははめることができないほどでした。

●“You are now” said the Woggle-Bug, impressively, when the task had been completed, “the most valuable member of our party;
ウォグルバグは、仕事が完了したとき、印象的に言いました、「あなたは、今や、私たちの仲間の中で。最も高価な一員なのです。;

and as you are among faithful friends there is little danger of your being spent.”
そして、あなたは、誠実な友のなかにいますから、使われる心配は、ありませんよ。」

●“Thank you,” returned the Scarecrow, gratefully.
 「ありがとう、」 かかし男は、感謝して、返事しました。

“I feel like a new man;  私は、新しい人になったように、感じるよ;

and although at first glance I might be mistaken for a Safety Deposit Vault, I beg you to remember that my Brains are still composed of the same old material.
一見、僕は、貸金庫に間違えられそうだけど、頼むから、覚えていてね、僕の脳みそは、昔と同じ材料から成っているんだよ。

And these are the possessions that have always made me a person to be depended upon in an emergency.”
この脳みそが、いつも、緊急時に、私を、頼りになる人にしてくれた所有財産なのです。」

●“Well, the emergency is here,” observed Tip;

 「そう、その緊急時が、いまここにあるんですよ。」ティップが、意見を言いました。

“and unless your brains help us out of it we shall be compelled to pass the remainder of our lives in this nest.”
「そして、あなたの脳みそが、私たちをここから出すことに役立ってくれないと、私たちは、残りの人生を、この巣の中で過ごさざるを得なくなるんですよ。」

●“How about these wishing pills?” enquired the Scarecrow, taking the box from his jacket pocket.
 「この願い薬は、どうですか?」 かかし男が尋ねました、彼の上着のポケットからその箱を取り出しながら。

“Can't we use them to escape?” 「これを使って逃げ出すことは、出来ませんか?」

●“Not unless we can count seventeen by twos,” answered the Tin Woodman.
 「出来ないよ、17まで2つずつ数えることができない限り。」ブリキの木こりが答えました。

“But our friend the Woggle-Bug claims to be highly educated, so he ought easily to figure out how that can be done.”
 「でも、我らが友のウォグルバグは、高度に教育を受けたと言っているんだから、どうやったらそれができるか、簡単に考え出してくれるはずさ。」

●“It isn't a question of education,” returned the Insect;
 「それは、教育の問題では、ありませんよ。」 昆虫が、返事しました。

“it's merely a question of mathematics.  「それは、単に、数学の問題です。

I've seen the professor work lots of sums on the blackboard,
私は、見てきました|教授が沢山の計算問題を、黒板で解いているのを|。

and he claimed anything could be done with x's and y's and a's, and such things, by mixing them up with plenty of plusses and minuses and equals, and so forth.
彼は、主張しました|何でもできると|xや、yや、aや、その他を用いて、それらを、沢山のプラスや、マイナス、やイコールを、混ぜて使う、などなどすることで|。

But he never said anything, so far as I can remember, about counting up to the odd number of seventeen by the even numbers of twos.”
しかし、私の覚えている限り、何も言ったことはありません|奇数である17に、偶数である2によって、数え上げることについては|。」

●“Stop! stop!” cried the Pumpkinhead.  「止めて、止めて!」 カボチャ頭が、叫びました。

“You're making my head ache.” 「あなたは、私の頭をいたくしている。」

●“And mine,” added the Scarecrow.  「僕のもだ。」 かかし男も言いました。

“Your mathematics seem to me very like a bottle of mixed pickles - the more you fish for what you want the less chance you have of getting it.
「あなたの数学は、全く、混合ピクルスの瓶みたいだ - ほしいものを捜そうとすればするほど、それを手にするチャンスは、なくなるのさ。

I am certain that if the thing can be accomplished at all, it is in a very simple manner.”
確信するよ|その問題が、解くことができるものである限り、それは、非常に簡単な方法でだと|。」

●“Yes,” said Tip. “old Mombi couldn't use x's and minuses, for she never went to school.”
 ティップは、言いました、「そうさ、モンビ婆さんは、xも、マイナスも使うことはできないのさ、学校に行ったことがないから。」

●“Why not start counting at a half of one?” asked the Saw-Horse, abruptly.
 「1の半分から、数え始めてはいかがですか?」 のこぎり馬が、急に、尋ねました。

“Then anyone can count up to seventeen by twos very easily.”
「すると、だれでも、17まで2つずつ簡単に数えることができるよ。」

●They looked at each other in surprise, for the Saw-Horse was considered the most stupid of the entire party.
 彼らは、驚いて、お互いを見合いました、というのは、のこぎり馬は、一同全体の中で、最もおバカさんと考えられていたからです。

●“You make me quite ashamed of myself,” said the Scarecrow, bowing low to the Saw-Horse.
 「お前のおかげで、私は、本当に、自分を恥じるよ。」かかし男は、言いました、のこぎり馬に低くお辞儀をしながら。

説明 かかし男は、おバカさんと思っていたのこぎり馬が、もっともらしい答えを行ったことに、驚いて、何も考えようとしなかった

    自分を恥ずかしいと思ったのですが、まだ、その答えが正しいかどうかは、判断していないと思います。

●“Nevertheless, the creature is right,” declared the Woggle-Bug;
 「それにしても、彼は、正しいよ。」ウォグルバグが、断言しましした。

“for twice one-half is one, and if you get to one it is easy to count from one up to seventeen by twos.”
「2分の1の2倍は、1で、1が得られたら、1から17まで2つずつ数えることは、簡単です。」

説明 この論理は、よくわかりません。 1/2から始めて、2倍にして1を作らなくても、

    最初、1から始めれば、2ずつ足していけばいいので、この方が、論理が単純だと思います。

●“I wonder I didn't think of that myself,” said the Pumpkinhead.
 「不思議だ、何故私自身でそれを思いつかなかったんだろう。」 カボチャ頭が言いました。

●“I don't,” returned the Scarecrow.  「不思議じゃないさ。」 かかし男が返事しました。

“You're no wiser than the rest of us, are you?  
「お前は、ほかのみんなよりも賢いわけじゃない、そうだろう?

But let us make a wish at once. Who will swallow the first pill?”
でも、すぐに、願いをしようじゃないか。 誰が、最初に薬を飲みますか?」

●“Suppose you do it,” suggested Tip. 
 「あなたが、してみてはどうでしょう。」 ティップが、勧めました。

説明 suppose は、命令形で、Suppose A. B. のように、仮にAだとしたら、Bだ。と、条件節の役割を果たしますが、

    Suppose A. のみの場合は、Aしてみようではないか、してはもらえませんか。 の意味にも、なります。

●“I can't,” said the Scarecrow. 「できません。」かかし男が、答えました。

●“Why not? You've a mouth, haven't you?” asked the boy.
 「何故、駄目なの? あなたには、口がある、よね。」 少年が、尋ねました。

●“Yes; but my mouth is painted on, and there's no swallow connected with it,' answered the Scarecrow.
 「はい、でも、私の口は、描かれていて、それに繋がった飲み込みが無いんです。」 かかし男が答えました。

“In fact,” he continued, looking from one to another critically,
「実際、」 彼は、続けました、一人一人じろじろと見ながら、

“I believe the boy and the Woggle-Bug are the only ones in our party that are able to swallow.”
「少年とウォグルバグが、我々一行のなかで、飲み込むことができる唯一の人達だよ。」

●Observing the truth of this remark, Tip said:
 この発言の真実に気が付いて、ティップは、言いました:

●“Then I will undertake to make the first wish. Give me one of the Silver Pills.”
 「じゃあ、僕が最初の願いをするのを引き受けるよ。銀色の錠剤の一つをください。」

●This the Scarecrow tried to do;  これを、かかし男は、やろうとしました:

but his padded gloves were too clumsy to clutch so small an object,
しかし、彼の詰まった手袋は、余りにぎこちなくて、そんなに小さなものを掴むことができませんでした、

and he held the box toward the boy while Tip selected one of the pills and swallowed it.
そこで、彼は、箱を少年に向かって持ち、ティップは、錠剤を一つ選んで、飲みました。

●“Count!” cried the Scarecrow.  「数えて!」 かかし男が叫びました。

●“One-half, one, three, five, seven, nine, eleven, thirteen, fifteen, seventeen!” counted Tip.
 「2分の1、1、3、5、7、9、11、13、15、17!」 ティップは数えました。

●“Now wish!” said the Tin Woodman anxiously.
 「今、願って!」 ブリキの木こりは、固唾をのんで言いました。

●But Just then the boy began to suffer such fearful pains that he became alarmed.
 しかし丁度その時、少年は、とても恐ろしい痛みを感じたので、びっくりしてしまいました。

●“The pill has poisoned me!” he gasped;  「薬は、僕を毒殺する!」 彼は、あえぎました;

“O-h! O-o-o-o-o! Ouch! Murder! Fire! O-o-h!” 「あー、うー、人殺し、火事だ、おー」

and here he rolled upon the bottom of the nest in such contortions that he frightened them all.
そしてここで、彼は巣の底のうえで転がりまわるのですが、あまりに体をよじるので、皆を恐れさせました。

●“What can we do for you. Speak, I beg!” entreated the Tin Woodman, tears of sympathy running down his nickel cheeks.
 「どうしましょうか、言ってください、お願い!」 ブリキの木こりは、懇願しました、同情の涙が、彼のニッケルのほほを流れ落ちます。

●“I - I don't know!” answered Tip. “O - h! I wish I'd never swallowed that pill!”
 「わ、わかんない!」ティップは、答えました。「おー、錠剤を、飲まなきゃよかったのに!」

●Then at once the pain stopped, and the boy rose to his feet again and found the Scarecrow looking with amazement at the end of the pepper-box.
 すると突然、痛みが止まりました、少年は、再び立ち上がり、かかし男が、驚いて、胡椒箱の隅を見ているのを見つけました。

●“What's happened?” asked the boy, a little ashamed of his recent exhibition.
 「何が起きたの?」 少年は、尋ねました、先ほどのさらけ出しを少し恥じながら。

●“Why, the three pills are in the box again!” said the Scarecrow.
 「おや、また、三個の錠剤が。」 かかし男が、言いました。

●“Of course they are,” the Woggle-Bug declared.
 「もちろん、そうさ。」 ウォグルバグが断言しました。

“Didn't Tip wish that he'd never swallowed one of them?
「ティップは、その一つを、飲まなきゃよかったと願いませんでしたか?

Well, the wish came true, and he didn't swallow one of them.
願いが、かなったんです。そして、彼は、その一つを飲まなかったのです。

So of course they are all three in the box.”
だから、勿論、3つとも、箱にあるんです。」

●“That may be; but the pill gave me a dreadful pain, just the same,” said the boy.
 「そうかもね; でも、薬は、ひどい痛みを与えたんだ、それでもやはり。」

●“Impossible!” declared the Woggle-Bug.  「不可能です!」 ウォグルバグが、断言しました。

“If you have never swallowed it, the pill can not have given you a pain.
「もし、あなたが、それを飲んだことがないのであれば、錠剤は、あなたに痛みを与えることは、できないのです。

And as your wish, being granted, proves you did not swallow the pill, it is also plain that you suffered no pain.”
そして、あなたの願いが、かなえられて、あなたが、錠剤をのまなかったことになれば、あなたは、どんな痛みも感じなかったことは明白です。

●“Then it was a splendid imitation of a pain,” retorted Tip, angrily.
 「じゃあ、それは、痛みの素晴らしくよくできた偽物だったんだ。」 ティップは、怒って、言い返しました。

“Suppose you try the next pill yourself. We've wasted one wish already.”
あなたが、次の錠剤を試してもらえませんか。私たちは、すでに、願いを一つ、無駄にしちゃいました。」

●“Oh, no, we haven't!” protested the Scarecrow.
 「いえいえ、無駄になんか、してません。」 かかし男が、訴えました。

“Here are still three pills in the box, and each pill is good for a wish.”
「ここに、まだ、3錠、箱の中にあります、錠剤一つが、願い一つに有効です。」

●“Now you're making my head ache,” said Tip.  「お前は、私の頭を、痛くさせる。」 ティップは、言いました。

“I can't understand the thing at all.  「全然、事態が、理解できないよ。

But I won't take another pill, I promise you!” and with this remark he retired sulkily to the back of the nest.
でも、もう一錠は、飲まないよ、絶対だよ!」 こう言って、彼は、ふてくされて、巣の裏に、引っ込みました。

●“Well,” said the Woggle-Bug,  「それでは、」ウォグルバグが言いました、

“it remains for me to save us in my most Highly Magnified and Thoroughly Educated manner;
「私が、私たちを救うしかありませんな|最も高度に拡大され、完璧に教育を受けたやり方で|;

for I seem to be the only one able and willing to make a wish.
というのは、私は、願いをすることができ、しかも、よろこんでできる唯一の者ですからね。

Let me have one of the pills.” 錠剤を一つください。」

●He swallowed it without hesitation,  彼は、それを躊躇なく、飲み込みました、

and they all stood admiring his courage while the Insect counted seventeen by twos in the same way that Tip had done.
皆は、立って、彼の結城を称え、昆虫は、2つずつ17まで、数えました、ティップがやったのと同じ様に。

And for some reason - perhaps because Woggle-Bugs have stronger stomachs than boys - the silver pellet caused it no pain whatever.
どういう訳か - 多分、ウォグルバグは、少年よりも胃が強かったので - 銀色の丸薬は、彼に何も痛みを引き起こしませんでした。

●“I wish the Gump's broken wings mended, and as good as new!” said the Woggle-Bug, in a slow, impressive voice.
 「私は、願う、ガンプの壊れた羽根が、修理され、新品同様になることを!」ウォグルバグは、言いました、ゆっくりと、印象的な声で。

●All turned to look at the Thing,  みんなは、『もの』の方を見ました。

and so quickly had the wish been granted that the Gump lay before them in perfect repair,
非常にすぐに、願いがかなえられたので、ガンプは、彼らの前に、完全に修理された状態で、いました。

and as well able to fly through the air as when it had first been brought to life on the roof of the palace.
それも、宮殿の屋上で最初に命を与えられたときと同じように、空を飛ぶことができる状態で。

 

20. The Scarecrow Appeals to Glenda the Good   かかし男が、いい魔女グリンダに訴える

●“Hooray!” shouted the Scarecrow, gaily.  「万歳!」 かかし男は、楽し気に、叫びました。

“We can now leave this miserable Jackdaws' nest whenever we please.”
「私たちは、このひどいジャックドーの巣を去って、どこでも行きたいところに行けるのだ。」

●“But it is nearly dark,” said the Tin Woodman;  「しかし、もう殆ど真っ暗だ、」ブリキの木こりが言いました、

“and unless we wait until morning to make our flight we may get into more trouble.
「朝まで待って、飛行を始めないと、もっと困難に陥るかもしれません。

I don't like these night trips, for one never knows what will happen.”
あの夜の旅は、好きではありません、何が起きるかさっぱりわかりませんからね。」

●So it was decided to wait until daylight,  そこで、夜明けまで、待つことに決定されました、

and the adventurers amused themselves in the twilight by searching the Jackdaws' nest for treasures.
冒険家たちは、薄明りのなか、ジャックドーの巣の中で宝さがしをして、楽しみました。

●The Woggle-Bug found two handsome bracelets of wrought gold, which fitted his slender arms very well.
 ウォグルバグは、 二つのすてきな錬金の腕輪を見つけました、それは、彼の細い腕に、非常によく合っていました。

The Scarecrow took a fancy for rings, of which there were many in the nest.
かかし男は、指輪が気に入りました、指輪は、巣の中に、たくさんありました。

Before long he had fitted a ring to each finger of his padded gloves,
間もなく、彼は、彼の詰まった手袋の指のそれぞれに、指輪を1個、はめましたが、

and not being content with that display he added one more to each thumb.
その陳列に満足できず、各親指にも、1個ずつ加えました。

As he carefully chose those rings set with sparkling stones, such as rubies, amethysts and sapphires, the Scarecrow's hands now presented a most brilliant appearance.
彼は、注意深く、ルビーや、アメジストや、サファイヤなどの輝く宝石の付いた指輪を選んだので、かか男の手は、最もひかり輝く様相を呈していました。

●“This nest would be a picnic for Queen Jinjur,” said he, musingly.
 「この巣は、ジンジャ女王にとっての遠足だね。」 彼は、物思いにふけって、言いました。

“for as nearly as I can make out she and her girls conquered me merely to rob my city of its emeralds.”
「私の理解できる限りでは、彼女と、女の子たちは、単に、私のシティからエメラルドを奪うためだけに、私を征服したんだからな。」

●The Tin Woodman was content with his diamond necklace and refused to accept any additional decorations;
 ブリキの木こりは、彼のダイヤのネックレスで満足していたので、追加にどんな飾りも、受け取ることを拒みました;

but Tip secured a fine gold watch, which was attached to a heavy fob, and placed it in his pocket with much pride.
ティップは、すてきな金の腕時計を確保しました、それは、重たい鎖に取り付けられていました、彼は、誇らしげに、それをポケットに入れました。

He also pinned several jeweled brooches to Jack Pumpkinhead's red waistcoat, and attached a lorgnette, by means of a fine chain, to the neck of the Saw-Horse.
彼は、また、カボチャ頭のジャックの赤いベストにいくつか宝石の付いたブローチをピン止めしました、また、ローネット(柄付きの眼鏡)を、細い鎖を使って、のこぎり馬の首に取り付けました。

●“It's very pretty,” said the creature, regarding the lorgnette approvingly;
 「とっても美しいですね。」 馬は、言いました、ローネットを満足げに、眺めながら。

“but what is it for?” 「でも、何のためなんですか?」

●None of them could answer that question, however;
 しかし、彼らの誰も、その質問に答えられませんでした;

so the Saw-Horse decided it was some rare decoration and became very fond of it.
そこで、のこぎり馬は、それは、何か珍しい飾りだと思い込み、大層好きになりました。

●That none of the party might be slighted, they ended by placing several large seal rings upon the points of the Gump's antlers, although that odd personage seemed by no means gratified by the attention.
 一行のうち、誰一人としてのけ者にならないように、彼らは、最後に、ガンプの枝角の先に大きな紋章付き指輪をいくつか付けました、この奇妙な人は、かく注目されたことに、少しも感謝していないようでしたが。

●Darkness soon fell upon them, and Tip and the Woggle-Bug went to sleep while the others sat down to wait patiently for the day.
 暗闇が、すぐに、やってきました、ティップとウォグルバグは、眠りに行きました、他の皆は、座って、日が明けるのを、辛抱強く待ちました。

●Next morning they had cause to congratulate themselves upon the useful condition of the Gump;
 翌朝、彼らには、ガンプがすぐに役立つ状態にあったことを祝福する、十分な理由がありました、

for with daylight a great flock of Jackdaws approached to engage in one more battle for the possession of the nest.
というのは、夜明けとともに、ジャックドーの大きな群れが近寄ってきて、巣の獲得のために、一戦交えようとしたのです。

●But our adventurers did not wait for the assault.
 しかし、我らが冒険者たちは、攻撃を待ちませんでした。

They tumbled into the cushioned seats of the sofas as quickly as possible,
彼らは、ソファーのクッションの効いた座席に、できるだむ速く、転がり込みました、

and Tip gave the word to the Gump to start.
そして、ティップは、ガンプに、出発の言葉を発しました。

●At once it rose into the air, the great wings flopping strongly and with regular motions,
 すぐさま、ガンプは、空中に上がり、その大きな羽根は、力強く、一定の動きで、羽ばたきました、

and in a few moments they were so far from the nest that the chattering Jackdaws took possession without any attempt at pursuit.
そして、少しの間に、彼らは、巣からずっと遠ざかったので、ざわめくジャックドーたちは、占拠しました|追跡しようとは、すこしも試みずに|。

●The Thing flew due North, going in the same direction from whence it had come.
 『もの』は、真っすぐ北に飛びました、やってきたと同じ方向に進みました。

At least, that was the Scarecrow's opinion, and the others agreed that the Scarecrow was the best judge of direction.
少なくとも、それは、かかし男の意見でした。他の仲間は、かかし男が、方角のベストの判断者だと同意しました。

After passing over several cities and villages the Gump carried them high above a broad plain where houses became more and more scattered until they disappeared altogether.
幾つかの町や村を通過した後、ガンプは、彼らを広い平野のうえ高く、運びましたが、家は、だんだんまばらになってゆき、最後に、全くなくなりました。

Next came the wide, sandy desert separating the rest of the world from the Land of Oz,
次に、広い砂漠がやってきました、それは、オズの国を、外界から、分離しているのです。

and before noon they saw the dome-shaped houses that proved they were once more within the borders of their native land.
そして、正午前に、ドーム型の家が見えてきました、これは、彼らが、今一度、彼らの母国の境界内に来たことを証明しました。

●“But the houses and fences are blue,” said the Tin Woodman,
 「しかし、家や塀は、青色だ。」 ブリキの木こりは言いました。

“and that indicates we are in the land of the Munchkins, and therefore a long distance from Glinda the Good.”
「それは、私たちが、マンチキンの国にいることを示している、だから、良い魔女グリンダの国からは、遠く離れている。」

●“What shall we do?” asked the boy, turning to their guide.
 「どうしたらいいの?」 少年は、尋ねました、道案内の方を向いて。

●“I don't know” replied the Scarecrow, frankly.  「わかりません。」 かかし男は、正直に答えました。

“If we were at the Emerald City we could then move directly southward, and so reach our destination.
「もし、エメラルドシティに着けば、直接南の方向に向かうことができて、目的地に到着できるんだけどね。

But we dare not go to the Emerald City, and the Gump is probably carrying us further in the wrong direction with every flop of its wings.”
でも、私たちは、あえて、エメラルド・シティには、行きません、それに、ガンプは、多分、羽根を一振りするたびに、さらに、間違った方向に、私たちを運んでいるんです。

●“Then the Woggle-Bug must swallow another pill,” said Tip, decidedly, “and wish us headed in the right direction.”
 「すると、ウォグルバグが、もう一錠飲まないといけませんね、」ティップが、きっぱりと言いました、「そして、私たちが、正しい方向に向かうように願ってもらわないといけませんね。」

●“Very well,” returned the Highly Magnified one; “I'm willing.”
 「いいですよ、」ウォグルバグは、返事しました;「喜んでやりましょう。」

●But when the Scarecrow searched in his pocket for the pepper-box containing the two silver Wishing Pills, it was not to be found.
 しかし、かかし男が、ポケットに、二つの銀色の願い薬を入れている胡椒箱を捜したところ、みつかりませんでした。

Filled with anxiety, the voyagers hunted throughout every inch of the Thing for the precious box;
心配に満ち満ちて、冒険者たちは、『もの』のあらゆる場所中を、貴重な箱をもとめて探しました。

but it had disappeared entirely. しかし、それは、完全に消えてしまいました。

●And still the Gump flew onward, carrying them they knew not where.
 なおも、ガンプは、飛び続けました、どこかわからないところに、彼らを運んでいきます。

●“I must have left the pepper-box in the Jackdaws' nest,” said the Scarecrow, at length.
  「私は、胡椒箱を、ジャックドーの巣に置いてきたに違いありません。」 最後に、かかし男は、言いました。

●“It is a great misfortune,” the Tin Woodman declared.
 「それは、大変な不幸ですね。」 ブリキの木こりが、断言しました。

“But we are no worse off than before we discovered the Wishing Pills.”
 「でも、私たちは、願い薬をみつける前より、悪くなってはいませんよ。」

●“We are better off,” replied Tip.  「私たちは、よくなっていますよ、」 ティップが、答えました、

“for the one pill we used has enabled us to escape from that horrible nest.”
「というのは、私たちが使った1錠は、あの忌まわしい巣から、逃げ出すことを可能にしてくれたんですから。」

●“Yet the loss of the other two is serious, and I deserve a good scolding for my carelessness,” the Scarecrow rejoined, penitently.
 「でも、残りの二つを失ったことは、重大です、私は、私の不注意に対し十分叱責に値します。」 かかし男は、後悔しながら返事しました。

“For in such an unusual party as this accidents are liable to happen any moment, and even now we may be approaching a new danger.”
「私たちのようなとても異常な一行においては、事件は、いつ何時にも起こりやすいものです、今でも、私たちは、新しい危険に近づいているのかも知れないんです。」

●No one dared contradict this, and a dismal silence ensued.
 誰も、これに反論しようとしませんでした、そして、陰鬱な沈黙が、続きました。

●The Gump flew steadily on. ガンプは、着実に飛び続けました。

●Suddenly Tip uttered an exclamation of surprise.   突然、ティップが、驚きの叫び声をあげました。

“We must have reached the South Country,” he cried, “for below us everything is red!”
「私たちは、南の国に到着したに違いない、」 彼は、叫びました、「私たちの下、すべてが赤いよ!」

●Immediately they all leaned over the backs of the sofas to look - all except Jack, who was too careful of his pumpkin head to risk its slipping off his neck.
 即座に、全員、ソファーの背から身を乗り出して、眺めました - ジャック以外は、ジャックは、余りに注意深くて、彼のカボチャ頭が首から滑り落ちてしまう危険を冒すことができませんでした。

Sure enough; 思った通り;

the red houses and fences and trees indicated they were within the domain of Glinda the Good;
赤い家や塀や木々は、彼らが良い魔女グリンダの国にいることを示しました;

and presently, as they glided rapidly on, the Tin Woodman recognized the roads and buildings they passed, and altered slightly the flight of the Gump so that they might reach the palace of the celebrated Sorceress.
彼らが滑空していると、間もなく、ブリキの木こりは、通過する道路や建物に見覚えがありました、そして、ガンプの飛行方向を少し変え、名高い魔女の城に着くようにしました。

●“Good!” cried the Scarecrow, delightedly.  「すばらいし!」かかし男は、喜んで、叫びました。

“We do not need the lost Wishing Pills now, for we have arrived at our destination.”
「失くした願い薬は、もう必要ないよ、私たちは、目的地に着いたんだ。」

●Gradually the Thing sank lower and nearer to the ground
 ゆっくりと、『もの』は、高度を下げ、地面に近づいていきました

until at length it came to rest within the beautiful gardens of Glinda,
そして、とうとう、グリンダの美しい庭の中に静止しました、

settling upon a velvety green lawn close by a fountain which sent sprays of flashing gems, instead of water, high into the air, whence they fell with a soft, tinkling sound into the carved marble basin placed to receive them.
彼らは、ビロードのように柔らかい芝生にゆったりとしています、泉のそばで|噴出する|水のかわりに、キラメク宝石を空中高く|。高く上がった空中から、宝石は、やわらかくチリンチリンという音をたてて、それらを受け取るために置かれた彫刻のある大理石の受け皿の中に落ちていきます。

●Everything was very gorgeous in Glinda's gardens,
 すべては、グリンダの庭園の中で、豪華です。

and while our voyagers gazed about with admiring eyes a company of soldiers silently appeared and surrounded them.
そして、我らが航海者たちが、称賛の目で周りをながめているとき、兵士の一団が静かに現れて、彼らを囲みました。

But these soldiers of the great Sorceress were entirely different from those of Jinjur's Army of Revolt, although they were likewise girls.
偉大な魔女の兵士は、ジンジャの革命軍の兵士とは、完全に異なっています、どちらも、同じく少女たちではありますが。

For Glinda's soldiers wore neat uniforms and bore swords and spears;
グリンダの兵士は、こぎれいな制服を着て、刀と槍を持っています;

and they marched with a skill and precision that proved them well trained in the arts of war.
彼女たちの行進は、腕前と正確さをもっているので、戦闘の技術によく訓練されていることがわかります。

●The Captain commanding this troop - which was Glinda's private Body Guard - recognized the Scarecrow and the Tin Woodman at once, and greeted them with respectful salutations.
この一団 - それはグリンダ個人の護衛隊です - を指揮する隊長は、かかし男とブリキの木こりにすぐ気づき、敬意をこめた敬礼で彼らを迎えました。

●“Good day!” said the Scarecrow, gallantly removing his hat,
 「今日は!」 かかし男は、雄々しく帽子をとりながら、言いました、

while the Woodman gave a soldierly salute; “we have come to request an audience with your fair Ruler.”
一方、木こりは、兵士のように敬礼して、言いました;「私たちは、麗しき女王様にご拝謁いただきたく、参りました。」

●“Glinda is now within her palace, awaiting you,” returned the Captain; “for she saw you coming long before you arrived.”
 「グリンダさまは、宮殿の中で、あなた方をお待ちです。」 隊長が返しました;「彼女は、あなたがたの到着のずっと前から、あなたたちがいらっしゃるのが、おわかりでした。」

●“That is strange!” said Tip, wondering. 「それは、不思議だ!」 ティップは、いぶかりながら、言いました。

●“Not at all,” answered the Scarecrow, 「全然不思議じゃないよ。」 かかし男が、答えました。

“for Glinda the Good is a mighty Sorceress, and nothing that goes on in the Land of Oz escapes her notice.
「良い魔女グリンダは、力のある魔女だから、オズの国で起こることは何事も、彼女に気づかれずにすむことはないのさ。

I suppose she knows why we came as well as we do ourselves.”
彼女は、何故私たちがここに来たかを、私たちが知っているのと同じように知っていると思うよ。」

“Then what was the use of our coming?” asked Jack, stupidly.
 「じぁあ、私たちがここに来た効用は、何なんですか?」 ジャックが、愚かにも、尋ねました。

●“To prove you are a Pumpkinhead!” retorted the Scarecrow.
 「お前が、カボチャ頭だってことを証明するためさ。」 かかし男が、言い返しました。

“But, if the Sorceress expects us, we must not keep her waiting.”
「でも、魔女さまが、お待ちなのなら、お待たせしてはいけません。」

●So they all clambered out of the sofas and followed the Captain toward the palace - even the Saw-Horse taking his place in the queer procession.
 そこで、皆は、ソファーから、はい出して、隊長に続いて、宮殿に向かいました - のこぎり馬も、この不思議な行進の中で、自分の位置につきました。

●Upon her throne of finely wrought gold sat Glinda, and she could scarcely repress a smile as her peculiar visitors entered and bowed before her.
 すばらしく精巧につくられた金の玉座に、彼女は座っていました、彼女は、微笑みを抑えることができませんでした、不思議な訪問者たちが入ってきて、彼女のまえでお辞儀をしたとき。

Both the Scarecrow and the Tin Woodman she knew and liked;
かかし男と、ブリキの木こりの、二人とも、彼女は知っていて、大好きでした;

but the awkward Pumpkinhead and Highly Magnified Woggle-Bug were creatures she had never seen before, and they seemed even more curious than the others.
しかし、ぎこちないカボチャ頭と、高度に拡大されたウォグルバグは、彼女が以前見たことのない生き物でした、そして、彼らは、ほかの皆よりもずっと奇妙に見えました。

As for the Saw-Horse, he looked to be nothing more than an animated chunk of wood;
のこぎり馬に関しては、彼は、命を吹き込まれた木の塊、以外の何にも、みえませんでした。

and he bowed so stiffly that his head bumped against the floor, causing a ripple of laughter among the soldiers, in which Glinda frankly joined.
彼は、たいそう堅苦しくお辞儀をし、頭が床に、ドスンとぶつかりました、兵士たちの間に、笑いのさざ波が立ち、グリンダも、素直に、加わりました。

●“I beg to announce to your glorious highness,” began the Scarecrow, in a solemn voice,
 「栄光ある女王さまに、ご報告、させていただきたく存じます。」 かかし男が、厳粛な声で、話始めました、

“that my Emerald City has been overrun by a crowd of impudent girls with knitting-needles,

「私のエメラルド・シティが、編み棒をもった生意気な少女たちの一群によって、制圧されてまいました、

who have enslaved all the men, robbed the streets and public buildings of all their emerald jewels, and usurped my throne.”
彼女たちは、すべての男たちを奴隷にし、通りや公の建物から宝石のエメラルドを獲り、私の玉座を奪いました。」

●“I know it,” said Glinda. 「それは、存じています。」 グリンダが言いました。

●“They also threatened to destroy me, as well as all the good friends and allies you see before you,” continued the Scarecrow.
 「彼女たちは、私を、壊してしまうと脅しました、あなたが目の前にご覧になっている私のよき友や仲間たちも、同様です。」 かかし男は、続けました。

“and had we not managed to escape their clutches our days would long since have ended.”
「もし、私たちが、彼らの手中からなんとか逃れることができなかったなら、私たちの日々は、とっくに終わっていたことでしょう。」

●“I know it,” repeated Glinda.  「それは、存じています。」 グリンダは、繰り返しました。

●“Therefore I have come to beg your assistance,” resumed the Scarecrow,
 「それがゆえに、私は、あなたのご助力を乞うために参ったのです。」 かかし男は、続けました、

“for I believe you are always glad to succor the unfortunate and oppressed.”
「というのは、あなたは、いつも、喜んで、不幸な者、虐げられた者を助けてくださると信じるからです。」

●“That is true,” replied the Sorceress, slowly.  「それは、正しいです。」グリンダは、ゆっくり答えました。

“But the Emerald City is now ruled by General Jinjur, who has caused herself to be proclaimed Queen.
「しかし、エメラルド・シティは、今、ジンジャ将軍によって統治されていて、彼女は、自分が女王であると宣せられるようにさせました。

What right have I to oppose her?” 私は、彼女に反対するどんな権利を持っているのでしょうか?」

●“Why, she stole the throne from me,” said the Scarecrow.
 「おや、彼女は、私から、玉座を奪いました。」 かかし男が言いました。

●“And how came you to possess the throne?” asked Glinda.
 「どうして、あなたは、玉座を手にすることになったのですか?」 グリンダが、尋ねました。

●“I got it from the Wizard of Oz, and by the choice of the people,” returned the Scarecrow, uneasy at such questioning.
 「私は、玉座を、オズの大魔法使いから、そして、人民の選択によって、もらいました。」 かかし男が返事しました、このような質問に不安になりながら。

 ●“And where did the Wizard get it?” she continued gravely.
 「大魔法使いは、それをどこから手に入れたのですか?」  彼女は、厳かに、続けました。

●“I am told he took it from Pastoria, the former King,” said the Scarecrow, becoming confused under the intent look of the Sorceress.困惑しながら。
 「私は、聞いています|彼は、それを、前の王であるパストリアから獲ったと|。」 かかし男は、言いました、彼女の熱心な顔つきに困惑しながら。

●“Then,” declared Glinda, “the throne of the Emerald City belongs neither to you nor to Jinjur, but to this Pastoria from whom the Wizard usurped it.”
 グリンダが言いました、「それでは、エメラルド・シティの玉座は、あなたにも、ジンジャにも属しません、でなくて、大魔法使いがそれを奪ったパストリアに属します。」

●“That is true,” acknowledged the Scarecrow, humbly;
 「それは、正しいです。」 かかし男は、謙虚に、認めました;

“but Pastoria is now dead and gone, and some one must rule in his place.”
「しかし、パストリアは、亡くなっていて、いません、誰かが、彼の代わりに、統治しなければいけません。」

●“Pastoria had a daughter, who is the rightful heir to the throne of the Emerald City.
 「パストリアには、娘がいました、彼女が、エメラルド・シティの玉座の正統な後継者です。

Did you know that?” questioned the Sorceress. 知っていましたか?」 グリンダは、質問しました。

●“No,” replied the Scarecrow.  「いいえ。」 かかし男が、答えました。

“But if the girl still lives I will not stand in her way.
「しかし、もし、その少女が生きているなら、私は、彼女の道に立って、邪魔したりしません。

It will satisfy me as well to have Jinjur turned out, as an impostor, as to regain the throne myself.
ジンジャを偽物として追い出すことは、私自身が玉座を取り戻すことと同じくらい、私を満足させます。

In fact, it isn't much fun to be King, especially if one has good brains.
実際、王であることは、たいして、面白いことではありません、特に、良い頭を持っている人には。

I have known for some time that I am fitted to occupy a far more exalted position.
しばらく前から、私には、分かっております、私は、もっとずっと高貴な地位を占めるほうが合っていると。

But where is the girl who owns the throne, and what is her name?”
しかし、玉座の所有者であるその少女は、どこにいるのですか、そして、名前は、何なんですか?」

●“Her name is Ozma,” answered Glinda.  「彼女の名前は、オズマです。」 グリンダが答えました。

“But where she is I have tried in vain to discover.
「しかし、彼女がどこにいるか、私は調べましたが、まだ見つかっていません。

For the Wizard of Oz, when he stole the throne from Ozma's father, hid the girl in some secret place;
オズの大魔法使いが、オズマの父親から、玉座を奪ったときに、少女をどこか秘密の場所に隠したのです;

and by means of a magical trick with which I am not familiar he also managed to prevent her being discovered - even by so experienced a Sorceress as myself.”
そして、私に馴染みのない魔法の術によって、彼は、彼女が見つかることを妨げるようにしたのです - 私くらい経験を摘んだ魔女ですら。

●“That is strange,” interrupted the Woggle-Bug, pompously.
 「それは、不思議ですね。」 ウォグルバグは、尊大に、遮りました。

“I have been informed that the Wonderful Wizard of Oz was nothing more than a humbug!”
「私は、知らされておのます、オズの大魔法使いは、ペテン師に過ぎないって!」

●“Nonsense!” exclaimed the Scarecrow, much provoked by this speech.
 「そんなバカな!」 かかし男が叫びました、この言説に、たいそう挑発されて。

“Didn't he give me a wonderful set of brains?”
「彼は、私に、素晴らしい脳みそのセットを、くれなかったですか?」

●“There's no humbug about my heart,” announced the Tin Woodman, glaring indignantly at the Woggle-Bug.
 「ペテン師なんて、いません、私の心に関しても。」 ブリキの木こりは、言いました、憤然と、ウォグルバグを睨みながら。

●“Perhaps I was misinformed,” stammered the Insect, shrinking back;
 「多分、私は、間違って聞いたのでしょう。」 ウォグルバグは、口ごもりました、しりごみしながら。

“I never knew the Wizard personally.” 「私は、大魔法使いと、お会いしたことはないんです。」

●“Well, we did,” retorted the Scarecrow, “and he was a very great Wizard, I assure you.
 「我々は、お会いしたぞ。」 かかし男が、言い返しました、「彼は、偉大な魔法使いでした、保証します。

It is true he was guilty of some slight impostures, but unless he was a great Wizard how - let me ask - could he have hidden this girl Ozma so securely that no one can find her?”
なるほど、彼は、いくつかの軽い詐欺で、有罪でしょう、しかし、彼が偉大な魔法使いでないとして、お尋ねしますが、どうやって、彼は、オズマという少女を隠すことができたんでしょうか、誰にもみつからないほど、しっかりと?」

●“I - I give it up!” replied the Woggle-Bug, meekly.
 「わ、私は、あきらめます!」 ウォグルバグは、意気地なく、答えました。

●“That is the most sensible speech you've made,” said the Tin Woodman.
 「それは、これまでで、一番、気の利いた言葉だね。」 ブリキの木こりは、いいました。

●“I must really make another effort to discover where this girl is hidden,” resumed the Sorceress, thoughtfully.
 「私は、もっと努力して、少女がどこに隠されているかみつけなければなりませんね。」 グリンダは、考え深気に続けました。

“I have in my library a book in which is inscribed every action of the Wizard while he was in our land of Oz - or, at least, every action that could be observed by my spies.
「私の図書室に、本が一冊あります、そこには、大魔法使いのすべての行動が、書き込まれています、彼が、オズの国にいる間の - もしくは、少なくとも、私のスパイが観察することのできたすべての行動が。

This book I will read carefully tonight, and try to single out the acts that may guide us in discovering the lost Ozma.
この本を、今晩、注意深く読みましょう、いなくなったオズマを見つける道案内となる行動を、抽出しましょう。

In the meantime, pray amuse yourselves in my palace and command my servants as if they were your own.
その間、どうぞ、私の宮殿で、お楽しみください、私の召使に、何でもお命じください、あなたの召使と思って。

I will grant you another audience tomorrow.”
明日、また、謁見をを許します。

●With this gracious speech Glinda dismissed the adventurers,
 このように低調な言葉をのべて、グリンダは、冒険者たちを解散させました。

and they wandered away through the beautiful gardens,
彼らは、美しい庭のなかを、散策しました、

where they passed several hours enjoying all the delightful things with which the Queen of the Southland had surrounded her royal palace.
そこで、彼らは、数時間過ごしました、南の国の女王が、自分の宮殿を囲むために集めたあらゆる楽しいものを楽しみながら。

●On the following morning they again appeared before Glinda, who said to them:
翌朝、彼らは、再び、女王の前に出頭しました、女王は、彼らに言いました:

●“I have searched carefully through the records of the Wizard's actions,
 「私は、大魔法使いの行動の記録を注意深く調べました、

and among them I can find but three that appear to have been suspicious.
そして、それらの中に、3つだけ、疑わしいと思うものがあります。

He ate beans with a knife, made three secret visits to old Mombi, and limped slightly on his left foot.”
彼は、豆をナイフで食べました、モンビ婆さんに3回秘密に訪問しました、左脚を少し引きずっています。」

●“Ah! that last is certainly suspicious!” exclaimed the Pumpkinhead.
 「ああ、最後のは、確かに怪しい!」 カボチャ頭が、叫びました。

●“Not necessarily,” said the Scarecrow; “he may have had corns.
 「必ずしも、そうじゃないさ、」 かかし男が言いました;「足の裏にまめができたのかもしれないよ。

Now, it seems to me his eating beans with a knife is more suspicious.”
そう、僕には、彼が、豆をナイフで食べたほうが、もっと疑わしいよ。」

●“Perhaps it is a polite custom in Omaha, from which great country the Wizard originally came,” suggested the Tin Woodman.
 「多分、それは、オマハの礼儀正しい習慣でしょう、その偉大な国から、大魔法使いは、本来、やってきたんだよ。」 ブリキの木こりが、示唆しました。

●“It may be,” admitted the Scarecrow. 「そうかもね。」 かかし男は、認めました。

●“But why,” asked Glinda, “did he make three secret visits to old Mombi?”
 「すると、何故、彼は、モンビ婆さんに秘密の訪問を3回もしたのかしら?」 グリンダが、尋ねました。

●“Ah! Why, indeed!” echoed the Woggle-Bug, impressively.
 「ああ、おや、本当だ!」 ウォグルバグが繰り返しました、印象的に。

●“We know that the Wizard taught the old woman many of his tricks of magic,” continued Glinda;
 「私たちは、知っています、大魔法使いが、モンビに、沢山の魔法を教えました。」 グリンダが続けました;

“and this he would not have done had she not assisted him in some way.
「こんなことを、彼はしなかったでしょう、もし、モンビが彼をなんらかで手伝わなかったとしたら。

So we may suspect with good reason that Mombi aided him to hide the girl Ozma,
そこで、十分な理由でもって疑っていいでしょう、モンビは、彼を助けて、少女オズマを隠したと、

who was the real heir to the throne of the Emerald City, and a constant danger to the usurper.
オズマは、エメラルド・シティの玉座の本当の後継者で、強奪者にとっては、常に危険な存在です。

For, if the people knew that she lived, they would quickly make her their Queen and restore her to her rightful position.”
というのは、もし、人々が、彼女が生きていると知ったら、彼らは、すぐに、彼女を女王にして、彼女を正統な地位に回復させるでしょう。

●“An able argument!” cried the Scarecrow.  「立派なご議論です。」 かかし男が叫びました。

“I have no doubt that Mombi was mixed up in this wicked business.
「間違いありません、モンビはこのよこしまな事件に、かかわっています。

But how does that knowledge help us?” でも、この知識は、どう役立つのでしょうか?」

●“We must find Mombi,” replied Glinda, “and force her to tell where the girl is hidden.”
 「私たちは、モンビをみつけなければなりません。」 グリンダが返事しました、「そして、少女がどこに隠されているか、言わせないといけません。」

●“Mombi is now with Queen Jinjur, in the Emerald, City” said Tip.
 「モンビは、今、女王ジンジャとともに、エメラルド・シティにいます。」 ティップは、言いました。

“It was she who threw so many obstacles in our pathway, and made Jinjur threaten to destroy my friends and give me back into the old witch's power.”
彼女が、我々の行く道に多くの障害をしかけ、ジンジャに我が友を破壊すると脅させて、私を魔女のもとに戻すと言ったのです。

●“Then,” decided Glinda, “I will march with my army to the Emerald City, and take Mombi prisoner.
 グリンダは、決心しました、「では、私の軍隊とともに、行進して、エメラルド・シティに行き、モンビを捕らえましょう。

After that we can, perhaps, force her to tell the truth about Ozma.”
その後、多分、彼女に、オズマに関して真実を話せと強いることができます。

●“She is a terrible old woman!” remarked Tip, with a shudder at the thought of Mombi's black kettle; “and obstinate, too.”
 「彼女は、恐ろしい老婆です!」ティップは、言いました、モンビの黒いやかんを思い出して、震えました;「そして、頑固なんだ。」

●“I am quite obstinate myself,” returned the Sorceress, with a sweet smile. “so I do not fear Mombi in the least.
 「私自身も、頑固ですよ。」 グリンダが返事しました、やさく微笑みながら、「そして、モンビを少しも、恐れません。

Today I will make all necessary preparations, and we will march upon the Emerald City at daybreak tomorrow.”
今日、必要な準備をすべて行います、明日の夜明けに、エメラルド・シティに行進しましょう。」

 

21. The Tin-Woodman Plucks a Rose    ブリキのきこりが、バラを摘む

●The Army of Glinda the Good looked very grand and imposing when it assembled at daybreak before the palace gates.
良い魔女グリンダの軍隊は、壮大で堂々としてみえました、明け方、宮殿の門の前に集合したとき。

The uniforms of the girl soldiers were pretty and of gay colors, and their silver-tipped spears were bright and glistening, the long shafts being inlaid with mother-of-pearl.
少女の兵士たちの制服は、美しく、陽気な色合いでした、彼女たちの先端が銀色の槍は、明るく、ギラギラ光っていて、長い柄には、真珠貝がはめ込まれています。

All the officers wore sharp, gleaming swords, and shields edged with peacock-feathers;
士官は、全員、するどくてきらめく刀と、クジャクの羽根で縁取りされた盾を持っていました。

and it really seemed that no foe could by any possibility defeat such a brilliant army.
本当に思われました|どんな敵も、こんな輝かしい軍隊を打ち負かすことは、少しの可能性もないと|。

●The Sorceress rode in a beautiful palanquin which was like the body of a coach, having doors and windows with silken curtains;
 グリンダは、美しいかごに乗りました、それは、馬車の胴体のようなもので、ドアと窓があり、窓には、シルクのカーテンがついていました。

but instead of wheels, which a coach has, the palanquin rested upon two long, horizontal bars, which were borne upon the shoulders of twelve servants.
しかし、車輪の代わりに - 馬車にはあります - かごは、2本の長い水平の棒の上に乗っていて、12人の召使の肩の上に担われていました。

●The Scarecrow and his comrades decided to ride in the Gump, in order to keep up with the swift march of the army;
 かかし男と仲間たちは、ガンプに乗ることにしました、軍隊の速い行進についていくためです。

so, as soon as Glinda had started and her soldiers had marched away to the inspiring strains of music played by the royal band, our friends climbed into the sofas and followed.
そして、グリンダが出発し、彼女の兵士たちが行進を始めると|王室楽団が演奏する音楽の勇ましい緊張にあわせて|、我らが友たちも、ソファーにのぼって、従いました。

The Gump flew along slowly at a point directly over the palanquin in which rode the Sorceress.
ガンプは、グリンダが乗ったかごの直接真上の点を、ゆっくり飛んでゆきました。

●“Be careful,” said the Tin Woodman to the Scarecrow, who was leaning far over the side to look at the army below. “You might fall.”
 「注意しろよ。」 ブリキの木こりは、かかし男に言いました、かかし男は、下の軍隊を見るために、ソファーの端を超えて大きく体を傾けていたのです。 「落ちちゃうよ。」

●“It wouldn't matter,” remarked the educated Woggle-Bug.
 「構いませんよ。」 教養あるウォグルバグが、言いました。

“he can't get broke so long as he is stuffed with money.”
「彼は、壊れっこありません、お金が詰まっている限りはね。」

説明 get broke は、壊れるという意味では、正確には get broken ですが、

    get broke は、無一文になる、破産する という意味を持っていて、掛けられています。

●“Didn't I ask you” began Tip, in a reproachful voice.
 「頼みませんでしたか?」 ティップは、とがめる声で、言いました。

●“You did!” said the Woggle-Bug, promptly. 「はい、そうでした。」ウォグルバグは、すぐ、言いました。

“And I beg your pardon. I will really try to restrain myself.”
「お許しください。本当に、自制するよう、努力します。」

●“You'd better,” declared the boy. “That is, if you wish to travel in our company.”
 「その方が、いいよ。」 少年が、断言しました、「つまり、一緒に旅行したいのならね。」

●“Ah! I couldn't bear to part with you now,” murmured the Insect, feelingly;
 「ああ、私は、今、あなた方と別れるのは、耐えられません。」 昆虫は、しみじみとつぶやきました。

so Tip let the subject drop. そこで、ティップは、この話を終わりにしました。

●The army moved steadily on, but night had fallen before they came to the walls of the Emerald City.
 軍隊は、着実に移動しましたが、夜が来てしまいました、彼らが、エメラルド・シティの城壁に着く前に。

By the dim light of the new moon, however, Glinda's forces silently surrounded the city and pitched their tents of scarlet silk upon the greensward.
しかし、新月の薄暗い明かりのなか、グリンダの兵士たちは、静かにシティを取り囲み、緑の芝生の上に、真っ赤な絹のテントを、張りました。

The tent of the Sorceress was larger than the others, and was composed of pure white silk, with scarlet banners flying above it.
グリンダのテントは、ほかのものよりも大きく、真っ白な絹でできていて、その上で、真っ赤なバナーが、はためいていました。

A tent was also pitched for the Scarecrow's party;
テントが一つ、かかし男の一行のためにも張られました;

and when these preparations had been made, with military precision and quickness, the army retired to rest.
これらの準備が終わったとき、軍隊らしい正確さとすばやさで、軍隊は、下がって、休みました。

●Great was the amazement of Queen Jinjur next morning when her soldiers came running to inform her of the vast army surrounding them.
 大きかったのは、女王ジンジャの驚きです、翌朝、彼女の兵士が走ってきて、巨大な軍隊が、彼らを包囲していると報告したのです。

She at once climbed to a high tower of the royal palace and saw banners waving in every direction and the great white tent of Glinda standing directly before the gates.
彼女は、すぐ宮殿の高い塔に登り、あらゆる方向でバナーが波打っているのを見、門のすぐ前にグリンダの白いテントがあるのを見ました。

●“We are surely lost!” cried Jinjur, in despair;
 「私たちは、たしかに、負けるわ!」 ジンジャは、絶望して、叫びました;

“for how can our knitting-needles avail against the long spears and terrible swords of our foes?”
「どうしたら、私たちの編み棒が、敵の長い槍や、おそろしい刀に対して、効力があるというの?」

●“The best thing we can do,” said one of the girls, “is to surrender as quickly as possible, before we get hurt.”
 少女たちの一人が言いました、「私たちにできる最善は、できるだけ速く降参することです、怪我をする前に。」

●“Not so,” returned Jinjur, more bravely.  「違うわ。」 ジンジャは、勇敢に、返事しました。

“The enemy is still outside the walls, so we must try to gain time by engaging them in parley.
「敵は、まだ、壁の外にいるわ。和平交渉をして、時間をかせぐようにするぺきよ。

Go you with a flag of truce to Glinda and ask her why she has dared to invade my dominions, and what are her demands.”
停戦の旗をもって、グリンダのところに行き、尋ねてちょうだい、何故、私の領土に、あえて侵入したのか、要求は何なのかとね。

●So the girl passed through the gates, bearing a white flag to show she was on a mission of peace, and came to Glinda's tent.
 そこで、その少女は、門を通り抜けて、平和の使命であることを示す白旗を持って、グリンダのテントに、やってきました。

“Tell your Queen,” said the Sorceress to the girl, “that she must deliver up to me old Mombi, to be my prisoner.
グリンダは、少女に言いました、「お前の女王に、伝えなさい、モンビ婆さんを引き渡して、私の囚人とするようにと。

If this is done I will not molest her farther.”
もし、これがなされれば、私は、これ以上、彼女を苦しめたりはしないと。」

●Now when this message was delivered to the Queen it filled her with dismay,
 このメッセージが、女王に伝えられたとき、彼女は、動揺しました、

for Mombi was her chief counsellor, and Jinjur was terribly afraid of the old hag.
というのは、モンビは、彼女の最高相談役で、この鬼婆のことを、ジンジャは、ひどく恐れていたのです。

But she sent for Mombi, and told her what Glinda had said.
しかし、彼女は、モンビを呼び、グリンダが言ったことを伝えました。

●“I see trouble ahead for all of us,” muttered the old witch, after glancing into a magic mirror she carried in her pocket.
 「私たちみんなの前途に、困難が見えます。」 老魔女は、つぶやきました、彼女のポケットに持っていた魔法の鏡を覗き込んだあとに。

“But we may even yet escape by deceiving this sorceress, clever as she thinks herself.”
「でも、グリンダを騙して、逃げたりできるかもね、彼女がいくら自分は賢いと思っていてもね。」

●“Don't you think it will be safer for me to deliver you into her hands?” asked Jinjur, nervously.
 「私たちは、あなたを彼女の手に引き渡したほうが、より安全だって、思いませんこと?」 ジンジャは、不安な気持ちで、尋ねました。

●“If you do, it will cost you the throne of the Emerald City!” answered the witch, positively.
 「お前がそうしたら、お前は、エメラルド・シティの玉座を失うことになるよ。」 魔女は、断固としていいました。

“But if you will let me have my own way, I can save us both very easily.”
「しかし、私のやり方をやらせてくれたら、非常に簡単に、私たち二人とも救うことができるんだよ。」

●“Then do as you please,” replied Jinjur,  「じゃあ、好きにやってください。」 ジンジャが答えました、

“for it is so aristocratic to be a Queen that I do not wish to be obliged to return home again, to make beds and wash dishes for my mother.”
「女王であることは、本当に、貴族的なので、再び、家に戻って、母のために、ベットを整えたり、お皿を洗ったりさせられたり、したくないわ。」

●So Mombi called Jellia Jamb to her, and performed a certain magical rite with which she was familiar.
 そこで、モンビは、ジュリア・ジャムを呼び、自分がよく知っているある魔法の儀式を行いました。

As a result of the enchantment Jellia took on the form and features of Mombi, while the old witch grew to resemble the girl so closely that it seemed impossible anyone could guess the deception.
この魔法の結果、ジュリアは、顔も形もモンビとなり、モンビはジュリアそっくりになったので、誰にもこのごまかしを見破ることはできないように見えました。

●“Now,” said old Mombi to the Queen, “let your soldiers deliver up this girl to Glinda.
 モンビ婆さんは、女王に言いました、「では、兵士たちに、この子をグリンダのところに連れて行かせなさい。

She will think she has the real Mombi in her power, and so will return immediately to her own country in the South.”
グリンダは、真のモンビを手中にしたと思うでしょう、そして、南の彼女の国にすぐ、戻るでしょう。」

●Therefore Jellia, hobbling along like an aged woman, was led from the city gates and taken before Glinda.
 そこで、ジェリアは、老婆らしく足を引きずりながら、都の門から出て、グリンダの前に連れていかれました。

●“Here is the person you demanded,” said one of the guards,
 「ここに、あなたの要求した人がいます。」 護衛の一人が、言いました、

“and our Queen now begs you will go away, as you promised, and leave us in peace.”
「私たちの女王は、願います、あなた方が、お約束とおり、去って、私たちを平和にしていただくことを。」

●“That I will surely do,” replied Glinda, much pleased;
 「必ず、そういたしましょう。」 グリンタヘは、たいそう喜んで、答えました;

“if this is really the person she seems to be.”
「もし、これが、本当に、見た目通りの人でしたらね。」

●“It is certainly old Mombi,” said the guard, who believed she was speaking the truth;
 「勿論、モンビ婆さんですよ。」 護衛は、言いました、彼女は、自分が真実を語っていると信じていました;

and then Jinjur's soldiers returned within the city's gates.
そして、ジンジャの兵士たちは、都の門の中に、戻りました。

●The Sorceress quickly summoned the Scarecrow and his friends to her tent, and began to question the supposed Mombi about the lost girl Ozma.
 グリンダは、すぐに、かかし男やその仲間をテントに召集しました、そして、想定モンビに、いなくなった少女オズマについての尋問を始めました。

But Jellia knew nothing at all of this affair, and presently she grew so nervous under the questioning that she gave way and began to weep, to Glinda's great astonishment.
しかし、ジェリアは、このことについて、何も知らなかったので、間もなく、尋問されることに神経質になり、心がくじけて、泣き出し始めました。グリンダは、非常に驚きました。

●“Here is some foolish trickery!” said the Sorceress, her eyes flashing with anger.
 「本当に、馬鹿げた策略だこと!」 グリンダは、怒りに目をぎらつかせて、言いました。

“This is not Mombi at all, but some other person who has been made to resemble her! Tell me,” she demanded, turning to the trembling girl, “what is your name?”
彼女は、震える少女に向いて、言いました、「これは、モンビなんかじゃない、彼女に似せてつくられただれか別の人よ。お言いなさい、名前は何なの?」

●This Jellia dared not tell, having been threatened with death by the witch if she confessed the fraud.
 これに、ジェリアは、答えませんでした、もし詐欺をばらしたら殺すと、モンビに脅かされていたからです。

But Glinda, sweet and fair though she was, understood magic better than any other person in the Land of Oz.
しかし、グリンダは、優しく公正でありながら、オズの国の誰よりも、魔術を理解していました。

So, by uttering a few potent words and making a peculiar gesture, she quickly transformed the girl into her proper shape,
そこで、彼女は、強力な言葉を少し発し、奇妙なしぐさをすることにより、すぐさま、少女を正しい姿に変身させました。

while at the same time old Mombi, far away in Jinjur's palace, suddenly resumed her own crooked form and evil features.
一方、同時に。モンビ婆さんは、遠く離れたジンジャの宮殿で、突然、腰の曲がった悪の姿に、戻りました。

●“Why, it's Jellia Jamb!” cried the Scarecrow, recognizing in the girl one of his old friends.
 「おや、ジェリア・ジャムじゃないか!」 かかし男が、さけびました、彼女のなかに、なつかしい友達ょ認めて。

●“It's our interpreter!” said the Pumpkinhead, smiling pleasantly.
 「僕たちの通訳だ!」 カボチャ頭も、嬉しそうに笑って、言いました。

●Then Jellia was forced to tell of the trick Mombi had played and she also begged Glinda's protection, which the Sorceress readily granted.
 ジェリアは、モンビが働いたクリックについて白状させられました、そして、彼女は、グリンダに、保護を懇願しました、保護は、すぐに、与えられました。

But Glinda was now really angry, and sent word to Jinjur that the fraud was discovered and she must deliver up the real Mombi or suffer terrible consequences.
しかし、グリンダは、今、本当に怒っていて、ジンジャに言葉を伝えました、詐欺はばれた、彼女が本当のモンビを渡さないと、ひどい結果を招きますよ
と。

Jinjur was prepared for this message, for the witch well understood, when her natural form was thrust upon her, that Glinda had discovered her trickery.
ジンジャは、このメッセージに準備していました、というのは、モンビは、彼女のもとの姿に、押し戻されたときに、グリンダは、彼女の詐欺を見破ったと分かっていたからです。

But the wicked old creature had already thought up a new deception, and had made Jinjur promise to carry it out.
しかし、モンビは、すでに、新しい手口を考え出していました、そして、ジンジャにそれを実行するように約束させていましした。

So the Queen said to Glinda's messenger: そこで、女王は、グリンダの使者に、言いました:

●“Tell your mistress that I cannot find Mombi anywhere, but that Glinda is welcome to enter the city and search herself for the old woman.
 「あなたのご主人に、伝えてください、私は、モンビをどこにもみつけることができません、しかし、グリンダさんご自身で、どうぞ、シティに入られて、モンビをお探しくださいと。

She may also bring her friends with her, if she likes;
お仲間を連れてこられても、構いません、もしご希望なら;

but if she does not find Mombi by sundown, the Sorceress must promise to go away peaceably and bother us no more.”
しかし、もし、日没までに、モンビがみつからなかったら、グリンダさんは、平和裏に立ち去って、私たちを二度となやまさないとお約束してくださらないといけません。」

●Glinda agreed to these terms, well knowing that Mombi was somewhere within the city walls.
 グリンダは、これらの事項に同意しました、モンビは、城壁の中のどこかにいることが、よくわかっていましたので。

So Jinjur caused the gates to be thrown open,  ジンジャは、門を開き放ちました、

and Glinda marched in at the head of a company of soldiers, followed by the Scarecrow and the Tin Woodman,
グリンダは、兵士たちの先頭を行進して、中に入り、かかし男とブリキの木こりが続きました、

while Jack Pumpkinhead rode astride the Saw-Horse, and the Educated, Highly Magnified Woggle-Bug sauntered behind in a dignified manner.
カボチャ頭のジャックは、のこぎり馬にまたがって進み、教育をうけ、高度に拡大されたウォグルバグは、その後ろを、威厳ある態度で歩きました。

Tip walked by the side of the Sorceress, for Glinda had conceived a great liking for the boy.
ティップは、グリンダの傍を歩きました、グリンダは、少年がとても大好きだったのです。

●Of course old Mombi had no intention of being found by Glinda;
 もちろん、モンビは、グリンダに見つけられるつもりは、ありませんでした。

so, while her enemies were marching up the street, the witch transformed herself into a red rose growing upon a bush in the garden of the palace.
そこで、彼女の敵が通りを行進している間に、モンビは、彼女を、変身させました|赤いバラに|宮殿の庭の茂みのうえに咲く|。

It was a clever idea, and a trick Glinda did not suspect; so several precious hours were spent in a vain search for Mombi.
それは、賢いアイデアでした、グリンダが疑いもしない策略でした; モンビを捜す貴重な時間が、無駄に過ぎてゆきました。

●As sundown approached the Sorceress realized she had been defeated by the superior cunning of the aged witch;
 日没が近づいて来て、グリンダは、老魔女の最高のずるさに負かされたことを、理解しました;

so she gave the command to her people to march out of the city and back to their tents.
そこで、彼女は、家来たちに、シティから出て、テントに戻るよう命令しました。

●The Scarecrow and his comrades happened to be searching in the garden of the palace just then, and they turned with disappointment to obey Glinda's command.
 かかし男と、仲間たちは、丁度その時、たまたま宮殿の庭で、捜していましたが、がっかりして向きを変え、グリンダの命令に従いました。

But before they left the garden the Tin Woodman, who was fond of flowers, chanced to espy a big red rose growing upon a bush;
しかし、庭を去る前に、ブリキの木こりは、花が好きだったのですが、たまたま、茂みの上に咲く大きな赤いバラを目にしました。

so he plucked the flower and fastened it securely in the tin buttonhole of his tin bosom.
そこで、彼は、その花を摘み、ブリキの胸のブリキのボタン穴に、しっかりと留めました。

●As he did this he fancied he heard a low moan proceed from the rose;
 彼が、こうしたとき、バラから低いうめき声が聞こえたような気がしました;

but he paid no attention to the sound,  しかし、彼は、その音に注意を払いませんでした、

and Mombi was thus carried out of the city and into Glinda's camp without anyone having a suspicion that they had succeeded in their quest.
モンビは、このようにして、都から、グリンダのキャンプ地に運ばれました、彼らが、その探求に成功したのだということを、誰も、気付かないままに。

 

22. The Transformation of Old Mombi   モンビ婆さんの変身

●The Witch was at first frightened at finding herself captured by the enemy;
 モンビは、最初、敵につかまったことを知って、ぞっとしました;

but soon she decided that she was exactly as safe in the Tin Woodman's button-hole as growing upon the bush.
しかし、すぐに、確信しました、彼女は、ブリキの木こりのボタン穴の中で、茂みのうえに咲いているのと、全く同様に、安全なのだと。

For no one knew the rose and Mombi to be one, and now that she was without the gates of the City her chances of escaping altogether from Glinda were much improved.
というのは、誰も、バラとモンビが、同じ一つだとは、知りません、そして、今や、彼女はシティの門の外なので、グリンダから完全に逃げ出すチャンスは、ずっと増したのです。

●“But there is no hurry,” thought Mombi.  「しかし、急ぐこともあるまい。」 モンビは、思いました。

“I will wait awhile and enjoy the humiliation of this Sorceress when she finds I have outwitted her.”
「少し待って、グリンダの屈辱を楽しみましょう|私が彼女を出し抜いたと彼女が分かったときの|。」

So throughout the night the rose lay quietly on the Woodman's bosom,
そこで、夜の間中、バラは、木こりの胸に静かに横になっていました、

and in the morning, when Glinda summoned our friends to a consultation, Nick Chopper carried his pretty flower with him to the white silk tent.
そして、朝、グリンダが、相談のため、我らが友たちを招集したとき、ニック・チョッパーは、彼とともに、美しい花を、白い絹のテントに運びました。

●“For some reason,” said Glinda, “we have failed to find this cunning old Mombi; so I fear our expedition will prove a failure.
 グリンダは、言いました、「何かの理由で、私たちは、ずる賢いモンビ婆さんを見つけるのに失敗しました;私たちの遠征は、失敗に終わるのではないかと思います。

And for that I am sorry, because without our assistance little Ozma will never be rescued and restored to her rightful position as Queen of the Emerald City.”
そのことを、残念に思います、なぜなら、私たちの助けなしに、小さいオズマは、決死して、助け出されて、エメラルド・シティの女王としての正統な地位に回復することは、決してないでしょうから。」

●“Do not let us give up so easily,” said the Pumpkinhead. “Let us do something else.”
 「そんなに簡単にあきらめさせないでください。」 カボチャ頭が言いました、「ほかの手を考えましょう。」

●“Something else must really be done,” replied Glinda, with a smile.
 「本当に、何かほかのことをやらないといけません。」 グリンダは、笑って、答えました、

“yet I cannot understand how I have been defeated so easily by an old Witch who knows far less of magic than I do myself.”
「しかし、私には、わかりません|どうして、そんなに簡単に負かされてしまったのか|あのモンビ婆さんに|私よりも全然少ししか魔術を知らない|。

●“While we are on the ground I believe it would be wise for us to conquer the Emerald City for Princess Ozma, and find the girl afterward,” said the Scarecrow.
 「私たちが、この現場にいるうちに、オズマ姫のために、エメラルド・シティを征服し、姫はあとで探すことにした方が賢明と思います。」 かかし男が言いました。

“And while the girl remains hidden I will gladly rule in her place, for I understand the business of ruling much better than Jinjur does.”
 「オズマが見つからない間は、私が、喜んで、彼女の代わりに、統治します、私は、ジンジャよりずっと、統治の仕事を理解していますからね。」

●“But I have promised not to molest Jinjur,” objected Glinda.
 「でも、ジンジャを悩ませないって約束しちゃったのよ。」 グリンダが、反論しました。

●“Suppose you all return with me to my kingdom - or Empire, rather,” said the Tin Woodman, politely including the entire party in a royal wave of his arm.
 「みなさん、私の王国、というか、むしろ、帝国、に戻るというのは、いかがでしょうか。」 ブリキのきこりが、彼の腕を堂々と振って、すべての人を含めて、丁寧に、言いました。

“It will give me great pleasure to entertain you in my castle, where there is room enough and to spare.
「私の城で、あなた方をお迎えするのは、非常な喜びです、城には、部屋が、ありあまるほど十分あります。

And if any of you wish to be nickel-plated, my valet will do it free of all expense.”
もし、ニッレルメッキされたい方がいらっしゃれば、私の従者が、出費なしで、してさしあげますよ。」

●While the Woodman was speaking Glinda's eyes had been noting the rose in his button-hole,
 木こりが、話しているとき、グリンダの目は、彼のボタン穴のバラをじっと見ていました、

 and now she imagined she saw the big red leaves of the flower tremble slightly.
そして、今、バラの大きく赤い葉っぱ(花びら?)が、少し震えるのを見たように感じました。

This quickly aroused her suspicions,  彼女は、すぐに、気付きました、

and in a moment more the Sorceress had decided that the seeming rose was nothing else than a transformation of old Mombi.
そして、次の瞬間には、グリンダは、バラに見えるものは、モンビ婆さんが変身したもの以外のなにものでもないと確信しました。

At the same instant Mombi knew she was discovered and must quickly plan an escape,
同時に、モンビも、発見され、すぐに逃亡策を考えなければならないと知りました、

and as transformations were easy to her she immediately took the form of a Shadow and glided along the wall of the tent toward the entrance, thinking thus to disappear.
変身は、彼女にとって簡単でしたので、影の形をとり、テントの壁に沿って動き、入口に向かいました、かくして消え去ろうと思いながら。

●But Glinda had not only equal cunning, but far more experience than the Witch.
 しかし、グリンダは、モンビと同じくらい、狡猾であるたげでなく、モンビよりもずっと経験豊富でした。

So the Sorceress reached the opening of the tent before the Shadow, and with a wave of her hand closed the entrance so securely that Mombi could not find a crack big enough to creep through.
グリンダは、影よりも前に、テントの入口に達して、手を一振りして、入口をしっかりと閉めてしまったので、モンビは、這い出せそうな隙間をみつけることができませんでした。

The Scarecrow and his friends were greatly surprised at Glinda's actions; for none of them had noted the Shadow.
かかし男と、仲間たちは、グリンダの行動に、ひどく驚きました; 彼らのうち誰も、影に気が付かなかったのです。

But the Sorceress said to them: しかし、グリンダは、彼らに、言いました:

●“Remain perfectly quiet, all of you!  「完全に静かにして、みなさん!

For the old Witch is even now with us in this tent, and I hope to capture her.”
モンビが、いま、このテントの中に居ます、彼女をつかまえようと思います。」

●These words so alarmed Mombi that she quickly transformed herself from a shadow to a Black Ant,
 この言葉は、モンビを驚かせ、彼女は、急いで、影から黒いアリに変身しました、

in which shape she crawled along the ground, seeking a crack or crevice in which to hide her tiny body.
アリの形で、彼女は、地面を這い、小さな体を隠す割れ目や裂け目を捜しました。

●Fortunately, the ground where the tent had been pitched, being just before the city gates, was hard and smooth;
 幸いなことに、テントが張られた地面は、シティの門の前だったので、固く、なめらかでした;

and while the Ant still crawled about, Glinda discovered it and ran quickly forward to effect its capture.
そして、アリが這いまわっているときに、グリンダは、それを見つけ、捕えようと、急いで、走り寄りました。

But, just as her hand was descending, the Witch, now fairly frantic with fear, made her last transformation,
しかし、彼女の手が降りてゆくときに、モンビは、恐怖で半狂乱となり、最後の変身をしました、

and in the form of a huge Griffin sprang through the wall of the tent - tearing the silk asunder in her rush - and in a moment had darted away with the speed of a whirlwind.
そして、大きなグリフィンの形で、テントの壁を通り抜けて、飛び出し - 絹の壁に突っ込んで、ビリビリに裂きました - 一瞬後、つむじ風の速さで、走り去りました。

●Glinda did not hesitate to follow.  グリンダは、躊躇なく、後を追いました。

She sprang upon the back of the Saw-Horse and cried:
彼女は、のこぎり馬の背に飛び乗って、叫びました:

●“Now you shall prove that you have a right to be alive! Run - run - run!”
 「さあ、あなたに、生きてる甲斐があることを証明して! 走れ - 走れ - 走れ!」

●The Saw-Horse ran.  のこぎり馬は、走りました。

Like a flash he followed the Griffin, his wooden legs moving so fast that they twinkled like the rays of a star.
稲妻のように、グリフィンを追いかけました、彼の木の脚は、余りに速く動いたので、星の光のようにまたたきました。

Before our friends could recover from their surprise both the Griffin and the Saw-Horse had dashed out of sight.
我らの仲間が、驚きから、回復する前に、グリフィンも、のこぎり馬も、視界から走り去ってしまいました。

●“Come! Let us follow!” cried the Scarecrow. 「さあ、私たちも、追っかけるぞ。」 かかし男が叫びました。

●They ran to the place where the Gump was lying and quickly tumbled aboard.
 彼らは、ガンプがいる場所まで走り、急いで、転がり乗りました。

●“Fly!” commanded Tip, eagerly. 「飛べ!」 ティップは、必死で、命令しました。

●“Where to?” asked the Gump, in its calm voice. 「どこへ?」 ガンプは、静かな声で、尋ねました。

●“I don't know,” returned Tip, who was very nervous at the delay;
 「わからん。」 ティップは、返事しました、彼は、遅れに、やきもきしていました。

“but if you will mount into the air I think we can discover which way Glinda has gone.”
「でも、空中に上がったら、グリフィンが行った方向が、わかると思うよ。」

●“Very well,” returned the Gump, quietly;  「了解」 ガンプは、静かに、返事しました;

and it spread its great wings and mounted high into the air.
そして、大きな羽根を広げて、空中高くにあがりました。

●Far away, across the meadows, they could now see two tiny specks, speeding one after the other;
 ずっと遠く、草原の向こうに、二つの小さな点が、高速で追っかけています;

and they knew these specks must be the Griffin and the Saw-Horse.
これらの点は、グリフィンと、のこぎり馬に違いありません。

So Tip called the Gump's attention to them and bade the creature try to overtake the Witch and the Sorceress.
ティップは、ガンプの注意をこれらに向けさせ、モンビとグリンダに追いつくように命じました。

But, swift as was the Gump's flight, the pursued and pursuer moved more swiftly yet, and within a few moments were blotted out against the dim horizon.
しかし、ガンプの飛行は速いにもかかわらず、追っかけられている者と、追っかけている者は、もっと速く、次の瞬間、かすむ水平線に掻き消えてしまいました。

●“Let us continue to follow them, nevertheless,” said the Scarecrow.
 「それでも、追いかけ続けよう。」 かかし男が、言いました。

“for the Land of Oz is of small extent, and sooner or later they must both come to a halt.”
「オズの国は、小さいので、遅かれ早かれ、行き止まりに達するに違いないよ。」

●Old Mombi had thought herself very wise to choose the form of a Griffin,
 モンビ婆さんは、グリフィンの形を選んだことは、非常に賢明だったと思いました、

for its legs were exceedingly fleet and its strength more enduring than that of other animals.
というのは、その脚は、卓越して速く、体力は、他の動物よりも、ずっと長続きするからです。

But she had not reckoned on the untiring energy of the Saw-Horse, whose wooden limbs could run for days without slacking their speed.
しかし、彼女は、のこぎり馬の疲れを知らないエネルギーを計算に入れていませんでした、彼の木の手足は、何日でも、速度を緩めることなく、走ることができるのでした。

Therefore, after an hour's hard running, the Griffin's breath began to fail, and it panted and gasped painfully, and moved more slowly than before.
それゆえ、一時間の激しい走りの後、グリフィンの息が切れ始め、苦しそうにあえぎ、動きが遅くなってきました。

Then it reached the edge of the desert and began racing across the deep sands.
そして、砂漠の端に到達し、深い砂を横切る競争が始まりました。

But its tired feet sank far into the sand, and in a few minutes the Griffin fell forward, completely exhausted, and lay still upon the desert waste.
しかし、その疲れた脚は、砂に深く沈み、ニ三分もすると、グリフィンは、完全に消耗して、前に倒れました、そして、砂漠の荒れ地の上で、じっとして横たわりました。

●Glinda came up a moment later, riding the still vigorous Saw-Horse;
 グリンダは、一瞬後追いつきました、まだまだ元気なのこぎり馬に乗って;

and having unwound a slender golden thread from her girdle the Sorceress threw it over the head of the panting and helpless Griffin,
そして、グリンダは、帯から一本の細い金の糸をほどいて、あえいでいて、無力なグリフィンの頭のうえに投げました、

and so destroyed the magical power of Mombi's transformation.
そして、モンビの変身の術を破ったのでした。

For the animal, with one fierce shudder, disappeared from view, while in its place was discovered the form of the old Witch, glaring savagely at the serene and beautiful face of the Sorceress.
グリフィンは、一度激しく身震いすると、視界から見えなくなり、その場所に、老魔女が現れました、グリンダの落ち着いた美しい顔を、獰猛ににらんでいます。

 

23. Princess Ozma of Oz オズのオズマ姫

●“You are my prisoner, and it is useless for you to struggle any longer,” said Glinda, in her soft, sweet voice.
 「そなたは、囚われの身よ、もうじたばたしても、無駄ですよ。」 グリンダは、穏やかで甘い声で、言いました。

“Lie still a moment, and rest yourself, and then I will carry you back to my tent.”
「少し横になって、お休みなさい。そのあと、そなたを私のテントに連れていきます。」

●“Why do you seek me?” asked Mombi, still scarce able to speak plainly for lack of breath.
 「どうして、私を捜すのじゃ?」 モンビは、尋ねました、息が切れていて、まだ普通にしゃべることができませんでした。

“What have I done to you, to be so persecuted?”
「私は、あんたに、何をしたっていうの、こんなに苦しめられるなんて?」

●“You have done nothing to me,” answered the gentle Sorceress;
 「そなたは、私に、何もしてませんよ。」 やさしい魔女は、答えました。

“but I suspect you have been guilty of several wicked actions;
「しかし、そなたは、いくつかの悪い行いで有罪ではないかと疑います;

and if I find it is true that you have so abused your knowledge of magic, I intend to punish you severely.”
そして、もし、そなたが、魔法の知識を悪用したことが真実であることがわかったら、私は、そなたを厳しく罰します。」

●“I defy you!” croaked the old hag. “You dare not harm me!”
 「やれるなら、やってみな!」  老婆は、しわがれ声でいいました。「私に手出しできるものか!」

●Just then the Gump flew up to them and alighted upon the desert sands beside Glinda.
 丁度その時、ガンブが飛んできて、砂漠の上、グリンダの傍に、舞い降りました。

Our friends were delighted to find that Mombi had finally been captured,
我が友たちは、モンビがとうとう捕まったことを喜びました、

and after a hurried consultation it was decided they should all return to the camp in the Gump.
そして、急いで相談した結果、彼らは、みな、ガンプに乗ってキャンプ地に戻ることに決定しました。

So the Saw-Horse was tossed aboard, and then Glinda still holding an end of the golden thread that was around Mombi's neck, forced her prisoner to climb into the sofas.
そこで、のこぎり馬が、放りあげられ、続いて、グリンダが、モンビの首の周りに掛けられた金色の糸の端っこを持ちながら、彼女の罪人を強いて、ソファーに乗り込ませました。

The others now followed, and Tip gave the word to the Gump to return.
他の人達が、続き、ティップは、ガンプに戻るように言葉を発しました。

●The journey was made in safety, Mombi sitting in her place with a grim and sullen air;
 旅は、無事に行われました、モンビは、自分の場所に、険しくむっつりした態度で、座っていました;

for the old hag was absolutely helpless so long as the magical thread encircled her throat.
というのは、老婆は、彼女ののどの周りを魔法の糸が巻いている限り、完璧に、手も足もでないからです。

The army hailed Glinda's return with loud cheers, and the party of friends soon gathered again in the royal tent, which had been neatly repaired during their absence.
軍隊は、グリンダの帰還を、大歓声で迎え、友達一行は、女王のテントに再び集まりました。テントは、みなが不在の間に、こぎれいに直されていました。

●“Now,” said the Sorceress to Mombi, “I want you to tell us why the Wonderful Wizard of Oz paid you three visits, and what became of the child, Ozma, which so curiously disappeared.”
 グニンダは、モンビに言いました、「さあ、言っておくれ、何故、オズの素敵な魔法使いは、そなたを三度も訪れたのか、奇妙な具合にいなくなってしまった、オズマという子は、どうなってしまったのか。」

●The Witch looked at Glinda defiantly, but said not a word.
 モンビはグリンダを挑戦的に眺めましたが、一言も、発しませんでした。

●“Answer me!” cried the Sorceress.
 「おこたえなさい!」 グリンダは、叫びました。

●But still Mombi remained silent.  しかし、モンビは、まだ黙ったままです。

●“Perhaps she doesn't know,” remarked Jack.
 「多分、彼女は知らないのでしょう。」 ジャックが言いました。

●“I beg you will keep quiet,” said Tip.  「頼むから、黙っていて。」 ティップが言いました。

“You might spoil everything with your foolishness.”
「お前のおばかさんで、すべてが、台無しになるかもしれないんだよ。」

●“Very well, dear father!” returned the Pumpkinhead, meekly.
 「わかりました、お父さん!”」 カボチャ頭は、おとなしく、返事しました。

●“How glad I am to be a Woggle-Bug!” murmured the Highly Magnified Insect, softly.
 「私が、ワグルバグであることが、何とうれしいことか!」 H.M.ワグルバクは、そっとつぶやきました。

“No one can expect wisdom to flow from a pumpkin.”
「誰も、カボチャから知恵が流れ出すとは、予想できないからね。」

●“Well,” said the Scarecrow, “what shall we do to make Mombi speak?
 かかし男が言いました、「それでは、モンビにしゃべらすには、どうしたらいいでしょう?

Unless she tells us what we wish to know her capture will do us no good at all.”
私たちが知りたいことを彼女が話さない限り、彼女を捕らえていても、何の良いこともないよ。」

●“Suppose we try kindness,” suggested the Tin Woodman.
 「親切を試してみるのは、どうでしょうか。」 ブリキの木こりが提案しました。

“I've heard that anyone can be conquered with kindness, no matter how ugly they may be.”
「誰でも、親切で征服できると聞いたことがあります、どんなに醜いひとであろうともね。」

●At this the Witch turned to glare upon him so horribly that the Tin Woodman shrank back abashed.
 これを聞いて、モンビは、ふり向いて、彼をひどく怖い顔でにらんだので、ブリキの木こりは、たじろいて、ばつが悪そうにしました。

●Glinda had been carefully considering what to do, and now she turned to Mombi and said:
 グリンダは、何をすべきか注意深く考えていましたが、モンビの方を向いて、言いました:

●“You will gain nothing, I assure you, by thus defying us.
 「私は、はっきり言います、そんな風に逆らっても、そなたに、なんの得にもなりませんよ。

For I am determined to learn the truth about the girl Ozma,
私は、オズマという少女について、真実を知ろうと、覚悟を決めています。

and unless you tell me all that you know, I will certainly put you to death.”
もし、あなたの知っていることすべてを話さないということなら、私は、きっと、そなたを死刑にします。」

●“Oh, no! Don't do that!” exclaimed the Tin Woodman.
 「だめ、だめ、それは、止めてください。」 ブリキの木こりが叫びました。

“It would be an awful thing to kill anyone - even old Mombi!”
「人を殺すなんて、恐ろしいことです - モンビ婆さんであっても!」

●“But it is merely a threat,” returned Glinda.
 「でも、これは、単なる脅しですよ。」 グリンダが返しました。

“I shall not put Mombi to death, because she will prefer to tell me the truth.”
「私は、モンビを死刑にしたりは、しません、彼女は、真実を話す方を選ぶでしょうから。」

●“Oh, I see!” said the tin man, much relieved.
 「ああ、わかりました!」 ブリキ男は、言いました、たいそう安心して。

●“Suppose I tell you all that you wish to know,”said Mombi, speaking so suddenly that she startled them all.
 「私が、あなたが知りたいことすべてを話すとして、」 モンビが言いました、突然に話したので、みんなをおどろかてしまいました。

“What will you do with me then?” 「そのとき、私をどうしますか?」

●“In that case,”replied Glinda,“I shall merely ask you to drink a powerful draught which will cause you to forget all the magic you have ever learned.”
 グリンダが答えました、「その場合、私は、ただ、そなたに、強力な一服を飲んでもらうよう頼みます、それは、そなたが、これまでに学んだすべての魔法を忘れさせてくれます。」

●“Then I would become a helpless old woman!”
 「それでは、私は、何もできない老婆になってしまいます。」

●“But you would be alive,” suggested the Pumpkinhead, consolingly.
 「でも、あなたは、生きていけますよ。」 カボチャ頭が、なぐさめるように、言いました。

●“Do try to keep silent!” said Tip, nervously.
 「黙っているようにして!」 ティップが、いらいらしながら、言いました。

●“I'll try,” responded Jack; “but you will admit that it's a good thing to be alive.”
 ジャックが、答えました、「そうします、でも、生きてるのはいいことだって認めるでしょう。」

●“Especially if one happens to be Thoroughly Educated,” added the Woggle-Bug, nodding approval.
 「特に、たまたま、完璧な教育をうける なんてことになればね。」 ウォグルバグが、了解のうなずきをしながら、答えました。

●“You may make your choice,” Glinda said to old Mombi,“between death if you remain silent, and the loss of your magical powers if you tell me the truth.
 「そなたは、選択できます。」グリンダがモンビ婆さんに言いました、「そなたが、沈黙を守ったときの死か、そなたが真実を語ったときの魔力の喪失かの、どちらかをね。

But I think you will prefer to live. でも、私は、そなたが、生きる法を選ぶと思いますよ。

●Mombi cast an uneasy glance at the Sorceress, and saw that she was in earnest, and not to be trifled with.
 モンビは、グリンダに、不安なまなざしを向け、彼女が真剣で、いいかげんにあしらうことはできないと悟りました。

So she replied, slowly: そこで、彼女は、ゆっくり答えました:

●“I will answer your questions.” 「私は、あなたの質問に答えます。」

●“That is what I expected,” said Glinda, pleasantly.
 「それこそ、私が思っていたことです。」 グリンダは、喜んで言いました。

“You have chosen wisely, I assure you.” 「そなたは、賢い選択をしました、保証します。」

●She then motioned to one of her Captains, who brought her a beautiful golden casket.
 グリンダは、隊長の一人に合図しました。彼は、美しい金色の宝石箱を持ってきました。

From this the Sorceress drew an immense white pearl, attached to a slender chain which she placed around her neck in such a way that the pearl rested upon her bosom, directly over her heart.
箱から、グリンダは、大きな白い真珠を取り出しました、それは、細い鎖に付いていて、グリンダは、その鎖を彼女の首にかけ、真珠が彼女の胸のうえの、直接、彼女の心臓の上にくるようにしました。

●“Now,” said she, “I will ask my first question: Why did the Wizard pay you three visits?”
 彼女は、言いました、「では、最初の質問をします: 何故、魔法使いは、そなたを三度訪問したのですか?」

●“Because I would not come to him,” answered Mombi.
 「私が、彼の所に、行こうとしなかったからさ。」 モンビが答えました。

●“That is no answer,” said Glinda, sternly. “Tell me the truth.”
 「答えになっていません。」 グリンダは、厳しく、言いました。「真実をおいいなさい。」

●“Well,”returned Mombi, with downcast eyes,“he visited me to learn the way I make tea-biscuits.”
  モンビは、目を下に向けて、答えました、「ああ、彼は、お茶菓子の作り方を学ぶために、やってきました。」

●“Look up!” commanded the Sorceress. 「顔をあげなさい!」 グリンダは、命令しました。

●Mombi obeyed. モンビは、従いました。

●“What is the color of my pearl?” demanded Glinda.
 「私の真珠の色は、何ですか?」 グリンダが、聞きました。

●“Why - it is black!” replied the old Witch, in a tone of wonder.
 「おや、黒ですね。」 モンビ婆さんは、おどろきの口調で、答えました。

●“Then you have told me a falsehood!” cried Glinda, angrily.
 「それでは、そなたは、私にうそを言ったのです!」 グリンダは、怒って、叫びました。

“Only when the truth is spoken will my magic pearl remain a pure white in color.”
「真実が話されたときだけ、私の魔法の真珠は、純粋な白色にとどまるのです。」

●Mombi now saw how useless it was to try to deceive the Sorceress;
 モンビは、グリンダを騙そうとしても、それが如何に無駄かを悟りました。

so she said, meanwhile scowling at her defeat:
そこで、彼女は、言いました、敗北に顔をしかめながら:

●“The Wizard brought to me the girl Ozma, who was then no more than a baby, and begged me to conceal the child.”
 「魔法使いは、オズマという少女を連れてきたわ、彼女はほんの赤ん坊でした、そして、その子を隠してくれるように頼んだのさ。」

●“That is what I thought,” declared Glinda, calmly.
 「思っていた通りね。」  グリンダは、しずかに、言いました。

“What did he give you for thus serving him?”
 「彼にそうしてあげたことに対して、彼は、何をくれたんですか?」

●“He taught me all the magical tricks he knew.
 「彼は、知っている魔術をみんな教えてくれたよ。

Some were good tricks, and some were only frauds; but I have remained faithful to my promise.”
いくつかは、いい魔術だったけど、いくつかは、単なるインチキだったわ。でも、私は、約束を忠実に守ったのよ。」

●“What did you do with the girl?” asked Glinda;
 「その女の子は、どうしたのですか?」 グリンダが尋ねました。

and at this question everyone bent forward and listened eagerly for the reply.
そして、この質問に、みんな前かがみになり、熱心に、答えを聞きました。

●“I enchanted her,” answered Mombi. 「彼女に、魔法をかけたのさ。」 モンビは、答えました。

●“In what way?” 「どんな風に?」

●“I transformed her into - into - “ 「変身させたのさ、その子を・・・」

●“Into what?” demanded Glinda, as the Witch hesitated.
 「何にですって?」 モンビが躊躇しているので、グリンダは、要求しました。

●“Into a boy!” said Mombi, in a low tone. 「男の子にさ。」 モンビは、低い声で言いました。

“A boy!” echoed every voice;  「男の子ですって!」 みんなの声が、響きました。

and then, because they knew that this old woman had reared Tip from childhood, all eyes were turned to where the boy stood.
そして、みんなは、この老婆が、ティップを子供の時から育てていたことを知っているので、みんなの目は、少年がいるところに向けられました。

●“Yes,” said the old Witch, nodding her head;
 「そうさ。」 モンビ婆さんは、うなずきながら、言いました。

“that is the Princess Ozma - the child brought to me by the Wizard who stole her father's throne.
「あいつが、オズマ姫さ - 彼女のお父さんから玉座を奪ったあの魔法使いが私のところに連れてきた子供さ。

That is the rightful ruler of the Emerald City!”
あいつが、エメラルド・シティの正統な支配者なのさ!」

and she pointed her long bony finger straight at the boy.
そういうと、モンビは、長い骨ばった指で、まっすぐ少年を指しました。

●“I!” cried Tip, in amazement. 「私!」 ティップは、驚いて、叫びました。

“Why, I'm no Princess Ozma - I'm not a girl!” 「僕は、オズマ姫じゃない。女の子じゃない!」

●Glinda smiled, and going to Tip she took his small brown hand within her dainty white one.
 グリンダは、微笑んで、ティップのところに行き、彼の小さな茶色の手を取って、彼女の上品な白い手のなかに包みました。

●“You are not a girl just now” said she, gently, “because Mombi transformed you into a boy.
 彼女は、やさしく言いました、「あなたは、今は、女の子じゃないわ、モンビが男の子に変えたんですからね。

But you were born a girl, and also a Princess;
でも、あなたは、女の子に生まれ、そして、お姫様として生まれたのよ;

so you must resume your proper form, that you may become Queen of the Emerald City.”
あなたは、正しい姿を取り戻さなきゃいけないの、エメラルト・シティの女王になるためにね。」

●“Oh, let Jinjur be the Queen!” exclaimed Tip, ready to cry.
 「ああ、ジンジャを女王にしてよ。」ティップは、叫びました、いまにも、泣きそうになって。

“I want to stay a boy, and travel with the Scarecrow and the Tin Woodman, and the Woggle-Bug, and Jack - yes! and my friend the Saw-Horse - and the Gump!
「僕は、男の子でいたい、そして、一緒に旅したい、かかし男やブリキのきこりと、ウォグルバグと、ジャックと、そう、そして、友達の のこぎり馬と、として、ガンプと!

I don't want to be a girl!” 僕は、女の子になりたくない!」

●“Never mind, old chap,” said the Tin Woodman, soothingly;
 「心配しなさんな、ボク。」 ブリキのきこりが、なだめるように言いました。

“it don't hurt to be a girl, I'm told;  「女の子になっても、困ることはないって、聞いたことがあるよ;

and we will all remain your faithful friends just the same.
それに、僕たちは、全く同じに、誠実な友達であり続けるよ。

And, to be honest with you, I've always considered girls nicer than boys.”
それに、正直言って、私は、ずっと思ってきたんだよ|女の子のほうがずっといいと|男の子よりも|。」

●“They're just as nice, anyway,” added the Scarecrow, patting Tip affectionately upon the head.
 「女の子も男の子も、丁度、同じく良いのさ。」 かかし男が、加えました、ティップの頭を、愛情をこめてたたきながら。

●“And they are equally good students,” proclaimed the Woggle-Bug.
 「それに、彼らは、等しく、良い生徒さ。」 ウォグルバグが、宣言しました。

“I should like to become your tutor, when you are transformed into a girl again.”
「私は、あなたの家庭教師になりたいですよ、あなたが、変身されたときには|女の子に、再び|。」

●“But - see here!” said Jack Pumpkinhead, with a gasp:
 「しかし、ちょっと、待った!」 カボチャ頭のジャックが、あえぎながら言いました。

“if you become a girl, you can't be my dear father any more!”
「もし、あなたが、女の子になると、あなたは、私のお父さんに、もはやなれないんですよ。」

●“No,” answered Tip, laughing in spite of his anxiety.
 「そうだね。」 ティップは、答えました。彼の不安とは逆に、笑いながら。

“and I shall not be sorry to escape the relationship.”
「それに、私は、別に残念ではないわ、親子の関係から脱することは。」

Then he added, hesitatingly, as he turned to Glinda:
そして、彼は、付け加えました、躊躇しながらも、グリンダの方を向いて:

“I might try it for awhile, - just to see how it seems, you know.
「ちょっとの間なら、試してみてもいいかも、 - どんな風なのかみるためにね、ね。

But if I don't like being a girl you must promise to change me into a boy again.”
でも、女の子でいるのが、好きでなかったら、男の子にもどしてくれると約束してくれないといけないよ。」

●“Really,” said the Sorceress, “that is beyond my magic.
 グリンダは、言いました。「実はね、それは、私の魔法を超えているの。

I never deal in transformations, for they are not honest, and no respectable sorceress likes to make things appear to be what they are not.
私は、決して、変身を、扱わないの、変身は、正直じゃないから、そして、立派な魔女は、誰も、物を、そうではない物に見せることが、好きではないのよ。

Only unscrupulous witches use the art, and therefore I must ask Mombi to effect your release from her charm, and restore you to your proper form.
不道徳な魔女だけが、その魔術を使うの、だから、私は、モンビに頼まなければならないわけ、彼女の魔術から、あなたを解放し、あなたを本来の形にもどすことをね。

It will be the last opportunity she will have to practice magic.”
それは、彼女が魔術をおこなわなければならない最後の機会になるでしょうね。」

●Now that the truth about Princes Ozma had been discovered, Mombi did not care what became of Tip;
 オズマ姫に関する真実が、明るみになった今、モンビは、ティップがどうなろうと、構いませんでした;

but she feared Glinda's anger, and the boy generously promised to provide for Mombi in her old age if he became the ruler of the Emerald City.
しかし、モンビは、グリンダの怒りを恐れましたし、少年は、年取ったモンビの面倒を見ることを、寛大にも、約束してくれました。

So the Witch consented to effect the transformation, and preparations for the event were at once made.
そこで、モンビは、変身の術をおこなうことに同意しました、そして、そのための準備が、すぐなされました。

●Glinda ordered her own royal couch to be placed in the center of the tent.
 グリンダは、自分の王室長椅子を、テントの中心に置くように命じました。

It was piled high with cushions covered with rose-colored silk,
それには、バラ色のシルクで覆われたクッションが高く積み重ねられていました。

and from a golden railing above hung many folds of pink gossamer, completely concealing the interior of the couch.
頭上の金色のカーテンレールから、ピンク色の極薄の布がたくさんひだをなして、つりさげられていて、長椅子の中を完全に隠していました。

●The first act of the Witch was to make the boy drink a potion which quickly sent him into a deep and dreamless sleep.
 モンビの最初の仕事は、少年に、薬を一服飲ませることで、少年は、すぐに、夢を見ない深い眠りにつかせました。

Then the Tin Woodman and the Woggle-Bug bore him gently to the couch, placed him upon the soft cushions, and drew the gossamer hangings to shut him from all earthly view.
そして、ブリキのきこりと、ウォグルバグは、彼を、優しく、長椅子に運び、やわらかいクッションの上に置きました、そして、薄布の垂れ幕を引いて、あらゆる地上の視界から彼を遮断しました。

●The Witch squatted upon the ground and kindled a tiny fire of dried herbs, which she drew from her bosom.
 モンビは、地面にしゃがみ込み、彼女の胸元から取り出した、乾燥ハーブに小さい火を灯しました。

When the blaze shot up and burned clearly old Mombi scattered a handful of magical powder over the fire,
炎が上がり、はっきりと燃え出すと、モンビ婆さんは、一掴みの魔法の粉を火の上に撒きました、

which straightway gave off a rich violet vapor, filling all the tent with its fragrance and forcing the Saw-Horse to sneeze - although he had been warned to keep quiet.
火は即座に、深い紫色の煙を放ち、テント中をその香りで満たし、のこぎり馬は、くしゃみをしてしまいました - 彼は、静かにするようにときつく言われていたのですが。

●Then, while the others watched her curiously, the hag chanted a rhythmical verse in words which no one understood, and bent her lean body seven times back and forth over the fire.
 そして、皆が興味深く見ている中、老婆は、リスミカルに歌を歌いました、誰にも理解できない言葉で、そして、彼女の細い体を、火のうえで、前後に7回曲げました。

And now the incantation seemed complete, for the Witch stood upright and cried the one word “Yeowa!” in a loud voice.
そして今、呪文は完了したようです、モンビは、立ち上がって、一言 『イョワー』と、大きな声で叫びました。

●The vapor floated away; the atmosphere became clear again; a whiff of fresh air filled the tent,
 煙は、流れ去りました;空気は、再び、澄みわたりました;新鮮な空気のひと吹きが、テントを満たしました、

and the pink curtains of the couch trembled slightly, as if stirred from within.
そして、長椅子のピンクのカーテンが、少し揺れました、内側からゆすられているかのように。

Glinda walked to the canopy and parted the silken hangings.
グリンダは、天蓋に歩み寄り、絹の垂れ幕を開きました。

Then she bent over the cushions, reached out her hand, and from the couch arose the form of a young girl, fresh and beautiful as a May morning.
彼女は、クッションの上に屈み、手を差し伸べました、すると、長椅子から、若い女の子の姿が起き上がりました、5月の朝のように、フレッシュで、美しい女の子の。

Her eyes sparkled as two diamonds, and her lips were tinted like a tourmaline.
彼女の目は、二個のダイヤモンドのように輝き、彼女の唇は、トルマリン(電気石、10月の誕生石)のような色をしていました。

All adown her back floated tresses of ruddy gold, with a slender jeweled circlet confining them at the brow.
彼女の背中全体に、赤みかかった金色のふさふさとした髪が、浮かんでいました、宝石で飾られた細い飾り輪が、額のところで、髪を止めていました。

Her robes of silken gauze floated around her like a cloud, and dainty satin slippers shod her feet.
シルクのガーゼのローブは、彼女の周りを雲のように浮いていました、そして、足には、優美なサテンの靴を履いていました。

●At this exquisite vision Tip's old comrades stared in wonder for the space of a full minute,
 この妙なる眺めに、ティップの昔からの仲間たちは、驚嘆して凝視しました、たっぷり1分間もの間、

and then every head bent low in honest admiration of the lovely Princess Ozma.
そして、すべての頭が(深々と)下げられました、愛らしいオズマ姫を心から称賛して。

The girl herself cast one look into Glinda's bright face, which glowed with pleasure and satisfaction, and then turned upon the others.
少女は、グリンダの輝いた顔を、一瞥しました、それは、よろこびと満足で、紅潮していました、そして、次に、少女は、みんなの方を向きました。

Speaking the words with sweet diffidence, she said:
言葉を甘くはにかみながら話して、彼女は、言いました:

●“I hope none of you will care less for me than you did before.
 「私は、望みます|あなたがたのうちの誰一人として、以前より私のことを好きでなくなるなんてことがないように|。

I'm just the same Tip, you know; only - only -“
私は、まさに、同じ、ティップなのです。ただ、ただ、・・・・。」

●“Only you're different!” said the Pumpkinhead;
 「ただ、あなたは、違うんです。」 カボチャ頭は、言いました。

説明 only you are different を、「ただ、あなたは、変わっただけなのです」 とする翻訳が多いのですが、

   different に、変化した という意味はないと思いましたので、違う と訳しました。

   「あなたは、違うんです、あなたは、特別なんです」 という意味だと解釈しましたが、いかがでしょうか。

and everyone thought it was the wisest speech he had ever made.
そして、みんなも、思いました|それは、彼がこれまでにした話の中で、最も賢明だと|。

 

24. The Riches of Content  中味の豊かさ

●When the wonderful tidings reached the ears of Queen Jinjur
 この素晴らしい知らせが、女王ジンジャの耳に届いたとき、

- how Mombi the Witch had been captured;
- いかにして、魔女のモンビが捕まり;

how she had confessed her crime to Glinda;
いかにして、モンビが彼女の罪をグリンダに語り;

and how the long-lost Princess Ozma had been discovered in no less a personage than the boy Tip -
そして、いかにして、長く不明だったオズマ姫が、他ならぬ、少年ティップその人であると分かったか -

she wept real tears of grief and despair.
彼女は、悲しみと絶望の、本当の涙を流して、泣きました。

●“To think,” she moaned, “that after having ruled as Queen, and lived in a palace, I must go back to scrubbing floors and churning butter again!
 彼女は、うめきました、「女王として、君臨し、宮殿に住んだ後、元に戻って、また、床をごしごし磨いたり、バターをかき混ぜなきゃならない、と思うと。

It is too horrible to think of! I will never consent!”
そんなこと、考えるのもいやだわ! 絶対に、納得しないわ!」

●So when her soldiers, who spent most of their time making fudge in the palace kitchens, counseled Jinjur to resist, she listened to their foolish prattle and sent a sharp defiance to Glinda the Good and the Princess Ozma.
 そこで、宮殿の台所で、殆どの時間、お菓子を作っていた、彼女の兵士たちが、ジンジャに、抵抗するよう助言すると、彼女は、そのばかげたおしゃべりを聞き入れて、辛辣な挑戦状を、善き魔女グリンダと、オズマ姫に送りました。

The result was a declaration of war,  結果は、宣戦布告でした。

and the very next day Glinda marched upon the Emerald City with pennants flying and bands playing, and a forest of shining spears, sparkling brightly beneath the sun's rays.
そして、まさに、その次の日、グリンダは、エメラルド・シティに進軍しました、三角旗をたなびかせ、楽団が演奏しながら、そして、太陽光の下で明るくキラめいている林立する輝く槍とともに。

●But when it came to the walls this brave assembly made a sudden halt; for Jinjur had closed and barred every gateway, and the walls of the Emerald City were builded high and thick with many blocks of green marble.
 しかし、この勇ましい集団は、(シティの)壁に来て、突然止まりました。ジンジャが、すべての入口を閉めて、かんぬきをかけたからです。エメラルド・シティの壁は、沢山の緑の大理石のブロックで、高く、ぶ厚く作られていました。

Finding her advance thus baffled, Glinda bent her brows in deep thought, while the Woggle-Bug said, in his most positive tone:
 前進がこのように挫折したことを知り、グリンダは、眉をひそめて、深く考えました、すると、ウォグルバグが、彼の最も積極的な調子で、言いました:

●“We must lay siege to the city, and starve it into submission. It is the only thing we can do.”
 「私たちは、シティを包囲し、飢えさせて、降伏にもちこまねばなりません。それが、唯一の方法です。」

●“Not so,” answered the Scarecrow.  「そうでは、ありません。」 かかし男が答えました。

“We still have the Gump, and the Gump can still fly”
「私たちは、まだ、ガンプを持っています。ガンプは、まだ、飛ぶことができます。」

●The Sorceress turned quickly at this speech, and her face now wore a bright smile.
 グリンダは、この話を聞いて、そちらを向きました。彼女の顔は、明るく笑っていました。

●“You are right,” she exclaimed, “and certainly have reason to be proud of your brains.
彼女は、叫びました、「あなたは、正しい。あなたの脳みそを自慢するだけの理由をお持ちです。

Let us go to the Gump at once!” ガンプのところに、すぐ、行きましょう。」 

●So they passed through the ranks of the army until they came to the place, near the Scarecrow's tent, where the Gump lay.
 そこで、彼らは、軍隊の隊列の中を通過して、かかし男のテントの傍の、ガンプがいる場所にやってきました。

Glinda and Princess Ozma mounted first, and sat upon the sofas.
グリンダと、オズマ姫が、最初に乗り込み、ソファの上に座りました。

Then the Scarecrow and his friends climbed aboard, and still there was room for a Captain and three soldiers, which Glinda considered sufficient for a guard.
そして、かかし男と、その友達が、登って、乗り込みました、まだ、隊長一人と、兵士三人の余裕がありました、これで、グリンダは、護衛に十分と考えました。

●Now, at a word from the Princess, the queer Thing they had called the Gump flopped its palmleaf wings and rose into the air, carrying the party of adventurers high above the walls.
 さて、姫の一声で、彼らがガンプとよぶ、この奇妙な物は、シュロの葉の翼を羽ばたいて、空中に上昇し、冒険者たちの一行を壁の上、高くに運びました。

They hovered over the palace, and soon perceived Jinjur reclining in a hammock in the courtyard, where she was comfortably reading a novel with a green cover and eating green chocolates, confident that the walls would protect her from her enemies.
彼らは、宮殿の上を舞い、すぐに、ジンジャが、中庭で、ハンモックの中に仰向けになっているのに気づきました、そこで、彼女は、緑色の表紙の小説を心地よさそうに読み、緑色のチョコレートを食べていました、壁が彼女を敵から守ってくれると確信して。

Obeying a quick command, the Gump alighted safely in this very courtyard, and before Jinjur had time to do more than scream, the Captain and three soldiers leaped out and made the former Queen a prisoner, locking strong chains upon both her wrists.
即座の命令に従って、ガンプは、その中庭に、安全に降りました、そして、ジンジャが、叫ぶ以上のことをする暇を持つ前に、隊長と三人の兵士が飛び出して、元女王を捕虜にし、彼女の両手首を強力な鎖でロックしました。

●That act really ended the war;  この行為で、実際、戦争は終わりました。

for the Army of Revolt submitted as soon as they knew Jinjur to be a captive,
反乱軍は、降伏したのです、ジンジャが捕虜になったことを知るとすぐに。

and the Captain marched in safety through the streets and up to the gates of the city, which she threw wide open.
隊長は、更新しました、安全に、街を通って、シティの玄関まで、そして、玄関を開け放ちました。

Then the bands played their most stirring music while Glinda's army marched into the city,
そして、楽団が彼らの最も感動的な音楽を演奏し、グリンダの軍隊は、シティの中を行進しました。

and heralds proclaimed the conquest of the audacious Jinjur and the accession of the beautiful Princess Ozma to the throne of her royal ancestors.
そして、伝令たちが、宣言しました、身勝手なジンジャが征服され、美しいオズマ姫が先祖代々の王位を継承したことを。

●At once the men of the Emerald City cast off their aprons.
 すぐさま、エメラルド・シティの男たちは、エプロンを投げ捨てました。

And it is said that the women were so tired eating of their husbands' cooking that they all hailed the conquest of Jinjur with joy.
そして、聞くところによると、女たちは、夫の料理を食べることにうんざりしていたので、ジンジャの征服を大喜びで歓迎しました。

説明 conquest of Jinjur ジンジャの征服 は、日本語的には、ジンシジャの敗北 defeat of Jinjur なので、

    他の翻訳では、ジンジャの敗北 となっています。

Certain it is that, rushing one and all to the kitchens of their houses, the good wives prepared so delicious a feast for the weary men that harmony was immediately restored in every family.
確かなことには、誰も彼もが、我が家の台所に突進し、良い妻たちは、疲れた男たちのために、たいそう美味しいごちそうを作ったので、すべての家庭で、すぐ調和が回復しました。

●Ozma's first act was to oblige the Army of Revolt to return to her every emerald or other gem stolen from the public streets and buildings;
 オズマ姫の最初の行為は、反乱軍に義務付けて、公の通りや建物から盗まれたエメラルドや他の宝石をすべて返還させました。

and so great was the number of precious stones picked from their settings by these vain girls, that every one of the royal jewelers worked steadily for more than a month to replace them in their settings.
これらの虚しい少女たちによって、その台枠から摘み取られた宝石の数は莫大だったので、王室の宝石職人が、みな、一月以上堅実に働いて、もとの台枠にもどしました。

●Meanwhile the Army of Revolt was disbanded and the girls sent home to their mothers.
 その間に、反乱軍は、解散させられ、少女たちは、母親のもとに送られました。

On promise of good behavior Jinjur was likewise released.
良い行いをするとの約束で、ジンジャも、解放されました。

●Ozma made the loveliest Queen the Emerald City had ever known;
 オズマは、エメラルド・シティがこれまでに知っている最も愛らしい女王でした。

and, although she was so young and inexperienced, she ruled her people with wisdom and justice.
そして、彼女は、若く未経験でしたが、知恵と正義で、人民を統治しました。

For Glinda gave her good advice on all occasions;
グリンダが、なにかにつけ、良いアドバイスをしてくれたからです;

and the Woggle-Bug, who was appointed to the important post of Public Educator, was quite helpful to Ozma when her royal duties grew perplexing.
そして、ウォグルバグは、教育大臣という重要な役に任命され、オズマの王としての仕事が厄介になってくると、彼女を大いに助けました。

●The girl, in her gratitude to the Gump for its services, offered the creature any reward it might name.
 オズマは、ガンプに、その働きに感謝して、提案しました|任意の報酬をあげなさいと|。

●“Then,” replied the Gump, “please take me to pieces.
 ガンプは、答えました、「それでは、どうか、私をバラバラにして下さい。

I did not wish to be brought to life, and I am greatly ashamed of my conglomerate personality.
私は、望んで、命をもらったのではありません、そして、私は、自分の寄せ集めの人格を大変恥じています。

Once I was a monarch of the forest, as my antlers fully prove;
かつて、私は、森の王者でした、私の枝角が、十分証明するように;

but now, in my present upholstered condition of servitude, I am compelled to fly through the air - my legs being of no use to me whatever.
しかし、今は、この布張りの条件の隷属状態で、空を飛ぶことを強いられています - 私の脚は、何の役にも立っていません。

Therefore I beg to be dispersed.” したがって、私は、消散したいのです。

●So Ozma ordered the Gump taken apart.  オズマは、ガンプをバラバラにするよう命じました。

The antlered head was again hung over the mantelpiece in the hall,
枝角のある頭部は、再び、ホールのマントルピース(炉棚)の上に掛けられました、

and the sofas were untied and placed in the reception parlors.
そして、ソファーは、ほどかれて、応接室に置かれました。

The broom tail resumed its accustomed duties in the kitchen,
尻尾のほうきは、台所での慣れた仕事に、もどりました。

and finally, the Scarecrow replaced all the clotheslines and ropes on the pegs from which he had taken them on the eventful day when the Thing was constructed.
そして、最後に、かかし男は、洗濯用ロープなどを、ペグ(掛けくぎ)に戻しました、「もの」が作られたあの多事の日に彼がそこから持ってきたペグに。

●You might think that was the end of the Gump; and so it was, as a flying-machine.
 あなたは、これが、ガンプの最後だと、お思いでしょう。たしかに、飛行機械としては、そうでした。

But the head over the mantel-piece continued to talk whenever it took a notion to do so,
しかし、炉棚の上の頭部は、話したいことがあるといつでも、話すことを続けました、

and it frequently startled, with its abrupt questions, the people who waited in the hall for an audience with the Queen.
そして、しばしば、突然に質問して、驚かせたのです、女王に謁見するためにホールで待っていた人々を。

●The Saw-Horse, being Ozma's personal property, was tenderly cared for;
 のこぎり馬は、オズマの個人的な財産として、優しく面倒がみられました;

and often she rode the queer creature along the streets of the Emerald City.
そして、しばしば、彼女は、この不思議な生き物に乗って、エメラルド・シティの通りに出かけました。

She had its wooden legs shod with gold, to keep them from wearing out,
彼女は、馬の木の足に金の蹄鉄を履かせました、足がすりへってしまわないように。

and the tinkle of these golden shoes upon the pavement always filled the Queen's subjects with awe as they thought upon this evidence of her magical powers.
そして、金の靴が舗装の上で音を立てると、女王の臣下たちは、畏敬の念でいっぱいになりました、この彼女の魔術の力の証拠について考えて。

●“The Wonderful Wizard was never so wonderful as Queen Ozma,” the people said to one another, in whispers;
 「不思議な魔法使いは、決して、オズマ姫ほど不思議ではなかったね。」 人々は、互いに、ささやきました。

“for he claimed to do many things he could not do; whereas our new Queen does many things no one would ever expect her to accomplish.”
「彼は、彼にできない沢山のことをできると言ったけど、我らの新女王は、彼女にできるなんて思わなかった沢山のことをなさってるんだからね。」

●Jack Pumpkinhead remained with Ozma to the end of his days;
 カボチャ頭のジャックは、彼の最後の日まで、オズマと一緒にいました;

and he did not spoil as soon as he had feared, although he always remained as stupid as ever.
彼は、彼が恐れていたほどすぐには、駄目になりませんでした、しかし、彼は、ずったおバカのままでした。

The Woggle-Bug tried to teach him several arts and sciences;
ウォグルバグは、彼に、技術や科学をいくつか教えようとしました;

説明 art は、訳すのが難しい単語です。芸術、美術と訳すべきときと、技術、技能と訳すべきときがあり、その中間のときは、困ってしまいます。

but Jack was so poor a student that any attempt to educate him was soon abandoned.
しかし、ジャックは、余りにだめな生徒でしたので、彼を教育しようという試みは、すぐに、放棄されました。

●After Glinda's army had marched back home, and peace was restored to the Emerald City, the Tin Woodman announced his intention to return to his own Kingdom of the Winkies.
 グリンダの軍隊が、行進して国にもどり、エメラルド・シティに平和が回復すると、ブリキの木こりは、彼のウィンキーの国に戻りたい意向を発表しました。

●“It isn't a very big Kingdom,” said he to Ozma, “but for that very reason it is easier to rule;
 彼は、オズマ、言いました、「それは、大きな王国ではないけれど、それだけに、統治はしやすいんです;

and I have called myself an Emperor because I am an Absolute Monarch, and no one interferes in any way with my conduct of public or personal affairs.
私は、絶対君主なので、自分のことを皇帝とよんできました、そて、誰も、私の公的な事や私的な事での振る舞いを、どんな風にも、じゃましたりしません。

When I get home I shall have a new coat of nickel plate;
国にもどったら、ニッケル メッキを新しくするつもりです;

for I have become somewhat marred and scratched lately;
最近、いささか、傷がついたり、ひっかかれたりしたようです;

and then I shall be glad to have you pay me a visit.”
あなたに、訪問していただければ、うれしいです。」

●“Thank you,” replied Ozma. “Some day I may accept the invitation.
 「ありがとう」 オズマは、答えました。「いつの日か、ご招待をお受けいたしますわ。

But what is to become of the Scarecrow?” で、かかし男は、どうなるの?」

●“I shall return with my friend the Tin Woodman,” said the stuffed one, seriously.
 「私は、我が友のブリキの木こりと一緒に戻ることにするよ。」 かかし男は、真面目に、言いました。

“We have decided never to be parted in the future.”
「私たちは、将来も、決して別れないって決めたんです。」

●“And I have made the Scarecrow my Royal Treasurer,” explained the Tin Woodman.
 「私は、かかし男を我が財務大臣にしました。」 ブリキ男が説明しました。

“For it has occurred to me that it is a good thing to have a Royal Treasurer who is made of money.
「思いついたんです、お金で作られた財務大臣を持つことは、良いことだって。

What do you think?” どう思います?」

●“I think,” said the little Queen, smiling, “that your friend must be the richest man in all the world.”
 小さな女王は、笑いながら言いました、「あなたのお友達は、世界中で、最もお金持ちな人に違いないって、思いますわ。」

●“I am,” returned the Scarecrow.
 「その通りです。」 かかし男が言いました。

“but not on account of my money.   でも、お金が理由ではありません。

For I consider brains far superior to money, in every way.
僕は、どうみても、頭のほうが、お金より、ずっと良いと思います。

You may have noticed that if one has money without brains, he cannot use it to advantage;
あなたも、お気づきになるでしょう、お金をもっていても、頭がなければ、それを有利に使うことができないんです。

but if one has brains without money, they will enable him to live comfortably to the end of his days.”
でも、頭をもっていて、お金がなくても、頭は、彼を、心地よく生かせてくれるんです、彼の最後の日まで。」

●“At the same time,” declared the Tin Woodman, “you must acknowledge that a good heart is a thing that brains can not create, and that money can not buy.
 ブリキの木こりは、きっぱりと言いました、「同時に、認めなくちゃいけない、良い心は、頭でつくることはできず、お金で買うこともできないってことを。

Perhaps, after all, it is I who am the richest man in all the world.”
多分、結局のところ、私こそが、世界で、もっとも豊かなんです。」

●“You are both rich, my friends,” said Ozma, gently;
 「あなたたちは、二人とも、豊かなのよ。」 オズマは、やさしく、言いました。

“and your riches are the only riches worth having - the riches of content!”
「そして、あなたたちの持っている豊かさは、持つに値する唯一の豊かさなのよ。中味の豊かさ なのよ。」

説明 content には、二つの意味があります。アクセントの位置が違うので、耳では、区別できます。

    アクセントが前半にくると、抽象名詞としては、要旨、中味、可算名詞としては、含有量、中味です。

    アクセントが後半にくると、抽象名詞で、満足 という意味です。

    既存の翻訳では、riches of content を、満足という名の豊かさ とか 満ち足りることの幸せ としているのですが、

    わたしは、中味(中身)の豊かさ としました。 お金じゃなくて、中味に、頭や心を持っている方が、豊かなのです。

The End  おしまい

 

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